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1948-07-04 第2回国会 衆議院 厚生委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月四日(日曜日)     午前十時十八分開議  出席委員    委員長 山崎 岩男君    理事 有田 二郎君 理事 中嶋 勝一君    理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君    理事 武田 キヨ君 理事 徳田 球一君       大石 武一君    村上 清治君       太田 典禮君    重井 鹿治君       福田 昌子君    松谷天光光君       武藤運十郎君    荊木 一久君       小野  孝君    野本 品吉君       齋藤  晃君  出席政府委員         総理廳事務官  伊東 五郎君         厚生政務次官  喜多楢治郎君         厚生事務官   木村忠二郎君         厚生事務官   小島 徳雄君         厚生事務官   宮崎 太一君         厚生事務官   久下 勝次君         厚 生 技 官 三木 行治君         厚 生 技 官 濱野規矩雄君  委員外出席者         議     員 平工 喜市君         議     員 淵上房太郎君         專門調査員   川井 章知君     ――――――――――――― 七月三日  消費生活協同組合法案内閣提出)(第二二三  号)  生活協同組合法案参議院送付)(予参第一〇  号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  消費生活協同組合法案内閣提出)(第二二三  号)   請 願  一 傷痍者保護に関する請願武藤運十郎君    紹介)(第四号)  二 青森市に國立綜合病院設置請願山崎岩    男君紹介)(第六三号)  三 遺族の援護に関する請願飯村泉君外一名    紹介)(第二三一号)  四 公衆浴場法に関する請願坂東幸太郎君紹    介)(第五〇〇号)  五 羅臼村に医療施設設置請願伊藤郷一君    紹介)(第六四五号)  六 旧樺太廳医師を、無医村において開業を許    可し、厚生省医師とする請願川合彰武君    紹介)(第六九九号)  七 理容師法の一部を改正する請願櫻内義雄    君外一名紹介)(第七〇一号)  八 國民健康保險制度改革に関する請願(大島    多藏君紹介)(第七二三号)  九 医業類似行為あん摩、はり、きゆう施術    禁止の請願天野久紹介)(第七八一    号) 一〇 生活扶助費増額請願川野芳滿紹介)    (第八四九号) 一一 衞生組合法制定に関する請願川越博君外    三名紹介)(第八五八号) 一二 指宿國立鹿兒島療養所敷地一部拂下の請願    (上林山榮吉紹介)(第八七七号) 一三 國民健康保險事業費國庫補助請願(上林    山榮吉紹介)(第八七八号) 一四 遺族援護強化請願伊瀬幸太郎紹介)    (第八八五号) 一五 戰歿者及び傷痍者の取扱に関する請願(受    田新吉紹介)(第八九四号) 一六 傷痍軍人保護に関する請願小平久雄君紹    介)(第九〇一号) 一七 生活保護法改正等に関する請願松谷天光    光君外六名紹介)(第九一五号) 一八 國立富山病院拡充に関する請願内藤友明    君紹介)(第九二五号) 一九 社会福利施設拡大強化に関する請願(坂    東幸太郎紹介)(第一〇三一号) 二〇 癩療養所施設拡充その他に関する請願(    武藤運十郎紹介)(第一〇三八号) 二一 遠賀川河水汚濁防止に関する請願淵上房    太郎君紹介)(第一〇五四号) 二二 兒童福祉事業の振興に関する請願山崎道    子君紹介)(第一〇五八号) 二三 保健婦待遇改善等に関する請願山崎道    子君紹介)(第一〇六六号) 二四 旧住宅営團住宅拂下に関する請願(村上    勇君紹介)(第一〇七〇号) 二五 藥事法改正反対に関する請願有田二郎君    紹介)(第一〇九七号) 二六 沖繩地方民救済に関する請願坂東幸太郎    君紹介)(第一一二一号) 二七 恩給増額に関する請願樋貝詮三君紹介)    (第一一四〇号) 二八 同(武藤嘉一紹介)(第一一四一号) 二九 國立長野療養所上田分院移轉請願(小林    運美君紹介)(第一一四九号) 三〇 犬島診療所を縣営に復元の請願榊原亨君    紹介)(第一一五〇号) 三一 國立長野療養所上田分院移轉請願田中    松月紹介)(第一一九九号) 三二 恩給増額に関する請願外件(冨田照君紹    介)(第一二〇〇号) 三三 豊川市所在旧住宅営團住宅拂下に関する    請願林大作紹介)(第一二〇六号) 三四 兒童福祉関係予算増額に関する請願(坂東    幸太郎紹介)(第一二三三号) 三五 戰災復興住宅坪数制限緩和請願(橋本    金一君外五名紹介)(第一二三九号) 三六 恩給増額に関する請願西田隆男紹介)    (第一二九七号) 三七 同(的場金右衞門紹介)(第一二九八    号) 三八 恩給増額に関する請願外一件(中島茂喜君    外一名紹介)(第一二九九号) 三九 恩給増額に関する請願小野孝君外三名紹    介)(第一三〇〇号) 四〇 同(大島多藏君紹介)(第一三〇一号) 四一 恩給増額に関する請願河合義一紹介)    (第一三二二号) 四二 大都市における庶民住宅に関する請願(門    司亮君紹介)(第一三二七号) 四三 社会福祉事業費國庫補助増額請願(池谷    信一君外十一名紹介)(第一三二八号) 四四 藥事法の一部を改正する請願田中松月君    紹介)(第一三四五号) 四五 療術師法制定請願榊原亨紹介)(第    一三七三号) 四六 同(野本品吉紹介)(第一三七四号) 四七 社会事業法改正に関する請願田中松月君    紹介)(第一三八一号) 四八 社会事業共同募金法制定に関する請願(田    中松月紹介)(第一三八二号) 四九 全國身体障害者に対する補償制度に関する    請願村上清治君外一名紹介)(第一四二    五号) 五〇 母子寮建設費國庫補助請願山崎道子君    紹介)(第一四三五号) 五一 恩給増額に関する請願矢野政男君外六名    紹介)(第一四六一号) 五二 藥事法の一部を改正する請願外四件(齋藤    晃君紹介)(第一五〇〇号) 五三 同(徳田球一君外三名紹介)(第一五一八    号) 五四 同(野本品吉紹介)(第一五一九号) 五五 同(高倉定助紹介)(第一五二〇号) 五六 同(荊木一久君外一名紹介)(第一五二一号) 五七 療術師法制定請願武田キヨ君外一名紹    介)(第一五二四号) 五八 消費生活協同組合法案消費金融事業削除    に関する請願櫻内義雄紹介)(第一五    三七号) 五九 医藥制度合理化に関する請願松本眞一君    紹介)(第一五五三号) 六〇 藥事法の一部を改正する請願有田二郎君    紹介)(第一五五五号) 六一 医師処方箋発行義務制度実施に関する請    願(有田二郎紹介)(第一五五六号) 六二 藥事法の一部を改正する請願徳田球一君    外三名紹介)(第一五七四号) 六三 遺族の援護に関する請願齋藤晃紹介)    (第一五七六号) 六四 樺太引揚歯科医免許状下付請願(竹尾    弌君外一名紹介)(第一五七七号) 六五 藥事法の一部を改正する請願外一件(有田    二郎紹介)(第一五八五号) 六六 宇多津町に保育所設置請願豊澤豊雄君    紹介)(第一六一四号) 六七 藥事法の一部を改正する請願外九件(山崎    道子君紹介)(第一六一五号) 六八 豊川市所在旧住宅営團住宅拂下に関する    請願林大作紹介)(第一六一六号) 六九 藥事法の一部を改正する請願三好竹勇君    紹介)(第一六三九号) 七〇 國立療養所山陽莊を下松市に移管の請願(    中嶋勝一紹介)(第一六四五号) 七一 恩給増額に関する請願唐木田藤五郎君紹    介)(第一六五七号) 七二 庶民住宅建設費國庫補助増額請願(的場    金右衞門紹介)(第一六五八号) 七三 健康保險強制加入中止に関する請願(石    田一松君紹介)(第一七一六号) 七四 恩給増額に関する請願受田新吉紹介)    (第一七一七号) 七五 同(松原一彦紹介)(第一七一八号) 七六 あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法    の名称改訂並びにその一部を改正する請願    (大島多藏君紹介)(第一七四五号) 七七 戰爭犠牲者の待遇に関する請願受田新吉    君紹介)(第一七七三号) 七八 藥事法の一部を改正する請願有田二郎君    紹介)(第一七八七号) 日程追加  一 療術法制定に関する請願武田キヨ紹介)(    第四四号)  二 恩給増額に関する請願受田新吉紹介)    (第一四八号)  三 同(受田新吉紹介)(第一九三号)  四 性病予防及び撲滅に関する請願武田キヨ    君紹介)(第一九六号)  五 蛔虫駆除に関する請願武田キヨ紹介)    (第二三〇号)  六 恩給増額に関する請願寺本齋君外二名紹    介)(第二四九号)  七 岡山縣の住宅建設問題に関する請願(多賀    安郎君外六名紹介)(第二七〇号)  八 恩給増額に関する請願岡村利右衞門君紹    介)(第三一九号)  九 恩給増額に関する請願外二件(受田新吉君    紹介)(第三七六号) 一〇 恩給増額に関する請願武藤嘉一紹介)    (第三八五号) 一一 元住宅営團経営住宅に関する請願武藤運    十郎君紹介)(第四五三号) 一二 同(門司亮紹介)(第四六三号) 一三 恩給増額に関する請願坪川信三紹介)    (第四九七号) 一四 恩給増額に関する請願外四件(受田新吉君    紹介)(第五四二号) 一五 恩給法等改正に関する請願松崎朝治君    紹介)(第五六六号) 一六 恩給増額に関する請願小坂善太郎君紹    介)(第六三八号) 一七 療術師法制定請願内海安吉君外二名紹    介)(第六三九号) 一八 恩給増額に関する請願今澄勇紹介)(    第六七四号) 一九 同(受田新吉紹介)(第七一八号) 二〇 同(荒木萬壽紹介)(第七二六号) 二一 療術業存続請願福田繁芳紹介)(第    七四八号) 二二 恩給法改正に関する請願松浦東介君紹    介)(第七五二号) 二三 恩給増額に関する請願西田隆男紹介)    (第七六三号) 二四 旧住宅営團住宅拂下に関する請願(細野    三千雄君紹介)(第七六八号) 二五 恩給増額に関する請願松本七郎紹介)    (第八三二号) 二六 同(上林山榮吉紹介)(第八七三号) 二七 恩給増額に関する請願受田新吉紹介)(    第八九二号) 二八 同(淵上房太郎紹介)(第八九八号) 二九 同(淵上房太郎紹介)(第八九九号) 三〇 同(五坪茂雄君外二名紹介)(第九〇〇    号) 三一 恩給増額に関する請願川野芳滿君外五名    紹介)(第九一七号) 三二 恩給増額に関する請願外一件(中島守利君    紹介)(第一〇九三号) 三三 恩給増額に関する請願松原一彦君外六名    紹介)(第一一〇二号) 陳情書 一 國民健康保險制度強化に関する陳情書    (第九号) 二 美容師並び理髪師に関する法律案に関する    陳情書    (第二六号) 三 引揚者援護に関する陳情書外十件    (第四七号) 四 引揚者受入対策費國庫負担に関する陳情書    (第五〇号) 五 はり、きゆう、あん摩柔道整復術及び療術    行為等法規制定に関する陳情書    (第九〇号) 六 水害罹災者救済策等に関する陳情書    (第一〇八号) 七 生活協同組合法案反対に関する陳情書    (第    一三三号) 八 戰災引揚者收容施設維持費全額國庫負担に    関する陳情書    (第一六三    号) 九 援護事業國庫補助陳情書    (第一六五号) 一〇 恩給並びに扶助料増額陳情書    (第一六九号) 一一 國民健康保險制度の確立に関する陳情書    (第一九二    号) 一二 栄養確保に関する陳情書    (第一九三    号) 一三 外地引揚者住宅対策に関する陳情書    (第一九七号) 一四 質屋法取締法改正に関する陳情書    (第二〇三号) 一五 大都市における庶民住宅復興に関する陳情    書(第二    〇五号) 一六 炭鉱労務者福利厚生事業拡充に関する陳情    書    (第二一三号) 一七 生活協同組合法案反対に関する陳情書    (第二    二二号) 一八 生活保護法による生活基準引上に関する陳    情書(第二二    九号) 一九 引揚者問題解決促進陳情書    (第二四三号) 二〇 民生委員法制定に関する陳情書    (第二七二号) 二一 生活協同組合に対し中央金融機関確立の陳    情書    (第二八五    号) 二二 住宅復興金庫の創設に関する陳情書    (第二八八号) 二三 國民健康保險制度強化に関する陳情書    外二件    (第二九五号) 二四 回虫駆除に関する陳情書    (第三〇    三号) 二五 性病の予防並びに撲滅に関する陳情書    (第三〇四号) 二六 住宅復興対策確立に関する陳情書    (第三    〇六号) 二七 國民健康保險制度強化に関する陳情書    (第三〇九号) 二八 恩給並びに扶助料増額に関する陳情書    (第三二八号) 二九 國民健康保險制度強化に関する陳情書外    四件    (第三三    四号) 三〇 同外五件    (第三五九号) 三一 同外三件    (第三七一号) 三二 生活協同組合法制定促進に関する陳情書    (第三七二号) 三三 國民健康保險制度強化に関する陳情書外    五十三件    (第三七八    号) 三四 住宅建築用資材確保に関する陳情書    (第三八四号) 三五 國民健康保險制度強化に関する陳情書    (第三九〇号) 三六 同外二件    (第三九    五号) 三七 同外八十件    (第四〇二号) 三八 同外八十五件    第四二五号) 三九 癩患者保護法制定に関する陳情書    (第四三三号) 四〇 癩患者生活保護に関する陳情書    (第四三四号) 四一 國民健康保險制度強化に関する陳情書外    百二十六件    (第四四七号) 四二 同    (第四五七号) 四三 部落解放に関する陳情書    (第    四六一号) 四四 國民健康保險制度強化に関する陳情書外    二十一件    (    第四六五号) 四五 同    (第四九九号) 四六 同外二件    (第五二六    号) 四七 療術業存続陳情書    (第五三四号) 四八 民生委員法案の一部改正に関する陳情書    (第五四六号) 四九 國民健康保險制度強化に関する陳情書    (第五五七号) 五〇 療術業存続陳情書    (    五七八号) 五一 復興住宅建設促進陳情書    (第五九三号) 五二 療術業存続陳情書    (第六二四    号) 五三 建築制限並びに無届建築取締強化に関関    する陳情書(第六三    二号) 五四 恩給増額に関する陳情書    (第六四五号) 五五 計画住宅建設費全額國庫負担陳情書    (第六五四号) 五六 生活協同組合法制定促進に関する陳情書    (第六五八号) 五七 部落問題の解決に関する陳情書    (第六六二号) 五八 潟町村結核療養所施設の完成に関する陳情    書    (第六七一号) 五九 癩患者生活保護に関する陳情書    (    第六七四号) 六〇 國民健康保險制度強化に関する陳情書    (第六七六号) 六一 療術業存続陳情書    (第六九〇号) 六二 藥事法改正に関する陳情書外一件    (第七〇八    号) 六三 生活協同組合法制定に関する陳情書    (第七一六    号) 六四 療術業存続陳情書    (第七三四号) 六五 優生保護法制定反対陳情書    (第七四八号) 六六 社会保險事務費國庫補助陳情書    (第七五一号) 六七 藥剤師法制定等に関する陳情書    (第七    六二号) 六八 民生委員法制定に関する陳情書    (第七七七号) 六九 営團住宅購入に対し補助金交付陳情書    (第七九五号) 七〇 癩患者生活保護に関する陳情書    (第八三八号) 七一 生活協同組合法制定促進に関    する陳情書    (第八三九号) 七二 地区船船員保險に関する陳情書    (第八四〇号) 七三 引揚同胞援護に関する陳情書    (第八四三    号) 七四 船員保險脱退手当金制改正反対に関する    陳情書(    第八四八号) 七五 兒童福祉法の一部改正に関する陳情書    (第八七    ○号) 七六 民生委員法制定に関する陳情書    (第八七三号) 七七 民生委員法制定に関する陳情書    (第九一二号) 七八 生活協同組合法制定促進に関する陳情書外    二件    (第九一五号) 七九 生業扶助費増額陳情書    (第九三五号) 八○ 民生委員待遇改善に関する陳情書    (第九三六号)    ―――――――――――――     〔筆記〕
  2. 山崎岩男

