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1948-10-08 第2回国会 衆議院 司法委員会 第52号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年十月八日(金曜日) 午後二時十分
開議
出席委員
委員長代理理事
鍛冶
良作君
理事
八並
達雄君
岡井藤志郎
君 佐瀬 昌三君 花村
四郎
君 山口 好一君 池谷 信一君 石井
繁丸
君 猪俣 浩三君 榊原 千代君
中村
俊夫君
大島
多藏君 酒井 俊雄君 佐竹
晴記
君
委員外
の
出席者
專 門 員 村 教三君 專 門 員
小木
貞一
君
—————————————
七月五日
弁護士法
に関する件
青年補導法案
に関する件
少年犯罪防止対策
の件
司法保護團体
の全
國的調査
その他
司法制度改善等
に関する件 の
閉会
中
審査
を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
閉会
中
審査事件
の
処理等
に関する件
—————————————
〔筆記〕
鍛冶良作
1
○
鍛冶委員長代理
これより
会議
を開きます。 さきに第二回
國会
の
最終日
にあたり、
閉会
中審議すべきものとして 一
弁護士法
に関する件 二
青年補導法案
に関する件 三
少年犯罪防止対策
の件 四
司法保護團体
の全
國的調査
五 その他
司法制度改善等
に関する件 以上の五件につき
閉会
中の
審査
を付託され、本
委員会
は小
委員会
を設けて
閉会
中の
審査
をお願いいたしたのでありますが、その結果を小
委員会
より御
報告
願います。
八並達雄
2
○
八並委員
まず
弁護士法
に関しましては第二
國会
末、
委員会
において一應の仮案を得ておりましたので、これを成案とするように小
委員会
において協議いたしました。なお、逐條にわたりまして
研究
中でありますが、近く所要の手続をとりまして、第三回
國会
の冒頭に
議員提出法律案
として上程する
予定
であります。 次に
青年補導法案
に関する件につきましては、
予算
、
設備等
の点につきまして問題がありますので、引続き
調査継続
中でございます。 第三の
少年犯罪防止対策
に関する件につきましては、
対策
のため協議し
資料
の
蒐集
や
調査
に努めましたが、時間の
関係
から未だ十分ではありません。
從つて総合的対策
について
結論
を得るに至
つて
おりません。今後の
資料
の
蒐集調査
を取急いで至急に
結論
を得る運びにいたしたいと存じます。
司法保護團体
の全
國的調査
につきましては、
北海道
、
大分
、仙台、金沢、
京都等
の
各地
において
調査
を行いましたが、全
國的調査
は完了しておりません。なお、
視察
を終えた場所の
報告
は、書面をも
つて
小
委員会
の
手許
に提出せられておりますが、なお
口頭
をも
つて
直接御
報告
願うことにいたし、詳細は譲ることにいたします。
最後
にその他
司法制度
の
改善等
に関する件につきましては、
英米法
の
研究資料
を収集いたし、今後提出せられます諸
法案
の
審査
に備え、
目下研究
中であります。 以上が
閉会
中
審査
のための小
委員会
における
調査
の結果でございます。
鍛冶良作
3
○
鍛冶委員長代理
それでは次に
少年院
、
少年保護施設視察
の結果を、
派遣委員各位
より御
報告
願います。
中村俊夫
4
○
中村
(俊)
委員
まず
京都
市及び
京都府下
の
視察
結果より
報告
いたします。
京都少年審判所長宇田川潤四郎
氏に
面会
の上、詳細に
少年院
、
保護施設
に関して次の
報告
を聽取いたしました。 (一)
附設機関
、
鑑別部
、
