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1948-02-03 第2回国会 衆議院 図書館運営委員会議院運営委員会連合審査会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年二月三日(火曜日) 午前十一時四十分
開議
出席委員
図書館運営委員
委員長
中村
嘉壽
君
山口
靜江君 井上 知治君 松田 正一君
圓谷
光衞
君 豊澤 豊雄君
議院運営委員
委員長
淺沼 稻次郎君 理事 坪川 信三君 大石
倫治
君 赤松 勇君 笹口 晃君 森 三樹二君
工藤
鐵男君 小島 徹三君
小澤佐重喜
君
山口喜久一郎
君
石田
一松君 川野
芳滿
君 田中 久雄君 林 百郎君
委員外出席者
議 長 松岡 駒吉君 事 務 総 長
大池
眞君 ――――――――――――― 本日の
会議
に付した事件
國立國会図書館法案起草
に関する件
國立國会図書館建築委員会法案起草
に関する件 ―――――――――――――
中村嘉壽
1
○
中村委員長
これより
図書館運営委員会
及び
議院運営委員会
の
連合審査会
を開きます。
國立國会図書館法案起草
の件及び
國立國会図書館建築委員会法案起草
の件の二件を
一括議題
として
連合審査
にかけます。 便宜上私から
原案起草
の趣旨及びその大綱について簡單に御
説明
申し上げます。
本案
を
提出
いたしましたゆえんは、昨年四月二十八日に公布されたる
國会図書館法
によりまして、その
設立
が提唱されておりましたが、これを最も有効適切なものにするためには、過去において経験を得た國々、すなわち
アメリカ
に
國会図書館
というものがありますから、この
國会図書館
が経験したことを、よく知
つて
いる
人々
を
顧問
に招聘して、そうして万全を期したいというような
提議
を
両院
の
委員会
において
相談
いたしまして、これが
決定
されましてから、
両院
の
議長
並びに
両院
の
委員長
の署名によ
つて
、
マツカーサー元帥
に
顧問招聘
のことをお願いしたのであります。
マツカーサー元帥
はそれを快く御承諾されまして、
アメリカ
で最も
図書
のことに詳しい
人々
を送
つて
くだされたのであります。その人はすなわち
アメリカ
の
國会図書館
の
次長
のバーナー・クラップという人、並びに多年
アメリカ図書館界
の長老であり、現に
アイオワ大学
の
図書館長
であるところの斯界の
最高峰チヤールス・ブラウン
氏をば選んでくださ
つて
、このお二人が十二月十七日來朝されて、その日からわが
國会図書館
の
設立
の
計画
に參畫され、爾来本
両院委員会
と
連続討議懇談
の結果、
本案
を作成したものであります。これまでの間に昨年からわれわれ
委員会
の集まることが八回、
懇談会
を開くことが二十二回、
参議院
の同
委員会
との
合同委員会
を開くことが十一回に及んだような次第であります。これに達するに至りましたのには、
司令部
の
ジヤスミン・ウイリアムス博士
が有力な助言と協力を與えてくださ
つて
、ジェームス・ネルソン氏、ポール・ジェー・バネツト氏という
図書館係
の
人々
が非常に斡旋してくださ
つて
この案を取上げられた次第であります。
法案
は十三章三十
一條
よりなり、別に四條よりなる
國立國会図書館建築委員会法案
があり、更に
國立國会図書館設置
に伴う法令の
整備
に関する
法律案
というものを後日上程するような
都合
にな
つて
おります。この
図書館
の
職員
は、
館長
、副
館長
が置かれることになり、
館長
は
大臣待遇
、副
館長
は
次官
の
待遇
をすることにな
つて
おります。構成は、
中央
の
図書館
が
一つ
できまして、そのほかに
司法部行政部
の各
機関
、すなわち
各省
に
支部図書館
を置くということにな
つて
おりす。そのほかに
連絡調整委員会
というものができますが、これは両
國会図書館
の
運営委員長
と
最高裁判所任命
の判事が一名、
総理大臣任命
の閣僚が一名であります。そうして
委員長
は
互選
をする。
館長
は
相談
にはあずかりますが、
投票権
を有しない、こういうことな
つて
いるのであります。 また
部局
を置きますが、
管理事務
を效率化するためにこの
部局
ができるのであります。その最もおもなる
部局
は、
調査
及び
立法リフアレンス局
というのであります。これがこの
図書館
の
眼目
であります。すなわち
從來
が
國民
の間におきましても、
議員
が不勉強であるとか、あるいは
立法
に対して
材料
をもたないとか、
知識
をもたないとかというような非難がごうごうとしてお
つたの
でありますが、これはただその人人を責めるだけでなしに、いろいろな
施設
がなければ容易にこれが行われないのであります。この
施設
を設け、
資料
を提供するということを
眼目
とするのであります。一方において
官僚
の
跋扈
を云々しておりますが、その
官僚
を
跋扈
させるということは、結局
立法府
の
人々
がそういう
設備
をもたぬとか勉強する機会がないとかということであります。この
官僚
の
跋扈
を是正する
意味
においても、そういうものが必要であるということから、
調査リフアレンス部
というのに非常な力を盡すことにな
つて
おります。この
図書館
ができますと、いわば
知識
の泉とな
つて
、世界の
材料
をことごとくここに集めて、
一目瞭然日本
の
政治
、産業あるいは社会の
状態
というものが
図書館
に集まることになるし、そうして
立法府
の
ブレーン
になすということ、及び
政治
の
元締め
すなわち
仕事
を能率化するということが
眼目
なのであります。われわれが日々見ているところで非常に遺憾と思いますことは、どこの役所に行きましても、会社、銀行に行きましても、わが國においては使用する人の数はたくさんおるけれども、いろいろなことが
整理
が整
つて
いない。そのために
アメリカ
や
イギリスあたり
の
仕事
のしぶり比べますと、ほとんど五分の一か六分の一しか能率をあげていないということを、われわれはきわめて遺憾に
思つて
お
つたの
でありますが、それは要するにものの
整備
がついていないのである。この
整備
をつけて
國会図書館
がよく運用されていくならば、先ほど申しましたこの
図書館
の
眼目
である
知識
の泉であり、
立法
の
ブレーン
であり、
政治
の
元締め
であるということが達成されるとわれわれは考えておるのであります。殊に
各省
にこの
支部図書館
をおくということは、
各省
に行
つて
みましても、
書類
の
整理
というようなことが、はなはだよくできていない。
一つ
の
書類
を探すのに半日も一日もかかつたりすることがあり、往々にして
書類
を失うというようなことなどもあるのでありますが、かようなところに非常な
欠陷
があるのだと思います。しばしば同じようなことを繰返してみたり、
書類
はたなに入れられてあつたり、利用していない。また普及もされない。こういうようなことを非常に遺憾としてお
つたの
でありますが、かような弊害を除き、むだを省き、エフイシエンシーをあげるというために、
各省
にもかようなものを置くことを必要とする。こういうようなことから、
各省
に置きたいというのであります。それとさらに
上野
の
國立図書館
との
関係
でありますが、
上野
の
國立図書館
も
國会図書館
を併合するようなかつこうになりまして、なるべく近いうちに、一年のうちにこれを
ば東京
都のものに移そうというような
計画
が考えられておるのであります。それは
國立
が
國会
にもあリ、
上野
にもありということではいけないから、これを一諸にまとめて、
上野
の
図書館
は
東京
