○松谷
委員 私は
厚生大臣に直接お尋ねをいたしたいと考えておりましたが大臣の都合が惡いので政務次官にお聽取りいただきまして、次回に大臣の責任ある御答弁を、ぜひ大臣御
本人の口から伺わせていただきたいと思います。
私は肢体不自由者の特設厚生寮の問題について大臣にお伺いしたいのでございます。私
ども少くとも厚生
委員を担当しております全員あるいはまた全議員は、戰爭犠牲により、あるいはまた
日本が再建途上にある生産犠牲者としての肢体不自由者の更生の問題につきましては、全力をあげて完全なる更生を実現していただくべく、できる限り國家の力を注いでいかねばならないと
希望いたし、念願いたし、努力いたしておる現状であると信ずるのでございます。今回たまたま耳にいたしたことは、石川縣江沼郡山中町の國立山中病院内に起
つておる問題でございます。この國立山中病院は、整形外科を主体といたしましての総合病院として完全なる発展を見よう、殊にここは特に肢体不自由者の家としての一の理想郷をつく
つていきたいと、中におる患者さんはもちろんのこと、町の方々始め当篤におかれましても、これを実現するために、今まであらゆる犠牲と努力を拂われたように私
ども信じておるのでございますが、ここに患者さん
たちが主体になられまして、あるいはまた病院
当局が主体になられまして、いろいろ努力の結果、肢体不自由者の家として特設厚生寮の設立予定が大体進んでまいりまして、その経費の獲得も調い、あるいはまたその
指定な
どもほとんど近く決定を見ることにな
つてお
つたのでございます。ところが実はその
土地の問題で、この國立病院の一角の中に四千七百七十五坪という空地がございまして、ここにこの肢体不自由者の特設厚生寮を築きたいという念願で進んでお
つたのでございますが、いよいよ着手せんとする矢先におきまして、町の方からの要求によりまして、
新制中学をその場所に建てたいという運動が起りまして、これが
土地譲渡に対して交渉が現在行われておるのでございます。しかし、大体この
土地を
新制中学の敷地として
許可するであろうというような
方面に向いつつあるという
状態であるとの陳情があ
つたのでございます、で、これを伺いまして私といたしまして非常に遺憾にたえないのでありまして、今日私
どもベツド数が二万九千あ
つたのを二万四千までに減らされておるという
状態であ
つて、まことに残念で、何とかして手を打ちたいとしておる矢先に、またここで一つ明るい
希望が見えて喜んでおるその患者さん
たちを前にして、今その夢が裏切られようとしている。しかもいろいろと
事情を調査してみますと、それは病院の一角である。私
ども素人の常識で考えて見ましても、殊に結核患者等をも含めておるその病院の一角に、これから成長していこうとする子供
たちをその中に收容する形にな
つておりのでございますが、それは健康上及び予防の点から言いましても、私
たち衞生的に考えても、どうも満足できないような
状態と思わざるを売ないのであります。で、いろいろと調べて見ましたところが、同じ町の中にも、その附近に八千坪から成るところの中
学校を建てられるであろうと予測される所がございます。それを檢討して見たところが、病院内に含まれておる予定地は、科学的に計算して一日に二十分だけ太陽の光線が余計に当るということから、これはどうしても
新制中学にという御主張があると伺
つておるのでございます。太陽の光線が二十分長くさすのと、あるいはまたそうした菌をも
つておるところの患者に接しさせるのと、一体これは專門的、科学的に考えていただいても、特に今日は予防局長がおりますので伺えますれば伺いたい。私
どもが考えますと、二十分位の差異に及ばない弊害があると思います。これは逆に考えて見ました場合に、十分離れた八千坪に特設寮を考えてみると、やはり肢体不自由の患者さん
たちは、身近にある病院の一角に
施設が存在するということは、どれだけ大きな力であるかということも考えられますと思うのであります。それからまた御
当局の御心配をいただいて計画を立てておられ、そうして一の総合病院を建設していただけるようにもできておるのでございますから、あえてこの場合にその垣を越えて、そうしてそこに
学校を建てる必要はなかろうと私
ども考えざるを得ないのでございます。しかもまた
学校を建てまして場合に、子供の運動場のために、どうしても病院の方にまで入
つていかなければならぬとか、あるいはまた線路を越して向側に運動場を持
つて行かなければならないというような、まことは危險な、不便な
状態にまで行く問題ではないかと思わざるを得ないのでございます。特にこの問題が起
つておる
土地が、残念ながら
厚生大臣の御出身の地であるということを承
つておりますが、私はかねてから
厚生大臣の人物を信じておりますし、その大臣を私は信頼いたしておりますので、大臣が一つの政治的な考えをも
つて、その御
許可を特になさろうとするのでは絶対にないと私は信じておるのでございます。私はこういう問題が一つの政治的な手段のためになされておることは断じてない、そうでないと前提しながら、そうではないかという、その
土地に起
つておる一つの風聞に対しては、実は打消しながら、またそういうことがあ
つてはならないと主張せざるを得ないのでございます。また町に起
つておる風聞によりますと、——これは非常に細かい具体的な問題になるのですが、大臣がおやめになる時に、この
土地を讓
つて新制中学にしていくのであろうという声さえもあが
つておる矢先、私は
厚生大臣の御人格を信頼する一人として、ぜひそういう事実のないように、またそういうことは一日も早く除去してまいりたい、まいらねばならぬと信ずるものでございます。大体この処理は大臣の腹一つでおきまりになるらしいということを伺
つたのでございますが、厚生
当局とされて、
関係の係官その他の方々は、これをどういうふうにお考えにな
つておるか、あるいはまた大臣のお考えで、この問題についてはどう御処理のお考えでおるか、はつきりした大臣のお考えを、次の
機会にぜひ伺わせていただきたいと思うのでございます。