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谷川証人 せんだ
つて檢察廳におきまして、実は突然そうい
つたような
お尋ねを受けました。私唐突でありましたので十分記憶を喚び起すことができなか
つたのであります。いろいろと
考え合わして見まして、どうも二回にわた
つて五万円ずつという
お金を三厨さんから
受取つたというはつきりした記憶を喚び起うことができなか
つたのであります。それと申しますのも、先ほど申しましたように三厨さんとは特別な
関係が生じまして、夜となく、朝となくいろいろ私も連絡をいたしますし、三厨さんからもいろいろ事務上その他のことにつきまして御連絡をいただいている。またわれわれの毎日の生活におきましても、いろいろ
関係が深くなりまして、金銭上におきましても、同君と私との間にはいろいろ出入等もありましたので、どうもはつきりした記憶を喚び起すことができなか
つたのであります。その後に至りましてもいろいろ
考えているのでありますが、そのとき指順されてお話を承りました第二回目の点につきましてまずお答えさしていただきたい。それ
はちようど選挙の投票の少し前であ
つたのでありますが、三厨さんがわざわざ東京から私の應援に來てくださ
つた。
ちようど私はその際、私の
選挙区の南の島嶼の地方をまわ
つておりまして、最後の一週間というものは
選挙事務所へ帰
つてまいらなか
つた。帰
つてまいりましたのは投票当日の四月二十五日の夕方でございました。そこで初めて三厨さんが私の不在中に應換に來てくださ
つていることを
承知いたしたような次第であります。そして私は一日私の
選挙事務所のある所におりまして、直ちに
選挙事務所を閉鎖いたしまして、生れ故郷に帰
つてそこに一夜を過して、直ちに出京してまい
つたような次第であります。その際に私の妻が三厨さんの御好意によ
つて五万円を
陣中見舞としていただいているのではないかということを檢察廳で
お尋ねを願
つたのでありますが、私はその際いなか
つたもでありますから、これに対して何ともお答えすることができなか
つたのであります。翌日妻が召喚を受けまして、この問題に対して
お尋ねを願いました。これに対して妻は、その際あま取込んりにでお
つたために、はつきりそういうものをいただいたことを記憶いたしておりません、こうお答えいたしたそうであります。その後、三厨さんが私
どものために非常に御協力をいただいているのだ、よく
考え出してみてくれということを私は申しているのでありますが、どうもあの匆々の際にではあ
つたけれ
ども、そういう
お金をいただいたことを記憶していない。こういうことを実は申しておるような次第であります。
それから前の五万円をいただいたというお話でありますが、これにつきまして実は私もいろいろ記憶を喚び起すべく
考えてみておるのでありますが、どうも私が
選挙のために五万円いただいたということを思い出せないような次第でございます。