○中村(俊)委員 動議を提出いたします。ただいま
少年法と
少年院法が当
委員会を通過いたしたのでありますが、私は終戰後の青
少年の
犯罪の防止につきましては、まことに心配いたしておるものでありまして、このままに推移いたしますならば、あと十年先に
日本の國の再建の第一線となるべきこれらの青
少年が、今のままに放置されるならば、私は
國家の
將來がどんな恐るべき方向に進んでいくかということを思うときに、実に慄然として膚に粟を生ずる思いがいたすのであります。つきましては、さいわい昨年は
兒童福祉法案が通りまして、この四月一日から施行されておりますが、それと相ま
つて、ただいま通過いたしました
少年法の施行と同時に、両々相ま
つて、これら青
少年の
犯罪の防止及び再犯を防ぐという方向に向
つて、
政府が專心努心をしなければならないと思うのであります。承れば、
政府においては、さらにこれらの
目的を達成するために、中央
少年犯罪者予防厚生
委員会、並びに地方
少年犯罪者予防厚生
委員会のごとき構想を
もつて、近く成案をみるように聞いておるのでありますけれども、いくら機構をつくり
設備をいたしましても、これが運営をいたす方法と、その人を得なければ、決してその効果をあげ得ないと考えておるのであります。つきましては、青
少年犯罪防止に対する決議案を上程いたしまして、これによ
つて政府を鞭撻し、
もつてこれら青
少年の
犯罪防止の
目的を完全に達成するようにいたしたいと考えておるのでございます。なおこの問題は單に
政府にのみ任しているべきものではございません。民間の強力なる団体を結成いたしまして、これと両々相ま
つて、いわゆる民主的に、一面において
國家がこれに対して全力を傾倒すると同時に、他面において大衆もこの方面の関心を強めまして、民間の団体とともに相提携いたしまして、この
目的を達成いたしたい。この
趣旨によりまして、青
少年犯罪防止に関する決議案を、当
委員会の決議を
もつて上程いたしたいと考えておるのでございます。大方の御
賛成を得たいと存じます。