職業補導部
(二)
收容機関
、
宇治少年院
(三)
少年保護團体
(1)
和敬学園
女子
のみ
收容
一四名 (2) 大
照学園
男子
のみ
收容
二五名 (3)
京都
六華園
男子
一一名 (4)
京都少年保養院
男女
二八名 (5)
青葉学園
男子
四名 (6)
安上寮
男女
十四名 (四)
協力機関
(1)
少年保護相談所
(2)
少年保護協会
(3)
京都少年保護婦人協会
(4)
京都少年保護学生連盟
(
加盟校
一七
学生
二二〇名) (5)
京都少年保護連絡協議会
特に
京都少年審判所長
の熱意による
京都少年保護学生連盟
の
活動
は特筆に値すべきもので、
学生
が休暇を利用して
少年保護事業
に献身し、その結果は見るべきものがあるようです。
保護團体中和敬学園
は
京都
市上京区
烏丸通り
にあり、
國立園長
は
樋口琢
五氏といい臨済宗に属していられる。
大正
十三年十月
創立收容者
は現在
女子
のみで
スリ
が大
部分
ですが、十四名、
設備
は大体良好で
環境
も良好です。両親がほとんど
面会
に來ないとのことで考えさせられることであります。大
照学園
は
京都
市下京区本覚寺内にあり
淨土宗
に属しています。
國立
で
園長
は
細井照道師
及び
弘禪師
(
照道
氏の息)、
大正
十五年
創立
で
男子
二十四名を
収容
している
スリ
、
窃盗
、空巣、
恐喝等
の者であります。
作業は種袋張り
で、
設備
は
劣惡
、
環境
も市の眞中にあり良好とはいいがたい。ただし、
弘禪師
の熱心なる
指導
により特に
野球チーム
をつくり、スポーツを通じて
少年
の改過に努力しているため、
成績
はきわめて良好でほとんど
脱走者
を見ていない。
宇治少年院
は
京都
府
東宇治
町五
ヶ庄
にあり、
院長
は松岡氏で二十四名の
職員
が勤務しています。
國立
で
開院
は
昭和
二十二年十月
收容者
は
男子
のみで九十三名、
設備環境
とも佳良で、土地六二二二坪
建坪
一九五坪九棟あります。 次に
奈良縣
について申し上げます。
奈良少年刑務所
の
所長
は
塚孝
氏、
收容人員
は
男子
のみ一五七六名で、その内訳は
成年
一四七名、準
少年
十八名、
少年
一二五六名と
なつ
ております。その
教育方針
としては
考査期間
約一ヶ月、
修練工場
約一週間を経て各
工場
へ行き、
解放準備教職
として
経済生活
を教えることに
なつ
ています。元來本所は
成年
の
刑務所
であつたものを、
昭和
二十一年八月より
少年刑務所
として使用したものでありまして、
目下少年教育用
の
建物
数棟を
増築
中で、
面積
は一五、〇〇〇坪、
建物
四十八棟、外に
郊外農地
約二〇、〇〇〇坪を
予定
しております。
所長赤塚
氏の話によりますと、本所に
收容
中の
少年達
は
虞犯少年
よりは質素が良好であるとの事です。
虞犯少年
は
犯罪
が軽微であるために反覆する
可能性
が多く、ただ一度罪を犯してただちに
刑務所
へ
収容
された
少年
の方が、むしろ優れているということは言い得るでありませう。 次に
大阪
府の
浪速少年院
について申し上げます。本院は
大阪
府茨木市郡山にあり。
院長辻三省
氏、その他
職員
六十八名、
國立少年院
として
大正
十二年
開院
せられたもの、
收容人員
は
男子
のみ三五〇名であります。
教育方針
は各寮に
担任教官
を二名乃至三名配置し、その
教官
が全責任を負う仕組みに
なつ
ており、
作業教育
、
日常生活
、
退院等
、万事を
指導
することに
なつ
ています。また
宿直勤務
を除く日は、
独身教官
は必ず
寮生
と起居を共にするのであります。
院長
、
各科課長
は各
寮担任教官
を通じて、
少年達
の長をのばし短を補うように力めております。但し毎月約七十名の
