○北村國務大臣 ただいま塚田委員の御質問は、御趣旨は私も全然
同感でございまして、まず第一点、財政法第三條と運賃の値上の
関係でございますが、これは私は
國会の御承認を経てやる方式をとることがよろしいと存じております。ところがただいまのところでは、財政法第三條の例外におかれておりまして、現在では
國会の承認を経ることなしに決定し得る
状態にな
つております。法規的にはそうでございますけれ
ども、これは私の
一つの
考え方といたしましては、
お話のごとく、たとえば鉄道運賃を上げるということは、
國民生活
全般に非常に廣く大きな影響を與えるのでありますし、また物價全体にも影響するところが大きいのでございますから、かような問題については、法規的にはいかにもあれ、運輸交通委員会、財政
金融委員会等に対しては、御納得のいくように御説明申し上げて了解し得ることにいたしたい。そうしてなるべく今の例外規定をなくするようにいたしたい。いかなる場合でも運賃の改訂については、
國会の議を経るという本來の建前に帰るべきであると私は存じておるのでありまして、たとえ現行法規には例外におかれておるので、法案として正式に取扱うことは困難であると思いますけれ
ども、御了解を得て、いわば語弊があるかもわかりませんけれ
ども、この運輸交通委員会は特別の相談相手にな
つているといるというようなわけで、われわれは腹を割
つて御相談申し上げるようにしたいと思
つております。
それから運賃の値上その他についてでありますが、これは
お話のごとく、官公吏の待遇改善のための財源として運賃を値上げするということならば、私も運輸大臣として反対でございますが、そういうような
意味ではございません。國鉄の現状というものは、御承知の
通り非常に荒廃を極めている。これを何とかして
再建しなければならず、また輸送力を増強して、独立採算制の観点から申しますと、收入増をはからなければならぬということと、同時にまた節約すべき面については十分節約しなければならぬ。こういうような点について独立採算制というものを有効に取扱
つていかなければならぬと思うのでありますが、それだけでいける
限度と、どうしても運賃の値上によらなければならぬ点とがございまして、この運賃の値上は、國全体の財政の面から
考えましても、また國鉄そのもののいわゆる独立採算制の建前と、両面あると思うのでありすが、こういう面から、今は好ましからざることでございますし、物價にも重大な影響を與えますし、
國民生活に至大の
関係をもつのでありますから、避けられるならば避けたいと思いますけれ
ども、今の現状では、運賃改訂はまことにやむを得ないというようなところに追いこまれている。それでただ
お話のごとく〇・八箇月分を拂いますために、まずイージー・ゴーイングで運賃値上をやるというようなことは、今は毛頭思
つておりません。その点は全然そうでなくて、ただわれわれの
考えといたしましては、運賃改訂に当
つて、物價全体の修正を要する段階にきている。從
つて物價全体を作成する場合に、物價の中の
一つのフアクターである運賃をどうするというような
考え方と同時に、鉄道自体の経理、この両面から運賃を勘案いたしたい、かように
考えておるのであります。今回のことはしばらく別として、緊急やむを得ざる三月までに追加予算を出す場合に、その中にむろん〇・八は含む、さしあたり必要な運賃の値上は含んでくるのでありまして、一應この解釈は両面には出てきておりますが、これは何も〇・八箇月を拂うために鉄道運賃を上げるということではございません。それは塚田委員のお
考えと私の
考えておることは全然同一でありますので、さよう御了承を願いたいと思います。