○
三浦説明員 まず
佐竹委員からいろいろ御
意見の頭りました点に関しまして、ただいま
委員長のお話のありました
折衝の結果につきまして、
概要を申し上げます。
まず第一に、第三條の
規定でございます。これを「
目的を有するもの」のほかに「これらの
行為をなすもの」というように改めたらどうかという御
意見でありましたが、これは六條の
規定の問題とも関少いたすのでありまして、いろいろこの点に関しましては
佐竹委員とも御相談いたしたのであります。向うの方では特にこういうものが必要であれば考えてもよろしいという
意見でありましたが、六條の問題と
関連いたしまして、
規定を御
趣旨のように改めることによりまして、三條は撤回してもよろしいというような
佐竹委員の御
意見もありましたので、さように一應この案では取扱うことにいたしたのであります。從いまして第三條には「
行為をなすもの」ということを入れなか
つたわけであります。
なお第
五條の問題に
関連いたしまして「
收受の承諾又は
約束」あるいはまた「
供與又は交付の
申込又は
約束」というのを削るようにという御
意見でありました。この点に関しましては相当強い
意見がありまして、こういうものは認められないような
意向でもありましたが、なおいろいろ話しました結果「
申込」のみを
削除するということにおちついたわけであります。從いまして
五條の方の第二項、第三項の
寄附、
支出の点に関しましては、「
申込又は」という文句を
削除いたしまして、
申込みの場合には
寄附、
支出という
取扱いをしないということに改めることにいたしました。
それから第六條の問題に
関連いたしまして、
ポツ勅百一号との
関係において六條を
削除したらどうか、なお
削除が不可能であれば
ポツ勅との
関連をもちながら、第六條の第一項第一号に
規定してございます
事項に関しまして、すべての
團体に
共通に適用するようにしたらどうかという御
意見でありましたが、この点は先ほども第三條の問題について申し上げましたようなことと
関連いたしまして、六條の方に「
目的を有する
政党、
協会その他
團体」というようなことに
関連をもたせますことによりまして、三條との
関係も
はつきりいたしますし、
目的をも
つて行動するということで統一することによりまして、その点は補い得るかと考えられるのであります。その点に関しましても、なお
佐竹委員とも御懇談申し上げまして、さようなことにいたしたのであります。ただこの
字句に関しましては、お
手もとにあげてありますように、六條の一号、二号、三号に「第三條に
規定する
目的を有する
政党、
協会その他の
團体」というように各号ともいたしたわけであります。
それから次には、八條の問題に
関連いたしまして「
公職の
候補者の
推薦、
支持又は
反対その他の
運動のために」という
字句を「
政治上の
主義若しくは
施策を
支持し、若しくはこれに
反対し、又は
公職の
候補者の
推薦、
支持若しくは
反対のために」というような
字句を補
つたらどいうことでございましたが、この点に関しましては「
公職の
候補者の
推薦、
支持又は
反対その他の
政治活動のために」ということで、「その他の
運動」ということを「その他の
政治活動」とすることによ
つて、三條に
規定しておりますところの
事項も明瞭になるものと考えられるのでありまして、この点に関しましても、
佐竹委員と御懇談の結果、一應かようにいたすことにしたわけであります。
次に第三十
五條の問題に
関連いたしまして、第一項第二号のいわゆる
請負の当事者である者、第三号の
覚書該当者、これらの
人たちは
選挙だけでなく、
政党、
協会その他の
團体の
運動に関しても
寄附をしてはならないというようにしたらどうかという御
意見もありました。この点は確かにごもつともな御
意見かと思うのでありますが、
請負の当業者の問題に
関連いたしましては、國あるいは
地方公共團体と特殊の
関係をも
つておるのでありまして、これが
政党なりその他の
協会、
團体というものは、それとは別個のものでありますので、そこまで
禁止することもどうかというような
考え方と、さらに
覚書該当者に関しましては、現在
覚書該当者に関して出ておりますところの
ポツ勅に、
選挙運動その他の
政治活動をしてはならないというような
規定が十
五條にございますので、その
意味から申しますと、廣く
寄附をしてはならないというような実質上の
取扱いを受けることになるかと思うのでありますが、本