少年
が
大阪
、
神戸
両
審判所
より送致されるので、未だ
教化
不十分の
少年
を退院せしめねばならぬ実情にあり、この取扱いに困難を感じているとのことであります。
設備
は
大正
十二年の
開院
のままで、古く
なつ
ているのと、狹くて不便のため、至急
改修増築
の必要があるが、
環境
としては町とかけ離れた小丘の上にあ
つて
良好であります。なお、また近く
開設予定
の
女子収容所候補地
たる
大阪
府北河田郡交野の旧
女学校建物
をも
視察
いたしましたが、これは
環境
、
設備共
に良好であると思います。 次に
滋賀縣
の
安土寮
、これは
滋賀縣蒲生
郡
安土
村、
淨教院内
にありまして、これが
視察
には、
大津地方檢察廳米原檢事正
が同道されました。
寮長
は
福井忠次郎
並びに
同氏夫人
。
昭和
十九年開寮したものであります。
収容人員
は十四名、内一名は
女子
でありました。主として
農業
及び
葦簀作り
を教えております。
建坪
一五〇坪、純農村の相当余裕ある寺院内のことであるから、
設備環境
きわめて良好、かつ
寮長夫妻
の熱心な
指導
により、
成績
は非常に優秀であるとのことであります。 以上
視察状況
を簡単に御
報告
した次第でありますが、なお詳細は小職において各
視察収容所
よりの
報告書
を保管しておりますから、必要に應じて提出いたします。
視察
後の感想といたしましては、今後
犯罪少年
の
教育
については幾多の考慮すべき点を発見いたしたのでありますが、特に
民間保護團体
の
収容所
の
改修
、
増築
と、
職員
の数において相当考慮すべきものがあると思われます。
民間團体
においてはその
指導者
が熱心であるところは、むしろその人の
人格
の
影響
が相当大きいため、
少年
に與える感化の結果もまた深いものがありますが、
設備
の不良、
職員不足
、
給與不十分等
のために、
國立
に比し遜色のあることは否定できません。これに反し
國立
のものは
設備職員等
は満足すべき
状態
にあるとはいえ
指導者
の轉任等により、腰をおちつけて
教化
に專念し得ぬ
事情
にありますので、
人格
の反映の
徹底化
を欠く点があり、
脱走等
の不祥事がむしろ多いように思われるのであります。今後は
民間保護團体
の欠点を補い、
國立
と相
俟つて一般
の
教化
に努力する必要のあることを痛感いたした次第であります。
八並達雄
5
○
八並委員
私は
專門員小木貞一
君と同道いたしまして、
北海道地方
を
視察
して参りましたのでその結果について
報告
申しあげます。
北海道
には
少年審判所
二、
少年院
一、
保護團体
六が設けられているが、時間と
地理関系
より、
札幌旭川
両
審判所
、
北海少年院
、
砂川紫明寮
を
視察
することにいたしました。 まず第一
札幌旭川
両
審判所
についてみますに、
配置職員
は
審判
保護
書 官 司 記 雇 計 定員 札幌 一 二 五 五 一三 一七 旭川 一 二 三 三 九 一二 と
なつ
ています。
事件
の受理並びに
処理調
の表を参照していただきたいと思います。
事件処理
に対する
観寮意見
を申し上げますと、
事件処理
の速度は
職員配置
の状況からみれば概ね良好であり、その処分の結果も妥当である。しかし処理した
事件
の爾後の取扱い方、殊に
統計類
の作成は不十分と認められます。すなわち他の
審判所
においては
通常左記事項
について図表その他の表に明示せられ、備え付けられているが、両
審判所
においてはこれらの
分析集計
が整備されていない。 (1)
犯罪
の径路
不良行為
乃至非行から罪を犯すに
至つた過程
(
地方的色彩
が明瞭に現われる) (2)
不良少年
の家庭について綿密な
調査
A
環境
イ戰災
の有無、
ロ引揚ハ
未
復員者等