都のものに移管し、そこに進駐軍の持
つて
いる
図書館
の書籍も、彼らが撤退するときには併合して、
りつぱなニユーヨーク
の
公立図書館
、ボストンの
公立図書館
のようなものにしようというのがねらいなのであります。さらにこれと並行いたしまして、文部省の
計画
で地方にもいろいろな
図書館
ができるであろうし、その他諸
團体
においても
図書館
ができまするが、そういう
図書館
を指導する立場になる、すなわち
カタログ
の統一したものをつくりまして、全國至るところに蔵書されているものが
一目瞭然
にわかるような組織にしようというのが、この案の
眼目
なのであります。われわれ
國会人
としてぜひともこれの
整備
したものがなければならぬということを考えておりまするがために、この案を
提出
したのであります。きのうもここへクラツプ、
ブラウン両氏
が來まして、いろいろ
説明
があ
つたの
でありますが、それに対し、
淺沼委員長
の御
質問
があり、
予算
の
関係
なども
言つて
お
つたの
でありますが、これも一目であまりに厖大なものではないかというお考えが
ちよ
つと起るかもしれないが、これは
財政
の
都合等
を見合わせて、でき得る限りのことをやる。しかもこれに
應ずる金
については莫大なものが要るかもしれんが、それより大きな効果をあげることができればいいのではないかと言う氣分であります。どうか
皆さん愼重御審議
の上、御賛成くださらんことを切にお願いいたします。 なおこの際
大池
さんにお話しておきたいと思いますことは、この
條文
は実は過去長い間にわた
つて
、われわれ
両院
の
委員
がおのおのその
委員会
において、あるいは
合同打合会
においてこれを
審議
してお
つたの
であります。しこうしてその都度
アメリカ
の
顧問たち
とさらに
審議
をし直して、彼らの原文もかえ、われわれの方もかえして、少しも彼らが何か押しつけようとしたのでもなし、合意の上でどしどし
日本
にふさわしいものはふさわしいように、向かないものは向かないように
修正
を自由にしたのであります。よ
つてかく
のごとき
法律案
ができたのでありますが、実はこの
法律案
の
修飾
について、昨日
大池事務総長
に
ちよ
つとお話をして、精神の変らない限り、
内部
の解釈に変りない限り、多少の
修飾
は私はいいと
思つて
お
つたの
でありますが、本日見てみますと、
相当
に
修正
の字句があるように見えておりますけれども、これは先ほど申し上げだように、
内容
に
変化
のない
範囲
の
修正
だと考えております。まだ十分に見ることができませんが、その
内容
に
変化
のないということを
條件
として、このまま
提出
して私は少しも差支えなかろうと思いますから、さよう御了承ねがいます。
石田一松
2
○
石田
(一)
委員
第二章第
五條
の二項に「
館長
は、
政治活動
を慎み、
政治的理由
により罷免せられることはない。」ということが
規定
してあ
つて
、しかもその
館長
の
待遇
は
國務大臣
と
同等
である。しかもこの第六章の
調査
及び
立法
のリアレンスとか、この
説明
を今承
つて
おりますと、何だかこれはただいまの
説明
にあるごとく、
國会
の原動力で動くのではあろうけれども、
相当
これは
政治
に対しては強い影響を與える
図書館
だと思うのです。その
館長
が
政治活動
を愼んで、
政治的理由
により罷免されることがない。身分の保障もしてあるのでしようが、何だか矛盾するような氣がするのです。
中村嘉壽
3
○
中村委員長
私はそれは
ちよ
つと誤解じやないかと思いますが、これにはいる
図書館長
というのは、政府の動きによ
つてちよいちよい迭
るというのでない、
厳正中立
な人がなるという
意味
です。そこでは
立法
に対して
材料
を提供するが、それらの
人々
が発案をしたりすることは許さぬという
意味
です。
淺沼稻次郎
4
○
淺沼委員
ちよ
つと御
報告
申し上げておきますが、昨日の
議会運営委員会
で問題になりましたこの
法案
の
内容
の点を二点にわけて、私
関係方面
の方に
質問
をいたしました。その結果だけを御
報告
申し上げておきます。 第一は
図書館
の中に
調査
及び
立法相談所リフアレンス
というものを設けて、
法制部
との
関係
はどうなるかということを聽いたのでありますが、結局立案の
最終決定
をするのは
國会内部
における
法制部
であ
つて
、
図書館
内にある
調査
及び
立法リフアレンス
というものは
補助的機関
ではあるけれども、
最終決定
をするのは
法制部
だ。
法制部
はやめなくてもよいのだということで一應了解が
なつ
たわけであります。その次の
財政
的な点は
工藤委員
から質疑があ
つたの
ですが、この
計画
は大体五十年間を予見して大きなものをつく
つて
おる。しかしそれはすぐこれをやれというのではないので、できるものから
予算
の得られる
範囲
内においてや
つて
いけばよいということで、
財政的負担
を大きく考えることは、今の段階においてはその必要もないじやないか。建物その他のことについては
相当金
がかかるようですが、できる
範囲
からや
つて
、初め小さくつく
つて
だんだん拡大していつたらどうか。
アメリカ
でもそういう
方法
をや
つて
おるということでありました。もう
一つ
は衆
議院
の方からの
意見
で
リフアレンス局
というような名前を何か
日本
的な
表現
はないものだろうか。たとえば
サービス
という
言葉
の点については
説明
ありませんでしたが、
リフアレンス局
ということについては何か
表現
をかえたらどうか。これに対する
答弁
は要するにかえるために案全体を壊しては困る。ないしは
審議
を遅らしては困るけれども、そうでなくて、いい
言葉
があれば、何もこれにこだわるわけではないという
答弁
がありました。それを御
報告
申し上げておきます。
中村嘉壽
5
○
中村委員長
リフアレンス
という
言葉
について
参議院
でもわれわれの方でもいろいろ論議したのですが、結局
相談
するということにもなるし、いろいろな
意味
をも
つて
いる。これに適合するような
日本
の
言葉
が発見されない、
両院
ともそれじやそのまま残したらどうかということにな
つたの
であります。
大池眞
6
○
大池事務總長
念のために私が読みますから、それによ
つて
御
質問
を願いたいと思います。
國立國会図書館法案
國立國会図書館
は、
眞理
がわれらを自由にするという
確信
に立
つて
、
憲法
の誓約する
日本
の
民主化
と世界平和とに寄與することを使命として、ここに
設立
される。 第一章
設立
及び
目的
第
一條
この
法律
により
國立國会図書館
を
設立
し、この
法律
を
國立國会図書法
と称する。
森三樹二
7
○森(三)
委員
前文
がついているのはよいが、「この
法律
を
國立國会図書館法
と称する」などということはわかりきつたことで、
向う
がこういうふうな
書き方
をしているかもしれないけれども、私は第
一條
として「
國立國会図書館
はこの
法律
によ
つて
設立
する」だけでよいのではないか。
從來
の
立法
から
言つて
こういう
体裁
はないのです。
中村嘉壽
8
○
中村委員長
そこは今までの
立法
と今度は変
つて
いるかもしれないが、これを読んで見ますと至れり
盡せり
で、十分こまかく
説明
してある。重複になるようなことは残しておいても、
向う
では疑義の起らぬようにしておいたらよいじやないかというのでおいてある。もしこれをまた変更するとさらに
相談
をし直さなければならぬことになる。ですからこれはなるべくそのままお通しを願いたい。
森三樹二
9
○森(三)
委員
それではわれわれが
意見
を述べることは無
意味
にな