    山崎委員長 ただいまより会議を開きます。お諮りいたします。委員外の平工喜市君より國立病院の問題について発言を求められておりますが、これを許すことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議がなければこれを許します。平工喜市君。
  4. 平工喜市

    ○平工喜市君 私は七月一日に本会議において緊急質問を行い、政府所信を質したのあでりますが、厚生大藏大臣答弁は満足することができなかつたので、本日この委員会において納得の行くようにお伺いしたいと思います。まず第一に國立病院における本年度患者收容実績に基く調査の御答弁によると、昨年度定員二万九千九百ベツトが満床にならなかつたことは事実でありますが、それは患者がなかつたのではなく、各病院とも入院希望者は常に定員を越す現状にありながら、医師藥剤師看護婦等所要職員が非常に不足しており、診療能力がまつたく缺如しておつたことに原因しております。すなわち、各病院とも、生活保護法適用患者医療保護患者等外來診療入院も拒絶せざるを得なかつた原因は、実に医師八百九名、衆剤師百二十三名、看護婦五千二名の人員不足にあつたのであります。かかる厚生当局責任に帰すべき惡條件下において、眞にやむを得ない原因から、不自然に減少した收容実績を基礎に、本年度ベツト数を減少せしめた当局眞意は、一体どこにありますか、もう一度はつきり述べられたい。
  5. 久下勝次

    久下政府委員 本年度國立病院患者收容定員が前年度に比し五千九百床減少したのは、主として前年度実績に基いたものでありますが、引揚患者等國立病院收容すべき患者が急激に増加する増合には、急速に予算措置を講ずるよう大藏当局了解を得ておりますので、病院勤務職員給與改善実施と相まつて、事態に即應した運営を図る所存であります。
  6. 平工喜市

    ○平工喜市君 本年度患者收容定員は二万四千ベツトで十分であるという答弁があつたが、すでに現在その中二万ベツトは一般國民に利用されており、診療能力が充実されれば、現今の國民医療の状態から見て、たちまち定数を突破することは必至であります。加えて本年はソ連残留同胞の引揚が大幅に実施されることになつており、すでに五月以來毎月五万の内地上陸を見ています。從來の経驗に照らして毎月八千七百十五名が確実であります。そのうち入院を要する人々毎月二千名の大部分が、國立病院收容されるのであります。二万四千ベツトという数字は、年間を通じて推定二万四千ベツトと解釈される。これら海外引揚患者を含んだ数字でありますか。それともこれを別個にしたものでありますか、それをお伺いしたい。もし、海外引揚患者を含んだ数字ならば、本年五月以來すでに内地上陸を開始したソ連引揚患者が、東京第一病院を初め、有力な國立病院において、六月現在、予算的にも、また收容診療能力からいつても收容困難となり、あるいはこれらの悲惨な人々收容を拒否し、または入院しておる未治療の一般患者強制退院を余儀なくされる現状を、当局は一体如何にされるおつもりか、明確にお答え願いたい。また本年度の二万四千ベツトは、海外引揚患者を含んでいないものとして、さらに大臣答弁通り、今後の事態に対して大藏厚生両省にすでに万全の了解なつておるということを信用するとしても、患者收容診療が今日ただいまの問題であり、予算増額その他人員補充等は手続上一朝一夕瞬間的に、技術的にできますか、あらかじめの即定の予算として組まれておらねばならぬ事と思いますが、この点に関する当局所信を伺いたい。
  7. 久下勝次

    久下政府委員 國立病院患者收容定員二万四千ベツト引揚者收容につきましては、前年度患者收容定員二万九千床は、引揚患者收容をも予定して決定したのでありますが、実績は二万ベツトに満たなかつたので、本年度はさしあたり四千ベツト程度引揚患者のために予定し、今後の状況に應じて予算措置を講ずる方針であります。なお舞鶴等引揚病院と、第一次收容病院との間に、事務連絡不十分のために、患者收容上円滑を欠いた向もあるので、十分指導監督に留意します。
  8. 平工喜市

    ○平工喜市君 國立病院における医師藥剤師看護婦実員不足は、不足というよりは、むした在職職員定数の半数以下という有樣でありますことは、さきほどの不足数通りでありまして、厚生省においてもこの事実は十分御存知のことと思います。これを充足することが刻下の急務でありますが、その原因たる待遇問題は、また後の項目で十分御伺いするとして、ここにまことに遺憾な問題があります。それは本年度四月に、たださえ少なかつつた医師の中から、百六十名の有能な医師追放をうけたのであります。追放その事自体は当然であり、ポツダム説言の規定された嚴粛な義務でありますが、問題はその後の処置にあります。大臣諸公もしくは高級官僚追放に際しては、ただちにその補欠をされていますが、同じ政府職員であり、かつ、重要職務を担当する医師補充を今日まで果し得ない事実に対して、当局十分責任を感じなければならない。五月以降何名補充することが出來ましたか、その数字をお聽かせ願いたい。またその補充具体策をもつておりますか。本年度病床数は、昨年の実績の二割増となつておる旨の大藏大臣の回答がありましたが、この二割は今後とも絶えず確保されていくつもりかどうかお尋ねしたい。
  9. 久下勝次

    久下政府委員 國立病院における医師藥剤師看護婦実員不足につきましては、國立病院における医療技術者は、予算定員に比して常に多少の欠員があり、最も影響の多い医師について申しますれば、定員千六百三十名に対し、百五十五名の追放者を出した五月一日の実員は、千二百五十七名で、二割三分の欠員を出じたのですが、七月一日では二百九十三名を補充し、千五百五十名となりました。なお九分九厘の欠員がありますので、欠員の充足に努めております。また衆剤師看護帰については、予算定員に比しそれぞれ二割八分、一割一分強の欠員がありますので、これまた極力補充に努めております。さらに入院患者実績の二割程度空ベツトがないと、円滑なる病床の活用ができませんので、今後もこれを確保していきたいと思つております。
  10. 平工喜市

    ○平工喜市君 次に看護婦宿舎の整備についてお伺いしたいと思います。國立病院軍病院のそのままの建物であつたため、新時代における病院として、これに代るに全員看護婦をもつて足ることは御承知のことと思います。これに対する処置がほとんど見るべきものがない状態と聞いていますが、その実情についてお伺いしたい。またその予算に計上せる金額をも詳細にお伺いしたい。
  11. 久下勝次

    久下政府委員 國立病院看護婦宿舎の整備については、御承知の通り軍病院をそのまま使用したため、看護婦宿舎は不完備でありますので、できる限りの努力を拂つて着々整備につとめております。なお本年度予算に計上いたしました整備費は二千四百三十四万二百五十円であります。
  12. 平工喜市

