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1948-06-09 第2回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月九日(水曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 泉山 三六君 理事 塚田十一郎君    理事 中崎  敏君 理事 梅林 時雄君    理事 吉川 久衛君       石原  登君    大上  司君       倉石 忠雄君    島村 一郎君       松田 正一君    宮幡  靖君      山口喜久一郎君    赤松  勇君       川合 彰武君    佐藤觀次郎君       田中織之進君    松原喜之次君       後藤 悦治君    中曽根康弘君       長野 長廣君    細川八十八君       井出一太郎君    内藤 友明君       本藤 恒松君    堀江 實藏君       本田 英作君  出席政府委員         大藏政務次官  荒木萬壽夫君         大藏事務官   平田敬一郎君         大藏事務官   今井 一男君  委員外出席者         專門調査員   氏家  武君     ————————————— 六月八日  内閣総理大臣等俸給等に関する法律案内閣  提出)(第九二号)  所得税法の一部を改正する等の法律案内閣提  出)(第九三号)  取引高税法案内閣提出)(第九四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  内閣総理大臣等俸給等に関する法律案内閣  提出)(第九二号)     —————————————
  2. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 会議を開きます。  昨日本委員会に付託になりました内閣総理大臣等俸給等に関する法律案議題といたします。まず政府説明を求めます。荒木政務次官。     —————————————
  3. 荒木萬壽夫

    ○荒木政府委員 ただいま議題となりました内閣総理大臣等俸給等に関する法律案につきまして、私より提案理由を御説明申し上げたいと存じます。  内閣総理大臣國務大臣その他日本國憲法七條の規定による認証官の担当する職務内容と責任とは、特に重大なものがありますので、從いましてその給與は、その職責に眞に相應したものでなければならないことは申すまでもありません。もつともただ單に職務に相應じた給與という原則からだけでは、一般公務員と選ぶところはないわけでありますが、これらの者は原則として管理者監督者としての地位にあり、一般勤労者と同一に律することが必しも適当でない面がありますると同時に、これらの者の職務内容は、それぞれの官職に應じて明瞭でありますので、從來からこれらの者に対する給與は、一般官吏とは別にそれぞれ官職別に定額を定めるとともに、給與の体系におきましても、一般官吏とは異つた独自の制度をとつてまいつたのであります。すなわち、俸給の額は一般官吏よりも高い額にいたしますとともに、報酬は俸給一本で支拂い、家族手当勤務地手当は支給しない建前といたしておつたのであります。ただその法制の形式といたしましては、今までは一般官吏と同樣に、官吏俸給令その他の規定によつておりまして、特別の法令は制定せられていなかつたのであります。今回政府職員の新給與実施に関する法律が制定せられ、一般官吏給與制度に大きな改正が加えられるに伴いまして、内閣総理大臣等給與についても、その給與額その他の点につきまして、これを改正する必要が生じたのでありますが、前に申し上げましたような從來からの実情でありますので、この際從來の方式を改めまして、これらの官吏につきましては、一般官吏とは別箇の法律に規定することといたした次第であります。なお裁判官その他認証官等でありましても、從來から特別法に規定されております者につきましては、それぞれの法律改正し、または新たな法律を別途制定いたし、その給與制度に所要の改正を加えることといたしました。  今回の制度從來と異つております点は、総理大臣等給與について、從來各種の法規と別々に規定されておつた事項を、統一的にこの法律に規定したこと、俸給額相当増額したこと、從來給與に新たに勤務地手当を加えたこと、及び俸給支給方法改正を加えたこと等であります。  この法律案内容を簡單に御説明申し上げます。まずこの法律の適用を受ける者は、第一條に規定してありますように、内閣総理大臣國務大臣会計檢査院の檢察官、人事委員会人事委員長及び人事委員特命全権大使宮内長官侍從長及び特命全権公使であります。その俸給月額は、別表に掲げてありまする通り内閣総理大臣二万五千円、國務大臣、檢査官、人事委員長人事委員及び特命全権大使がいずれも二万円、宮内長官一万八千円、侍從長及び特命全権公使がいずれも一万五千円であります。  次に俸給支給方法といたしましては、まず支給期日は、從來は各省で多少異つておりましたが、今回は内閣総理大臣等には、いずれも毎月二十一日に支給することといたしました。また俸給支給の始期は、從前発令の翌日からとなつていましたが、これを今回は発令の当日からに改めるとともに、俸給支給の終期としましては、從前退官又は死亡の場合、その月分俸給全額を支給する建前でありましたのを、今回は退官または死亡の当日までに日割により支給することに改めました。このような場合の日割計算方法といたしましては、從來月額をその月の現日数で除して得た額を日額としておりましたのを、今回は月額の二十五分の一をもつて日額とすることにいたしました。  次に俸給以外の給與として勤務地手当を新たに設けまして、俸給補完的作用をなさしめることといたしました。その支給率等一般官吏と同様であります。その他に退官又は死亡の場合には、從前同様退職手当及び死亡賜金を支給する旨、及び実費弁償として旅費を支給することを規定いたしました。なお内閣総理大臣等には、扶養家族に対する手当は、今まで通り支給いたさないことといたしております。  最後にこの法律による給與は本年一月一日に遡及してこれを支給すること、すでに支拂われた給與は、この法律による給與の内拂とみなすこと等は、一般政府職員に対する取扱とまつたく同様であります。  以上この法律案につきまして、立案の趣旨及び法律案内容につき御説明申し上げた次第であります。何とぞ速やかに原案通り御賛成くださいますよう希望いたします。
  4. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ただいま説明を願いました案について質疑をいたします。
  5. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 この法律はまた新しく俸給が変ると変るのですか。これは二千九百二十円ベースのあれできめられたならば、また変るのですか、その点はどうなつておるのですか。
  6. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ただいまの御質疑は今局長がおりませんので、追つて説明を申し上げることにいたします。
  7. 林大作

