○永江國務
大臣 第一の米價の決定のことでありますが、これは申すまでもなく、私は適正米價の方針をとりたいと思います。その実際問題といたしましては、合理的に
考えていきますればあるいは米價のスライド制ということが
考えられるかもしれませんが、やはり今日では米價の決定はパリティ計算による方式をと
つていくよりほかはないと
考えております。しかしそのパリティのいろいろな品目及びウエイトの置き方については、なお私
どもは十分
檢討を加えた上で、本年産の米價についてもパリティ計算をと
つていきたいと
考えておるわけであります。
それから
食糧については自給自足をすべきであるという御見解については、私もそうありたいと思
つておるのでありますが、しかしこれは実現ということになりますと、非常にわが國の
事情から申しまして困難ではないかと思うのであります。
從つてある
程度は輸入
食糧というものを、どうしても仰がなければならぬ形にありますので、この点はこの
法案に三年間と限界をも
つております間において、
先ほどもお答えしたように、わが國における
食糧事情の好轉ということの中に、外米の輸入ということを一應
考えの中に入れて私はお答えをしたのでありまして、
將來はこれがいわゆる占領軍の放出物資によ
つてまかなうのではなくて、
日本のいわゆる自主的な
考えにより、
外國食糧の輸入という面から
考えていき得ることでありますから、その際においては、よく言われますように、諸
外國の廣大な
農業経営の
合理化されたものから
生産された農産物の自由なる輸入が、わが國の農村
経済に非常な強激な
影響を與えまして、その結果
農村恐慌が起きるというようなことに非常な心配があることも当然でありますから、私は
農村恐慌ということの限界を十分に
檢討いたしまして、その限界を越えざる範囲におきましては、やはり一定量のものを
日本の自主的な
考えにより
外國食糧の輸入によ
つてまかないながら、國内における農村
経営というものが高度に成立
つていくようにいたしたいと思
つておるのであります。
從つてその中に、
お話のありました有畜
農業の総合的な
農業計画というものは、当然私
どもとしてはこれを拡充してまいりたいと思
つておるわけであります。
さらに林野の徹底的な開放につきましていろいろ
お話がありましたが、この点は、
現実の問題といたしましては三党政策協定の線に沿いまして、第三村の農地改革につきます
内容、限界等を、いずれ近く
委員会等によりまして限界点をもちまして、その上で実施をしていきたいと
考えているわけであります。
なお
作付制限を非常に強化していくのかどうかというような御意見がありましたが、私はやはり本法によりまして適切なる
事前割当が行われることによ
つて、一應現下の
主食の問題についての
基礎ができてくるのでありますから、
作付面積の点でこれを強化していくということよりも、本
法案の精神を生かすことによ
つて、
事前割当の面から
主食の
確保を考うべきであると思
つております。
なお農村が
將來どういう方法でいくか。ソ連あるいはアメリカ等の方法をどういう
程度吸收していくかというようなことについてお尋ねがありましたが、私はやはり農村の
基礎として新らたにとられましたところの農村民主化の方針、すなわちこれを具体的に申しますならば、いわゆる農地改革の徹底化によりまして、その農村の組織なり機構が、封建的なものを打破する実際的な形にすでにはい
つておるのでありますから、この組織に副いまして、やはり農村の協同化ということが必要にな
つてくるのは当然のことでありまして、あくまでもこの農村の協同化の建前から、農村というものが個々に独立した一人々々の企業でなしに、協同化されたものとしていくという面を進めていくことが、
日本の農村
経営には重要なことであると
考えておるのでありまして、いろいろ
お話がありましたように、お前は
農林大臣にな
つてから、まことに農民の代表として最高の責任をもつに足らぬから、非常に附け燒刄のような感があるから、しつかりせいということにつきましては、松澤君の御親切な御鞭撻だと思
つて、ありがたくそのお言葉を頂載しておきます。