○三浦
政府委員 薪炭の價格につきましてはただいま
折衝中でございますが、一應
考え方を申し上げたいと思います。從来
薪炭の
生産者價格は全國一本にしておいて、そうして消費者價格を三段階にと
つております。しかしその三段階はきわめて小さい段階でございまして、
生産地の價格と消費者價格と、たとえば大消費地でありますところの
大阪、東京といつたところの消費者價格との間と、わずかに四貫目俵につきまして一俵十円五十銭しか差がない。岩手の消費者と東京のまん中の消費者との間に十円五十銭しか差がない。こういうようなことでございます。これは
生産者價格を全國一本にいたしまして消費者價格をきわめて少い巾につくる。そうして全國の消費者の——消費者だけではありませんが、生活水準というものをその線の中に入れるという
考え方を端的に現わした行き方でございます。それでそういうふうでありますと、
生産地におきましては
生産者から見た場合、ただいま御指摘がございましたように、隣りの消費者は自分が五十三円で賣つたやつをただちにそこに二十数円の差がある價格で買
つておる。こういうようなことから
生産者もおもしろくないし、また消費者もおもしろくない。そこに直接取引のような事情が起きて統制のルートに乘らない。また大消費地にもそういうことが
影響いたしまして、わずか公定價格では十円五十銭しか違いのないありがたい價格ではあるけれ
ども、なかなか思うように計画の
数字がはい
つてこない。こういうようなことから、今回は
薪炭の
生産地におきますところの消費者價格は、その地の
生産者價格に対して大体その縣の横持を入れた程度の價格で抑える。そういたしまして大都会——東京都を例にとりますならば、青森からいくら、秋田からいくら、岩手からいくら、また近くは群馬まで、あらゆる方面の
生産縣から入れなければならぬわけでありますが、それらの輸送その他これに要しますところの
経費を東京の消費者において御負担いただく。こういうふうにいたしまして、また
薪炭の需給が大体とんとんと申しますか、東京におけるごとく出ない場合におきましては、中間的なそこに受費者價格を設ける。こういうような
考え方で、從來ややともいたしますと
生産縣における消費者價格の犠牲において、大都会の消費者が一部を免れておるといつたごとき感のありました統制をやめる。こういうふうにいたしますことによ
つて、先ほ
ども御指摘の点は解決したい。かように存じております。なお先ほどから問題にな
つております中間搾取の問題、これはまことに
政府側におきまして思うように進まなくて申訳ないのでありますが、ただいまの予想でありますと、これは間違いないと思いますが、遅くも六月の初旬には新しい規則が出まして、
生産地で申しますと、米の場件と同樣に
生産者が信頼のできる集荷者を任意に御選定なさる、そしてその御選定をなされた集荷者が一定の量をも
つて規格に該当いたすような信頼度をおもちになるといたしますと、その方はいわゆる指定集荷者と相なりまして、そこに登録いたしました
生産者の信頼を受けて、その人たちの炭を集めて
政府の方に
供出する。また消費地におきましては消注いたしまする各家庭が、信頼に足るべき
配給店を任意にお選びになる。組合の
制度があれば、その組合をお選びになりましようし、あるいは從來のいわゆる商業系統の方がよろしければ、またそれをお選びになりましようが、おのおの御随意にや
つていただく。またその量においても、その取扱いをや
つていくに足るべきある程度の信頼度を得ましたならば、そこがいわゆる
配給登録店とな
つて、そこへ登録された方は、その信頼のもとにそこから入手なさる。こういうような
考え方でまいりまして、そうして最終の消費者からの信頼を受けました登録店が、その地におきます十分の一程度以上の信用を集めますれば、それがいわゆる問屋的な存在になる。そしてその票がたとえ偏りましても、少くとも三つの登録店を設けなければならぬ。こういうふうにいたしまして、集荷と
配給の形を全面的に自由な、サーヴイスを行えるような線にも
つていくことによ
つて、いわゆる中間搾取的な存在を消してまいりたいと
考えている次第であります。