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伊藤説明員 災害復旧工事が緊急を要することは多言を要しないところであ
つて、特に
海岸堤防のごとき、常時海水の浸入する
被害箇所は、
食糧増産及び
民生安定等の見地より一日も等閑に附し得ないものがある。
政府としても、この見地から、
災害復旧工事に対しては常に
短期完成を目途し、重点を指向いたしているのであるが、
國庫財政の逼迫からとかく御期待に添に得ない遺憾な実情にある。公共の施設たる海式堤防はいずれも府縣知事の管理下に在るのであ
つて、この点は
河川堤防と何等異なるところはないのであるが、常時の維持費の支出についてはいずれも地元の支弁と
なついてるのも多くあるので、ただちに支弁
関係を変更することは容易でないと
考えられる。また
國庫財政の見地から
考えても、全額國庫負担とするごときは至難と
考えられるが、
被害復旧に対する
國庫助成については、
國庫財政の許す限り援助する方針である。
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