○小林
委員 さらにお尋ね申し上げたいのですが、先ほど農産物の価格につきまして
農林大臣から
お話がありましたが、今回の
米價の
改訂にあたりまして、昨年米の値段を
決定いたしました際に、この
委員会におきましても種々論議をされたのでありますが、今回の
米價を
改訂いたしますと、昨年きめたことから考えまして今回はほかの物價が上
つてくる。そういうものを基礎としてパリテイの計算をやりますと、
物價改訂のその時期から、やはり昨年
供出した米の値段につきましても、当然かえなければいかぬという論議が成り立つのであります。こういう点はすでに
政府におきましてもいろいろ御論議にな
つておると思いますが、先ほど
政府でいろいろ心配しておるというような
お話でありますし、予算等の
関係もありますので、これは相当の大きな問題でありますが、この点につきまして、もう少し詳細に
農林大臣の
お話を承りたいと思います。
次に再び
蚕糸業の
関係にはいります。昨年來、
蚕糸業の発展を期するたるに生糸の價格の安定をはか
つていきたい。これは業者も
政府もともに考えたことでございますが、いろいろの
関係がありまして今も
つてこの問題は解決いたしておりません。昨年蚕糸当局におきましては、糸價安定をやるのに特別会計をも
つてやるというような考え方をおもちになつたのでありまして、この問題につきまして、
関係当局と御
折衝にな
つておることも聽いております。先般われわれは
蚕糸業の業者といたしまして、
関係筋に参りましてこの問題をお聽きしたのでありますが、
関係方面におきましては、
政府が保証してやる糸價安定の施設、すなわち特別会計であるとか、あるいはその他
政府の保証による糸價安定の
方法というものは
関係方面にては全然考えておらぬというような
お話でございましたが、先般蚕糸局長がある会合におきまして、私の質問に対しましてそれは
関係方面の一部の意見であ
つて必ずしもそうではない。
政府はさらにこういうようなことを、特別会計その他の
方法によ
つてやるのではないかという印象を與えるような御返事があつたのでございますが、
農林大臣はこの件に関しましてどういうふうにお考えになりますか。糸價安定をしなければ
蚕糸業の発展は期し得られないということはこれは内外を通じての考えであります。それに対しまして、依然として
政府は、その筋ではそういうことはだめだということを言
つておりますが、まだ一つ覚えのように同じことを繰返しておる。こういうことは業者はもう毎日々々の仕事でありまして、
政府がいかにそんなことをお考えにな
つても、実現できないようなことをや
つておつたのでは非常に困るのでありますが、この点に関しまして
農林大臣のお考えを承りたいと思うのであります。
それからこれに
関係したしまして、昨年來ずつと問題にな
つております差益金の処分の問題であります。今回の差益金の処理に関しまして、業者間におきまして、この処理をどうしていくかということについていろいろ協議中でございますが、この件に関しましても
政府は一体どういうことを考えておられるか。差益金の金額というものは数億円に達するのでありまして、その所有は一應製糸業者の所有にな
つておりますが、これは製糸業者だけで使うべきものであるか、あるいは養蚕業者等に全面的に放出するというようないろいろの意見がありますが、
農林大臣はこの件につきましてどういうお考えをも
つておりますか、これを承りたいと思うのであります。
次に第三点といたしまして、この六月二十日ごろパリにおきまして絹業者の世界の大会がございます。それに
日本の
蚕糸業者の代理と申しますか、あるいは現在の占領治下におきまして、
日本がそういつた國際大会に代表を送るということを、現在その筋におきましてはつきり認めておりますかどうか知りませんが、今回のパリの絹業者大会にとにかく
日本人といたしまして、九名の代表者が参るのでありまして、明後日出発するように聞いております。この中には
政府の役人も二、三人はい
つておるわけでありますが、その中の民間代表とも称すべき製糸業者の代表が三人はい
つております。これらの人は、わが
日本の
蚕糸業の一二三というようないずれも大きい業者の社長が行くことにな
つております。こういうような人選問題に関しましても、また今回のパリに参ります人たちの経費等も、内容を伺
つてみますと、
日本の生糸をその費用に充てるということを考えますと、國の費用でこういうことに参加する。これが
日本の業者の代表者かどうかということは別問題といたしまして、さような特殊な人たちがはたして
日本の
蚕糸業の代表者であるかどうかということも、私は疑いをもつものであります。しかも最近の
蚕糸業の実勢からまいりまして、これらの人々だけで
日本の
蚕糸業を代表するということは、われわれはどうしても考えられない。最近の生糸の需要
関係をみますと、一方におきましては、今まで絹のくつ下が
蚕糸業の一番大切な需要の方向であつたのでありますが、最近においてナイロン等がありまして非常に変
つてまいりましたまた。またナイロンの需要と生糸の需要というものも、今非常にデリケートな形にあります。しかし現在生糸が賣れておるというのは、決してくつ下方面でなくて、御存じのように羽二重とか織物
関係の生糸が賣れております。今までの生糸で高級生糸と言
つておりましたものは、すべてくつ下用の生糸であつたのでありますが、現在賣れておるのはくつ下用のものでなくて、織物用の生糸であります。今申し上げました三人の代表というのは、大部分がほとんどくつ下用の生糸を
生産する工場でございます。こういうような人たちが行
つて、はたしてどういう話ができるかということをわれわれは疑がうのであります。さらに今回のパリの
会議をわれわれはよく考えてみますと、過去におきましてブレトン・ウッズ協定というような経驗もございます。こういうような國際
会議に、われわれはとにかく代表であろうがなかろうが、
日本人が業者として参りましたときに、それらの問題が相当深刻に論議されるのではないか。イタリア、支那等の
蚕糸業関係者も参ります。今後の
日本の
蚕糸業をいかにするかという初めての國際
会議でございますので、こういう
会議に
出席いたします場合に、
政府の役人が参りますし、また業者も参りますが、
蚕糸業の將來を考え、
政府は一体どういう考えでこの
会議に臨まれるか、この点をはつきりしていただきたいと思うのであります。われわれは現在の業者の立場からまいりますと、これらの人は決して
日本の
蚕糸業界を代表してないと思うのでありますが、かような点につきまして
農林大臣はどうお考えになりますか、承りたいと思うのであります。さらに詳細な点につきましては他の機会においてお伺いいたしたいと思いますが、以上三つの点につきまして御質問を申し上げる次第であります。