○
中村(俊)委員 当
軽犯罪法案に関する質疑につきましては、先般
鍛冶委員から詳細な御
質問がありましたので、私はきわめて簡單に重複を避けてお尋ねいたしたいと思います。ただあらかじめ
委員長にお願いいたしておきますが、もし
鍛冶委員の
質問と同様の点がありましたならば、御
注意願えれば結構だと思うのであります。
この
法案の内容につきましては、文字
通り軽
犯罪でありまして、取立ててわれわれの方で問題にすることはないと思います。結局この
法案に関してわれわれが重大だと思うのは、先般各委員から御
質問があつたように、この法を濫用して他の
犯罪搜査に用いるという点が、過去における
警察犯処罰令にも顯著な事実がありまするので、われわれの最もおそれますのはその点だけであります。從いまして、おそらく法務当局におかれても、十分なる事前の処置をお講じになることだろうと思うのでありますけれども、問題はこれを運用する人と、運用の
方法とによ
つては、再び新
憲法によ
つて確定されたる人権の擁護ということが蹂躙される結果を招來するおそれがあるのであります。その点につきましては、すでに
政府から十分なる御
答弁があつたことだろうと思いますので、私は重ねてその点の希望を申し上げまして、愼重な
態度をも
つて運用に当られるよう処置されんことを希望いたすのであります。ただ各條項について二、三お尋ねいたしたいと思うのでありますが、第一條の第二号に「正当な
理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の
身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具」という
言葉があります。これはおそらく文字
通り解釈して差支えないものと思いますが、この以外にいわゆる劇毒物などをも
つていた場合も、私は同じように警戒されなければならぬと思います。しかしそれについては、別に
法律もあるようでありますので、この場合には器具と言えば、文字
通り器というように解釈して差支えないものかどうか。あるいは劇毒物なども、この中に含まれるものかどうかということを、まずお尋ねいたしたいと思います。