法案におきましては、一應原案の
通りに、「
選挙に関し
寄附をしてはならない」というようなことに、
話合いの結果いたすことにしたわけでございます。大体
佐竹委員から御提議のありました点に関しましては、一應さようなことにな
つたのであります。
次に共産党の
意見として出ておりました
事項が三つあ
つたのであります。それは第三條の「
目的を有するもの」とありますのを「
目的を有し且つこれらの
行為をするもの」ということに改めることと、それから
政党、
協会その他の
團体の中から、
労働組合、
農民組合等を除いたらどうかというような御
意見であ
つたのでありますが、この点に関しましては
賛成を得なか
つたわけでございます。なおまた三十
二條の
規定に
関連いたしまして、
公職にある者の
寄附の届出、それからさらに受けた側からの
報告というようなことが
規定してあるのでありますが、これを
削除するようにという
意見でありました。この点に関しましてもまた同樣の結果になりましたわけで、
削除に
賛成を得なか
つたわけでございます。次に第三十
七條のいわゆる
匿名の
寄附等に関しまして
一定の
限度を設けて
禁止するようにしたらどうかという御
意見でありましたが、この点に関しましても、また同樣
賛成を得なか
つたわけであります。
大体
佐竹委員、
林委員からお述べになりました
事項の
概要は以上でございますが、なおお
手もとに
赤書きで特に書いてございますように、第三條の
規定に
政党に関しまするところの
定義を置いたらどうかというような
意見がございまして、一應そこに
政党に関しまする
定義を掲げることにいたしたわけであります。なおその点に関しましては、
あとで御説明することにいたしまするが、それと
関連いたしまして、十
七條の
規定のところに「
政党が解散したとき」の下に「又は
協会その他の
團体」とございまするが、これは「
政党」ということをそこに入れることにいたしたわけでございます。
それから五十六條の
規定も同樣の
関連をも
つておるわけでございまするが、この
書き方を赤字で書いてありまするように「この
法律施行の際現に存する
政党及びその
支部並びに
協会その他の
團体及びその
支部で第三條の
規定に該当するものは、」云々ということにいたしたわけでございます。
それから次には第三十九條の問題でございまするが、これは十号まであげてございまするところの罰則の中、特に
罰金に関しましては「千円以上五万円以下の
罰金に処する。」ということにしたのでございまするが、前に御
審議の際にも申し上げたように、本質的な
規定の
違反に関しましては、
罰金を五千円以上、手続的な
違反に関しては千円以上というような
意見等もありまして、さようなことに一
應改めることにいたしまして、三十九條の
規定もさような
趣旨から一應千円以上ということにいたしてお
つたのでありまするが、特に
虚偽の
記入をした者とか、あるいは
虚偽の
報告もしくは
資料を提出した
者等に関しましては、その事実が特に本質的なものと認むべき必要があるというようなことから、この点に関しましてのみ五千円以上、五万円以下の
罰金にするということの
意見が出てまいりましたので、さようなことを但書の上において特に
規定いたしたわけであります。從いまして三年以下の禁錮はもちろん適用あることになりまするが、今申しました
事項、第一号から三号に関しまする
事項、それから第五号、第九号に関しまする
事項、それから第十号に関しまする
事項の、
虚偽の
記入をした場合とか、あるいは
虚偽の
報告もしくは
資料を提出した場合を、ただいまのように五千円以上、五万円以下とすることにいたしたわけであります。
それから助々からこの
委員会においてもいろいろ問題に
なつておりました時効の問題でございます。これは四十八條でございまするが、これは昨日
淺沼委員長もいろいろお
話合いの結果、
委員会の要望を容れて特に「二年」に改めることになりました。これに対しまして
條件を附したらどうかという
意見もいろいろありましたが、それらの
條分なしに一應二年ということになりましたわけであります。なお、この問題と
関連いたしまして、別個に
公職の
候補者、あるいは
公職にある
者等が、その後においていろいろ
資金規正法等に
違反した事実が起
つてまいりました場合等に関しましては、必要に應じて別途に
國家公務員法等の
改正等の処置によ
つて、それらの問題を考えることにいたしました。この
資金規正法では一應