B 家庭の
職業経済状態
C
出生順位
(長か次か末か)兄弟の数 D 家庭での処遇 (3)
交友関係
(異性との関系を含む) (4)
生活歴
、
体質歴
、性格、嗜好 たとえば二三の
少年審判所等
についてみると (イ)
京都少年審判所
では、別添のように予算もなく官制があるわけでもないが、「
鑑別部
」を設け、
心理学
、
精神医学
、
社会学
、
教育学
の專門家の協力を得て、前述の諸事項の
調査分析集計
に努めている。 (ロ)
佐賀少年刑務所
では、別添のような綿密な「
少年受刑者身上調査表
」を作成している。 (ハ)
福岡中央兒童相談所
は別添のような詳細明瞭な図表を展示し
参観者
をして
事務処理
の内容結果を一目瞭然たらしめている。 (二)
福岡少年審判所
は別添のような
保護統計
を作成している。 このように処理した
事件
を
分析集計
し、
臨床的経験
を基礎として考察を加えていくと、
管下保護施設團体
に対する
矯正方策
の
指導
も積極化され、また対外的にも警察、駅、学校、職場、P・T・A、
学生連盟
、文化諸
團体等関系機関
に対する
協会要望事項
も具体化され、その働きかけも活発となるのであるが、両
審判所
ではこれら(イ)(ロ)の活動が緩慢であるように見受けられる。 なお、参考までに
札幌少年審判所
の
取扱つた事件
について若干の
犯罪径路
の
調査
したものを併せて述べたいと思います。 (一)
組夫制度
(昔の
タコ部屋
)による
生活環境
の支配を受け、
飲酒喫煙
の常習並びに性に対するゆがめられたる認識及び
組夫制度廃止
による
無為徒食
の
増加等
により、
不良性
の進展となり、賭博、窃盗、傷害、恐喝、
猥褻等
の
事件
を犯す結果となる。 (二) ガンガン部隊と称する
闇商人
の影響、
少年自身
または
闇商人
の
手先等
となり、
少年
の氣分が自然に荒んでゆき、末には
闇物質
、たとえば
米穀等
を運搬途中警察に取られたと嘘言を用い金員をすくねとるようになる。 (三)
青函連絡船
による
本州方面
より流れ來る
不良者
との接触からくる
影響大
である。 (四) 本道は廣漠たる面積を容し、一つの派出所が数
ヶ町村
にわたる廣大な管轄区を有し、また人家散在するため十分なる
監視取締
ができないという嫌いあり、また
寒村僻地
には何らの
娯樂機関
なきところより賭博の風習多く、
猥褻行為等
について、ある地にては
日常茶飯事
の
出來事
のように思われているという、
道徳的観念
の
欠如等
による
影響大
である。 (五)
屋外放置
による石炭を盗むということについて、さほど重要視しないという
道義心
の廃頽による結果大である。 次に
北海少年院
及び
紫明寮視察
の結果について申しあげます。
北海少年院
は
職員院長
以下三十六名、敷地一〇〇、〇〇〇坪(
畑地大半
)、
建物
二〇棟一、一七〇坪、現在
收容人員
一二五名、これを
年令別
に見ますと十四歳未満一一、十五歳三一、十六歳二九、十七歳三二、十八歳二一、十九歳一と
なつ
ており内本籍を
北海道
とする者九九で大多数を占めています。
犯罪別
に見ますと窃盗一〇二、虞犯六、恐喝三、強盗二、その他と
なつ
ています。
紫明寮
(
三井鉱業所附設
)は
職員
六名、現在
收容者
一八名であります。 通じて感じられますことは、内地の
少年院保護團体
に
收容
されている
少年少女
よりも一般に血色がよく、おおむね明朗な顔立ちが多く、被服の状態もきわめて良好であることがまず目についた。
施設環境
も惠まれており
北海少年院
においては廣い畑地を耕作し、
牛馬豚
の飼育も
計画実施
中で
矯正教育
上効果的であると思われ、
紫明寮
の寮生は
三井炭坑
の準坑員として一定時間
沈粉コークス類
の
積込作業
