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冨永格五郎君
生鮮食料品の
輸送用氷製造電力及び
冷凍電力増配の
請願につきまして、函館の製氷冷凍業組合の代表高村善太郎氏から
請願されたので
紹介議員として御
説明を申し上げたいと思います。
全國の節電、もしくは製氷に至当すべき
電力皆無のため、一トンの製氷もできず、天然氷が稀有の暖氣に壊滅的打撃を受けましたが、最近でも必要の五割
程度の配電
状況で、本
年度の見透しはまことに暗澹たるものがあるのであります。なお
停電頻発のため、目下在庫一万トンになんなんとする冷藏品の温度保持が危機に瀕しております。
製氷
事情の簡單に申し上げますと、北海道道南
地域における氷の
需給状況は、天然氷と人造氷とで賄われておるのでありますが、諮掛高騰等の原因で年々その
生産計画を縮減する
状況にありますのみならず、本年は稀有の暖氣に見舞われ、量、質ともに多大の低下を見ているのであります。これに対処しまして、人造氷に大馬力をかけ、できるだけ貯藏しておかなければならぬような
事情にあるにかかわらず、
電力事情は少量の
生産も許さない現状であります。こういうような
状況では、年内の生鮮食料の輸送
計画に大
支障を來すことと考えられるのでありまして、しかも五月以降いかに
電力事情が好轉しましても、取返しのつかぬような事態にまで立ち至
つております。この場合
電力を増配して、製氷設置を全幅的に活用しなければならないことに差迫
つております。
冷藏
事情を簡單に申し上げますと、輸送條件惡化のもとにおいては、奧地
生産品の函館中継は絶対必要であります。しかるに現在の送電では在庫品温度保持に汲々たるに止まり、凍結はもちろん奧地中継品の荷受も不可能なような
状態で、昨今の氣温にては庫内の温度の上昇をおそれて庫出しもできないような
状況であります。函館
地区における
生産及び中継の総量は、委節により漁獲高により一定はしませんが、豐漁期を除き、常時一万トンないし六千トンの間にありまして、これに要する
電力は別表して後で
委員長のお手もとに差出すことにいたします。
冷藏、製氷機械の運轉は御
承知の通り定電圧二十四時間連絡運轉を必要條件とし、電圧下降並びに間渇送電は絶対に嫌うところであります。最近の
電力割当量は所要量の約五〇%でありまして、電述の
状況で、今日の場合は冷藏製氷製置の効力発揮はほとんど不可能に近いような
実情で、殊に全道の
地域別
割当も均衡を欠いておるものと思われます。國内
電力事情窮迫下においてあえて
陳情いたしますのは、事いやしくも國内食糧
事情に至大の影響を及ぼすことを慮るからであります。道内
関係官廳並びに配電会社等に対しましても、
陳情につとめておりますが、中央
割当に基いて操作するものであるからということで、局地的解決は困難と認められます。よ
つて議会に
請願し、大局的に善処せられんことをお願いする次第であります。
なおやや恒久的
対策として、
設備の改善の面には、幾多打つべき手があるやに考えられます。たとえばサイクル変更のごとき、北海道に限り此較的安易なる條件下にあるやにも承ります。しかるに配電会社として、はたしてその誠意において、その收支の面において、その能力ありや、巻間疑いを存する者少からざるを遺憾とするものであります。かくては年々歳々同じ苦杯を嘗め、
生産復興のごとき望んでも得られないことになると考えられるのでありまして、この点非常に危惧を感ずるものであります。事道内局地の問題たるに止まりませんので、速やかに適当なる方策を講ぜられんことを議会に請題するものでありますが、本
委員会では何とぞ御採択くださいまして、善処をお願いするものでございます。