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小坂政府委員 お答えを申し上げます。今回の増資につきまして、先般の
國会で御決議をいただきまして、さらにまたすぐ次にも
つてきたではないかという御
指摘も、まことにごもつともでございまして、私
ども恐縮に存じておりますが、私
どもの
考えといたしましては、大きなわくを先に組んでしまいますと、とかく目標がずれがちになる。そこでさしあたりやむを得ざるものに増資をし、必要が生じたならば、さらに増資をしていくという形でまいりました方が、全般の
資金を無駄に使わないことになるのではないかと
考えておりまして、先般も昨年度において補償したという計画で申し上げて、増資の御許可をいただいたのでありますが今般の増資につきましても、大体年度末までの計画をいたしましたところが、一應三百億
程度のものが見込まれたのであります。これは昨日も申し上げたのでありますが、この三百億につきまして、これをそのままに認めるということもいかがかと思いますので、われわれといたしましては、極力節約をいたしまして、たとえば新設の四公團のごときは一應除外して、これは市中の
資金をも
つて賄うことにいたしたいというふうに
考えたのであります。またさらに
政府の出資ができない限りにおきましてはその分についても節約をしていこうということで、結局百五十億に減額をして、ここに御
提出申し上げた次第であります、つきましては、これは今年度未まで、少くとも三月一ぱいまでにはぎりぎりのところであると
考えておるのであります。今後の問題といたしましては、結局物價の改訂という問題が出てきておりまして、例の安定帶の六十五倍の物價基準というものは、一應ここに修正檢討する時期にあるいは來ておるのではないかというように
考えておりますので、その問題と勘案いたしませんと、何ともただいまのところ申し上げかねるような状態でございます。
次にいわゆる健全財政のしりが税金、
復金にきておるのではないかというお説でありますが、私もそのように立論されてもいたし方がないのではないかというふうに
考えております。しかしながら、健全財政ということを貫きまして、そのしりが
復金に出てくるということは、これは全般の今の財政状態、経済状態、すべてが健全とは申せない状態において、健全財政を題行していくとい、だは、どこかに無理が出てくるのでありまして、そのしりが出てくるということは、初めから健全財政を投げてしまうのだということよりは、これははるかにインフレを防止するのに効果があるのではないかというふうに、私もど
考えておる次第であります。税金の問題でありますが、これはただいまのところ非常にあり、さらに年度末には八百八十億という
厖大なる未納があるのでありまして、これを張行しでとらなければならぬという状態であるのであります。私
どもといたしましては、これはどうしてもとりきれるものであるというように
考えておるのであります。それでこの税金の問題は、いろいろこういつた未納が大きく出てきた原因があるのでありまして、新たに採用いたしましたところの申告納税制度というものが、十分に
國民に咀嚼理解されていないという点もありますし、また税制そのものについても、あまりに煩瑣な点もあり、また今の経済状態全般に即應しないような点も
考えられるのでありますが、根本の問題として、税金が非常に不当であるためにとれないのだということは、今のところはないのではないかというふうに
考えております。
もちろんこの点については、さらに十分檢討を加えなければならぬと思
つておりますが、この問題が結局大きな赤字とな
つて残るというふうには、私
ども考えておらぬのであります。さらに日銀からの
政府の借入れが
厖大にな
つておるという点も御
指摘にな
つておりますが、これにつきましても、われわれは十分これを極力
厖大なものにならぬように努力しておるのであります。結局問題は
石炭等においてもごらんになりますように、全般の物價の権衡というものが今得られておらないわけでありまして、物價の不均衡からくるところの企業の赤字というものは、これはある
程度見てやらなければならぬというように現在の状態においては
考えられる
状況でございますので、そういうものを調整するために、ある
程度復金の
融資というものもやむを得ざる点も
考えられるのであります。そういう事情でございますので、御
了承願いたいと思います。