    ○平工喜市君 次に國立病院の医療設備についてお伺いしたい。まず第一に外來診療施設について、從來の軍病院外來診療施設をもつていなかつた上に、小兒科、産婦人科等の診療科目もなく、一般病院として新たに設備しなければならないと思うがどうであるか、これらに要する経費を伺いたい。第二に医療器械及び藥品費の整備についてお伺いしたい。前述のごとく、小兒科、生婦人科、その他を設けるため、並びに軍時代の物も相当損耗、破壞せるものも多くあつて、これがため診療に重大な支障あると聞いて居るが、その実情を伺いたい。またこれらに要する経費を伺いたい。第三に、病棟の整備について、國立病院軍病院そのままの病院で、三十名も四十名も一ケ所に收容するごとき大部屋のため、一般患者收容に適せず、特に婦人科はまつたく困つていると聞いているが、その実情を伺いたい。またその経費の状況はどうなつているか。以上のことを御答え願いたいのであります。
  13. 久下勝次

    久下政府委員 國立病院の医療整備費につきまして、軍病院時代の特殊性と、一般病院としての相違点を考慮して整備に努めております。第一の外來診療施設につきましては、一應全部の病院に設けたので、今後はこれを整備する本年度計上予算は五百七十八万三千五百七十三円であります。なお、小兒科、産婦人科等の設備のない一部病院についても、病棟整備費等で設置を考慮いたします。第二の医療器械及び藥品の整備費については、本年度計上予算四億四千百三十一万九千九百二十円で処理いたします。第三の病棟の整備につきましては、國立病院は原則として大衆部屋とし、産婦人科、重症者等のために個室を整備する。本年度計上予算は六百四十六万二千九百二十円であります。
  14. 平工喜市

    ○平工喜市君 次にお尋ねしたいことは、國立病院從業員、特に医師看護婦藥剤師待遇について、民間の水準よりも、特に日赤病院よりも俸給等は三分の一と聞くが、その実情を詳細にお伺いたしたい。
  15. 久下勝次

    久下政府委員 國立病院從業員、特に医師看護婦藥剤師待遇について、医師藥剤師等の待遇は、民間の給與水準より相当低いので、給與改善に努力中であり、近く相当の改善が実現される予定であります。
  16. 平工喜市

    ○平工喜市君 次に國立病院從業員住宅の整備についてお伺いしたいのですが、前に述べたことく、俸給も安く、献身的にやつている從業員のため、並びに職務上患者を相手とするものでありますから、特に病院の附近に住宅を整備すべきと思うが、どうですか。またこれらの計画、経費等具体策があつたら御伺いしたい。聞くところによると全國立療養所の從業員の住宅は三分の二整備してあり、國立病院には全くその整備がないと聞いておりますがそれは事実でありますか。
  17. 久下勝次

    久下政府委員 國立病院從業員住宅の整備については、國立病院勤務の職員の住宅はほとんどなく、特に医師等は職務の性質上、病院附近に居住を必要とするのでありますが、本年度は財政上の都合から実現できないので、明年度以降において重点的に予算化してまいたいと存じます。
  18. 平工喜市

    ○平工喜市君 最後に患者厚生施設についてお尋ねしたい。厚生大臣答弁によれば、患者厚生施設として職業補導所が十箇所あるというのですが、どこの病院に附設してありますか。その病院名をお伺いしたい。また本年度のこれらに計上せる経費もお答えください。
  19. 久下勝次

    久下政府委員 患者厚生施設については、入院患者に対する職業補導は、治療に支障を生じない範囲で、病院運営とは別個に考えるべき問題でありますが、國立病院としてもできるだけの協力はいたしております。國府台、相模原、高田、栃木、豊橋、名古屋、山中、岐阜、小倉、亀川等の病院内に補導施設があります。
  20. 山崎岩男

    山崎委員長 次にこの際お諮りいたします。請願文書表第四四号、第一四八号、第一九三号、第一九六号、第二三〇号、第二四九号、第二七〇号、第三一九号、第三七六号、第三八五号、第四五三号、第四六三号、第四九七号、第五四二号、第五六六号、第六三八号、第六三九号、第六七四号、第七一八号、第七二六号、第七四八号、第七五二号、第七六三号、第七六八号、第八三一号、第八七三号、第八九二号第八九八号、第八九九号、第九〇〇号、第九一七号、第一〇九三号及び第一一〇二号を日程に追加いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議がなければただいまの請願は日程に追加いたします。  次にまず日程第一文書表第四号、日程第一五文書表第八九四号及び日程第一六文書表第九〇一号、以上傷痍者保護請願を議題といたします。紹介議員武藤運十郎
  22. 武藤運十郎

    武藤運十郎君 私ら最も心を痛めておりますものに、この戰爭で犠牲となりました傷痍軍人があるのでありまして、この請願はそれらの中でも不自由な弱い人々の切なる請いであります。現在傷痍者ハ全國に百七十万を算えられ、世間からは冷視されまして、精神、物質共に非常なる困窮のどん底生活をしておるのでありまして、これに対し政府も積極的に援助しない状態なのであります。この際にあたりましてこれが社会的、厚生的見地より考え合わせましても、ぜひとも援護しなければならないことがあるのでありますが、その中でも國立病院の医療費を政府が負担すること、七項症以下の該当者の再診査を実施すること、恩給年金を引き上げること、元將校、下士官、兵等の保証に差別をつけることを撤廃すること、地方援護の全面的強化を実施すること、一般勤労者に対する各種の補償と同等の取扱を実施すること等を実施していただきたいのでありまして、審査の上は、ぜひとも採択されまして、この身体不自由になつたもの、家の柱とも頼む人を失つたものの、心からなる切なる願いを聞いていただきたいのであります。
  23. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  24. 久下勝次

    久下政府委員 お答えいたします。傷痍者保護については、終戰後連合軍の指令に基き軍事保護院が廃止され、総合的保護の実施は停止さられ、無差別平等の原則に從い、生活保護法によつて保護されておりますが、傷痍者はその数がきわめて多く、生活環境身体的欠陷も多種で、生活保護のみにて足りざるものがあり、必然的に総合的保護対策を必要とするものがあるので、連合軍総司令部よりの指示に從い、官民有識者を網羅した傷痍者保護対策委員会を、中央及び地方に組織し、複雜多岐にわたる保護対策を專門的に研究審議し、これを樹立の上関係官廳と緊密なる連絡の下に総合的に実施し、保護の万全を図るよう努力しております。     —————————————
  25. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第三、文書表第二三一号、日程第一四、文書表第八八五号及び日程第六三、文書表第一五七九号を一括議題といたします。齋藤晃君。
  26. 齋藤晃

    齋藤(晃)委員 本請願は今度の戰爭でその犠牲となりました遺族は、今日の社会情勢の下で極端な生活難にあえいであり、世間からは何ら情の手は差し延べられず、非常に苦しい生活をしておるのであります。つきましてはこの際第一に何らかの補償制度遺族救済法というような特別な法律でも制度していただきたいのであります。第二にはこの悲惨な遺族に対しましては、非戰災者税を免除することであります。第三は遺族相互扶助團体の援護基金を作るための興行等は免税していただきたいのであります。何とぞ御審議の上採択されんことを望むものであります。
  27. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  28. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 お答えいたします。遺族援護に関しましては政府といたしましても重大な関心をもつておるのでありますが、現在の國家財政の現状からなかなか十分に援護いたすことは困難でありまして、生活保護法等によりましても十分とは申せませんが、でき得る限りの保護の方途を講じており、また種々慰安にも当つておるのであります。また御指摘のような法の制定も実現するよう努力いたすつもりであります。     —————————————
  29. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか、なければ次に追加日程第七、文書表第二七〇号岡山縣の住宅建設問題に関する請願を議題といたします。紹介議員が見えませんので田中委員が代つて請願紹介説明をいたします。田中松月君。
  30. 田中松月

    田中(松)委員 それでは私が代つて請願紹介説明をいたします。   本請願の要旨は、岡山縣の昭和二十年度以降住宅対策としては、戰災復興院及び縣においてそれぞれ計画実施されたが、資材、輸送、資金等の困難のため所期の成果を收めることができず、戰災者、引揚者その他生活貧困者等は住宅難の現状にある。ついては全額ないし高率の國庫補助による賃貸住宅、鉄筋または木造アパートの大量建設等につき國の施策を要望するというのであります。
  31. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  32. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 戰災都市に対する庶民賃貸住宅の供給は、民生安定の上から急務を要しますので、政府も建設促進に努めております。昭和二十三年度は國庫から二十六億円の補助金を支出して、鉄筋コンクリートアパートを含む四万戸の庶民賃貸住宅を建設する予定であります。但し、國庫補助率については昭和二十二年度と同様に建設費に二分の一であつて、補助率の引上げは國家財政上困難な現状であります。     —————————————
  33. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか、なければ次に追加日程第一一、文書表第四五三号、追加日程第一二、文書表第四六三号、追加日程第二四、文書表第七六八号及び日程第二四、文書表第一〇七〇号元住宅営團経営住宅に関する請願を一括議題といたします。紹介議員が見えませんから田中委員が代つて紹介説明をいたします。
  34. 田中松月

    田中(松)委員 それでは請願紹介説明をいたします。   第四五三号、本請願の要旨は、元住宅営團経営住宅の処分に関して政府の執らんとする方針は、まつたく居住権を無視した一方的のもので、断じてわれわれの承服することのできない措置である。われわれはここに居住権の絶対確保を期し、また政府は強力なる住宅政策を即時断行するようにされたいというのであります。   第四六三号、本請願の要旨は、今般旧住宅営團住宅拂下に関して、その價格があまりに高いので、到底現在のような窮之状態においては買い取り得ないものが大多数を占めている。ついては該住宅拂下價格を希望價格を限度として引下げられたいというのであります。  第七六八号、本請願の要旨は、豊川市牛久保町高見並びに曉野所在の旧住宅営團管理住宅は、現居住者に対して優先的に拂下げることなつたが、その拂下げ價格は市営住宅に比べて高價であるため、現居住者は買い受けることができない。ついては現居住者の窮状に鑑み、拂下げ價格を減額されたいというのであります。  第一〇七〇号、本請願の要旨は、今般豊川市東光町の旧住宅営團管理住宅は、現居住者に対して優先町に拂下げられることになつたが、その拂下價格は他に比べて余りに高すぎる。ついては該住宅拂下に関しては拂下希望價格を限度とし、また買取不可能なものに対しては特別の方法を考慮されたいというのであります。
  35. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば御発言願います。
  36. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 住宅営團経営住宅の処分については、昭和二十一年十二月二十三日、住宅営團が閉鎖機関に指定されて以來閉鎖機関整理委員会C・I・L・Cがこれに当つております。今回処分対象となつた貸家は総計六万二千戸、價格にして八億円を超過するので、政府が一括買いあげて経営に当ることは、現在の國家財政の状態から見て不可能なのであります。そこで政府は昭和二十二年十月住宅営團の経営住宅の措置に関する根本方針を決定して、C・I・L・Cに通告しC・I・L・Cはこの線に沿つて処分を進めております。すなわち経営住宅は極力現居住者及び地方公共團体をして買受けしめることとし、そのため賣却價格も住宅営團の請算に破綻を來さぬ限度において低廉に定めております。参考までに價格算出基礎を申し上げれば、住宅の復成價格から國庫補助金を減じ、法定家賃乗率をかれて適正家賃総額を出し、その三年、鉄筋コンクリート住宅にあつては五年分の家賃総額をもつて、賣却標準價格としています。これによれば鉄筋コンクリート住宅坪当六、五〇〇円から三、〇〇〇円、木造住宅坪当、一、六〇〇円から六〇〇円となつております。もちろんかかる方法によつても居住者の経済状態からあるいは住宅そのものの構造から個人に賣却することが困難であり、地方公共團体も財政上の理由から、引受け得ない、住宅が賣残ることが予想せられるので、それについては別に社会政策的見地から措置するよう檢討をすすめております。     —————————————
  37. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第五、文書表第六四五号、羅臼村に医療施設設置請願を議題といたします。紹介議員が見えませんから田中委員が代つて紹介説明をいたします。
  38. 田中松月

