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白井委員 民主自由党を代表したしまして、
原案に対する
修正の
意見を申の述べたいと思うものであります。
本年二月三日総
司令部民生局代表からの、当時
片山内閣によ
つて計画されておりましたところの運賃
値上げ問題とこれに対する
國会のあり方に関しまして、
内閣は
予算の
バランスをとるという
方針をと
つておるが、いかに
バランスをとるかは
國会の最善と思う
方法によ
つて実行すべきだが、それは
國民の声を反映しなければならないという示唆に鑑みまして、現
政府が今回
計画いたしましたる
通信料金四倍の
値上げは、現
段階においてはこれを行うべからずとして、
國民とともに絶対に反対するものであります。一面におきまして
独占官業の
性格と
使命とに鑑みまして、
國民の納得を得られる
方法におい合理的にその
收支をはかり、かつ
機構改革をなし得る方策をとり、この
企業性を極度に発揮せしめて、も
つて産業の
復興と
國民生活の実態に寄与すべきことがきわめて必要な事柄であると考える次第であります。申すまでもなく
通信力は、
経済産業の発展とともに、
國民所得の原動力と、
簡素便益化との要素であり、
從つて鉄道及び
通信の両
官業は、
國民の
経済活動化、
能率化、
簡素便益化をはかるべき特性と
使命を有するものであります。殊に
独占事業であり、特に
競爭者がないという特殊の
立場にある以上、他の
物價との比較を云々すべきでないと思うであります。常に他の
物價の下位に嚴として存在せしめ、
一般物價を抑制すべき
立場にあると信ずるものであります。近年
官業における
赤字対策は常に
料金値上げ、あるいは
給与改善、借入金、
予算財源の捻出の循環を繰返しております。いわゆる
急場しのぎに終始してきたのでありますが、今回の
計画そのものは最大無謀なものであると考えるものであります。
通信、
鉄道の
財政收支を最も安易な
料金値上げに求めることは、たいへんな間違いであり、これでは
鉄道、
通信の
財源どころか、遂に崩壊に至るであろうことを憂えるものであります。現に
郵便利用者のごときにおきましても、
昭和九年を一〇〇%として同二十一年には五八%と減じております。
從業員は
昭和九年に二十八万名が同二十二年に四十一万名と増加し、
事業量は二十一年には一一八%、さらに
昭和二十三年には一三〇%と見込んでおる
実情であります。これでは
独占官業がもつ
性格と
使命は、日一日と失われつつあることをここに感ずるものであります。よ
つて私
どもはこの
官業の
信用の保持と人心の安定、また以上申し上げたような
論拠に基きまして、ここに
料金の改正はある
程度やむを得ぬと認めるところでありますが、今回
政府が
原案として
提出せられましたるところの四倍
そのものに対しましては、遺憾ながら
賛意を表しがたいものでございます。
從つてここにまず
普通郵便の場合におきましては原則として二倍半、しかもはがきは一円、封書は三円という額において
修正をいたしたいものであります。その他
一般の
料金に対してはこれを二倍半という限度に止めて、も
つてこの
收支の均衡を
計画いたしたいと思うもであります。これによりますれば当然
電信電話料金等も含まれてまいるのでありまして、相当の
減收は免れないのであります。この
減收を私
どもはまず八十億円と見込んでおります。但しこれに対しまして諸
経費の節約という面におきまして六十億円をここに見込むものであります。
從つて不足額の二十億円は、これは
一般会計よりの支出としてここに考えておるわけであります。今申し上げました点が
修正いたしたいと思います要点でございます。
從つてこの
案そのものに対しまして、私
どもは單にこれを形式的なものと考えるのでありませんので、必ずこの案によりまして
財政收支の
バランスはとり得るものであるというふうに確信いたしておる次第であります。何とぞ
同僚委員各位におかれましても、また
政府当局におかれましても、この案に対しまして、絶大なる
賛意を表示していただきたいと思うものであります。
最後に一言附け加えて申し上げておきたいと思いますことは、最近における
サービスの問題であります。これは今までにおきまして、各
委員から機会あるごとに発言されておることによりまして、
当局といたしましては、すでに十分御了知のことであろうと存ずるのでありますが、とにかく最近における
電報の遅達、あるいは
郵便の遅配、その他すべて取扱上の不正というようなものは枚挙にいとまありません。今
國民の最も信頼をつないでおりますこの
官業の
実情におきまして、かくのごとき
状態を持続いたしていくといたしましたならば、
官業の前途は一体那辺に赴くでありましようか。將來を考えましたとき、一刻も早くこの遺憾なる
状態を脱却いたしまして、
官業のもつ
性格と
使命を十二分に発揮してもらわなれけばならぬということを私は痛切に感ずる次第であります。これに対しましてるる言を費しますことは、この場合においてもはやその必要を認めておりません。すでに御
承知のことであろうと存じますから、その良心と信念に基きまして、何とぞこの公開の席上におきまして発言いたしましたる私の意中をおくみとりくださいまして、
國家の名誉と
信用のために、あるいは一面においては
経済、
産業の
復興と
國民の
利福に寄与するために、猛省一番していただきたいということを附け加えて申上げておく次第であります。