    ○林(大)委員 内閣総理大臣等俸給等に関する法律案に関連して、國会議員の歳費の問題はどういうようになるのか、これは憲法による國会議員地位の保証と深い関係をもつているので、その点について御説明を伺いたい。
  8. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ただいまの問題について政府委員が出席するまで暫時休憩いたします。     午前十一時十二分休憩      ————◇—————     午前十一時二十八分開議
  9. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  内閣総理大臣等俸給等に関する法律案について質疑を継続いたします。佐藤君。
  10. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 先ほど質問したのでありますが、ちようど給與局長が留守でありましたから、もう一遍質問いたします。  この法律は今度二千九百二十円ベース変つて、新しいベースなつたときにもこのままであるかどうか、その点について事務当局の御説明を願いたいと思います。
  11. 今井一男

    今井政府委員 本來の筋から申せば、ベースの上るたびにかえていくのが建前でありますが、今までの例から申しますと、これは六百円のベースの時から、そのままですえおかれたのでありまして、一割、二割というようなベース違つた機会に、こういうグループの役人にそれぞれ手をつけるのがいいかどうかにつきましては、若干政府部内におきましても檢討をしなければならぬと思いますので、ただいますぐにどうだという御返事は申し上げかねます。
  12. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 この理由が、一般職員との権衡上となつておりますから、今度一般官吏がまた上るとすれば、そのベースがどうきまるか知りませんが、少くとも三千七百円以上だとは想像できるのでありますが、そういう場合でも、当分の間はこのままやるという意向ですか。
  13. 今井一男

    今井政府委員 一般職員上り方でありますが、それとの絡み合せで結論変つてきやしないかと考えます。今度の二千九百二十円では、一般政職員の最高を一万二千円と押えております。認証官の一番下であります全権公使との間には三千円の開きがございますが、今度ベースを上げる場合に、その一万二千円がどの程度まで上るか、これは單にスライドのような建て方で平均率で上りますか、あるいはそこまで上らないというところに落ちつきますか、そういうこととにらみ合わせて結論が出ると思うのでありますが、これがクロスするようになれば、いじらないわけにはいかないと思います。
  14. 川合彰武

    川合委員 この前審議した新給與法のとき、十五級というクラスがありました。あれはその後法律または政令でやるということになつておつたのでありますが、これとの関連はどうですか。
  15. 今井一男

    今井政府委員 いかなる職が十五級に該当するか、十五級は大体一万円から一万二千円の間を考えておりますが、それにつきましてまだ結論が出ておりません。しかし二千九百二十円の職階制への切換えは、下の方から順次固めていく、そうして一番最後にどうしても残つて、十四級の中にはいらないものを、十五級にはめよう、こういう手続で進めておりますので、結論が出るまで、もう少し時間がかかると思います。
  16. 塚田十一郎

    塚田委員 法案七條にあります勤務地手当退職手当死亡賜金給與の標準をお示しください。
  17. 今井一男

    今井政府委員 勤務地手当は御承知通り乙地が本俸の一割。認証官家族手当はつきませんが、一般官吏家族手当も加味されその率が変るのでありますが、甲地が二割、特地が三割と相なつております。退職手当一般官吏の例でありますが、勤続年数に一定の率をかけます。普通五年以内で退職する者には原則として支給いたしません。それで支給する場合にも、普通の退職は一年につき半月分であります。從いまして大臣一般認証官には、退職手当を差上げる場合はほとんどなかろうと思います。死亡賜金は、官吏でたしか月俸に二箇月であると思います。これは現職のままで亡くなられた場合に、官吏俸給令で出す賜金であります。
  18. 塚田十一郎