つて
しまいますね。
法律
の
体裁
ということも考えなければなりません。いやしくもわれわれが
審議
したとなれば、これではみつともないと思います。
石田一松
10
○
石田
(一)
委員
こういう所で申し上げるのはどうかと思うのですが、最近
日本
の
法律
は
民主化
の声がやかましくな
つて
から、
憲法自身
においても
口語体
を用いて非常にわかりやすく書かれてあるけれども、最近それと全然相反するような
立法
がなされようとする傾向がある。たとえば
警察法
の
前文
などは
中等学校
から
大学
の
予科程度
の学生が一度や二度読んでも理解できないようなことが書いてある。この
法律案
でも「
國立國会図書館
は
眞理
がわれらを自由にするという
確信
に立
つて
」などという
日本語
は過去には使われなかつた。なるべくならばこういう
言葉
を
口語体
に近いもので現わしたい。これが今後の行き方ではないかと思う。特に
図書館法
というような國の文化を象徴する
設備
の根本となす
法律
が、
日本語
だか何だかわからないもので書かれていることはさびしいという氣持です。
森三樹二
11
○森(三)
委員
第
一條
の
書き方
がわかりやすいようでおかしいと思う。できれば「この
法律
により
國立國会図書館
を
設立
するものとする」だけ書いて、あとは省いてしまつたらどうですか。法文の
体裁
というものもあるですよ。
石田一松
12
○
石田
(一)
委員
この
委員会
で貴重な時間を費してやるということもどうかと思うので、これは
事務総長
と
淺沼委員長あたり
に一任の形をと
つて
、そこで万全を期してもらう、そういうことで了承したらどうでしようか。
小澤佐重喜
13
○
小澤
(佐)
委員
一應逐條でやりましよう。
工藤鐵男
14
○
工藤委員
外來語
だけは何とかしなければならぬ。
体裁
が悪い。適当な
言葉
があるかどうかわからないが、
言葉
はだんだん
内容
を具えてくるものですから……。
大池眞
15
○
大池事務總長
第
二條
を読みます。 第
二條
國立國会図書館
は、
図書
及びその他の
図書館資料
を
蒐集
し、
國会議員
の
職務
の遂行に資するとともに、
行政
並びに
司法
各
部門
に対し、更に
日本國民
に対し、この
法律
に
規定
する
図書館サービス
を提供することを
目的
とする。
小澤佐重喜
16
○
小澤
(佐)
委員
サービス
というのはどういう
意味
ですか。
奉仕
という
意味
ですか。
中村嘉壽
17
○
中村委員長
そうです。
小澤佐重喜
18
○
小澤
(佐)
委員
奉仕
なら
奉仕
でいいでしよう。
淺沼稻次郎
19
○
淺沼委員
憲法
にも国民全体に対する
奉仕
という
言葉
を使
つて
おる。
小澤佐重喜
20
○
小澤
(佐)
委員
ことさらに
サービス
と書かなくてもいい。
大池眞
21
○
大池事務總長
〔朗読〕 第三條
國立國会図書館
は、
中央
の
図書館
並びにこの
法律
に
規定
されている
支部図書館
及び今後
設立
される
支部図書館
で構成する。 第二章
館長
第四條
國立國会図書館
の
館長
は、一人とする、
館長
は、両
議院
の
議長
が、両
議院
の
図書館運営委員会
と協議の後、
國会
の
承認
を得て、これを任命する。
館長
は、
職務
の
執行
に当り過失がない限り在職する。
館長
は、
政治活動
を愼み、
政治的理由
により罷免されることはない。
館長
は、両
議院
の
議長
の
共同提議
によ
つて
は罷免されることがある。
館長
は、
法律
によ
つて
定めた停年に至
つて
退職する。
館長
の
待遇
は、
國務大臣
と
同等
する。 第
五條
館長
は、
図書館事務
を統理し、
所属職員
及び
雇傭人
の
職務執行
を監督する。
館長
は、事前に、時宜によ
つて
は事後に、両
議院
の
図書館運営委員会
の
承認
を経て
図書館管理
上必要な諸
規程
を定める。
前項
の
規定
は公示によ
つて
施行される。 第六條
館長
は、毎
会計年度
の始めに両
議院
の
議長
に対し、前
会計年度
の
図書館
の
経営
及び
財政状態
につき
報告
する。 第
七條
館長
は、一年を越えない定
期間
毎に、前
期間
中に、
日本國
内で刊行された
出版物
の
カタログ
又は
索引
の
出版
を行うものとする。 第
八條
館長
は、
出版
に適する様式で
日本
の
法律
の
索引
を作るものとする。 第三章 副
館長
並びにその他の
職員
及び
雇傭人
第九條 副
館長
は、一人とする。副
館長
は、
館長
が両
議院
の
議長
の
承認
を得て、これを任免する。副
館長
は
図書館事務
につき
館長
を補左する。
館長
に事故があるとき、又は
館長
が欠けたときは、副
館長
が
館長
の
職務
を行う。副
館長
の
待遇
は、
各省次官
と
同等
とする。 第十條
國立國会図書館
のその他の
職員
及び
雇傭人
は、
職務
を行うに適当な者につき、
國会職員法
の
規定
により
館長
が、これを任命する。その
職員
及び
雇傭人
の職責は
館長
が、これを定める。
図書館
の
職員
は、
國会議員
と兼ねることができない。又
行政
並びに
司法
の各
部門
の地位と兼ねることができない。但し、
行政
又は
司法
の各
部門
の
支部図書館
の館員となることは、これを妨げない。 第四章
図書館運営委員会
並びに
國立国会図書館連絡調整委員会
第十
一條
両
議院
の
図書館運営委員会
は、少くとも六ヶ月に一回以上これを開会し
図書館
の経過に関する
館長
の
報告
、
図書館
の
管理
上
館長
の定める諸
規程
、
図書館
の
予算
及びその他の
事務
につき
審査
する。各
議院
の
図書館運営委員長
は
前項
の
審査
の結果をその院に
報告
する。 第十
二條
國立國会図書館
に
連絡調整委員会
を設ける。この
委員会
は、四名の
委員
でこれを組織し、各
議院
の
図書館運営委員長
、
最高裁判所長官
の任命する
最高裁判所裁判官
一名及び
総理大臣
が任命する
國務大臣
一名をこれに充てる。
委員長
は
委員
の
互選
とする。
委員長
及び
委員
は、その
職務
につき報酬を受けない。
館長
は、
委員会
に出席できるが、表決に加わることができない。 第十三條
連絡調整委員会
は、両
議院
の
図書館運営委員会
に対し、
國会
並びに
行政
及び
司法
の各
部門
に対する
國立國会図書館
の
サービス
の改善につき勧告する。
森三樹二
22
○森(三)
委員
「第四章
図書館運営委員会
並びに
國立國会図書館連絡調整委員会
」とな
つて
いるが、そうすると
國会
と別な
図書館
があるような
感じ
を受ける。この
法律
は
國立國会図書館
の
法律
でなくて、
公立図書館
の法だという
感じ
を受ける。さつきの御
説明
によると、
國家
の
経営
のものもあり、縣のものもあり、都のものもあり、それを全部ひつくるめるのでしよう。そうな
つて
くるとこれは
國立
でなく、
公立
でなくてはならぬ。各
支部
を設ける……。
中村嘉壽
23
○
中村委員長
各
支部
というのは国家の
機関
である
行政部
とか
司法部
の
支部
であ
つて
、
國家機関
のことを
意味
するのです。 第五章
図書館
の
部局
第十四條
館長
は、
管理事務
を効率化するに必要とする
部局
及びその他の單位を
図書館
に設ける。 第六章
調査
及び
立法リフアレンス局
第十
五條
館長
は、
國立國会図書館
内に
調査
及び
立法リフアレンス局
と名附ける一局を置く。この局の
職務
は、左の通りである。 一
要求
に應じ、両
議院
の
委員会
に懸案中の
法案
又は内閣から
國会
に送付せられた案件を、分析し又は評價して、両
議院
