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遠藤(三)
政府委員 だたいまお尋ねの第四点なり、第五点にあたります朝鮮牛輸入の問題と、それから牛馬羊豚等の
家畜の
振興状況と、戰後の農林省の施策の模樣についてお尋ねでありましたので、その点についてお答えいたします。
朝鮮牛の輸入の問題につきましては、戰前より
相当の数量朝鮮牛がはい
つておりまして、私
どもとしましては、なるべく朝鮮牛の輸入はこれを避けたいと思いますけれ
ども、やはり
農村地帶におきましては、どうしても朝鮮牛が必要の地帶もありますし、なお國内で補給することが非常に困難でありますので、できれば國内で補給することが最もよろしいのでありますけれ
ども、その
日本の農業の生産力を早く上げていく
一つの
方法であると
考えまして、
相当の数量朝鮮牛の輸入を
計画してお
つたのであります。大体今年度におきましては、一万頭
程度の朝鮮牛の輸入をはかりたいということを
考えてお
つたのであります。しかし何分にも朝鮮牛について、朝鮮の
方面に輸出力がないといことでありまして、現在実際問題として輸入を見ておらな
いような事情であります。しかし御
承知のように朝鮮と
日本との輸出入の
関係は、朝鮮にいろいろな物資を送りまして、輸出入の結果はむしろ貸越勘定にな
つておるやに聞いております。從いまして朝鮮牛を朝鮮の方から北て余力がありさえすれば、この
計画は達成されるものと
考えまして、その朝鮮牛を輸出する朝鮮の事情についていろいろ研究もし、朝査もておるような次第でございます。その点御了承を願いたいと思います。
次に
畜産について戰後の
振興の方策のお尋ねでありますが、この点につきましては、先般來御
承知のように、
畜産の
振興五箇
計画を建てまして、その
計画の第一年度を迎えて、目下その
計画を着々進めておる次第であります。第一年度の二十一年に対する最近一箇年間の増殖の実績がたまたま出てまいりましたので、これを
簡單に御報告いたしますと、乳牛につきましては、関東、東海あるいは中國、四國及び九州というふうに、四つの地区にわけて見ておるのでありますが、これは各地区でブロツク
会議をやりまして、そのブロツク
会議の際に各縣の
関係者が持ち寄
つた数字でありますが、乳牛について申し上げますと、関東地区では二十一年の一一二%にな
つております。それから東海、中部、近畿地区では一一〇%、中國、四國地区では一〇九%、九州地区では一〇七%、つまりおしなべて言いますと、約七分ないし一割の増殖を見ておるのであります。役
肉用牛につきまして、その増殖の率がずつと下
つておりまして、関東地区におきましては一〇一%とな
つており、それから東海、中部、近畿地区では一〇七%、中國、四國地区では一〇四%、九州地区では一〇九%というようなことにな
つております。それから馬の増殖の点もあまり進んでおりませんが、関東地区では一一一%であり、東海、中部、近畿地区では一〇六%、中國、四國地区では一〇四%、九州地区では一〇一%というような数字が出ております。ただ最も顯著に殖えておりますのは豚でありまして、豚は関東地区は二六八%にな
つております。それから東海、中部、近畿地区では二一七%中國、四國地区では二二六%、九州が最も殖えておりまして、九州地区では五一九%にな
つております。九州地区の殖え方は非常に急激な殖え方であります。それからやぎにつきましては、これも
相当殖えてまいりまして、関東地区では一五〇%にな
つております。それからの東海、中部、近畿地区では一四七%、中國、四國地区では一七六%、九州ではこれまた最も殖えておりまして、一八九%という数字が出ております。めんようもこの際申し上げますと、関東地区では一三九%とな
つております。東海、中部、近畿地区が割合増殖されていな
いようでありまして、一〇六%とな
つております。ところが中國、四國地区ではこれまためんようが非常に進みまして、一五六%にな
つております。それから九州はこれまた最も進んでおりまして、一六六%という数字が出ております。そのほかのいろいろの
家畜についての数字もございますが、大体の
情勢を申し上げますと、中小の
家畜が急激に殖えておる。ただ大
家畜は飼料の
関係の影響がありまして、なかなか急激に殖えないという事情であります。農林省としましては、今後もこの
畜産の増殖五箇年
計画をまつしぐらに実現すべく
努力してまいりたいと存じます。
先ほど來御
指摘のように飼料問題でありますが、飼料問題の窮迫ということが増殖
計画を最もはばむ問題でありますけれ
ども、この問題についてはもともと今回の増殖
計画は、各農家にそれぞれ自給飼料を生産していただいて、農家の農業経営の内部にぴ
つたりあてはまるような経営方式において、
家畜を増殖していただくということを強調しており、なるべく配給飼料に依存しないということを原則に
考えてまい
つておるのであります。しかしそう言いましても、種畜を供給いたします場合、あるいはその他の集團的な飼育の場合におきましては、配給飼料は絶対に必要であります。從いまして、配給飼料の輸入についても、今年度は
関係方面に三十万トン
程度の輸入せ懇請しておる次第であります。ただこの輸入の見透しについて、この際
簡單に申し上げておきたいのでありますが、
関係方面においても飼料の輸入を特別に
考えていただきまして、数字を
はつきり申し上げるまでの段階に至
つておりませんが、
相当の数量の輸入を
考えていただくことにな
つております。ただいま支那
方面あるいは香港の
方面から、ふすまその他の飼料がはい
つてくるような
情勢になりつつあります。この飼料問題は食料問題と並行して解決すべきものでありまして、單独になかなか解決は困難でありますけ
ども、漸次飼料の輸入問題も解決していくものと思いまして、料料の
將來に対しては、若干明るい
希望をも
つておるような次第でございます。