條件なしに二年ということに
なつたわけであります。
三條の
政党の
定義に関しまして、特に申し上げたいと思うのでありまするが、この
政治資金規正法におきましては、
協会その他の
團体の
定義を掲げて
政党の
定義を特に掲げなか
つた理由は、前にも
委員会において申し上げた
通り、以前
政党法立案に関しまする
委員会におきまして、いろいろ
政党の
定義の問題に関して
意見がございまして、あるいは
投票数の何分の一以上のものを得たものとか、あるいは
一定数以上の連署を得たものとか、その他いろいろの
條件的な
事項があ
つたのでありますが、これらの問題をこの
資金規正法において
取扱いますると、いろいろの問題を釀すおそれもありますので、
社会通念によりまして
政党というものの
取扱いをしていくということにいたしまして、
協会その他の
團体だけの
定義を掲げたのでありまするが、なお参議院におきまして、非公式にこの
資金規正法の
委員会においていろいろの御
意見もありまして、
政党の
定義を掲げたならばよくないかというような
意見もありましたので、
関係方面と昨日この
資金規正法の
最後の
いろいろ訂正の問題に関しまして話し合いました際に、
政党の
定義を入れることに
なつたわけであります。
政党の
定義を入れますにあたりまして、先ほど申しましたようないろいろな
條件の問題に関しましては、これは別途の問題として、この際は一應実質上の
規定をするということにいたしたわけであります。
政党の
定義を一應読み上げてみますと、「この
法律において
政党とは、
政治上の
主義若しくは
施策を推進し、
支持し、若しくはこれに
反対し、又は
公職の
候補者を
推薦し、
支持し、若しくはこれに
反対することを本來の
目的とする
團体をいう。」かようなことにいたしましたわけでございます。
協会その他の
團体の
定義は從來
通りでありまするが、ここでさらに申し上げたいと思いますることは、
政党は
政治上の
主義もしくは
施策を初めから主張し、あるいは
反対していく
團体でありまして、その点は
協会その他の
團体と異なるゆえんであります。從いまして特にその
積極性をも
つた意味を掲げることが必要であろうかと考えまして、さようなことにいたしましたわけであります。なおまた
政治上の
主義もしくは
施策あるいは
公職の
候補者の
推薦支持等に関して、これらの
事項を本來の
目的とする
團体が
政党である。
協会その他の
團体はそれを本來の
目的としなくとも、ある
特定の場合、
特定の時期において三條の新しい二項におきまして掲げておるような
目的を有するに至りました場合におきましては、
資金規正法において
協会その他の
團体として取扱うことにいたすのでありまするが、
政党自体はそれらの
事項を本來の
目的とするものである、そこに特色があると考えられるのであります。從いまして、さような
意味のことを表わすことにいたしましたのであります。なおまたこの点に関しましては「
政治上の
主義若しくは
施策を推進し、
支持し、若しくはこれに
反対し、又は」とございまするが、これをあるいは「並びに」とか「及び」とかいうようにいたしまして「
公職の
候補者を
推薦し、
支持し、若しくはこれに
反対することを本來の
目的とする
團体」というように、
政治上の
主義とそれから
公職の
候補者を
推薦したりすることを同時に行うものが
政党であるというような
考え方も一應はあり得るかと思うのでありまするが、しかしながら、かような
政党の
定義を実質的にいたしました場合におきましては、両方の
行為を同時に行いませんでも、
協会その他の
團体等に類するものが、本來の
目的としていなくとも、その爾後のいろいろな
経過によりまして、それを本來の
目的として、しかも
公職の
候補者だけを
推薦し、
支持するというような場合もあり得ると考えますので、そこで「又は」にいたしまして、
両者共通の場合もあり得るし、または個々別々の場合もあり得るということにする方が適当であろうというような考えから、かようなことにいたしましたわけでございます。
以上大体の
概要を申し上げましたが、なお赤で
いろいろ訂正してご
ざいまする分は、このプリントを前におあげいたします場合に
校正等もいたしてありませんので、この機会に
最後のこの案を刷ります場合に
訂正を必要とする箇所を
訂正しておく方が適当であろうと考えまして、赤で入れましたのでありまして、
字句上の他はもつ
ぱら整理でございます。