の
委員会
に進言し補佐するとともに、妥当な
決定
のための根拠を提供して援助すること。 二
要求
に應じ、又は
要求
を予測して自発的に、
立法資料
又はその
関連資料
の
蒐集
、分類、分析、翻訳、
索引
、摘録、編集、
報告
、及びその他の
準備
をし、その
資料
の選択又は
提出
には、党派的又は
官僚的偏見
に捉われることなく、両
議院
、
委員会
及び
議員
に役立ち得る
資料
を
提出
すること。 三
立法
の
準備
に際し、両
議院
、
委員会
及び
議員
を補佐して、
議案起草
の
サービス
を提供すること。但し、この補佐は
委員会
又は
議員
の
要求
ある場合に限
つて
提供され、
調査
及び
立法リフアレンス局職員
はいかなる場合にも
立法
の発議又は督促をしてはならない。 四 両
議院
、
委員会
及び
議員
の必要が妨げられない
範囲
において、
行政
並びに
司法
の各
部門
又は
一般公衆
に
蒐集資料
を提供して役立てること。 第十六條 この局に必要な局長、
次長
及びその他の
職員
は、政党に加入していても加入していなくても、その
職務
を行うに
適局
な者につき、
國会職員法
の
規定
により
館長
がこれを任命する。
館長
は、更にこの局の
職員
に、両
議院
の
常任委員会
の必要とする
廣汎
な
関連分野
に
専門調査員
を任命することができる。この
専門調査員
の
待遇
は、
行政
並びに
司法
の各
部門
の一級官吏と
同等
とする。 第七章
行政
並びに
司法
の各
部門
への
サービス
第十
七條
館長
は、
東京
に在る
行政
並びに
司法
の各
部門
に、
図書館サービス
の連繋をしなければならない。この
目的
のために、
館長
は左の権能を有する。 一
行政
並びに
司法
の各
部門
の
図書館長
を、これらの
部門
を各々代表する
連絡調整委員会
の
委員
の推薦によ
つて
任命する。但し、
行政
並びに
司法
の各
部門
の
図書館長
は
当該
各
部局
の
職員
たることを妨げない。 二
行政
並びに
司法
の各
部門
の
図書館
で使用に供するため、
目録法
、
図書館相互
間の貸出及び
資料
の交換、
綜合カタログ
及び
綜合リスト作成等
を含む
図書館運営
の
方法
及び制度を定めることができる。これによ
つて國
の
図書館資料
を、
行政
並びに
司法
の各
部門
のいかなる
職員
にも利用できるようにする。 三
行政
並びに
司法
の各
部門
の
図書館長
に、年報或は特報の
提出
を
要求
することができる。 第十
八條
行政
並びに
司法
の各
部門
に在る
図書館
の
予算
は、
当該
各
部門
の
予算
の中に「
図書館
」の
費目
の下に、明白に区分して計上する。この
費目
の経費は、
行政
並びに
司法
の各
部門
を各々代表する
連絡調整委員会
の
委員
及び
館長
の
承認
を得なければ、他の
費目
に流用し又は減額することはできない。 第十九條
行政
並びに
司法
の各
部門
の
図書館長
は
当該
各
部門
に充分な
図書館サービス
を提供しなければならない。
当該
各
図書館長
は、その
職員
を、
國会職員法
又は、
國家公務員法
若しくは
裁判所
との
規定
により、任免することができる。
当該
各
図書館長
は、
國立國会図書館長
の定める
規程
に從い、
図書
及びその他の
図書館資料
を
購入
或は他の
方法
による
受入方
を
当該
各
部門
の
長官
或は
館長
に勧告し、又は直接に
購入
若しくは
受入
をすることができる。 第二十條
館長
が最初に任命された後六カ月以内に、
行政
並びに
司法
の各
部門
に現存する、すべての
図書館
は、本章の
規定
による
國立國会図書館
の
支部図書館
となる。なお、現に
図書館
を有しない各廳においては、一カ年以内に
支部図書館
を設置するものとする。 第八章 その他の
図書館
並びに
一般公衆
に対する
サービス
第二十
一條
國立國会図書館
の
サービス
並びに
蒐集資料
は、直接に或は
公立
その他の
図書館
を経由して、両
議院
、
委員会
及び
議員
若しくは
行政
並びに
司法
の各
部門
からの
要求
を妨げない限り、
日本國民
に最大限に利用させる。この
目的
のために、
館長
は左の権能を有する。 一
館長
の定める諸
規程
に從い、
図書館
の
蒐集資料
を
國立國会図書館
建物内で、又は
図書館相互
間の貸出、複写
サービス
若しくは陳列によ
つて
、
一般公衆
の使用並びに研究の用に供する。且つ、時宜に應じて
図書館サービス
の改善上必要を認めるその他の
サービス
を提供する。 二 あらゆる適切な
方法
より、
図書館
の組織及び
図書館サービス
の改善につき、都道府縣議会その他の地方議会、公務員又は
図書館
人を援助する。 三
國立國会図書館
で印刷した
カタログ
カード又はその他の
出版物
を他の
図書館
及び個人が、
購入
しようとする際には、
館長
の定める價格でこれを売り渡す。 四
日本
の
図書館資料
資源に関する
綜合カタログ
、並びに全國の
図書館資料
資源の連繁さる使用を実現する必要なる他の
カタログ
及びリストの作成のために、あらゆる方策を講ずる。 第二十
二條
上野
公園の
國立図書館
は、昭和二十四年四月一日までに、
國立國会図書館
の
支部図書館
となり、特に
東京
都民の用に供するよう有効に運用する。この
図書館
はできる限り速かに、
東京
都に移管し、移管期日前に制定される
法律
及び諸
規定
に從
つて
運用する。
森三樹二
24
○森(三)
委員
東京
都に移管するということは、
図書館
の所有権を移すということか、保管を委任するということか。これだけではわからない。これだけをも
つて
しては
上野
図書館
は
國立図書館
から除外されるというように考えることはできないのではないか。やはり
上野
図書館
も
國立図書館
の一部にはいるということも考えられると思う。
東京
都に移管するということは所有権を移すというのか、
管理
権を移すというのかわからぬですね。
中村嘉壽
25
○
中村委員長
これはやはり
東京
都のものにしてしまうというわけです。 第九章
蒐集資料
第二十三條
館長
は、
國立國会図書館
の
蒐集資料
として
図書
及びその他の
図書館資料
を
購入
、納本、寄贈、遺贈若しくは交換によ
つて
、又は
行政
並びに
司法
の各
部門
からの移管によ
つて
受入
することができる。
行政
並びに
司法
の各
部門
の
長官
は、その
部門
においては必ずしも必要としないが、
館長
が
國立國会図書館
において使用には充用できると認める
図書
及びその他の
図書館資料
を、
國会図書館
に移管することができる。
館長
は、
國立國会図書館
では必ずしも必要としない
図書
及びその他の
図書館資料
を、
行政
並びに
司法
の各
部門
に移管し、又は交換用に利用し、若しくは処分することができる。 第十章 國の
出版物
の納入 第二十四条 國の諸
機関
による又は國の諸
機関
のための、
図書
、パンフレツト、定期刊行物、地図、映画或はその他のもので、印刷又は複写により、五百部以上を発行する場合は(機密扱のもの及び書式用紙を除く)、
東京
における公用のため、並びに外國政府
出版物
との國際的交換の用又はその他の國際的交換の用に供するために直ちに
國立國会図書館
に五十部を納入させるものとする。五百部未満の発行部数のものについては、
館長
の定める
規程
によ
つて
五十部未満の部数を
國立國会図書館
に納入させるものとする。 第十一章 その他の
出版物
の納本 第二十
五條
第二十四條に揚げる以外の
出版物
については、その発行者から一部を
國立國会図書館
に納本させるものとする。