    田中(松)委員 それでは私が代つて紹介説明をいたします。   本請願の要旨は、北海道目梨郡羅臼村は純漁村で、交通不便の地であるので、患者発生の場合には治療の時期を失して一命を失うことも少くない。しかるに本村の医療施設は村医一名を設置するのみで、廣大な本村において完全な治療は行い得ない。しかも終戰後人口は益益増加しつつあり、住民の不便は大で憂慮すべき状態にある。ついては速やかに本村に医療施置を設置されたいというのであります。
  39. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  40. 久下勝次

    久下政府委員 北海道羅臼村に医療施設設置請願につきましてお答えします。無医村の数は戰前の三六〇〇に比して現在はその半数以下の一七〇〇になつておりますが、なお、請願のごとき医療の普及していない土地も相当あると考えられますので、現在立案中の医療法が成立いたしましたならば、その規定による公的医療機関の設置について十分考慮いたしたいと考えております。     —————————————
  41. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第六、文書表第六九九号及び日程第六四文書表第一五七七号樺太引揚医師、歯科医師の内地の免許状下付請願を一括議題といたします。紹介議員が見えませんから田中委員より代つて紹介説明を願います。
  42. 田中松月

    田中(松)委員 それでは私が代つて紹介説明をいたします。   第六九九号、本請願の要旨は、旧樺太廳令による医師は二、三十年の長きによたる学識と経驗を有し、厚生省医師に比し何ら努るところがないにもかかわらず、しかも廳令現地産婆、看護婦、はり、きゆう、整骨医、あん摩、物療師等は受入就業できるに反し、廳令医師、歯科医師のみが開業できないということは不合理である。ついては旧樺太廳医師を無医村に受入開業せしめ、その実績により厚生省医師に昇格せしめる等の途を講ぜられたいというのであります。  第一五七七号、本請医の要旨は、終戰前南樺太にあたて正規の課程を経ず、限地開業歯科医師として開業していたものは、引揚後受驗資格がなく、多年の経驗による優秀な技術をもちながらこれを生かす途がなくて路頭に迷つている現状である。ついてはこれらのものに対しても受驗資格を與え、日本歯科医師として免許状を下附されたいというのであります。
  43. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御清見があれば御発言下さい。
  44. 久下勝次

    久下政府委員 請願第六九九号の「旧樺太廳医師を無医村において開業を許可し厚生省医師とする請願」に対して答弁いたします。昭和二十年八月十五日以前に樺太廳長官の医師免許を受けた日本國民に対しては、國民医療法施行令第一條第一項の規定にかかわらず、医師國家試驗予備試験委員の行う詮衡または試驗を経て医師免許を與えることができるようになることを目途として目下準備中でありますので、さよう御了承願いたいと存じます。  次に樺太引揚歯科医に免許状交付につきましては、樺太引揚の歯科医師に対しても免許を與える途を開くよう、目下政令改正の手続を進めております。     —————————————
  45. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第九、文書表第七八一号、医業類似行為者のあん摩、はり、きゆう施術禁止の請願を議題として審査します。紹介議員が見えませんから田中委員に代つて紹介説明をお願いします。
  46. 田中松月

    田中(松)委員 それでは私が代つて紹介説明をいたします。  本請願の要旨は、後來のいわゆる医業類似行為者は方律第二百十七号、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法第十九條により昭和三十年末まで当該医業類似行為を業とすることを許されているが、指医療法、手ノ平療法、脊髄圧迫療法、カイロプラチツク療法、整体療法、藤井式集毛鍼療法、平田式熱鍼療法、大学式温灸療法、電氣温灸器療法等をいわゆる医業類似行為としているのは、同法第一條を否認するものであるばかりでなく、第二條にも反するもので、國民保健の上からも看過できない問題である。ついては医業類似行為者のあん摩、はり、きゆう等の施術を禁止されたいというのであります。
  47. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言下さい。
  48. 久下勝次

    久下政府委員 請願第七八一号の「医業類似行為者のあん摩、はり、きゆう政術禁止の請願」に対して答弁いたします。あん摩、はり、きゆう等の施術を免許を受けないで業として行つた場合は、あん摩、はり、きゆう柔道整復等営業法第一條違反として同法第十四條第一号の規定によつて当然処罰さるべきものであります。また同法第十九條第一項に規定する者、すなわち從前から正当な手続の下に医業類似行為を業としていた者であつて、かつ、所定の届出をなした者以外は、医業類似行為を業とすることが禁止されていますので、右の條件を具備しない者がこれを業とすれば、親法第十四條第二号の規定によつて処罰されるのであります。     —————————————
  49. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第一〇、文書表第八四九、生活扶助費増額請願を議題といたしまして審査いたします。紹介議員が見えませんので田中委員に、代つて紹介説明を願います。田中委員。
  50. 田中松月

    田中(松)委員 それでは私が、代つて紹介説明いたします。  本請願の要旨は、現在の生活扶助費では何の資産もなく働き手を失つて多くの子供をかかえている者の生活はできない。ついては生活扶助費を増額されたいというのであります。
  51. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  52. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 生活扶助費の増額につきましては、法施行以來、物價引上等の経済情勢の変化に即應して数次にわたり生活扶助基準額の改訂に努めて來たのでありますが、過般七月における全面的物價補正等により、今回根本的檢討を加えると共に全面的引上げを行い、眞に最低生活を保障するものたらしめようといたしました。即ち、六十四才男、三十五才主婦、九才男、五才女、三才女の五人から成る標準世帶の年令構成が日本経済の現況で攝取を許される熱量の一人一日平均一、三四六カロリーの飲食物を充足させること等を主眼として最低生活費基準額を算定し、五人世帶一ケ月東京都某他六大都市四、百〇〇円、その他の市三、七四〇円、町村三、三八〇円と定め、支給願の基準としては都道府縣知事の認可をうけて支給しうる額は夫々、三、二五〇円、二、九六五円、二、六八〇円、市町村長限りで支給しうる額は夫々、二、六〇〇円、二、三七〇円、二、一四五円と定めております。     —————————————
  53. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第一二、文書表第八五八号、衞生組合法制定に関する請願を議題といたしまして審査いたします。紹介議員が見えませんので田中委員が代つて紹介説明をいたします。田中松月君。
  54. 田中松月

    田中(松)委員 それでは私が代つて紹介説明をいたします。  本請願の要旨は、國民の体位向上と健康の増進を図り、保健所、結核予防、傳租病予防等、各種事業を実施する衞生組合の円滑なる運営を期するため、衞生組合法を速やかに制定されたいというのであります。
  55. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言下さい。
  56. 濱野規矩雄

    ○濱野政府委員 衞生組合制定に関する請願に対する答弁をいたします。衞生組合は從來傳染病予防法第二十三條「地方官方は衞生組合を設け清潔方法、消毒方法、その他傳染病の予防救治に関し規約を定めしめこれを履行せしめることを得」により傳染病予防救治のため、市町村に設立されておりましたが、その一部は戰時中町内会、部落会に合併され独立的性質を失つておりました。敗戰後昭和二十二年政令十五号によつて町内会、部落会が解散されることになり、衞生組合もその類似團体として解散を必要とするのではないかという誤解が一部に生じたのでありますが、衞産組合は前述の如く明治三十年制定の傳染病予防法に基いて設立されたものであり、戰時中につくられた町内会、部落会とは説くその性質を異にしているもので、すでに傳染病予防上その重要性は廣く認められている処であるのですが、ただ民主主義的原則に從つて囲去の命令による設立を改め、自由設立、自由加入役員の民主的選挙等の新しい原則に基いた組合の設立、運営を行う必要があり、この基本方針による衞生組合法を制定すべくただいま調査研究中であります。     —————————————
  57. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第一二、文書表第八七七号、指宿國立鹿兒島療養所敷地一部拂下請願を議題として審査いたします。紹介議員が見えませんから田中委員代つて紹介説明を願います。
  58. 田中松月

    田中(松)委員 それでは代つて紹介説明いたします。  本請願の要旨は、指宿町は耕地面積が狹小で人口の密度が大であり、地元民はほとんど零細農家であるが、終戰後は婦農者及び復員、引揚者等の増加に伴い、本町民の生活は極度に圧縮されている。ついては指宿國立鹿兒島療養所敷地内の遊休耕地を拂い下げられたいというのであります。
  59. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言ください。
  60. 久下勝次

    久下政府委員 國立鹿兒島療養所敷地一部拂下請願に対する答弁をいたします。地元民の心情もよく了解できるのですが現下の結核の現状から見て、結核対策は強力に実施し、國民病結核からの脅威をまぬかれるようにしなければならないと思われますので、治療上ぜひとも作業療法として必要な耕地は、はなはだ遺憾ながら拂下げできない現状であります。しかし結核の状況が憂慮すべき状態を脱却し、作業療法に必要な耕地も拂下げ得るに至りました時は、優先的に旧所有者に拂下げることが妥当なことであると存じます。
  61. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第一七、文書表第九一五号、生活保護法改正に関する請願を議題といたしまして審査いたします。紹介議員松谷天光光君。
  62. 松谷天光光

    ○松谷委員 本請願は憲法第二十五條の「すべて國民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と明記してあるように、國民の中でも生生困窮者等、貧困な人たちの最低生活権を保障するには、ぜひとも現在の生活保護法改正し、その施行方法を改善しなければならないと存ずるのでございます。つきましては地方財政の窮している今日、保護費の全額國庫負担保護費や國庫保護費等の國庫予算増額すること、生活査定基準を引上げること、現在ややもすると間違つた運用をされる生活保護法の積極的公正なる運用、重大な社会的責任をもつております民生委員を公選にし、ややもすると惡利用される民生事業を、より民主的運営に努力すること、この他この外の保護法の運用を改善し積極的運営荘図ること等を希望するのでございまして、何とぞ審議の上採択いたされることを望むものでございます。
  63. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  64. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 現行の生活保護法改正については、今後愼重に檢討したいと存じますが、その施行方法の改善については、請願の趣旨に則り鋭意努力してまいりたいと思います。保護費の全額國庫負担にいつては、地方自治の精神に鑑み、生活保護の事業は國と地方公共團体との双方の利害に関係ある事務であり、從つてその費用も両者が共同で分担すべき性質のものであると考えられるので、今後の地方財政の充実化に伴い、その負担について遺憾なきを期したいと存じます。保護費及び國庫補助予算増額については、要保護者の実態に即し、これが経費はその最低生活の保障に必要と認められる限度のものを計上しているのでありますが、國庫財政の実情とも照し合せて今後萬遺憾なきを期したいと存じます。生活査定基準の引上については、今回の生活扶助の支給額の改訂によつて要保護世帶の標準的家族構成を想定して、科学的合理的に最低生活費の基準額を算定しているので、攝取可能熱量たる一、三四六カロリーの充足、最低限必要な家具什器の選定等今後この額を基準として最低生活の査定も適切に行われると考えます。生活保護法の積極的運用については、請願の趣旨に則り大いに努力いたします。民生委員の公選については、その取扱う事件の性質、その適任の資格、その時代の國民の社会意識及び民主的訓練の程度等諸般の情勢を考慮する必要がありますので、今回は民主的選任制を採用し、市町村の推薦会及び都道府縣の審査会の委員の選任方法を民主化することによつて、実質的な民主化に努め、政治的色彩に煩わされず眞に斯業に熱意のある人の選出を期待し、もつて民生事業の民主化從つてその強化をはかつております。その他保護法及びその運用の改善等の実現については、請願の趣旨に則り鋭意努力する所存でおります。     —————————————
  65. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第一八、文書表第九二五号國立富山病院拡充に関する請願を議題といたしまして審査いたします。紹介議員が見えませんので紹介説明を田中委員にお願いいたします。
  66. 田中松月

