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大久保政府委員 ただいま松野
委員からのお尋ねのいずれの点も、至極ご
もつともな御
意見と思いますが、第一点の漁業に関する
海上保安廰の職種に関しましては、この
法律に直接出ておりませんけれ
ども、漁業法その他に基きまして
警察官の行うべき
職務は当然
海上保安官が行うわけであります。漁業の保護並びに
取締りにつきましては、これは非常に重大なる任務の
一つでありまして、最近におきましても
日本の漁船の出漁に対しまして、C・P船がこれを保護し
取締るためにすでに出動いたしておるような次第であります。
次に
海上保安廰長官は將來國務大臣をも
つて充てるべき重要性がありはしないか、かようなお尋ねでありますが、私も
海上保安廰の任務の重大性から申しまして、將來はあるいは國務大臣をも
つてこれに充てるという時期が來るかもしれないと思うのでありますが、ただ現在におきましては、
運輸大臣の所管しております
海上行政の一環を
海上保安廰が行う次第でありまして、その面からいたしまして、
運輸大臣の行う海事行政の全体的の統一ということも満足せしめると同時に、法務職総裁、農林大臣、厚生大臣、大藏大臣の行うそれぞれの所管行政につきましても関連をも
つておりますから、これらの諸行政の統一を保持しますために、
保安廰長官を外局長官といたしまして、官制上それぞれの所管大臣に対して責任をとり得る、しかしその
海上保安廰の
職権の
範囲は一体として運営し得る組織体をつくる、かような構想に相
なつておる次第であります。
次にお尋ねの河口法において責任の分界を明確にし得るや否やという点でありますが、河口法につきます
陸上警察法、
海上保安廰の権界の分界につきましては、これは港湾における分界と同じように、それにも増しましてなかなか問題となります。この点は速やかに港域法を作案いたしまして、本國会に至急提案いたしまして、五月一日の本
保安廰法律案実施までにはぜひ御審議を経たい、かように存じておる次第であります
次にお尋ねの
船舶の
トン数並びに速力について、はたしてこれをも
つて満足なりや否やというお尋ねでありますが、現在の
日本の國際情勢のもとにおきましては、この速力制限等は、よほど
從來の
船舶に対する
関係方面の速力制限を緩和せられ、
相当拡張せられておるわけであります。私も、將來
海上保安のような重要任務に向
つて行動する船艇が、十五ノツトをも
つて適当なりや否やということにつきましては、若干の疑問がないでもありませんが、まず許されたる
範囲でスタートいたしまして、全力をあげて
海上保安に任じまして、そうして將來どうしてもこれをも
つて任務遂行はできないという場合におきましては、また
関係筋にこの緩和をお願いするという機会もあろうかと存じますが、現在におきましては許されたる
範囲内におきまして全力をあげて
海上保安の任務に邁進いたしたい、かように存ずる次第であります。
次にお尋ねの労働爭議
行為に
海上保安廰は
関係するかどうかという点でありますが、労働爭議はこれは
法律上許されたる
範囲内におきましては適法なる
行為でありますから、これについて干渉いたしませんことは
陸上の
警察が干渉しないことと何ら変りはないのであります。ただ
法律の違反につきましては、
本法に從いまして
法律の命ずる措置を講ずることにつきましては、
海上保安官は遺憾なきを期したいと存ずる次第であります。
次に人事に関しては
運輸大臣がすべて任命をするが、これは長官がやるべきではないかというお尋ねでありますが、この点は
運輸大臣の管理のもとに外局長官が存する次第でありますか、ら、
運輸大臣の命を受けまして極力
海上保安廰が一体と
なつて
活動するように、機構人事等について整備をいたしたいと存ずる次第であります。
次に
海上保安委員会が諮問
委員会で、はなはだ微力であるというお尋ねでありますが、
海上保安に関しまして公安
委員会のようなものができませんでした
一つの問題は、やはり
海上保安の仕事の
一つの重要なる要素といたしまして、海事行政の一環である航海の安全という仕事があります。この点はその筋の方におきましても、非常に重視いたしておられる
関係もございまして、これらの点も慮りまして、公安
委員にあらざる長官
制度に相
なつたような次第であります。
委員会につきましては、もちろん長官制のもとに進みましても、
関係廰との連絡及び各
方面の声を聽くという
意味におきまして十分活用いたして、かりに諮問
機関でありましても、その声は漏らさず施設経営の上に表現していきたいと、かように存じておる次第であります。
次に陸海の
警察官その他
関係行政官の
協力は常時的なりやという御
質問でありますが、もちろん警備態勢というものは、その間に断続があ
つてはいけないのでありまして、常に相互緊密なる
連繋をはかるような措置を講じておきたいと存じまするが、しからば
職員を常時派遣しておくか否かということにつきましては、目下のところ必ずしも直ちにそのような必要はあるまい、しかし何らか常時連絡をとり得る機構というものは、これを考案をいたしまして、
陸上警察と
海上警察とが何どきでも有事即應の態勢がとれるような措置を十分講じておくつもりであります。御
質問の
趣旨に
從つて今後も行動いたしたいと
考えておる次第であります。以上簡單ながらお答え申し上げます。