館長
はその代償として定期に作成する全
日本
出版物
の
カタログ
で、
当該
出版物
を登載した分を遅滞なく納本者に送付するものとする。 第十二章 金銭の
受入
、支出、
予算
第二十六條
館長
は、
國立國会図書館
に関し、その
サービス
又は
蒐集資料
に関連し、直ちに支拂に供し得る金銭の寄贈を受けることができる。この場合には両
議院
の
図書館運営委員会
の
承認
を得なければならない。 第二十
七條
國立國会図書館
に充当されているあらゆる経費は、
館長
の監督下に、その任命した支出官によ
つて
支出される。 第二十
八條
國立國会図書館
の
予算
は、
館長
がこれを調製し、両
議院
の
図書館運営委員会
に
提出
する。
委員会
はこの
予算
を
審査
して勧告に附し、又は勧告を附さないで、両
議院
の
議長
に送付する。 第十三章 附則 第二十九條 この
法律
は、公布の日から、これを施行する。 昭和二十二年
法律
第八十四号
國会図書館法
は、これを廃止する。 第三十條 この
法律
施行の日に、両
議院
の
図書館
は各々分離した
図書館
としての存在を終止し、その
蒐集資料
は、
國立國会図書館
に移管される。 第三十
一條
國立國会図書館
の各種の地位への任命に完全な有資格者が得られない場合には、
館長
は、二年を越えない
期間
内で、仮任命をすることができる。その
期間
の終了に際し、その地位に優れた有資格者が得られるならば、その仮任命は更新せられないものとする。
國立國会図書館建築委員会法案
第
一條
この
法律
により、
委員長
及び四人の
委員
で組織する
國立國会図書館
建築
委員会
を設置する。
委員長
には
國立國会図書館
の
館長
を充て、
委員
には各
議院
の
図書館運営委員長
、建設院総裁、及び両
議院
の
議長
の任命する建築専門家一名を充てる。
委員長
及び
委員
(建築専門家を除く)は、これがため特別の報酬を受けない。但し、その必要な支出については、
委員会
に充当されている経費からこれを支弁する。 第
二條
委員会
の
職務
は、
國立國会図書館
建築につき最初の明細書を
準備
し、敷地を撰定し、建築家を選び、建築設計の
準備
及び費用の見積をさせ、且つ建物の建築につき
予算
上の勧告をも含めて、両
議院
の
議長
を経由して
國会
に勧告することである。
委員会
は少くとも半年以内毎に、両
議院
の
議長
に経過を
報告
するものとする。 第三條
委員会
は、
國立國会図書館
の建設が完了するまで存続する。建築が完了したときは最終の
報告
をして削減する。 第四條
事務
職員
費、用品費、旅費その他の費用等必要な経費については、
國会
の議決により、その必要と認められた金額を
委員会
の費用として充当されるものとする。 附 則 この
法律
は、
國立國会図書館法
の施行の日から、これを施行する。
工藤鐵男
26
○
工藤委員
今
ちよ
つと氣がついたが、第二十
八條
に「
委員会
はこの
予算
を
審査
して勧告を附し、又は勧告を附さないで、両
議院
の
議長
に送付する」とあるが、そうすると勧告を附しても、附さないでもいいのですか。これは
ちよ
つと
日本
人の頭にぴつたりこない。
中村嘉壽
27
○
中村委員長
そういうことを明確にするために、疑義の起らぬようにしてあるのです。
森三樹二
28
○森(三)
委員
第四條に「
館長
は、
法律
によ
つて
定めた停年に至
つて
退職する」とな
つて
いますが、その
法律
は別につくるのですか。
林百郎
29
○林(百)
委員
第六章の第十
五條
の第一号に、「
要求
に應じ、両
議院
の
委員会
に懸案中の
法案
、又は内閣から
國会
に送付せられた案件を、分析し又は評價して、両
議院
の
委員会
に進言し補佐するとともに、妥当な
決定
のための根拠を提供して援助すること」とある。
事務
局には
法制部
、
調査
部があるのですが、
図書館
の方でまたこういうことになると、この
関係
はどうなるのですか。重複してくると思うが……。
中村嘉壽
30
○
中村委員長
ちよ
つと
説明
いたしますが、
図書館
の方に専門家の人達を集めて
リフアレンス
・ライブラリーをつくるというのです。
材料
が十分に集
つて
いるところであらゆる角度からそういう
材料
を提供するわけです。今ここにある
法制部
というものを十分なものとは
思つて
いない。それよりもつと完全な
材料
をも
つて
いこうというわけなんです。
林百郎
31
○林(百)
委員
今
中村委員長
の言われた点ですが、今の
法制部
が不十分だということで
議院運営委員会
へ社会党と共産党の方から
法制部
の拡充というのが草案で出ておるのです。そこで結局
図書館
としては、その
法制部
の活動に必要な
資料
を提供するのであ
つて
、みずから積極的に進言し、補佐するということになると、やはり
図書館
のらちを超えるのではないかと思う。
中村嘉壽
32
○
中村委員長
それは
要求
に應じてやるのです。
林百郎
33
○林(百)
委員
要求
に應ずるわけですが、
調査
部や
法制部
の方も
要求
に應じてやる。こちらにもそういうものを設けると二重になると思うのです。もしそれだけの経費があるならば
一つ
を拡充した方がいいと思うのです。
中村嘉壽
34
○
中村委員長
それはきのう
淺沼委員長
も
質問
されたと思うが、
アメリカ
ではどうかというと、そう大きなものではないが
法制部
があ
つて
、フイニツシユイング・タッチをやる。人間の数は五名か十名の
範囲
と
言つて
おる。しかし大体は
図書館
の方で
材料
を提供して、それによ
つて
法制部
がフイニツシユイング・タッチをするということにな
つて
いる。今の
法制部
というものが非常に大きな
計画
のものであるならば二重になるが、そこでは十分な
材料
を集めることはできない、何とい
つて
も
國会図書館
が世界中から
材料
を集めるのです。
林百郎
35
○林(百)
委員
アメリカ
ではそうかもしれぬが、
日本
では法制局というのがあ
つて
、一般
立法
をや
つて
いる。
図書館
というのはそれの
資料
提供だけであ
つて
、実際に分析し
意見
を進言し補佐するというのはやはり
法制部
とか法制局という専門の
部局
がやるのだと思う。われわれがせつかく
法制部
の方へ人材を集めて、
行政部
門の方の法制局に匹敵するものをつくろうとする際に、またこんなものができたのでは、案が二つも三つもできてどつちも充実しない。議会の
法制部
に人を集めようと
思つて
も人が來ないと思う。
中村嘉壽
36
○
中村委員長
その問題についてはこの間も話があつたが、
國会図書館
をつくろうということは、
立法
の
リフアレンス
を集めようというのが一番主である。それがなければ
國会図書館
をつくる必要はないということです。
法制部
があ
つて
もそれだけで集めることができるのではない。
國会図書館
があ
つて
初めて集めることができるというわけです。
アメリカ
では小さな
範囲
の
立法
部というものはあるが、その運用というものはあまり力がないという。実際は
國会図書館
というものが非常なアクテイブな
仕事
をやる。
アメリカ
では
國会図書館
というものはむしろ働ぎ過ぎるほどアクテイヴな
仕事
をしている。ここがいろいろなものの原動力だということである。われわれが考えている
図書館
とは、本をたくさん集めておいてこれを読むという考え方だけれども、
向う
の考え方はそうじやない。
國会図書館
だけではなしに、各州の
図書館
も
立法
をや
つて
いる。
森三樹二
37
○森(三)
委員
考え方が根本的に違う。
中村嘉壽
38
○
中村委員長
こつちの
法制部
はそれを土台にしてフイニツシユイング・タツチをやる所だという考え方です。