    田中(松)委員 紹介説明いたします。   本請願の要旨は、國立富山病院は戰災に大半を燒失して、最も劣惡な状態にあり、しかもこれに代つて傷痍者、要保護者の救済に当つてくれる強力な特殊医療機関がなく、これら要保護者達は非常に苦しい立場にある、ついては該病院を拡充復興されたいというのであります。
  67. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  68. 久下勝次

    久下政府委員 國立富山病院は富山縣唯一の國立病院であるので縣民の医療上からもまた國営医療機関配置の均衡の点からも、ぜひともこれを復旧整備しなければならないのでありますが、昭和二十二年度予算の都合上復旧資材の集荷、市内診療所の修理等より実施できなかつたのであります。しかし本病院は戰災によつて大半を燒失し、わずかに一部の残存施設によつて事業を継続しておる状況で、本縣の医療実情に即應した病院たるにはまことに遺憾な次第でありますので、早急に完全整備をしたいのでありますが、財政上の都合もあるのでやむを得ず予算の範囲において重点的復旧整備をいたし國立病院の使命達成に遺憾のないようにしたいと思います。     —————————————
  69. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第一九文書表第一〇三一社会福利施設拡大強化に関する請願を議題として審査いたします。紹介議員が見えませんので田中委員が代つて紹介説明をいたします。
  70. 田中松月

    田中(松)委員 私が代つて紹介説明します。   本請願の要旨は、現在発育不良の乳児兒、孤兒、浮浪兒並びに轉落の婦人等は数十万あるいは数百万に上つているにかかわらず、その保護施設の数はあまりに少い。ついては母子寮、婦人寮、保育所、乳兒院、授産場、養護施設等の社会福利施設拡大強化をはかるとともに既施設のものの運営に対し援助されたいというのであります。
  71. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  72. 小島徳雄

    ○小島政府委員 お答えいたします。  既設のものの運営に対する援助については、資材の供給、物資の配給等從來から努力しておりましたが、さらに生産諸官廳と緊密な連絡をとりその増加をはかりたいと考えております。  兒童等と、これらの施設に委託する場合の一人一日の委託費については、從來はなはだ僅少であり、とうてい現下の経済事情にそぐわないものがあつたので、それぞれ兒童福祉法の規定によつて措置した兒童等については現に養護施設、精神薄弱兒施設に入所した兒童に対して一日五十二円、救護院に入所した兒童に対し一日五十八円の最高額を決定し、施設経済の合理化をはかつております。その他の施設については兒童福祉施設最低基準令の決定次第それぞれ適当の額を支出するよう準備中であります。  兒童委員については、民生委員法に、兒童委員の選任についての嚴格明確な規定があり、これにより適当な人選がされるものと期待できるのであります。     —————————————
  73. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第二〇、文書表第一〇三八号らい療養所の施設拡充その他に関する請願を議題といたしまして審査をいたします紹介議員武藤運十郎君。
  74. 武藤運十郎

    武藤運十郎君 私は厚生委員としてらいの療養施設につきましては以前にも樂泉園に派遣されて視察したこともあるのでありますが、終生ほとんど癒えることのできないらい病という病氣と戰い、牢固として拔くことのできない社会的因襲の重圧下に常に苦しんでおりますらい病患者にとりまして、その療養所というものは終生の安住地でなければならないものであります。しかしながらややもすると樂泉園のごとき事件が示しますように、その対策が十分だとは申せないのであります。この冷酷な社会情勢下におきましてらいの根本対策を確立し、らい療養所の園内施設、夫婦舎、慰安施設の拡充をはかり、医師看護婦の増強、医藥品の輸入、患者へのタバコの増配、結核とらい患者の差別待遇をなくすること、らい患者保護法の制定等に盡力されたいのであります。審査の上は採択されんことを願うものであります。
  75. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  76. 久下勝次

    久下政府委員 らい療養所の施設拡充その他に関する請願については現在わが國における國立らい療養所は十箇所一万床であり、その收容患者数は約八千名であります。未收容患者は三千ないし四千名であると推定されるので、これが整備をはかり未收容者の收容に努力したいと存じます。なお医師その他一般職員志望者がはなはだ少い現状と特殊性に鑑み、これ等療養所職員の待遇改善のため特殊勤務手当を支給し得るよう大藏当局と折衝中であり、またらい療養所の園内施設、夫婦舎、慰安施設等の拡充については、らい療養所の特殊性に鑑み早急にも整備したいのでありますが、財政の都合上やむを得ず最も緊急整備を要するものから重点的に実施することとし、逐次慰安施設の方も整備したいと思つております。煙草の増配に付いてはその必要もつともと思われるので、專賣局とも交渉の結果、さしあたり患者一人につき一箇月百匁を増配することに決定を見たのであります。その他患者待遇については結核より惡いという事実はありません。さらに近い將來には未收容者全部を收容し得るよう病床の新設拡充をはかりたいと存じます。
  77. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。田中委員。
  78. 田中松月

    田中(松)委員 このらい病というのは今でも絶対癒らぬものなのですか。
  79. 濱野規矩雄

    ○濱野政府委員 昔はなおらぬ病氣でありましたが、現在では軽い中でしたらなおるのであります。     —————————————
  80. 山崎岩男

    山崎委員長 外に御質疑はありませんか。なければ次に日程第二一、文書表第一〇五八号、遠賀川河水汚濁防止に関する請願を議題として審査いたします。紹介議員淵上房太郎君。
  81. 淵上房太郎

    淵上房太郎君 本請願は、かつては遠賀川と申せば清澄なものの象徴とまでされた透明な水が流れておつたのでありますが、上流の筑豊炭田の盛んになるのに從つて濁流と変つてしまい、ここから飲料をとつております水道は吸水濾過が困難となり、やむなく断水をすることがたび重なりまして、北九州の六市一町の住民の保健衞生、産業に重大な脅威を與え、ひいては汽車汽船の給水にも支障を來しておるのであります。つきましてはこの汚濁防止に関して應急の方策と取締法を制定されたいのであります。何卒御審議の上採択されんことを希うものであります。
  82. 山崎岩男

    山崎委員長 政府当局の御意見があれば発言願います。
  83. 濱野規矩雄

    ○濱野政府委員 遠賀川の河水汚濁対策につきましては、再三、係官を派遣いたしまして、その処置を講じてまいつたのでありますが、未だ十分な効果を得るに至つておりませんので、この対策として二十三年度において、六市一町の水道に予備沈澱池を設け、取水、淨水を容易ならしめる事業を公共事業として計上し、目下、これが予算案の御審議を願つている次第であります。さいわいに議決に相成ますれば、本、明両年度にこれを完了いたす予定であります。  なお、水道水源の保護確保につきましては、水道條例の改正とともに目下考研中でありまして、近い機会に実現を期したい所存であります。     —————————————
  84. 山崎岩男

    山崎委員長 御室疑はありませんか。なければ次に日程第二二、文書表第一〇五八号、兒童福祉事業の振興に関する請願を議題といたして、審査いたします。紹介議員が見えませので、田中委員が代つて紹介説明をいたします。
  85. 田中松月

    田中(松)委員 紹介議員に代つて紹介説明いたします。  兒童福祉法制定実施されたが、兒童保障の原理は未だ徹底しておらぬから、この際強力かつ積極的にその福祉を守るため、兒童福祉法の全面的推進とその徹底が必要であつて、これは國民の要望である。日本社会事業協会は五月「全國兒童福祉関係者会議」を開催し、その席上参会者から次の通り決議せられた。  (一)兒童福祉法実施に必要な國家の予算は絶対に確保されたい。(二)兒童福祉事業に対する寄附金に対しては所得税の源泉からこれを控除の取計をされたい。(三)兒童福祉事業に関する民間施設事業資金募集のため行う各種演藝その他の興業に対してはその入場税を免除されたい。(四)兒童福祉施設に対する農地法の適用を緩和されたい。(五)兒童福祉行政は、兒童福祉法により統一せられたい。(六)中央及び地方を通じて兒童福祉委員並に兒童委員の人選に適正を期するよう処置せられたい。というのであります。
  86. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば御発言願います。
  87. 小島徳雄

    ○小島政府委員 兒童福祉実施のために必要な國庫予算、特に施設費に対する予算の確保については、國家財政の点も考慮しつつ必要欠くことのできない最低額の予算を要求したのでありまして、当初要求額総字約十六億円の要求額は、この趣旨によつて編成されたのでありまして、本計上額の確保については最大の努力を傾注したが、政府提出予算として提案されたのはこの総額の二割一分強、約三億四千三百万円余にすぎなかつたのである。なかんずく保育所、母子寮等兒童福祉施設建設費のために当初要求予算として約四億円を計上し、新築、改築、増築を含めて、約千三百ヶ所の築造を計画いたしまして本法の徹底的運営を企図したのでありますが、政府提出予算においては、施設箇所数約百九十ケ所、予算九千五百六十八万五千円が計上されたのみであります。これでは、所期の目的達成はもちろん、せつかくの兒童福祉法の実施が困難となり、將來本事業に及ぼす惡影響は優慮すべきなのでありますが、一面公共事業処理要綱による公共事業認定順位において社会福祉等の事業が最下位であり、現状における國家財政の事情とにらみ合せて要求の充足は容易でないものがあることは予想されるのですが、しかしこのままでは兒童福祉事業の伸展はとうてい望むことができないことは明白でありますので目下立案の最低基準令の制定による経営費の対加要求と相まつてこれら不要経費について再度本年度の追加要求しして予備金の支出方を要請中であります。  兒童福祉事業に対する寄附金に対する課税については、從來の所得税法によれば、兒童福祉施設に寄附する者に対しては、相当額の贈與額が徴収されておりましたが、所得税法を改正する等の法律によりますと、個人以外のものが寄附する場合に対しては、贈與税はかからず、寄附を受領した施設等が所得税を納付し、その税額は贈與税に比すと低額になつてなります。  兒童福祉事業に対する民間施設事業資金募集のために行う各種演藝等の入場税の免除については、入場税法では、各種演藝等の主催者もしくは経営者が、その入場料の総額を慈善事業のためにあてる場合はこの入場税は免除されることになつていましたが、同法第五條「地法税法を改正する法律」は入場税法を廃止して入場税を地法税とするとともに、入場税法第五條に該当するような規定を設けていません。しかし「地方税法を改正する法律」第十四條第一項の「公益上その他の事由に因り課税を当適当とするときは、課税しないことができる。」という規定中に、現行法の精神を生かし得るのでありまして、この種事業の発展を期する上から各都道府縣知事が免除の措置をとるように指導しています。  兒童福祉施設に対する農地法の適用緩和については農耕地の農地法からの適用除外に ついては、自作農創設特別措置法第四條によつて現実の問題として、各農地委員会の決定によるものでありまして、現に各兒童福祉施設においても各所管の農地委員会に事情を具申して、それぞれ農地法よりの適用除外がされつつあり、これは各地法で解決できる問題であります。なお、厚生省としても随時農林省に対して連絡することにしています。  兒童福祉の行政の兒童福祉法による統一については、少年法を改正する法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年及び少年の福祉を害する成人の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とするもので、犯罪少年及び十四才以上の虞犯少年を取扱うことになつており、それ以外の兒童については、兒童相談所を通して措置されることになつているので現状においては、兒童福祉法による兒童福祉行政の統一は困難であります。しかしながら將來において、その統一に努力するつもりであります。  兒疾福祉委員会の委員及び兒童委員の人選につきましては、中央は勿論各地方兒童福祉委員会の委員の人選については、各界各層を通じて眞に適当な人を選任すべく指導しており、大部分期待に副うような人選がなされつつあります。     —————————————
  88. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第二三文書表一〇六六号保健婦待遇改善等に関する請願を議題といたしまして審査いたします。紹介議員が見えませんので田中委員に代つて紹介説明をお願いします。
  89. 田中松月