    塚田委員 給與に関連してですが、恩給というものに対する政府の態度は、どういうふうな御方針ですか、この際お聽かせ願いたいと思います。
  19. 今井一男

    今井政府委員 恩給につきましては、今率直に申しまして、右に行くべきか左に行くべきかという境目として、最も檢討を加えなければならぬ時期に相なつているかと思うのであります。大体從來日本恩給制度は、すなわち何年間勤めておつたから、それに対していくらいくらやる、こういつた考え方は、給與本質から申しましても適当でございませんので、何歳になつて働けなくなつた。それをみてやるという考え方が骨子になつていかなければならぬ意味におきまして、恩給法本質に、ある程度の改正を加えなければならぬ時期であることがまず第一でございます。それと絡みまして、將來官民を通ずる社会保障のような考え方社会保險というような考え方に移行すベきではないかという意見も擡頭いたしております。同時にまた軍人関係恩給が一切停止されましたその面からいたしまして、文官のみがこういつた特権的なものを現在受けている。現在の恩給額は、御承知通り終戰前までのはなはだ低いベースでやつておりますので、問題にならぬ金額でございますが、そういつたものを現在の金額まで上げることにつきましては、財政上の問題のみならず、他の戰爭犧牲者、あるいはインフレ犧牲者との権衡問題その他から申しまして疑問があるという点、さらに國家公務員法がすでに公布になりまして、七月一日から施行されるのでありますが、その公務員に対しまする恩給制度を、とつくり研究して、ひとつりつぱな案を出せというふうなことになつております。結局そのラインに從つて、新しい角度からみた恩給というものを確立されることに相なるわけでありまして、それまでのつなぎをどうしていくかという点につきましては、今申し上げたような観点から、幾多政府部内におきまして案をつくつたことがございますが、結局いずれも発表の段階まで至らなかつたのが現状でございます。
  20. 塚田十一郎

    塚田委員 いま一言この問題についてお尋ねいたしておきたいのは、在職者給與というものは、インフレの高進につれて相当考慮が加えられておりますが、恩給に対してはまつた考慮が加えられないと言つていい状態であります。もちろん今御説明なつた、恩給というものの本質そのものに再檢討を加えるという御趣旨は、たしかに私どもある程度同感の節があるのでありますが、それにしてもあまりに放任されている関係上ひどいという状態で、殊にそのひどいということが、社会的にみても何とかしなければならないという段階なつている幾多の例もあるように私ども承知しておるのであります。そういうものを一律に、恩給本質的な檢討が済まないということで放つておかれるということはどうかと思うのでありますが、それらについて何か——殊にひどい人たちについてだけでも、特段の考慮をされるというような御くふうはないのでありましようか。たとえば長年勤めて相当年齡に達して、働くにも働けないような状態人たちがあるのでありますが、これらについて一つ御意見を伺いたい。
  21. 今井一男

    今井政府委員 実は一度昨年の初めに、いわゆるつなぎ的な意味における、具体的な恩給法改正案というものができたのでありますが、これが関係方面との折衝におきまして、日の目を見るまでに至らなかつたのであります。最近またある程度角度をかえまして、政府部内に非公式な関係者委員会をもちまして、目下具体案をつくるベく努力はいたしております。発足から若干の時日は経ちましたが、あるいは今議会中に大体の輪郭を申し上げ得ることになるかもしれません。
  22. 塚田十一郎

    塚田委員 いま一言希望を申し述ベさしていただきたいのでありますが、何かお考えになつておるということであるから、早くその結果が出てくることをぜひお願いするのであります。ただ問題は、私が今申し上げました種類の人たちについては、まつたく切実な問題になつておる。研究中だから、まあしばらく待つてつてくれと言つて、すましておられない段階に來ておると考えておるのであります。それらの点も併せてひとつ頭に置いていただいて、早急に何らかの処置をお講じ願いたいということを希望いたしておきます。
  23. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 本法案はすでに審議も盡きたと思いますから、これで質問を打切つたらどうかと思いますが、いかがですか。
  24. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 佐藤君の動議に御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 それでは本案に対しての質問は打切ります。  本案は討論を省略して、ただちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 さよう取計らいます。本案に対して賛成の各位の御起立を求めます。    〔総員起立
  27. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 起立総員本案原案通り可決確定されました。  本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時四十二分散会