林百郎
39
○林(百)
委員
それは結局
法制部
と
図書館
が緊密な連絡を保
つて
、
法制部
に必要な
材料
を
図書館
が提供してくれればよい。その
図書館
から提供された
材料
に基いて具体的にいろいろな
法案
を分析し評價し、進言するのは、やはり
法制部
がやることじやないかと思う。
中村嘉壽
40
○
中村委員長
それは
法制部
もやるでしよう。こつちの方で必要があればや
つて
やろうというわけです。しいてやるのじやない。
林百郎
41
○林(百)
委員
しかし
法案
にこういうことがあれば、
要求
に應じて
準備
するために、ある程度
法制部
の方も充実させなければならぬ。
森三樹二
42
○森(三)
委員
ダブらせる必要はない。
林百郎
43
○林(百)
委員
実際上ダブる。乏しい経費を二つに分ければ、どちらもいいかげんのものになるし、なわ張り争いが起る。
中村嘉壽
44
○
中村委員長
それは運用いかんであ
つて
、
國会図書館
でずつとまとま
つて
いけば、今の
法制部
というものは小さいものでよいということになる。
淺沼稻次郎
45
○
淺沼委員
この問題はきのうもいろいろ聽いたが、
アメリカ
の
立法
サービス
をや
つて
いる
國会図書館
は使用人員が百五十名ぐらい。議会内の
法制部
は明確な数字はなかつたが、五人ないし十人ぐらいだろうと思う。從
つて
國会内部
にある
法制部
は最終的に手を加えるところであり、それまでの
準備
活動というものはその
要求
に應じて
立法
サービス
をやる
図書館
がや
つて
くれる。そういうような
説明
だ
つたの
でありますけれども、今林君の言われると同じような疑問を私どもも今も
つて
いるわけでありますが、
國会内部
における
法制部
をなくしてしまうのではないということが明確に
なつ
たから、それならば一應この案を認めようではないかということに腹がきまりつつあるという現状ですが、
参議院
も同様な議論が出た。衆
議院
でもこの間この議論が出て、それを代表して私
質問
したわけですが、その結果がそうな
つて
いるのです。
林百郎
46
○林(百)
委員
私たちの党としては、ここにある
法制部
を法制局にして、それから
行政部
門のも
つて
いる法制局と匹敵するようなものにしようというわけで、実は
法案
までこの
議院運営委員会
に出しているのですが、ただそれが
審議
されていない。
森三樹二
47
○森(三)
委員
いや一應
審議
している。
林百郎
48
○林(百)
委員
一應やつたけれども実らない。われわれとしてはあくまでこの
事務
局の一部であるところの
法制部
を
一つ
の局にも
つて
いこうということでやつたわけですが、それがかち合
つて
しまう。
予算
が十分あるならば両方充実すればいいけれども、乏しい
國家
の財源で二つのものをつくることになると、どちらも不十分にな
つて
しまう。
中村嘉壽
49
○
中村委員長
今のような
法制部
をおかなければならないという議論が出てくれば、それならば
アメリカ
にも
法制部
というものはある。
法制部
が両立してもよくはないか。
法制部
が存立するのなら異議はないということにきのう
相談
がまとまつたわけであります。
石田一松
50
○
石田
(一)
委員
今の問題が林君の議論から出てくるのですが、もちろんこれが
政治
の最後の
決定
権をも
つて
おるわけでも何でもないわけであります。しかし妥当な
決定
の根拠を提供して援助するということが、もし現在
アメリカ
にあるように大きな
國立國会図書館
というような権能をもつたものができることになると、これが
日本
の
政治
の動向を左右するというふうなものになりはしないか。
中村嘉壽
51
○
中村委員長
そこは少し誤解があるようだが、何も
國会図書館
が権限をも
つて
いるわけではありません。権限はちつともなしに、そういう
材料
を提供するという、
機関
だけの話です。それを利用する人がうまく利用すればいいわけであります。それだから特に
政治
家でない人を選ぶということにな
つて
おります。
石田一松
52
○
石田
(一)
委員
もちろん
館長
は
政治
家でない、また
政治活動
を愼しむということは第四條にあるのですが、そのために正しい
資料
が提供され、さうしてわれわれに最後の
決定
を與えるための根拠を提供して援助してくれる。これが最も正しい根拠であればいいが、もしこの
國立國会図書館
の構成分子の中に誤つた考えをもつた者がもしあつたとすれば、
館長
がいくら正しくても、その下に働く者のいき方によ
つて
…。
中村嘉壽
53
○
中村委員長
御心配の点はよくわかりますが、そういう人は――この間私に例をあげて言いました。ある館員で多少そういうような傾向の疑いがあつた。それはすぐ止めさせてしまつた。そういうような傾向のある人とか、不公平の人とか、自分の利害を考える人は、ここには適当でないという考え方をも
つて
、人選には非常な注意を拂
つて
おります。
石田一松
54
○
石田
(一)
委員
そういうことが起らなければよいが、非常な危惧の念を抱くわけです。
中村嘉壽
55
○
中村委員長
そこは、今お話しましたように、非常に嚴重にや
つて
おるのあります。
常任委員会
の方に専門
委員
というものがある。これは
政治
的傾向を持つことはやむを得ないですね。ある常任
委員長
がこういう
法案
をつくろうというときには、自分の欲する
法案
に近い
材料
を提供するでしようが、
國会図書館
における専門
委員
というものは、データーを集める、フアクトを集めるということが主であ
つて
、自分で何かやるというデーターをも
つて
はいけないということが
規定
してある。
石田一松
56
○
石田
(一)
委員
今ここでお尋ねすることに対しての
委員長
の御
説明
は、
委員長
として今までこの
法案
を
審議
してきた、
両院
の
國会
図書館運営委員
の両者の
意見
をここで
説明
してくだされば足りるので、実は今も聽いていると、
アメリカ
ではこうな
つて
いるという。
アメリカ
ではそうな
つて
いるかもしれないけれども、
日本
ではどうなるかわからないので、
アメリカ
でうまくい
つて
いるから
日本
もそういくというわけにはいきません。教育の程度からい
つて
も、
財政
面においても、そうはいかないのだから、その
意味
において
説明
が願いたい。
中村嘉壽
57
○
中村委員長
今まで論議したのは、彼らの言うことを参考とし、彼らの
材料
によ
つて
や
つたの
でありまして、その結果が
委員会
において、また
両院
の間において結晶してきたのです。從
つて
おのずからその
説明
がはいることは許してもらわなければならぬ。
林百郎
58
○林(百)
委員
私の心配するのは、
アメリカ
のように非常に財源の豊かな國で、存分のことができるところならよいけれども、
日本
のような人間が生きるか死ぬかの境にあるときに、屋上屋を重ねるような
法案
をつく
つて
、
法制部
と
調査
部がやる。また
調査
委員
も
図書館
の方にあり、
事務
局の方にもあるということになると、両方とも人材を求めようとしても、
待遇
その他いろいろの問題で、集ま
つて
來ない。お互いに不便なものをこの際つくるということは、
向う
はよいかもしれないけれども、今の
日本
の現実としてはどうかと思うのです。
中村嘉壽
59
○
中村委員長
もしこれだけでまとまるならば、別のものはつくらぬでもよいじやありませんか。
調査
部そのものは存在してもよい。あなたの
意見
はそれを生かして、これを潰してしまえという御
意見
なのですか。
林百郎
60
○林(百)
委員
本來の使命は、第十
五條
の二項にあるように、
資料
を
蒐集
し、分類、分析、翻訳、
索引
、摘録をつくり、
