○
平田(敬)
政府委員 物品税関係につき、現在の
物品税の
課税中、
負担が相当過重と認められるような部分については、この際
取引高税の創設せられる機会でもあり、できるだけ
税率引下げ並びに
免税点引上げを考慮したいが、現在の
財政事情が
厖大なものである点を勘案して、妥当な範囲に止めざるを得ない実情にあることを御了承願いたい。
請願の各項目については、ま
づ玩具の
免税点についてはできるだけ
引上げを考慮するのが妥当ではないかと考えている。ただ
税率については、
物品税にしてもなお、相当多額の
税額を期待しなけれけばならぬ
現状であるので、
引下げは困難ではないかと思はれるが、大衆的な
玩具に対する
課税は、できるだけ
免税するという方針がよいのではないかと考えている。
次に
木製文房具木製事務用品につき、
物品税の
免税点を
設定されたいという
請願については、若干の必需的な
性質の強いものは、
免税点設定を考慮したい所存である。
次に
漆器類に対する
免税点引上げの
請願については、
漆器に対する
課税の
税率が少し高いのではないかと考えられるので、
税率につき檢討して見たい。
次に
人造バターに対する
物品税の
課税撤廃の
請願については、今のところ
課税撤廃の
段階には未だ至
つていないが、本
請願は
國民の栄養に関する食糧の問題なので、その
税率については、
引下げ方を考慮してはどうかと考えている。
次に
煙管に対して
免税点を設けてはいかんということであるが、この点については
煙管中大衆的なものには
免税点を設けることにつき考慮したい。
次に
眼鏡枠に対する
物品税免税の
請願については、これも全然
課税を免除するというのは、まだ
時機尚早と考えているが、
税率を若干
引下げるということについては、考慮したいと考えている。
次に
七宝燒に対する
物品税十割
減税の
請願に対しては、現在十割の
課税をしておるが、こういう品物は
物品税を存置する以上、最も奢侈的な
性質の濃厚なものであるものを
引下げるというところまでは、まだ情勢が來ていないと考えられるので、この点は困難であろうと思
つている。但し
進駐軍等の
土産用のものは現在も
免税をしているが、
一般國内用の
七宝製品については、十割
課税は妥当じやないかと考えておる。
次に
化粧品については、色々議論があるようだが、ま
づ税率については、
化粧品全体について
税率を下げるということは行き過ぎではないか、
化粧品の中で比較的
必需品的な
性質の強いものについては、一
段階税率を下げるというような方向で考慮した方が妥当じやないか。たとえばポマード、
クリーム等、
一般大衆の消費するものについては
引下げ、口紅その他については、
現行通りにしようと考えておる。
それから
徴税方法については色々御
意見があつたが、御指摘の
通り色々
改善すべき点が多々あるように見受けている。この点についても、各
業者に不均衡にならないよう、妥当な
納税をしていただくよう適正を期したいと思う。なお、その際、
團体交渉的な
課税方法を認めて欲しいとの
希望があるが、いわゆる
團体交渉によ
つてきめるという
方法は、
課税については原則として避けたい。
團体の
意見を聞くということについては、よいと思うが、
團体と協定して
税額をきめるということは避けた方が一般的によいのではないかと考えている。それから
納期を若干延ばして欲しいという
希望については、
前月分を翌月末までに納付することに
なつているから、
物品税一般についてはそれでよいのではないかと思う。なお、担保を提供すると一月だけ延ばせるという
規定もあるので、その
規定により
納税が著しく困難なものについては話し合
つて考慮する。一般的に
納期を延ばした
年度においては、歳入がずれて翌
年度にまたがるということになるので、この点は困難ではないかと考えている。
次に
事業税の問題であるが、
事業税は
地方財政委員会の所管であり、その方から
意見を述べていただきたいが、一
應私どもの見解を申し述べると、まず
医師と
助産医療師に対する
事業税を免除して欲しいという
請願については、その理由として
営業でないから
課税するのは妥当でないというような
趣旨が第一に掲げてあるが、今度の
事業税は、從來の
営業税以上の独立的な
事業、純粹のインデイペンデントな、自ら
事業を営んでおる
收益に対して
課税するというのが、今回の
事業税の
趣旨であるので、今回そういうように拡張するという
趣旨からいうと、やはり
医師とか
助産婦等に対しても、
事業税を課するということが理論上止むを得ないと考えている。
次に
農産物に対する
所得税の
課税に関する
請願については、本
委員会において度々
意見を申し述ベたので、詳細な
意見は差控えたいと思うが、ただ公定
價格だけによ
つて所得を計算するようにというところが陳情の要点かと考えるので、この点について見解を申し上げて見れば、
所得税は実收を本にして実際の
所得を査定してきめるのが本來の建前であるので、さよう御了承願いたい。
最後に、社会保險に基く公費医療の報酬に対して、
所得税を免除してもらいたいという
請願については、社会保險に基く医療報酬なるがゆえに、
所得税を免除するというのは妥当でないのではないかと考える。社会保險における医療報酬は、外の医療費に比し純益率が比較的低いということは確かに御指摘の通りだと思うが、この事に関しては実行面で実際の
所得に合うよう、十分留意して
課税上遺憾なきを期してまいりたいと考えておる。