に從事するを日課とし、労賃による貯蓄も三千円を超えるものなぞがあるような状況である。しかし
收容期間
は二三ヶ月から多くて半年であるが、近時は二三ヶ月で退職する者が多く
なつ
た。われわれはこの事実を見逃すことはできない。この事実は
ひとり北海道
に
限つた現象
ではなく全國的なものである。試みに
青少年
の
犯罪者
の
激増ぶり
を
年次別
に比較すると (一)
少年
、準
少年被疑者累年比較調
実 数 指数
昭和
十一年 四六、五五〇 一〇〇
昭和
十五年 五三、〇四八 一一四
昭和
十八年 六一、三六六 一三一
昭和
二十一年 二一、七九〇 二四〇 備考 指数は
昭和
十一年を百として
計算本表
は二十歳未滿のものにつき
調査
(二)
少年
準
少年犯罪者累年比較調
昭和
二十一年 一四八、六一八
昭和
二十二年 二二四、四一〇
昭和
二十三年 一月一三月 六九、三六五 (
年間推定
) 七七、四六〇 の集計が得られる。すなわち(一)の表によ
つて
明らかなように、
昭和
十一年の指数を一〇〇とすれば
昭和
二十一年には二四〇、すなわち二倍半と
なつ
ている。しかるにその
保護矯正
の
施設
は、予算の
関係
上旧態依然たる状態である。
從つて
、
收容期間
が漸次短期化されてゆくのは、
矯化教育
が早く実を結んで
少年
が家庭や社会に帰
つて
いく正常な姿を現わすものではなく、むしろ
收容
できないトコロテン押しに短期で退所させ、不徹底を受けてやむを得ず押し出されている現実を物語るものと言わなければならない。 さて以上の
視察
の結果より
総合的意見
ともいうべきものを申し上げてみたいと思います。
昭和
二十一年度の
青少年犯罪数
は二十万件を超えている。同年度の
國勢調査
によれば、滿八歳から二十五歳までの
青少年
の数は三百万余でありますから、百五十人の子供や若い者が集まると、必ず一人は
警察署
や險察廳の御厄介になる者がいることになる。殊に
終戰後
は(一)
成人犯罪
よりも
青少年犯罪
の
上昇率
の方が著実な(各
犯罪
とも上つたり下がつたりしない)
上昇線
を示している。また(二)
前科者
の
犯罪
よりも
初犯者
の
犯罪
が激増の方向をと
つて
いる。同一人が
犯罪
を繰返すという
從來方向
と異
つて
、すなわち
犯罪
が縱に拡が
つて
いくというよりも、今まで罪を犯したことのない
青少年婦女子
が罪を犯す方向に進んでおり、
犯罪
は普遍的に拡が
つて
、今日のよい兒童等が明日は不良となり、日を遂うて大量的に不良化しつつある現状にある。たとえば
警視廳管下
の例(
昭和
二十一年)についてみると恐喝のごときは成人の数(三九七件)をはるかに越え一一六四件であり、強盗のごときも成人四八二件に対し、
青少年
六一六件という数字を示している。これは同時に「
年令低下
」の悪現象と
なつ
てだんだん年はのゆかない、本來純真なるべき兒童がどしどし罪を犯すという傾向をと
つて
きている。(三)
犯罪
の性格も
悪質化
、
集團化
の傾向を特質としているようである。
財産犯
の中でも窃盗が断然多く、しかもスリという悪質の型が激増の傾向にある。また短刀、ピストルのような兇器をも
つて
強盗をする者が増えてきており、しかも数人集團をなして罪を犯す場合が多く
なつ
てきつつある。そこでまず第一に
青少年犯罪
の諸傾向について、詳細綿密な
科学的調査分析
とその集計を
徹底化
する(そのためにも「
鑑別部
」を拡大強化しなければならぬと思う。)さうして、國民の前にこの現象を赤裸々にさらけ出し、その認識を深めてもらわなければならない。 つぎに、このデータに基いて
青少年
の
不良化防止
、進んでは純化の
一大國民運動
(たとえばアメリカのBigbrothers and sister movement
大兄姉運動
乃至は
関係各種團体
各機関に対する
協力要望活動
