○
三ツ井政府委員 本年の
渇水期における
対策はどうな
つておるかという点でございます。ただいま
安定本部の方から五箇年
計画の大要を御
説明にな
つたのでございますが、その
方針に基いて今
年度におけるすべての
対策をたてておるのでございます。今
年度の
渇水期対策といたしましては、第一に、
水火力発電所の
整備電力用石炭の
確保、
自家用火力の
発電の動員、
電力割当制の徹底、家庭燃料総合
対策、送配電損失及び擅用
電力の減少策、
電力を多量に
使用する
産業の
豊水期集中
生産方式の採用。製品原單位当りの
電力量の切下げ等を問題といたしておるのでございますが、右の内二、三御
説明申し上げたいと存じます。なおその内の家庭燃料総合
対策につきましては、
経済安定本部でや
つておいでになりますので、その点は後ほど
安定本部の方から御
説明をお願いすることにいたします。
最初の
電力需給関係の予想でございますが、
安定本部の今
年度の大体の
方針をそのままここに書きましたが、二十三
年度の
電力需給の予想といたしましては、
昭和二十三
年度出炭三千六百トン
ベースによります。諸
産業の再建
計画に対し、
電源設備の拡充がほとんど期待し得られない現状に徴しまして、本
年度は
電力がわが國
産業再建の最も重要な隘路となると予想しております。
從つて二十三
年度の
電力需給
計画におきましては、まず
供給力において
水力火力発電所の補修復旧によ
つて、既設
設備の利用効率を極度に向上させるとともに、他
産業用炭の配当の調和の許す限り
発電用炭を増配して、
火力発電用炭を極力
増強して、一方
需要面においては不急の
需要を極力抑制して、重要
産業用
電力の
確保をはかる
方針にいたしております。
二十三
年度の発
電力は、長期
計画の初
年度分に対して、
実施計画により多少修正を加えなければなりませんが、二十三
年度の発
電力は以上のような諸方策を
実施するものとして、年間
水力約二百八十八億
キロワツト時、これは出水率を平年並とみておりますが、
火力は約二十八億
キロワツト時、
発電用炭三百六十五万トンとみておるのであります。
水力、
火力合計して三百十六億
キロワツト時と予定しております。この
発電量は
昭和二十二
年度の実績に比較いたしまして約五%の
増加であります。なお
渇水期の
供給力は
水力三百四万
キロワツト、
火力百四十万
キロワツト、合計四百四十四万
キロワツトで、これは先ほどの五箇年
計画の初
年度と数字が変
つております。これは想定されます
需要電力四百八十七万
キロワツトに対しまして、約八%の
不足ということになるのであります。この
供給力をも
つてしては、いろいろな
需要が
増加いたしますので、年間を通じて需給の不均衡が予想されるほか、特に
渇水期の
不足が著しいので、前に申し上げましたような
対策を強力に
実施して、需給の均衡をはかる必要があると考えるのであります。
二十三
年度第二・四半期需給の七月から九月までの予想でございますが先ほどの安本の
計画には運輸省の分が入
つておりますので、運輸省
関係の自家
発電の分を除いて申し上げますが、
水力は前期第一・四半期が量
豊水期でございます。第二・四半期は夏期渇水の時期が入
つてきますから、今期の
水力を平水年並とみまして七月二百五十億
キロワツト時これは平水年の五日に較べますと、九二%に減る予定でございます。八月二百三十三億
キロワツト時でありまして、これは八六%九月二百三十九億
キロワツト時で八八%となりまして、合計七月二十一億
キロワツト時で、これは第一・四半期の九二%となります。
この
水力減を
火力で補うものとし
火力年間三百六十五万トン
計画に基きまして、多季
渇水期に備えての
計画貯炭、第二・四半期二十万トン貯炭を
増加する
計画なのでございますが、これを考慮いたしまして今期に七十三万トンを消費する
計画でございます。これによりまして五百五十五億
キロワツト時と予定しております。これは第一・四半期の
供給予定量に対して五%減の九五%ということになります。
この二十三
年度冬の需給予想でございますが、冬と申しますのは十二月から三月までの四箇月を指しておるのでございます。この予想の
供給力はこれも運輸省の
関係を除いておるのでございますが、
水力が七十九億六千万
キロワツト時で、
火力が十五億七田
キロワツト時で、
火力が十五億七千
キロワツト時合計九十六億三千万
キロワツト時あります。
水力発電については、同
期間における過去五箇年の平均可能発
電力を基礎としまして渇水五%を見込んで想定したものであります。