報告
書を出し、いつでも必要に應ずるお膳立をつく
つて
おいてくれればよい。積極的に
法案
を分析し、
意見
を具申するというようなことは、それは
法制部
、
調査
部があり、専門
委員
もあるわけです。しかもそれはまだ不十分で、どうしてもまだ充実しなければならないという声が強いときです。それを
図書館
のようなものをつく
つて
、どちらも
待遇
が不十分で人材が集ま
つて
來ないということになれば、議会はうやむやにな
つて
くる。
中村嘉壽
61
○
中村委員長
それはおそらく
図書館
の方にいろいろな人が集ま
つて
くるから、そこでこなした
材料
がい
つて
、楽になりはしませんか。
石田一松
62
○
石田
(一)
委員
こんなに詳しく、建築するのに土地を選べということまで書いてあるのに、現在嚴存する
國会
法において認められている
法制部
がこれのためにどういう影響があるということはどこにも書いてない。自然の成行きに任しておけば、
國会図書館
の方が本格的な
調査
とか、
法案
の分析とか、評價をするようになるから、これが大きくなれば自然
國会
法に基く
法制部
というものはだんだん小さくな
つて
、なくなるだろうという
意味
で、これがつくられたのではないだろうと思うのです。
中村嘉壽
63
○
中村委員長
そんな
意味
じやないのです。
國民
に一番よい
サービス
をするために、
日本
の
國会
で何が一番よいかということを考えた結果がこれに生れてきたのです。
林百郎
64
○林(百)
委員
それは理想としてはいいかもしれないが、現実の問題として不可能であると思う。
アメリカ
のように非常に豊かな國なら別だが、そうでないと今度の六・三制みたいな制度ができても……。
中村嘉壽
65
○
中村委員長
こういう考え方はできませんか。これが
日本
の革新をはかる中心になるということで、今貧乏かしらぬけれども、それによ
つて
金持ちになろうという行き方だと思います。いろいろな重複を避けたり、あるいは非率的なものを能率的にしたりする根源ががここにある。
知識
の足らないところを足らせるようにするのだ。たとえば進駐軍がここにはい
つて
くると、三箇月の間に
日本
の産業、社会、
政治
、あらゆるものが欠乏に当面しておることがわか
つて
、トルーマン氏のところにそれを知らせてやれば、ただちに
日本
の事情がわかるというようなことにな
つて
いる。そういうことが
日本
では立
つて
いない。
日本
ではこんな
整理
の
方法
によ
つて
やつたらということから、これは生れてきておると思います。実に乱雑である。その乱雑な
状態
をよくして能率の増進をはかり、産業を起し、社会の革新をはかろう。無血の革新をこれによ
つて
やりたいという希望があるのです。あなたの言われる今あるものはそのままでいいのだから……。
林百郎
66
○林(百)
委員
しかしそれが非常に不十分で、それを充実しなければならないということが今問題にな
つて
いる際、それと同じ役割を果すものをまた新しく設ける必要はないと思います。将來余裕ができた場合にはそれをやる……。
中村嘉壽
67
○
中村委員長
それは出発点が違
つて
おると思います。
大石倫治
68
○大石(倫)
委員
委員長
と林君との押し問答を聽いておると、林君の言分ももつともだし、
委員長
の考え方もある。要するに
法制部
、
調査
部というものが両方にあるということは不経済だというのが林君の結論のようであります。もちろん私が心配しているのは、この
國立図書館
に要する経費が非常に厖大なものでなければならない。その厖大なものを今の
日本
において負担することは容易でない。これを至急にやろうとするならば、あるいは
予算
編成の上にも、インフレの助長の上にも影響があるのじやないか。それで人数を殖やすとか、徐々にや
つて
いくとか言いますが、これも緩和ができることになれば別であるが、それだけまた効果を生ずる時期が遅くな
つて
いくと思います。ここで今この
法律
を
審議
して成立したからとい
つて
、ただちに
委員長
の言うような
サービス
がわいてくるとは考えられない。それは來年か再來年か、三年の後か五年の後かわからない。それで今現実の問題としては、林君の言うように
國会
には
調査
部もあり、
法制部
もあるのですから、その間よく両方の
設備
、発達のぐあいを見て、調節してい
つて
もいいと思います。
委員長
の希望するところも林君の理論もよくわかりますが、今ただちに両方完全な
設備
ができて、それをやるというような
意味
にはならないのだから、実行の時期が幾年の後かわからない。そういうことはここであまり議論するほどでもないと思います。だから林君の心配することはただちに起らないから、これは私はあまりここで極論する必要はないと思います。それからこの
法案
は提案したのだとすれば、
國会
として扱わなければならないのだから、これは
修正
をしなければならぬところは
修正
をしていくか何かしなければならぬが、この
法律
の全体を見ると、どうもあまり直訳過ぎて、しかも英語を
相当
あちこちに使われておる。いやしくも
日本
の
法律
をこしらえるのに、こういうようなものをまぜていて、これから
日本
人が英語を稽古するからよかろうという
意味
かもしらぬが、あまりみずからを侮辱したもので、後世の史家に笑われる。
中村嘉壽
69
○
中村委員長
リフアレンス
ということも、
サービス
ということもいろいろ研究したのですが、これからは新しい
言葉
がだんだん加わ
つて
いくことだし、過去においても、たとえば
カタログ
でも
日本
の
言葉
にな
つて
おるというようなことから、そういうような
言葉
が残してあるわけです。いろいろ専門家も寄
つて
研究した結果、
委員会
においてどうも
リフアレンス
に
相当
する
言葉
がないものだから、これはすでにこつちのライブラリーでも使われておるのだし、そこで残したらどうかということで残したわけですが、もし
リフアレンス
は西洋語だからいかぬとおつしやるならば……。
大石倫治
70
○大石(倫)
委員
カタログ
とか
サービス
という
言葉
は大体
日本語
にしても
意味
が通るが、
リフアレンス
だの、ヘべれけだの、そういつたようなことを法文の上に現わすことは、われわれ
議員
としての責任上、よほど考えなければならぬ問題だと思う。
林百郎
71
○林(百)
委員
リフアレンス
だけではない。法文全体が少しおかしいと思う。
中村嘉壽
72
○
中村委員長
きのうも話があ
つて
、通しておいて、
修正
はいつでもできる。どこの國の
法律
を見ても完全ということは期し得られないのだから、通つた後に……。
工藤鐵男
73
○
工藤委員
研究すればもつと適切な
法律
用語があるはずだと思う。
淺沼稻次郎
74
○
淺沼委員
直せるところは直す。今與えられた原案についてお互いに考えたい。私の考えを申し上げれば、先ほど林君の言う通り、第十六條の
規定
、殊に第十
五條
の
規定
は、
法制部
の
規定
をつくろうとするわれわれと、この案の
内容
において非常に入り組んでおる、通じておるという点が多量にあ
つて
、これがために法制局の問題がどうなるかということがあるが、これはこれとして、
法制部
は
法制部
としてや
つて
いくことが、存置されればわれわれは
法制部
を拡充する。どういうふうに拡充するか、今の
法制部
の機能をも
つて
して、一万、二万という
法律案
が出てきて、これを消化し得るかということになれば、
図書館
のような
資料
をもつたものでなければ、これは消化できないと思う。今政府から
法案
の出てくるのを見て、われわれがタイアツプして出てきておるという形であるが、実際
立法府
でつくるということの建前が完全に確立されれば、
アメリカ
でも一議会ごとに二万ないし三万の