)を急速に展開する必要があると思われます。病魔の
傳染力
の質と速度に應じてその対策は講じられなければならない。 なお、これは附加的になるのでありますが、
北海道國鉄職員
の
職場離脱者檢挙状況
を、九月十六日
札幌高等檢察廳
の
口頭報告
に基いて申し上げますと、八月一日公布せられた公務員の
労働運動
に関する政令をめぐ
つて
、
國鉄全逓
を中心に全
官労組
は各地で闘争を展開していたが、
北海道地区
では六日
國鉄労組旭川支部
新
得分会員
六十余名が
職場放棄
を決行し、
新得機関
区
班大会
において三割
減車スト続行
を決定し、
附近機関
区に対し
同情スト
を促がしていた。六日
最高檢察廳
及び
國警本部
は
政令違反取締
を声明した。九日、
旭川支部富良野分会機関
区
班大会
を開き、全員百八十名が
職場放棄
を決定しました。十三日現在全道における
國鉄離脱者
二百八十五名、百二名に
逮捕状
を発し、内四十七名を逮捕した。その後も全道十機関区に波及し二十日には
離脱者
一千名を突破した。同日、
運輸大臣
は
復帰命令
を出し、同時に
違反者
の
嚴重処分
の声明を発表した。これがため二十一日中に三百六十名が復帰するに至つた。その後の離脱は低調と
なつ
たようであるが、九月十六日現在で
離脱者数
約一二〇〇名
逮捕状
七一八
逮捕者
三八四 (復帰した者は逮捕しない) 未
逮捕者
二三九 勾 留 三二二 起 訴 一五三 であつた。
離脱者
はおおむね十七・八歳から二十三歳位のものが大半を占め、
独身者
八〇%である。檢察局の語るところによれば
離脱行為
が活発と
なつ
たのは、
思想的背景
からの煽動によるものと考えられるが、(たとえば
離脱者
は
鬪争戰術要領
の配布を受け、
警察檢察当局
の質問に対しては、
氏名年令
すらも黙秘することに
なつ
ているとのことである)いわゆる非
日活動者
の
調査
をなす組織がない現状においては、この
種悪質スト
も徹底的に防止することは至難であるとのことである。
札幌高檢
は今回の檢挙にあた
つて
東京高檢
から
檢察官等
の應援を得たため檢察の
機動性
をよく発揮し、迅速適宜な処理をなしている。しんし、多数の
事件
が
裁判所
に起訴されているが、
裁判所
は
現行制度
上他の高裁から應援を求めることができないので、機に應じた裁判は期待できないであろう。この点については
関係法規
を改正する必要があると思う。 以上をも
つて
私の
報告
を終ります。
大島多藏
6
○
大島委員
私の
視察
いたしました
大分縣
、
福岡縣下
の
少年保護施設
について御
報告
いたします。 私の
視察
いたしましたのは
大分縣
の
貞志寮
でありますが、ここは人里離れた風光明媚な地にありまして、
保護施設
といたしましては申し分のない所でありますが、やや不便の感じがいたします。この
貞志寮
は戰時中、
附近
にあつた
神戸青製銅所
の
少年
不良工の
鍛錬道場
であつたものを、
終戰後少年保護施設
として使用する事と
なつ
たものであります。
建物
は
昭和
十八年に建てられたもので、
從つて
未だ新しく、堅固な
建物
であります。
建坪数
も百坪くらいあり、現在の
収容人員
が十数名に足りないのは、惜しいと感じます。経営に当
つて
おります
職員
は、
不良少年指導
に三十年從事してきたという
主事
の
安部清
氏、それに寮母一名、
農業助手
一名でありまして、現在
収容
中の
少年
は十一名、
年令別
にいたしますと十九歳が二名、十八歳が一名、十五歳が二名、十七歳が六名であります。数日前に二名の逃亡があつたそうでありますが、そうしたことはきわめて普通なことであると申しております。
職員
に対する
手当
は
主事
が月千円、その他の
職員
が五百円であ
つて食事つき