火力発電につきましては
電氣事業用の
発電用炭の消費を
渇水期四箇月において百九十七万五千トン、このほかに運輸省の分がありますが、これは
電氣事業に直接
関係ないものと考えております。この百九十七万五千トンを消費するものとして想定しております。右予想
供給力を昨年同期の
発電実績と比較すれば四%の
増加に当りまして、また本年四月及び五月の平均
発電々力量に比較しますと、
渇水期間を通じて平均一八%の減少ということになります。四、五月頃の
供給した量に対して一八%減がこの冬四箇月間の量になるということであります。ただ一番渇水いたします二月におきましては、一八%が二六%減
程度に低下するので、予定
通りの
石炭が入手し得るとしても
電力需給が相当困難になると思うのでございます。本年四月、五月における
電氣事業用炭の入炭量は八〇%
程度でありまして、目下入炭率をよくするように極力
努力しておるのでございます。入炭率の惡
つたことにつきましてはいろいろ原因がありますが、この入炭量が今度も惡いと貯炭ができない、
從つて火力発電ができないという非常に重大な
事態になりますので、この入炭率の向上、
割当のものは百パーセントとるということに格段の
努力を現在いたしておるのでございます。
それから降雨量の見透しということでございますが、私
どもは絶えず氣象台と連絡をと
つております。聞いておりますところでは今年は例年より特に雨量が多いと考えられないが、昨年の八月以降の如き異常渇水はないと予想されます。現在の西日本の渇水はなお続くかもしれません。昨多一月以降は
渇水期としては平年以上に豊水であ
つたが、今冬は去年よりは水の
状態は幾分惡くなるだらうと予想しております。
次に総合燃料
対策は後ほど御
説明をいたします。
その次に
電力増強計画と
実施状況及び
火力用
石炭の
割当と実際の入炭率でございますが、この二十二
年度において、
増強されました
電力は、
水力発電所関係におきましては新増設のものが六箇所で四万五千
キロワツト、既設
発電所の補修
増強による
増加し得た
発電が五千百万
キロワツト時、水害復旧としてはこれは九月のカスリン颱風の被害ですが、停止
電力七十四万
キロワツトあ
つたが、これを七十二万
キロワツトを復旧いたしておるのであります。
水力発電所関係といたしましては、新設の
発電所が一箇所で二万
キロワツト、合計既設
発電所の補修復旧十九箇所で、
増加した
電力が二十七万五千五百
キロワツトでございますが、この
内容は表に書いてありますから省略いたします。
それから本
年度の緊急
電源増強の暫定措置でございます。
経済
復興計画の一環といたしまして本格的
計画の着手に多少の時日を要しますので、これに先行いたしまして本
年度に緊急に着工しなければならない
水火力発電所について別紙
計画の如く
商工省より
関係方面に着工の承認を
要請することにしました。これはまだ提出しただけでございます。この
内容の
説明につきましては後ほどごらんになりました上で詳細
説明することにいたします。
次に最近の
電力用炭の入荷状況その他でございますが、二十二
年度の
電力用炭の実績は配当量が二百八十八万四千八十一トンであります。これは当初は百七十五万トンという数字から、だんだん渇水がひどか
つたために、追加
割当追加
割当ということになりまして、解放期というよりは
豊水期に近くな
つて割当が非常に
増加いたしました結果、受入れが非常に惡いのでございますが、受入量は二百二十三万四千九百トン七七%の受入率にすぎないのでございますが消費したのは二百九万六千トンで、三月末の貯炭は十九万八千六百九十七トンであります。二十三
年度の
電力部門に対する配炭
計画は、
電氣事業用年間三百七十万トンでございますが、これは三百六十五万トンに訂正されたのでありましてそういうふうにお直しを願いたいと思います。三百六十五万トンでありまして、自家用
発電すなわち工場で
火力発電所をも
つておりますものにつきまして
発電用炭の配当についても、第二・四半期から一括して
電力部門で
割当をするようにという
方針が大体きま
つておりまして、これによ
つて從來よりもさらに自家
発電の
増強という問題と
電氣事業用の
火力発電の問題と関連して考慮することができるようになると考えております。なお第一・四半期においては、四月五月の入炭の実績は
割当量七十五万トン、月二十五万トンを
割当てられまして、
計画といたしましては、その内約十万トンずつ毎月貯炭するということにな
つてお
つたのであります。日発