    田中(松)委員 紹介議員に代つて説明をいたします。   本請願の要旨は、保健婦は各種の社会施設に所属して、公衆衞生のあらゆる分野で保健指導並びに療養補導に從事し、公衆衞生思想の普及と國民の日常生活の水準向上のために努力しているが、その身分待遇がきわめて不安定のため、保健婦各人の問題だけでなく、市町村民の保健問題に影響することが大である。ついては保健婦の身分待遇の改善をはかるとともに、保健婦、助産婦及び看護婦に関する行政と指導を一括して総合的に実施されるように官廳内に看護指導課又は看護課を設置されたいというのであります。
  90. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  91. 久下勝次

    久下政府委員 保健婦待遇改善に関する請願について答弁いたします。保健婦待遇については、各方面と十分に連絡して、できるだけ十分な待遇をなし得るよう努力したいと考えております。保健婦、助産婦及び看護婦に関する行政を統一するための看護課の設置については、なお、十分檢討いたしまして、できるだけ設置いたしたいと考えております。     —————————————
  92. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第二六文書表第一一二一号沖縄地方民救済に関する請願を議題として審査いたします。紹介議員が見えませんので田中委員が代つて紹介説明を願います。
  93. 田中松月

    田中(松)委員 紹介議員に代つて説明いたします。   本請願の要旨は沖縄地方民は現在内地でも沖縄においても経済的、思想的に不安な状態にあるので、これが救済のため左記事項を要望するというのであります。  (一) 沖縄人厚生事業の助成  (二) 病人及び妊産婦に対する主食並びに医療品の特配  (三) 緊急援護物資の特配  (四) 救済募金のため免税興行の認可  (五) 沖縄復興資材の供與
  94. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  95. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 内地に在る沖縄地方民の救済については、その生活が困窮で保護を必要とする状態にある者に対して、特に差別的待遇を行うことなく、生活保護法の規定の精神に基き無差別平等に保護を行つているので、今後請願の趣旨に則つて遺憾なきを期したいと考えています。     —————————————
  96. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第二九文書表第一一四九号及び日程第三一文書表第一一九九号國立長野療養所上田分院移轉請願を一括議題といたしまして審査に入ります。紹介議員田中松月君。
  97. 田中松月

    田中(松)委員 この請願の要旨は、この國立長野療養所上田分院と申しますのは、結核三四期の患者を多数收容しておるのでありますが、この病棟というのが一般民家を轉用したものでありまして、およそ病院とは言えないくらい粗末なものなのであります。その上一般の民家と隣接しておりますので、結核等の傳染病等は感染のおそれがあるのであります。しかしながらこれに反し療養所として環境やその他のあらゆる点で絶好の條件を有する市営の報恩寮という建物があるのでありますから、速やかにそこに移していただきたいのであります。何とぞ御審議の上採択されんことを切にお願いするものであります。
  98. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  99. 久下勝次

    久下政府委員 國立長野療養所上田分院移轉請願について答弁いたします。國立長野療養所上田分院は收容定員百名のところ現在五月末日約九十三名の入所患者がありまして、市営報恩寮は二十名程度收容力を有するにすぎない小規模の施設であり、またこれを中心として新設することは予算の関係その他種々の事情よりきわめて困難でありますので、現状としては公衆衞生上遺憾のないように現在の設備の改善をして経営したい意向でおります。もちろん請願の趣旨には副うよう努力いたしたいので、將來新設を許さるる状態になれば優先的に考慮いたしたいと考えております。     —————————————
  100. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第三〇文書表第一一五〇号犬島診療所を縣営に復元の請願を議題といたしまして審査いたします。紹介議員が見えませんから田中委員に代つて紹介説明を願います。
  101. 田中松月

    田中(松)委員 それでは私が代つて紹介説明をいたします。  本請願の要旨は、岡山縣邑久郡朝日村大字犬島診療所は、日本医療團の解散に伴い、その経営を本部落に移管の予定であつたが、木村の経済状態はきわめて窮迫しているため、とうていその経営を維持することは困難である。ついては本診療所を縣営に復元されたいというのであります。
  102. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば御発言願います。
  103. 久下勝次

    久下政府委員 岡山縣犬島診療所縣営復元の請願についてお答えいたします。犬島診療所の施設は元岡山縣営のものでありまして、これを日本医療團が無償で借入れ経営していたものであります。從つて医療團の解散に伴い、同團の一般医療施設処理要綱の趣旨より見ましても、当然岡山縣に返還すべきものであり、またその方針の下に処理を進めつつあるのであります。  右の事情より請願の縣営復元を実現するためには岡山縣当局に交渉することが最も妥当と考えるものであります。     —————————————
  104. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ日程第三五文書表第一二三九号戰災復興住宅坪数制限緩和請願を審査いたします。紹介議員が見えませんので紹介議員に代つて田中委員に説明を願います。
  105. 田中松月

    田中(松)委員 それでは私が代つて説明いたします。  本請願の要旨は、臨時建築制限法により住宅は十二坪、店舗併用住宅は十五坪に制限されたが、住宅の拂底のため風紀問題まで引き起している今日、折角戰災復興に立ち上りつつある商人の活動にも支障を來している。ついては戰災復興住宅の坪数制限を緩和されたいというのであります。
  106. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  107. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 住宅の坪数については從來建築用資材の需給計画とにらみ合わせて一戸の床面積一般專用住宅は四十平方メートル、併用住宅五十平方メートル、但し家族数が五人を越える場合は一人増すごとに五平方メートルを加え、寒冷多雪地方においては一戸につき五平方メートルを加えることになつており、そのように制限してきたのですが、今回都市計画区劃整理事業等が軌道にのつてきたので、從來の坪数制限を緩和し、一戸の床面積を專用住宅五十平方メートル、併用住宅六十平方メートルに増加、但し家族が五人を超える場合及び寒冷多雪地方における床面積の加算は從來通りにしたわけであります。     —————————————
  108. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか、なければ次に日程第四二文書表第一三二七号及び日程第七二文書表第一六五八大都市における庶民住宅建設に関する請願を議題といたしまして審査いたします。紹介議員が見えませんから田中委員が代つて趣旨を説明いたします。
  109. 田中松月

    田中(松)委員 では私が代つて趣を説明します。   第一三二七号、本請願の要旨は、  戰災都市における庶民住宅の復興は、敷地難と財源難等のため支障を來している。ついては左記事項を実施されたいというのであります。(一)公営住宅用敷地取得のため強制措地及び國庫補助並びに起債認可(二)新築住宅建設費並びに改造費國庫負担(三)昭和二十三年度第一・四半期資金交付(四)民間庶民住宅建設助成。   第一六五八号、本請願の要旨は、  戰災市町村における引揚者及び戰災者等の庶民住宅の建設は緊要であるが、現下の市町村財政ではきわめて困難な状態である。ついてはこれが庶民住宅建設費に対する國庫補助を八割程度増額されたいというのであります。
  110. 山崎岩男

    山崎委員長 政府則の御意見があれば発言願います。
  111. 伊東五郎

    ○伊東政府委員 都市、特に戰災都市における庶民住宅の建設促進に関しては政府としても重大な関心を拂つてゐますが、御指摘の通り種々隘路があつて十分御期待に副い得ないのは遺憾であります。  庶民賃貸住宅に対し、全額または高率の國庫補助を與えられたいという請願については、國家財政多難の折から、現行半額國庫補助以上の補助率引上げは困難であります。  公営住宅用地取得のための法的措置については、事業計画により現行都市計画法または土地收用法によつて行うこともできますが、土地の使用收用手続の簡易化または使用権もしくは收用権の強化については財産権の保障の問題とも関連するので愼重考究中であります。用地收得費を含む、庶民住宅建設資金の確保については極力大藏省預金部等よりの融資によつて必要資金の確保をはかり、また根本的な財源措置も考慮中であります。  昭和二十三年度第一・四半期の住宅建設國庫補助金を早期に交付せられたいという請願については、公共事業の認証及び予算の成立が遅れたため遅延したのであつて今後はなるべく手続を迅速化することにしたいと考えます。  民間庶民住宅建設助成の方策を講ぜられたいという請願については、住宅復興の根本策が民間における住宅建設にあることは御説の通りであつて、政府としてももそのための便宜供與についてはできるだけ努力いたしたいと考えております。また勤労者その他一般庶民で住宅を建設する意欲を有する者のために低利の住宅資金を融通することは住宅政策上きわめて望ましいことであります。ただ現在の金融及び財政の請勢が逼迫しているため、その方途が未だ十分に講ぜられていないのは遺憾であつて、政府としては研究いたしたいと考えます。但し、この場合特別の金融機関を設けることについては、金融機構全般の問題と関連するので、さらに愼重に研究する必要があるのであります。     —————————————
  112. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第四三文書表第一三二八社会福祉事業費國庫補助増額請願を議題といたします。紹介議員が見えませんので田中委員に代つて説明をお願いします。
  113. 田中松月

    田中(松)委員 それでは趣旨の説明をいたします。   本請願の趣旨は、戰後における経済生活の窮迫とインフレの高騰とで、大衆の生活は困難に陷りつつある。ついてはやみ撲滅並びに大衆の生活安定のため社会福祉事業費に國庫補助増額されたいというのであります。
  114. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言を願います。
  115. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 戰災により失つた多くの社会事業施設も戰後斯業に対する國民の熱意により、相当な増加を示しております。國庫はこれら施設に対して從來相当の補助金を支出援助してきたのでありますが、物賣の騰貴、人件費の増加等によつて各施設の経営お経済的に困難ならしめ、各施設とも相当赤字となつたので、これが対策として昨年より社会事業共同募金を実施し、各施設の経済的不安もこれが軌道にのれば次第に除去されることになろうと存じます。     —————————————
  116. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第四七、文書表第一三八一号社会事業法改正に関する請願を議題として審査に入ります。紹介議員、田中松月君。
  117. 田中松月

    田中(松)委員 この請願は現下非常に混乱しておりますこの社会を救うものとしてまた新しい日本を建設する途上においてきわめて重要な役割を果しております社会事業の拡充強化をはかることは、申すまでもなく現下最も緊急の要務なのでありまして、これにつきまして去る十月に全國社会事業大会を開きました際に協議決定いたしました社会事業法の改正を可及的速やかに実現していただくよう取計らつていただきたいのであります。何とぞ審査の上採択されんことをお願いいたします。
  118. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば御発言願います。
  119. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 社会事業法改正に関する請願についてお答えします。社会事業法改正に関する要望はこの請願だけでなく、各方面からあるのでして、また社会事業法実施の状況より考究を要すべき点もありますので、これの改正に関しましては政府においても十分考慮を要するものと考えます。     —————————————
  120. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第四八、文書表第一三八二号社会事業共同募金法制定に関する請願の審査に入ります。紹介議員田中松月君。
  121. 田中松月