だそうですが、それにしても非常に
薄給
の感がいたします。
少年
の
教育
は
主事
の
安部
氏が元教員をしていた
関係
上、学科の
指導
をしております。しかしそれは
読み書き算盤
のようなもので、非常に程度の低いものであります。
音樂教育
のために
オルガン
が非常に欲しいということを聞きました。 衞生
状況
はきわめてよく、昨年は
病氣
にかかつたものが一名もなかつたとの事です、しかしこれは
設備
がよいためではないようです。 大体以上でありますが、
最後
に
安部主事
より、現在
貞志寮
の経費は
大分縣聯合保護会
から出して貰
つて
いるのであるが、その金額はきわめて僅かであるので、
法務廳
よりの
少年補給費
として現在支給されている日額十六円四十銭を、すくなくとも倍額に増額してもらいたいとの事でした。これはもつともな主張であると存じます。一番困るのは
衣料不足
であ
つて
、夏は裸体でも何とか凌げるとしても、冬になると非常に困るそうです。
学用品不足
も、現在のようでは満足な
教育
を與える事はできない。先ほども申し上げました
オルガン
のようなものもぜひ備えてもらいたいとの事です。それから
職員
の
手当
でありますが、これも先ほどお示ししたように、現今の
経済事情
でははなはだ
薄給
である。ぜひ増額するようにお願する。この三点について希望されました。 以上が私の
視察
しました
保護施設
の概要であります。
岡井藤志郎
7
○
岡井委員
命に依り十月八日
香川縣仲多度郡美通寺町
の四
國少年院
を
視察
いたしました。次にその御
報告
を申し上げます。 本院において現在
収容
しておりますのは五十数名であります。——数学的のことはすでに
主務官廳
に
報告
してあることと存じますので、ここでは省略いたします。 私はここの
全收容兒
を集めまして、一場の説話を試みたのでありますが、その
瞳光顔容
から見て、大
部分
が正常の
少年
ではないと感じました。
委員長
の
手許
に提出しました表に示されておりますように、その八割までは
先天的精神発育異常者
であります。
從つて
これは
少年院
以前の問題でありまして、胎兒たる以前に遡らなければならないのであります。從來かかる
方面
に思いをいたし、そこに
経世的識見
のなかつたことは嘆かわしいことであります。
少年院自身
の問題としてはまず終日太陽の当らない
舎屋
を
南向
に移轉させる必要があります。凡百の
保護施設
も、また訓戒も陽光の
恩惠
には遠く及ばないのでございます。しかし自然の
惠沢
は無償なのであります。為政者はまずかかる平易な
認識
から出発することが大切であります。勇断をも
つて
大
機械力
で
舎屋
の
方向轉換
をすることを私は提唱いたします。
蒲團
、着衣の
色彩等
を見ますと、
刑務所
のものと同じでありまするし、頑丈な格子もありまして、普通の
刑務所
と何らかわかりません。こうしたことは、陰惨、悲観、自棄の念を生ぜしむるのみでありまして、何らの利益もないことと存じます。次に当局の希望として
保護施設
、
医療施設
を完全にして欲しい。また
職業教育
、
技術教育
を施すことが
少年
の將來のために最も必要であると思うが、経費等の
関係
から理想と余りに遠いのは遺憾である。という二点を傳えして私の
報告
を終ります。
八並達雄
8
○
八並委員
仙台、金沢の
少年審判所
についても御
報告
が出ていますが、あまり詳しくなるので、ここに述べることは省略します。
鍛冶良作
9
○
鍛冶委員長代理
以上の小
委員長
並びに
派遣委員各位
の御
報告
につき、何か御質問なり御意見なりございませんか。それでは右の
報告
に基いて、
閉会
中
審査事件
に関する御
報告書
作成は
委員長
において行いたいと存じます。 これにて散会いたします。 午後三時五十分散会