○愛知
政府委員 まず第一に預金の伸びでございまするが、今年度にはいりまして、四月におきましては一般自由預金の増加の目標は、二百四十億と大体見込んでお
つたわけであまりす。それに対しまして御
指摘の通り、実績の見込みは三十三億
程度にすぎなか
つたわけでございます。それから五月におきましては、当初の見込みは二百二十億
程度を見込んだのでありますが、実績はやはりわずかに九十六億というような状況でございます。この実績がかくのごとく非常に成績が惡か
つたことにつきましては、いろいろの原因が
考えられるのでありまするが、たとえば三月末までは御承知のように昨年度の
貯蓄目標が千七百億に対しまして、千九百億以上の実績をあげたというようなこと、そのために三月までに、金融機関として相当な無理な努力も重ねたということも言えましようし、あるいはまた一部にいわゆるウィンドウ・ドレツシングというようなことが行われたことも、かなりあると思います。しかし同時にまた暫定予算で六月まで推移してまい
つたというようなことは、どうしても
政府支拂いの面等におきましては、うちわにならざるを得なか
つたというようなことから、一般に金の出方が足りなか
つたために、かような状況を示したのでありまして、六月の推算はまだ出ないのでありまするが、六月にはいりましてから、郵便貯金その他の状況を見ておりますと、相当にこの状況は回復しつつあるように見受けられるのであります。蓄積の状況はさような状況でございますが、ついでに資金の需要の方を申しまするならば、需要を二つにわけまして、財政資金の面を申しまするならば、四月におきましては、財政資金としては、百三十五億くらい一月に出る資金としての需要があるという見込みでありましたのが、二十一億に止ま
つておる。それから五月におきましては財政資金の需要が五十億、これがやはり見込みよりも相当うちわで済んだわけでございます。六月におきましても実績見込みは七十七億
程度であります。かように財政資金の需要の実績が、見込よりもかなりうちわにおさま
つておるという状況であります。それから産業資金につきましては、全体的に申しまして四月が約百七八十億と見込みましたのが、実績は百二十六億に止ま
つた。また五月には二百億足らずと思いましたのが百五十七億に止ま
つた。六月におきましては二百億を見込んでおるのでありますが、実績としては百九十億前後に止まるのではなかろうかというように
考えておるわけであります。
ただいまの数字で申し
上げましたわけでありますが、融資準則の問題につきましては、健全金融ということから申しまして、融資準則の建前はやはりあくまで健全金融ということでや
つてまいりたいという念頭から申しますれば、資金の蓄積の
範囲にこれを止めたいと思うことは山々であります。しかしながら資金の蓄積が十分でありません場合にも、やむを得ざる方面について円滑な金融をすることについては、現在の
制度の
もとにおいては、相当の
考慮を拂
つておるつもりであります。たとえば蓄積が予定通りに伸びなか
つた。四月のごときはほとんど一割近くに実績が落ちておるのでありまするが、資金の需要の方に対しましては、その比率どころではなくて、はるかに多くの比率のものを産業資金として供給しておるというような状況に相な
つておるわけであります。
なおこの機会に
價格改訂に伴いまして、当面
考えております根本の方針といたしましては、大体四つのことを
考えておるのであります。
一つは
從來の健全な金融政策を基調とする根本方針はあくまでかえない。しかしながら第二に
價格改訂に伴う適正な通貨の増加、所要資金については、企業の実態に即應しまして円滑な供給をはかる。ただこの際に注意すべきは、
價格改訂を
理由とする便乘的な融資は、嚴重にこれを排除するという
考えであります。第三に企業に対する赤字融資ということは、
價格改訂を機会に今後はこれを抑圧しなければならないというふうに
考えております。それから第四に、
從來赤字融資を受けた企業に対する経理の監査、ないし経理の監督を嚴重に実施する。この四つの
考え方を基本といたしまして、具体的にいろいろと話合いもし、また実行しておるつもりであります。