    田中(松)委員 この請願は今も申し上げたように社会事業の拡充をはかることは新日本建設に最も必要とされるものでありまして、去る十月全國社会事業大会において協議決定いたしました社会事業共同募金の法制化を実現していただきたいのでありまして、審査の上採択されんことを望みます。
  122. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  123. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 お答えいたします。現在の社会請勢が複雜化すればするほど社会事業施設の財政的窮乏は、ますます加重さられておる現状に鑑みまして、共同募金の制度を整備することは最も重要なことと認めらめるのでありまして、この法則化につきましては目下鋭意研究中であります。     —————————————
  124. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第四九、文書表第一四二五号全國身体障害者に対する補償制度に関する請願を議題として審査に入ります。紹介議員が見えませんので代つて田中委員に趣旨の説明を願います。
  125. 田中松月

    田中(松)委員 本請願の容旨は、現在の窮迫している社会請勢下に身体障害者の生活は言語に絶するものがある。ついては全國四百万の身体障害者救済のたみ、その補償制度確立並びに保護施設を完備されたいというのであります。
  126. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言を願います。
  127. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 全國身体障害者補償制度に関する請願についてお答えします。  身体障害者(傷痍者)の補償制度として生活保護法による救済、労働者災害補償及び厚生年金保險等の制度に基き保護を加えており、傷痍者中失明者に対しては東京と塩原とに國立光明寮を設置し、生活訓練、職業補導をしております。まだ一定の生業を持たず、かつ原職復帰しがたい者には生業につくため適当なる技能修得の方途を講じており、その他の傷痍者で職業につくことが容易でなく、また住居のない者のためには、授産場を附設した收容施設を全國に十二箇所設置し、これに收容し傷痍に應じた職業補導を実施しております。
  128. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第五〇、文書表第一四三五母子寮建設費國庫補助請願を議題として審査いたします。紹介議員が見えませんから代つて田中委員に趣旨の説明を願います。
  129. 田中松月

    田中(松)委員 それでは紹介議員に代つて趣旨の説明をいたします。   本請願の要旨は、徳島縣婦人有志は子供をもつ未亡人の生活を改善するため、保育所並びに母子寮の増設等に努力をしているが、資金が乏しいためその実現ができない状態である。ついては本事業に対して高率の國庫補助をされたいというのであります。
  130. 山崎岩男

    山崎委員長 政府の御意見があれば発言願います。
  131. 小島徳雄

    ○小島政府委員 本請願に対して答弁いたします。  現在の急変いたしました社会状勢の下國民生活は極度に窮状にあるのでありますが、殊に母子家庭の生活は深刻なることはまことに憂慮にたえない次第であります。政府におきましては兒童の積極的保護施策をはかるため、兒童福祉法制定を第一國会におきまして協賛を得、本年一月から一部施行四月から全般に施行されまして、母子寮、保育所の拡充につきましては、同法の規定に則り鋭意努力いたしておりますが、現下わが國の財政及び資材の面におきましては、全國の希望を満たす施設を早急に設置することは困難な事情にあります。徳島縣に対しましては本年度予算におこて鳴門市母子寮設置補助八十九万三千円、徳島市保育所設置費補助三十一万九千円合計百四十一万二千円の國庫補助、これは二分の一補助になり、そのように決定しておる次第であります。なお將來できるだけ予算措置を講じまして逐次これ等施設を拡充してまいりたい所存であります。
  132. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第六六、文書表第一六一四宇多津町に保育所設置請願を議題といたしまして審査いたします。紹介議員が見えませんので代りに趣旨の説明を田中委員にお願いします。
  133. 田中松月

    田中(松)委員 それでは代つて趣旨の説明をいたします。   本請願の要旨は、香川縣綾歌郡宇多津町は、塩田を主とした町で、小学校五、六年生になればすでに塩田に出て働くという勤労意欲の旺盛な地で、母もまた働くために現在本町唯一の小学校の教室を借りて保育所を経営しているが、教室が狹くて希望者全部を入所させることができず、しかも同校には小学校も中学校もまた保育所もともに合宿していてはなはだ不便を極め、目的を異にする保育所は他に轉出せねばならぬ状態にある。ついては本町に保育所を設備されたいというのであります。
  134. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  135. 小島徳雄

    ○小島政府委員 宇多津町に保育所設置請願につきましては、兒童福祉法の全面的施行に伴い、兒童福祉施設の整備拡充は早急に解決すべき問題でありますが、資金資材等の困難な事情を考慮し、既存施設の活用に重点を置き、逐次施設の充実整備をはかるよう努力しております。本請願の宇多津町については調査の結果、保育所を新設する必要があるので、これが実現するよう手続をとつております。     —————————————
  136. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第七〇、文書表第一六四五号國立療養所山陽莊を下松市に移管の請願を議題といたしまして審査に入ります。紹介議員が見えませんので代りに趣旨の説明を田中委員にお願いします。
  137. 田中松月

    田中(松)委員 それでは私が代つて趣旨を説明いたします。   本請願の要旨は、下松市は新興重工業都市として躍進目覚ましく、開港場に指定されてからますますその將來の発展性を約束されている。しかるに医療施設の現状を見るに人口に比ベて患者施設があまりに少く、医療行政の万全を期し得られない状況にある。ついては國立療養所山陽莊を下松市に移管されたいというのであります。
  138. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  139. 久下勝次

    久下政府委員 お答えいたします。さきに國立療養所山陽莊は連合軍により設收されたため、旧柳井陸軍病院花岡分院の土在建物を厚生省大藏省より一時使用の承認を得て代替使用いたしておりましたが、この山陽莊は去る八月十六日連合軍より返還引継ぎを終了したので、花岡分院の医療設備内容一切を再び山陽莊に移轉することになり、現に移轉進捗中であります。つきましては該花岡分院は移轉完了次第六藏省に返還するものでありますが、厚生省としても下松市に移管するよう大藏省に対し折衝する考えであります。     —————————————
  140. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ次に日程第七六、文書表第一七四五号、あん摩、はりきゆう、柔道整復等営業法名称改訂並びにその一部を改正する請願を議題として審査いたします。紹介議員が見えませんので、代つて趣旨の説明を田中委員にお願いします。
  141. 田中松月

    田中(松)委員 それでは紹介議員に代つて請願の趣旨を説明いたします。   本請願の要旨は、マツサージは物理療法中最も効果のある治療法で、あん摩とはその趣を異にいているが、あん摩療法の中に含まれているため、これら業者の素質を低下することになる。ついてはあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の名称をあん摩師、マツサージ師、はり師、きゆう師、柔道整復師と改訂して、あん摩と区別するとともに修業年数を四年以上に改正されたいというのであります。
  142. 山崎岩男

    山崎委員長 政府側の御意見があれば発言願います。
  143. 久下勝次

    久下政府委員 それではお答えいたします。  マツサージとあん摩とはともに手指の運用による治療技術でありまして、その原理において差異は認められませんので一括規定したのでありますが、この点はなお將來十分研究いたし、必要と認めれば改正してもよいと考えております。     —————————————
  144. 山崎岩男

    山崎委員長 御質疑はありませんか。なければ田中委員、暫く私と交代をお願いします。     〔委員長退席、田中(松)委員長代理着席〕
  145. 田中松月

    田中(松)委員長代理 次に日程第二、文書表第六三号青森市に國立総合病院設置の請願を議題といたしまして審査に入ります。紹介議員山崎岩男君。
  146. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 本請願はそうでなくても不十分な医療施設しか持つていなかつた青森市が今度の戰爭で被害をこうむりまして、現在應急的、仮設的な診療所がぽつぽつ復旧したのでありますが、市民の入院治療の要求はとうてい満足できないのであります。このために市の建設、生産の活動力が阻害されることはなはだしいのであります。つきましては優先的にこの窮迫した青森市に國立の総合病院を建てていただきたいのであります。御審議の上採択されんことを望みます。
  147. 田中松月

    田中(松)委員長代理 政府側の御意見があれば発言願います。
  148. 久下勝次

    久下政府委員 お答えいたします。  請願の趣旨については至当と考えますので考慮いたしたいと存じますが、何分現下の状況において予算に余裕がないのくでなく、青森縣内には現在國立の総合病院として弘前及び大湊の両病院があるのに比べ、はるかに不利な状況にある縣もある均衡上からいたしまして、さらに青森市に國立病院を新設することは現在のところでは困難であります。
  149. 田中松月

    田中(松)委員長代理 御質疑はありませんか。御質疑はないようであります。     〔田中(松)委員長代理退席、委員長着席〕     —————————————
  150. 山崎岩男

    山崎委員長 お諮りいたします。本日の請願日程のうち日程第四文書表第五〇〇号は先般可決いたしました公衆浴場法により、日程第七文書表第七〇一号は理容師法特例により、日程第八文書表第七二三号及び日程第一三文書表第八七八号は國民健康保險法の一部を改正する法律により、日程第二五文書表第一〇九七号、日程第四四文書表第一三四五号、日程第五二文書表第一五〇〇号、日程第五三文書表第一五一八号、日程第五四文書表第一五一九号、文書表第五五文書表第一五二〇号、日程第五六文書表第一五二一号、日程第五九文書表第一五五三号、日程第六〇文書表第一五五五号、日程第六一文書表第一五五六号、日程第六二文書表第一五七四号、日程第六五文書表第一五八五号、日程第六七文書表第一六一五号日程第六九文書表第一六三九号及び日程第七八文書表第一七八七号は藥事法により日程第七三文書表第一七一六号は健康保險法の一部を改正する法律により、それぞれすでに解決済みであり、日程第二七文書表第一一四〇号、日程第二八文書表第一一四一号、日程第三二文書表第一二〇〇号、日程第三六文書表第一二九七号、日程第三七文書表第一二九八号、日程第三八文書表第一二九九号、日程第三九文書表第一三〇〇号、日程第四〇文書表第一三〇一号、文書表第四一文書表第一三二二号、日程第四五文書表第一三七三号、日程第四六文書表第一三七四号、文書表第五一文書表第一四六一号、日程第五七文書表第一五二四号、日程第七一文書表第一六五七号、日程第七四文書表第一七一七号及び日程第七五文書表第一七一八号の各請願はいずれも六月二日に審査いたしました請願と同一趣旨のものでありますので、以上の請願はいずれも審査を省略いたしたいと存じますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議がなければさよう決定いたしまして、ただいまより暫時休憩いたします。     午後一時二十五分休憩     ━━━━◇━━━━━     午後三時五十四分開議
  152. 山崎岩男