関係だけを書いたのでありますが、四月におきましては二十四万二千四百トンこの二十五万トンとの差は、
配電会社その他少部分のものがあるわけでございます。十八万九千トンの入炭、七八%の入炭しかできなか
つた。
消費者は十四万八千トンでありまして、その差が約四万トンのものが貯炭に入
つております。五月におきましては約七万トン弱のものが貯炭に加
つていきました。月末の貯炭は合計して日発
関係において三十万八千トンをも
つておりますが、これは
計画しておりました数字とほぼ同一であります。それは入炭は少か
つたが、三月末の持込貯炭が予定よりも多か
つたために現在は
計画貯炭を大体
確保しておりますが、六月七月以降に月々十万トン、第二・四半期の二十万トンの貯炭は、渇水の状況如何が問題で相当困難になると考えています。第二・四半期の
電力用炭として百十一万九千トンの配当が決定をいたしておりまして、内八十六万トンは
電氣事業專業のものに、二十五万九千トンは自家
発電用であります。なお別に事業用として九万トンの追加を目下申請中であります。これは
電力の三百六十五万トンのわく内において繰上げ
割当を要求しようということであります。
次は配電線の整理の状況でございます。これは前から問題にな
つております緊急制限をやる場合の不公平を除去するために便乘負荷を整理するということをや
つてきたのでありますが、現在までの
成績といたしましては約五四%、――半分以上のものを整理いたしまして、半分くらいのものが残
つております。これに対しては電線の
割当をある
程度いたしましてなお続行いたしたいと考えております。現在までやりましたのは、電線を使う割合に便乘の整理が能率的に行われる部分をや
つたのでありまして、今後やるものは電線を使う割合に便乘し整理の効果を上げ得ない部分が段々残
つておりますので、これは一万配電線のロスを軽減する場合、全体の配電線のロスを軽減する場合と、便乘しておる線を整理するという二つの兼ね合になりますので、その進行は相当考えなければならぬと思いますが、なお今後も進めてゆく積りであります。それから專用
電力の盗用を抑えるための「メーター」「リミツター」及び変圧器、燒損防止器の
関係でございますが、昨
年度は十分の
成績を上げておらぬのでありますが、本
年度におきましては「メーター」につきましては
努力目標百五十万と予定を立てましたが、その後いろいろ
商工省内部におきまして機械局
電力局が協力いたしまして、現在のところ月産十万台すなわち一箇年百二十万箇の「メーター」の
生産計画をきめまして、それに対する
資材、資金の優先的取扱をするという
方針でありまして、資金につきましては大体今度の資金
計画に入
つておるのであります。「リミツター」につきましては、大体それと同樣で、現在
生産の方は相当上
つておりますが、これを使う方の
配電会社の受入れ態勢が十分でないために、取付けが進まなか
つたのでありますがいま督励中でございます。
電力使用合理化の問題は、
電力の制限需給調整の問題と非常に
関係がございます。特に
豊水期におきましても緊急制限をやらなければならないという
事態が往々起
つておるのでありますが、最大負荷の調整が問題なのであります。
豊水期の
電力量といたしましては、
計画したもの以上のものを
供給いたしておりますが、たまたまこのピークの時間において
需要が集中いたしますために
電力がもてなくなり、サイクルが下
つてくるために、緊急遮断が
豊水期に起
つてくるのでありまして、これをなくするためには各
需要者の最大負荷が集まらないようにしなければならない。それには鏆線変電所、
配電会社、支社店等
供給区單位ごとに、それらが受持つ
需要者への
割当電力量をよく調査いたしまして、公正かつ合理的に
電源の
供給力にマツチした
最大電力割当をいたしまして、それを超過した場合は警告的に送電を遮断する。どうしても超過が去らない場合には、やむを得ず遮断を時間的に長くする。かように
需要家の協力にまたなければならぬと考えております。これは便乘配電線の整理という問題が、昨年に比べて非常に進んでおりますので、
供給力と
需要との
バランスは割合にやり安くなると考えております。その他深夜余剰
電力の利用については、各工場を指定いたしまして
供給順位を定めて、情報指令の敏速なる傳達をはかり、
生産電力原單位の引下げ等につきましても、現在まだ十分とは考えられませんので、そこに書いてあります
方法によ
つて励行いたしてゆきたいと思
つております。
東京、廣島は
実施の段階に入
つております。以上お答えいたします。