○
原説明員 製塩用電力につきましては、御
承知のようにこれは
戰爭末期から、戰爭の
終つた直後にかけまして、
外塩の輸入が急激に減り、しかる後これが杜絶した。こういうことを反映しまして、國内では非常に塩が不足してお
つた。そこで例の
自給製塩制度というものを立ててきたのでありますが、当時におきましては、御
承知のように、
一般の工業もほとんど操業を停止するというようなこともありまして、その当時
電力の約半分が
輸送途上においてむだに流れてお
つたという点も考慮しまして、
政府としては
電氣による
製塩をやらう、こういうことが問題になりまして、その後各地においていろいろ行われたのでありますが、その後急激に
家庭及び
一般の工場において
電力を使用することにな
つてきますと
——当時新しい
技術でもあ
つたし、相当無理があり、かつコストも特別安くなか
つた。
電氣製塩というものは、かなり能率の
惡いものが多か
つたのであります。
從つて電氣が非常に不足してまいりますと、そういう非能率的な
電氣製塩に対して
電氣を供給することは無理である。こういうことになりまして、かなり窮屈な
供給状態に逐次おかれてきまして、昨年十一月ごろから全面的に停止にな
つて今日に及んでおるのであります。今後これがどういうふうになるかということは、もちろん
電力の
需給関係によりまするが、これを大観しますと、年間を通じて
電氣製塩をやることはもちろん不可能である。またそういう点につきましては、
電氣製塩をする時にも冬季における
渇水期ということも当然わか
つておりましたが、そこまでは
考えておらなか
つた。ただ初め
考えてお
つたよりも、
稼働率がかなり下るということは、今後においてもはつきりしておるのじやないか。ただ四月以降においてまた
自然條件によ
つて豊水期になりますれば、深夜
電力のみならず、日曜、祭日もあるし、晝間においてもピーク以外は何がしかの
電力が流れてくるわけでありましてそういうものを最も有効に
使つて塩をつくることは今後においてもやれる。こういうふうに
考えております。