    山崎委員長 それでは休憩前に引続きまして会議を開きます。  本日の請願日程及び日程追加請願全部につきましては審査を終了いたしましたので採決をいたします。  恩給増額に関する請願、文書表第一四八号、同じく一九三号、同じく二四九号、同じく三一九号、同じく三七六号、同じく三八五号、同じく四九七号、同じく五四二号、同じく五六六号、同じく六三八号、同じく六七四号、同じく七一八号、同じく七二六号、同じく七五二号、同じく七六三号、同じく八三二号、同じく八七三号、同じく八九二号、同じく八九八号、同じく八九九号、同じく九〇〇号、同じく九一七号、同じく一〇九三号、同じく一一〇二号、同じく一一四〇号、同じく一一四一号、同じく一二〇〇号、同じく一二九七号、同じく一二九八号、同じく一二九九号、同じく一三〇〇号、同じく一三〇一号、同じく一三二二号、同じく一四六一号、同じく一六五七号、同じく一七一七号及び同一趣旨文書表第一七一八号、並びに性病予防に関する請願文書表第一九六号、公衆浴場法に関する請願文書表第五〇〇号、理容師法の一部を改正する請願文書表第七〇一号、國民健康保險に関する請願文書表第七二三号及び第八七八号、藥事法に関する請願文書表第一〇九七号、同じく一三四五号、同じく一五〇〇号、同じく一五一八号同じく一五一九号、同じく一五二〇号、同じく一五二一号、同じく一五五三号、同じく一五五五号、同じく一五七四号、同じく一五八五号、同じく一六一五号、同じく一六三九号及び文書表第一七八七号、医師処方箋発行義務制度実施に関する請願文書表第一五五六号、消費生活協同組合法案消費金融事業削除に関する請願文書表第一五三七号及び健康保險強制加入中止に関する請願文書表第一七一六号、以上の請願は議院の会議に付するを要しないものと決定いたすことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議がないものと認め、さよう決定いたしました。  次にその他の請願はいずれも議院の会議に付し、採択の上内閣に送付すべきものと議決することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  154. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議がないものと認め、さよう決定いたしました。  以上の請願に関する報告書の作成は委員長に一任していただきたいのですが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  155. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議がないものと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  156. 山崎岩男

    山崎委員長 次に消費生活協同組合法案を議題といたします。審査をするに先立ち、政府側の提案理由の説明を聽取することにいたします。
  157. 喜多楢治郎

    ○喜多政府委員 消費生活協同組合法案の提案理由を説明申し上げます。  日本再建のため歴史上曽つてないこの経済危機を乘り切り、國民生活の安定をはかるとともに、文化を日常生活に浸透せしめ、教養ゆたかな文化國家を築くことが要請せられております。このときにあたり、近時國民の自主的、自発的な運動によつて、消費者の協同組織として消費生活協同組合が各方面に結成せられつつあります。消費生活協同組合は一方において國民経済における流通秩序の確立に資するとともに、個人の消費経済を合理化して民生の安定をはかり、他方において各種の協同施設を設けるとともに、常に協同的な生活を行うことによつて國民の教養を高め、日常生活の文化的向上をはかることを目的としているものであります。  もとより消費生活協同組合の運動のみをもつてして今日の経済危機に処し、または文化の進展を期することは望み得ないのでありますが、その組織と運営のよろしきを得るならば、消費生活協同組合は國民の安定向上に資するところ少からぬものがあるばかりでなく、またわが國の民主化という点においても多大の貢献を來すものと存ずるのでありまして、政府といたしましては消費生活協同組合の健全な発達をはかる必要があると考える次第であります。  しかるに現在消費生活協同組合についてはその特質に應じた根拠がなく、便宜産業組合法に準拠せしめているのでありますが、産業組合法は元來産業または経済の発達を企図する目的をもつて主として生産者特に農業者を対象として立法せられたものであり、これに反し、消費生活協同組合は一般消費者、主として都市生活者の立場から日常生活を協同化しようとするものでありますので、これを産業組合法に準拠せしめることは、本來無理であり、特にまた産業組合法は新しい意義を持つた現在の消費生活協同組合を律する法律としては古きに失するのであります。戰後の事態に則して中小商工業者に関する商工協同組合法、農業者のための農業協同組合法が制定せられている今日、消費者の協同組織のための新しい民主的規準として、消費生活協同組合法制定することは法の体系の上から見ても望ましいところであります。これが本案を提出した理由であります。  以下消費生活協同組合法案の内容についてその要点を概略説明申し上げます。  第一にこの法律制定の目的は、國民の自発的な生活協同組織の発達をはかり、もつて國民生活の安定と生活文化の向上を期することにあります。  第二に消費生活協同組合の要件といたしまして、各國共通の原則に基く組合基準を掲げその本質を明らかにしたのであります。  第三は組合及び連合会の区域は原則として都道府縣の区域を越えないものとし、職域による組合で特別の事情ある場合に指導連絡調整のみを行う連合会については、例外的に都道府縣の区域を越え設立できることといたしたのであります。  第四に組合及び連合会の事業は、組合員の生活のために必要な購買事業、利用事業、文化事業、共済事業、組合教育事業等であり、さらに連合会については組合に対する指導連絡調整の事業を演い得ることといたしたのであります。組合及び連絡会に信用事業を行わしめるか否かは議論のあるところでありますが、この法案においては認めないことといたしております。  第五は組合員となる資格を有する者は、原則として一定の地域に住所を有する者か、または一定の職域に勤務する者であります。組合員については、加入脱退の自由を確保し、議決権及び選挙権を平等にするとともに、家族もまた組合員の代理人として議決または選挙に加わることができることにいたしました。連合会の会員となり得るものは組合、連合会及びこの消費生活協同組合と同じような目的性格を有する協同組織体であります。  第六組合の管理につきましては、役員として理事監事を置くこととし、その選任及び事務の運営を民主的ならしめるとともに、総会の運用についてもでき得る限り組合員の総意に基いて運営せられるよう規定いたしたのであります。  第七組合の剩余金を組合員に割りもどすときは組合の本質に鑑み、組合員の事業利用分量に應じて割りもどすことを本則とし、出資額に應ずる割りもどしは年八分を超えてはならないことといたしたのであります。  第八に組合の設立につきましては組合員になろうとする者の総意に基いてなされるような創立総会等の手続を定め、また行政應の自由裁量によつて不当に設立を妨げられることのないように規定いたしたのであります。  第九組合の監督につきましても行政應の監督権を最小限度に止めることとし、方令等に違反した場合にはまず組合に対し必要の措置を命じ、これに從わない場合において事業の停止または解散等の措置をとり得ることといたしたのであります。  第十この法律施行により、産業組合法はほとんどその在立の意義が失われましたので、これを廃止することとし、現在の産業組合についてのみなお二年間は存続し得ることとし、その間における他の協同組合への移行、財産の承継等について経過的措置を現在いたしたのであります。  第十一組合に対する課税については法人税、地方税等について産業組合、農業協同組合等と同等程度の課税をいたすよう規定いたしたのであります。  以上法案の要点について御説明申し上げましたが、何とぞ愼重審議の上、速やかに可決あらんことを御願いいたします。
  158. 山崎岩男

    山崎委員長 次に本案についての審査に入ります。質疑は通告順に許します。野本品吉君。
  159. 野本品吉

    野本委員 これは懇談事項として委員長にお伺いしたいと思います。それは、この法案は三党の政策協定にもはつきりと取上げられていることであり、政府といたしましてもきわめて重大なる法案として今まで苦労をなさつて提案されているわけです。それで私が感じたことを卒直に申すのでありますが、民主党議員は出席されておらぬ。現内閣の中心支柱となつている政党が自己の法案を上程されるについてきわめて熱意が足らないように思うのでありますが、民主党の錚々たる山崎委員長を主としてその御感想を伺います。
  160. 小野孝

    小野委員 委員長からお答えするより私からお答えした方がよいと思います。私どもが熱意をもつておらぬということはまつたくありません。私自身も今まで不当財産の関係なんかで出席することが少かつたのでありますが、今日は特別に出席し、荊木議員も委員になつており、皆出席するつもりでおります。先ほど参つたのでありますが、そのとき臨時代議士会を開いているために、委員会は少し延びるというので一時退場したのであつて、今まで熱意はもつておるので、どうか御了承願います。
  161. 野本品吉

    野本委員 たいへん私ひねくれておるようですが、正直者ですから思つたことをそのまま言つてしまいますので……。もう一つはそれでは明日この法案について審議が始まるのでありますが、池日はぜひ総員を狩り出して出席して、どうせものになりそうもない法案でありますが、最後の死に花を咲かせるようにおはかり願います。
  162. 山崎岩男

    山崎委員長 承知いたしました。次に田中松月君。
  163. 田中松月

    田中(松)委員 私ども多年の念願でありまして、いわゆる政党内閣の下において第一に取上げられなければならないことは、むしろ政府案として取上げられる法律案よりも、國会がみずから提案する法案こそ重点的に尊重し、その成立を希はなければならぬというのが原則でありまして、当局においてもそれにいささかの異議があろうとも思いませんが、しかし異論がないと原則的に認めるだけでは何にもならぬのでございまして、それを実現することに努力してもらつてこそいわゆる理想が現実に進められるわけであります。私どもはもい年來の主張でありまして、どうしてもこの消費生活協同組合法を上程したいつもりで実際言うに言われぬ苦心を拂つておつたのでございますが、ただいま野本委員も言われたように、明日これが審議にあたつてはぜひ出席して愼重審議を進めたいと思つております。私どもはその決意でおりますが、それにいたしましても、政府当局の熱意の点を伺つておきたいのでありますが、今会期中に、できれば私どもは本案を通過させたいのでありますが、万が一と仮定いたしまして、いろいろな事情で、たとえば部屋がとれないとか、速記の都合もあるということで審議を進めることができなくて、審議未了に終るようなことがあつた場合、政府当局といたしましては、次の臨時國会なり、あるいは通常國会なり、とにかく次の國会の劈頭必ずこの案を提出する用意があるかどうか、ぜひ通過をはかるためにそういうことを今から用意しておるという御決意があるかどうか、その点だけをひとつお伺いしておきたいと思う。
  164. 喜多楢治郎

    ○喜多政府委員 田中委員の御質問にお答えいたします。厚生当局といたしましてはこの法案に対しましては最善に努力を傾注してきたということに対してはお誓いができるのでありますが、遺憾ながら非常に日数の少い今日提出しなければならなくなりましたことを御了承願いたいのでありまして、当審議に対して應ずる覚悟はございます。なお審議にあたりましてこれが無事通過せしめるということは、時目的にはいかにも困難なような現在の情勢ではなかろうかと思うのであります。これが今國会を通過いたさないような合場が到來した場合は、責任をもつて次の臨時議会の劈頭に提出いたしまして御審議を煩わし、一日も早く本法案の可決確定することを厚生省としては希望しておることをお誓い申い上げます。
  165. 山崎道子

    山崎(道)委員 私、いま一つ申し上げておきたいことは、生活協同組合の問題につきましては、今國会においてどれだけ苦心いたしたことでございますか。しかし國会に上程できるということを私達は信じておりましたにもかかわらず、諸般の事情から不可能になつたのですが、しかし今國会におきましても御承知のように議会が終りに近ついて法案が殺到して生活協同組合法が今日出るか明日出るか、もし出たときは全力をあげて集中しなければならぬから、私たちは法律審議を不十分なのをむりにがまんしてほかの議案の通過をはかつたのでございます。そうして今日大衆が燃えるような熱情を持ち懇願にまで変つているこの協同組合法が萬一通過不可能ということになりましたときは、大衆がどんなにがつかりするであろうか、どんなに失望するであろうかと思いますと、私はどうしても今國会を通過させたいと思うのでございます。そのためには幹部を初め、あらゆる努力をいたしますが、私は全員が出席して政府当局にも熱意をもつて何とか流産にならないように、カンフル注射もあるいは食塩注射も私は結構と思います。どんなことでもよいと私たちは決意をもつております。社会党としてはどんな状態においても通過をはかるべしと党議により役員会によつて決定され、その取扱については厚生委員に一任するという大役をもつて委員会に出席いたしておるのでございます。どうぞ私はこの案が通過できますように委員長の特別の御考慮をこの際お願いし、政府もその覚悟で明朝は十時からぴつたり始めるように一つお考え願いたいのでございます。
  166. 山崎岩男

    山崎委員長 承知いたしました。  本日はこれをもつて散会いたします。明日は午前九時より始めます。     午後四時二十七分散会