○松澤(兼)委員 ちよつと簡單に二、三点伺いたいと思います。先日も松野君から
質問がありまして、大体御了解を得たのでありますが、この第
二條第二項の次に、
地方公共
團体の事務の例示をつけるわけでありますが、これはあくまでも例示であ
つて、
市町村が当然なさなければならない事務がこのほかにあれば、いくらでもこれに附け加えてい
つて差支えはない。但し禁止せられているものは別でありますが、そうでないものはいくら附け加えても構わないというふうに了解しておるのでありますが、これはその通りでよろしゆうございますか、一應お
聽きしたいのであります。たとえば私ちよつと考えましたところでも、四のドック、防波堤というようなことは、当然
市町村の事務として現在や
つておりますし、はいらなければならない仕事であると思います。六に病院、隔離病舎、療養所とありますが、あるいは保健所、診療所というようなものがこの中にある。あるいは
市町村が葬祭を公営する、つまり葬式を
市町村がやるようなことも、
市町村の事務として適切である、こういうふうに考えますし、また七に騒音防止ということがありますが、あるいは煤煙防止というようなことが当然考えられると思いますし、また食糧の問題などにおいても、一應國家が管理しておるわけでありますが、
市町村が配給の計画を立てたり、あるいはそれを規正したりするというような事務も、当然考えられるというようなことを拾い上げてみますと、さらに十六項に家畜等の檢査ということがありますが、あるいはこれに家畜の疾病を防止する防疫というようなことも必要であるというふうに考えるのであります。この点をもう一度明確にしていただきたいことと、それから第三号の「企業の
経営」ということと、第十号の「收益
事業」ということとは特にその間に——たとえば第三号は收益を伴わない企業というようなことを
意味しているのか、あるいは收益はあげても構わない、結局收益
事業であ
つても構わない。わざわざ別に区別する必要はなく、片方はいわばこれまで普通考えておりました公企業というようなものであ
つて第十号の方はそれよりもさらに積極的な、経済的な内容を
意味するものであるというふうに言葉の
意味を区別してここで
規定してあるのか、先ほど申しましたように、大体同じようなことであるというふうにお考えにな
つているのかということ、それが第二点であります。
第三点は第十一号に「公有水面埋立
事業」ということがあります。これは
市町村が
施行することにな
つておりますが、たとえば私人の埋立を許可するとかいうようなことは、第十一号に該当するのであるか、市が直接やる以外には、私人の埋立を許可するとか、あるいはその
権利の調整というようなことは行えないものであるかということであります。
それからもう一点はこの中で
法律あるいは政令などによ
つて市町村に委任せられている事務は、
市町村が
條例をつくつたり、その事務を行ういわば
法律上の
権限というものがあるわけであります。たとえば第七号の美化とか騒音防止とか、あるいは先ほど申しました、私はそこに入れる必要があると考えております煤煙防止とかいうようなことには、私今までのところいわゆる
法律上の
権限というものがどうもないのではないかというふうに考えられるのであります。そこで美化という問題を取上げてみまして、美化ということを
市町村條例できめたならば、その
市町村條例に反しました、たとえば公共建物に廣告ビラをはるというようなことを
市町村條例で取締り、いわばそれに対して罰金なり、あるいはまたは科料なりをとる場合、はたして
法律の
根拠のある取締りと、
法律の
根拠のない
條例だけの場合と、その結果において同一の結果が得られるかどうかということを、多少疑問に思うのであります。清掃であるとか消毒であるとかいうようなことは、それぞれやはり、
法律があり、それに基いて
條例をつくり、その
條例に違反した場合には、あるいは警察力等を動員してもこれを
市町村の事務としてやることができる。そうでなく美化とか騒音防止とかいつたようなことは、
法律上の
権限がなく、ただ
條例だけということになると、取締りが非常に滑らかにいかないのではないか。いつも私
どもは数寄屋橋を通りますときに、あの橋にでかでかとポスターがはられて、ときによると銀座寄りの橋詰から、こちらでは日比谷寄りの橋まで、欄干一ぱいにポスターやビラなどをはられておることがあるのであります。都市の美化というようなことは、こういう点を中心にして考えていかなければならないと思うのでありますが、あるいは軽犯罪法とか何とかというようなことで取締られるかもしれませんが、ここに少くとも都市の美化ということをうた
つてある以上は、都民の生活または市民の生活というものを美しくしていく大きな力というものを求めたい。こう考えるのでありますが、この点につきまして御見解はどうでありましようか。