法律案
が出てくるということを伺
つて
おるので、
日本
もやはり
立法
を衆参
両院
においてやろうということになれば、うんと出てくると思う。そういう点では今の
法制部
の機能だけではこれにタイアップしていけない形にな
つて
、
法制部
は最終的な仕上をする。それ以外の
相談
はここでやるというぐあいに解釈して最終の
決定
をやる。
法制部
を充実するにはどうやつたらよいかということをわれわれが考えることにしてこの問題を解決し、それから中にあまりにも翻訳的であるという点は、
事務
当局にお願いして翻訳的でないような文章に書きかえてもらう。用語の点において
修正
する点があれば、これも
事務
当局及び
委員長
の手もとにおいてお考えを願うことにしてはどうですか。
林百郎
75
○林(百)
委員
法制部
の方を充実しようという場合に、
図書館
の方の
リフアレンス局
があるから、それでよいのではないかということに
なつ
たらどうですか。
淺沼稻次郎
76
○
淺沼委員
それはおのずから任務が違うような氣がする。というのは、今のように限定された
法案
をわれわれがつくるとなれば別だけれども、すべて
法律
でも
つて
いかなければならぬ段階にきておれば、なんぼ
法律
が出てくるかわからぬと思う。そこでこれはいろいろ話を伺いますと、
アメリカ
の州はほとんどこれなんだそうで、連邦の方では
法制部
がや
つて
いるというような形が現われているそうです。しかし将來の動向としてすべてのものを
立法
するということにな
つて
いけば、やはり
図書館
をもち、それからうんと
財政
的な基盤をも
つて
やらなければできぬことであ
つて
、自然
法制部
を拡大してい
つて
も、
図書館
との
関係
をどういうぐあいで結んでいくか。
調査
部との
関係
をどう結んでいくかということまではい
つて
いかなければならぬ。
林百郎
77
○林(百)
委員
だから
図書館
を充実することはよい。われわれの
要求
するような
資料
を集めておいてもらいたい。その中に積極的にその
資料
をこなして
法案
を
決定
し、各代議士なり、各
委員会
に
意見
を具申するところまで
機関
を
図書館
の中に設ける必要があるかどうか。
淺沼稻次郎
78
○
淺沼委員
そこで問題になるのは、
法制部
の相手方になるものは、
両院
一緒になれば七百人、衆
議院
だけで四百六十六人の
相談
に應じなければならぬ。そのときに、
法制部
が独立して拡大されたものであつたとしても、それは
図書館
という背景をもち、また百人、二百人の手足をもつたものでなければできないことになる。同時に
図書館
としてはどうしても切り離すことのできないものにな
つて
くると思う。そういう
関係
からこういう案が出てきていると思う。そうすると法制局と
事務
局の二本建という案が出てくると思うが、二本建でなくても、自然法制局と
事務
当局の
関係
がまた複雑な問題にな
つて
きて、それが今まで
法制部
の充実問題をきめずにここまでも
つて
きているのですから、一本建でいくか、二本建でいくかということで、内閣の方としては、今まであつた法制局がなくな
つて
、法務廳の中に包含されてそこから出てくるような形にな
つて
いるけれども、そういうものをみな吸收してや
つて
いくことにしなければならぬわけですから、それはそれとして充実するとして、この案はこの案として過渡的には一應……。
小澤佐重喜
79
○
小澤
(佐)
委員
法制部
と
図書館
の対象は違うと思う。
法律
をつくるのは
法制部
に頼む。しかし
法制部
の方で、この
法律
をつくるにはこういう事実が明確にな
つて
おらぬ、学理的にはどうであろうか、世界の情勢はどうであろうかということを調べてもらうのが
図書館
だ、こう考えるが、
委員長
のお考えはどうですか。
中村嘉壽
80
○
中村委員長
その通りです。
林百郎
81
○林(百)
委員
現実の問題としては、
小澤
さんの言うような各國の事情
調査
などは
法制部
がや
つて
いるが、今その機能が非常に不十分だ、これを何とか充実しなければならないのが今の段階だ。それに似たようなものを置いて、どこもいい加減なものにならないように、どつちか一方を充実して
國会
の権威を高めないと困ると思う。
大石倫治
82
○大石(倫)
委員
大体
委員長
の考え方もわかつたが、われわれ何もこの件について相剋摩擦を希望しているのではない。ただあまり直訳的なものは少し
日本
の
法律
らしく……。
淺沼稻次郎
83
○
淺沼委員
その点は法制局の
意見
も聽いてきめたらどうですか。
石田一松
84
○
石田
(一)
委員
この用語の点については、戰争最中に外國の
言葉
を排撃した。あるいは國粋的、軍國的なことで
言つて
いるのではない。平和的な、文化的な
國家
としての
國民
の要請に應じて主張しておるのであります。
中村嘉壽
85
○
中村委員長
それではこの
法律
は急を要する問題ですから、
サービス
、リスト、
カタログ
、
リフアレンス
、この四つの
言葉
を漢字に現わせるものは現わすことにして御承諾を願えませんか。
石田一松
86
○
石田
(一)
委員
二十
八條
の「
國立國会図書館
の
予算
は、
館長
がこれを調製し、両
議院
の
図書館運営委員会
に
提出
する。
委員会
はこの
予算
を
審査
して勧告を附し、又は勧告を附さないで、両
議院
の
議長
に送付する。」これは
財政
法とか、あるいは國の
予算
の
法律
などに抵触することがないか。または
予算
委員会
や、
國会
法と矛盾抵触する点はないか。この点については十分御研究の上だろうと思いますが、間違いありませんか。
中村嘉壽
87
○
中村委員長
ないつもりです。
大池眞
88
○
大池事務総長
これだけでは
予算
が
要求
できないから、その下の方にあるので、これで
國会
の
予算
として
國会
に
要求
して、運営
委員会
に
相談
して、そこで
決定
して、それを
予算
委員会
にかけるということになるのです。
工藤鐵男
89
○
工藤委員
この案については今の用語の点と施行期日の点で、公布の日からこれを実施するとあるが、一年なり何なりの一定年限を附してやつたらという以外に私には
意見
はありません。
林百郎
90
○林(百)
委員
これは
憲法
上責任は一体どこにあるのですか、
國務大臣
に匹敵するような
待遇
と――一体
行政部
門の内閣に直属することになるのか。
淺沼稻次郎
91
○
淺沼委員
國会
が責任を負うのです。
林百郎
92
○林(百)
委員
そうすると
國立図書館
建築
委員会
委員長
には
館長
がな
つて
、
図書館運営委員会
委員長
はその下につくということですね。そうすると
委員長
の權限は
図書館長
につくことになるのですが、それでいいのですか。
中村嘉壽
93
○
中村委員長
その通りです、建築の方はそれで構わないが、その他は
運営委員長
が
館長
の上に立つということにな
つて
おります。 それではこの程度で休憩いたします。 午後一時三十七分休憩 ――――◇――――― 午後三時五十四分
開議
中村嘉壽
94
○
中村委員長
それでは休憩前に引続き
連合審査会
を開きます。 先刻の協議に基きまして、若干
法案
の
内容
を
修正
いたしましたので御
報告
申し上げます。英語の「パンフレツト」を「小冊子」ということにし、「
調査
及び
立法リフアレンス局
」というのを「
調査
及び
立法
考査局」といたします。それから「サービース」というのを「
奉仕
」とし、「
カタログ
」というのを「目録」といたします。それから「リスト」を「一覧表」とし、「カード」を「目録票]とすることに決しましたので、どうかさよう御承知を願います。 それでは本日はこれで散会いたします。 午後三時五十九分散会