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門司委員 それでは銀行の問題につきましては、いずれ後ほどお伺いするごとにいたしまして、
大藏省の今お考えにな
つております点についての私
どもの
意見を一應申し上げて、さらに御答弁を願いたいと思いますが、今
地方財政は極度に逼迫しておることは、おそらく
大藏省は御存じのことと私は思うのであります。実際の状態を見ますと、起債の認可等は大体一箇月くらいでこれを受けておりますが、これを現金化することに非常に困難を極めております。大体各都市におきましては、二十二年度の起債額に対する三〇%ないし五〇%程度が辛うじて現金化されてお
つて、その他は起債の認可は受けてお
つても、それが現金化されていないというのが、大体
地方の情勢であると見て差支えないというふうに考えられております。そこで
地方においてはどういう結果を來しておるかといえば、やむを得ず今日一時借入金をも
つてそのつじつまを合わしておるということにな
つておる。政府は預金部の金を全面的にまわすというようなお話でございますが、私は預金部その他の金が全面的にまわ
つておれば、こういうことはないはずであると思います。殊に
地方財政の苦しいのは、その苦しい中から——預金部の利息は大体七分見当でありますが、一時借入れの場合には、どうしても九分八厘何がし、約一割近くの利息を拂わなければならぬ。しかもそれが短期間の場合においては、はなはだしいのは一箇月あるいは六十日ごとに借替えが行われなければならぬ。そこで
地方財政はま
つたく行き詰ま
つておりまして、しかも今日の情勢からいきますと、先ほど申し上げますように、
地方に起債調整の
委員会等があ
つて、銀行団と
地方自治体との間に円満に話合いができて、大体のわくがきめられて、おのおのの責任の上でこれを処理していくというような
機関がある所はまだしもでございますが、そういうもののない所にありましては、ま
つたく金融に行き詰ま
つてしまうというのが実情であります。さらに
中央政府の
從來の行き方を見れば、産業資金に対しては相当なことをお考えにな
つておるようでありますが、行政少いように考えられるのであります。殊にこの行政資金の長期の貸出し等につきましては、
地方団体としては、政府が産業資金の面に振当てております金高の中の一割内外しか、おそらくこれに充てられていないのではないかというようなことが一應考えられるのであります。
從つて地方自治体はま
つたく金融の面に行き詰ま
つており、さらには先ほ
ども申しますように、預金部の金であるならば大体七分くらいの利息で済むものを、普通銀行から借りておることのために、どうしても一割近い利息を拂わなければならず、しかも繰返して申し上げますように、期間はほとんど六十日が長期であ
つて、短かいのは一箇月で借替えが行われる。これではま
つたく
地方は
仕事はできません。私
どもはこういう状態であ
つては、いかに
地方分権をいたしましても、今日の
地方財政がこういう形で行われておる以上は、満足な
地方行政は行われない。
地方行政が行われなければ、
日本の民主化と申しましても、とうてい程遠いことであ
つて、われわれは
地方分権を行政的にいたしますと同時に、財政の面を十分に考えてやる。さらに独立の完全にできるようにしてやらなければならないのでありますが、
大藏省の
意見といたしまして、先ほどお聽きいたしました
地方団体
中央金庫のごときも、政府が相当な支出をしなければできないであろうというような御
意見であ
つたと思いますが、もちろん預金部の金が政府のお考えのように十分
地方財政を賄える、
地方自治団体の
要求額に達することができない
現状にな
つておりますので、これを補助する意味にいたしましても、私
どもはこういうものをもちたい、そうして完全に
地方自治体が財政的にも独立する機会を與えるということが私は必要じやなかろうかと思う。これは國の観点から申し上げますと、この財政面を、いわゆる國の財政面と
地方の財政面とを二元化するということは、非常に行政的に困難であるというようなお考えがあるかもしれませんが、これは非常に間違
つた考えではなかろうかと考えておる。
地方の独立を完全にいたしますことのためには、財政面からこれをしば
つてい
つて、
地方が完全自治体の要素を備えることのできない仕組をするということは、
地方分権をしようとする今日の
地方行政に対する逆なものの
考え方であ
つて、私は
地方が財政的にも行政的にも一日も早く独立する機会を與えることが、
日本の今の行くべき
一つの方針ではないかというように考えておるのであります。
從つて地方団体の
中央金庫等のことにつきましても、本日はおわかりにならないというようなお話でございますので、これ以上私は突込んで聽きませんが、その他の財源の問題にいたしましても、あるいは酒、タバコの問題にいたしましても、入場税の問題にいたしましても、いつまでも
中央にその紐をつけておいて、そして先ほどから申し上げております意味と同じことでありますが、
地方の行政の独立することを財政的にしば
つてしまうというような
考え方を、一日も早くやめてもらいたいと思う。そして
地方の独立するように、なるたけ早く
大藏省といたしましては案を拵えていただいて、國会にこれを提出していただきまして、実際的に
地方が行政的にも、財政的にも独立し得る機会を一日も早く與えていただきたい。
從つて、その國会にあなたの方で提案されまする時期が、大体いつごろになるかということを、一應お伺いをしておきたいと思うのであります。こういうことを私が申し上げますのは、御承知のように
警察あるいは消防
制度というものが
地方に移讓されてまい
つておるのでありますが、これは今のところは
從來と同じような形の上において取扱いをされておる。しかしながら
地方におきましては、その
警察の廳舎を建てるとか、あるいは
設備を完備することのために相当の金が要る。しかもこれは國庫でこれを負担すべき建前にな
つておりますが、なかなか思うようにいかない。同時に相当
警察官の数が殖えております。
從つてこれを全部賄
つてい
つて、そして完全な
警察権というものが自治体に移るということにいたしますために、大体七月ごろからその切替えをいたしたいという意向だと私は思いますが、それまでにこれらの問題の解決がついていないと、
地方におきましても行政の立案をすることのためにも、非常に困難をいたすというようなことが考えられますので、大体いつごろ
大藏省の
意見がまとま
つて國会に提案するような運びになるか、予めその時期がおわかりでしたら、ひとつお話を願いたいと思います。