○河合
委員 私は
連合審査会の
性格をよく弁えないのでありますが、それで申しますことがあるいは間違
つているかもわかりません。実は
司法委員の諸君がおてだになりまして、いろいろの有益なる御議論も拜聽いたすことができまして、啓発されたことの多かつたことを非常に感謝するのであります。しかし中にはすでにわれわれが論議を盡しまして、本日承りましたようなことは、二度も三度も繰返しまして私たちは審議いたした。はなはだ遺憾なことには近ごろ印刷の
都合で
速記録がただちに手許に取寄せてみることができません。また見ていただくことができないのははなはだ遺憾でありますけれども、これは
一つ速記の方の生の記録でも見ていただいたらよくわかるのであります。また一面を
考えますと、
國会は國憲の最高
機関でありますから、最も國情に適合した
法律を制定すればいいのでありまして、
安本の方からこういう案が出てきておりましても不合理な点、あるいは間違
つておる点の是正をいたしまして、
國会を通過させればいいと思うのであります。実は今花村
委員からお述べになりましまことはまつたく同感でありまして、ただ單にやみを行う者を縛るだけでは、やみというものはとうてい撲滅することはできない。やみにはいろいろ種類がありまして、われわれ日常生活に最も深い
関係をも
つている小やみのごときは、これは統制の
やり方が惡いからである。その一例を申しまするならば、近ごろは、本日の新聞に記事を見ましても、魚介蔬菜に至
つてはよほど配給が殖えております。これは今までの
やり方であれば殖えないのでありますけれども、生産に計画性をもたせました。すなわち肥料のリンク、あるいは油のリンクをいたしまして、十分とは申しませんが、生産に多少の計画制を立てたから、その結果配給が殖えまして、やみが減
つたのであります。ここなのだ。そういう点に今の
経済警察は触れません。しかしながらやみの起るのはどこに根拠があるか。配給制度にどれだけの間違いがあるか。また
機関を扱
つておる人たちがどういう間違つたことをや
つているか。たとえばこのたびの食糧営團が公團に代りますときに、多額の金を分け合つたというようなこと、あるいは木炭の生産者價格と消費者價格とが非常に開きがある。それでありますから生産者はやみに流す。そういうようなことに査察を加えることはとうてい今までの
経済警察ではやれない。私たちはむしろこの
法律のそういう面を重要視いたしまして、そうして各党から出ております
委員の間におきまして大体修正する点は
一致点を見ておりまして、そういうふん縛るというような消極力なことばかりではなく、なぜやみというものが行われるか、それをこういうように査察しなければならない。今申しましたように、生産にもう少し計画性をもたせ、そして又必要なものはたとえ七でも八でも配給すればやみというものは自然なくなる。そういう査察をやる。この法文の中にも生産と配給と消費というような文字が使われてあります。私はむしろそういう点から
考えますと、この配給ということは統制
経済が布かれたときに限るように思われますから、むしろこれは分配という言葉にかえたらどうかというくらい私は
考えておる。元來統制を撤廃することは私ども理想としており、むろんそれは必要としておる。しかし私たちが世上の論者とは違うところは、たとえ統制を撤廃いたしましても、そのあとは腕のある者はもうけ次第、商人はあらゆる奸策を弄してどれだけでももうけることが許されるような自由
経済は望んでいない。ここにも限度がありますから、ここに
一つのリーゾナブルな手数、口銭をと
つてやる。それ以上と
つておるやつは査察してそういうことはまかりならぬ。それは物價統制令を活用することによ
つてできる。そういう
方面に
法律の重点を私たちはおきたいと思
つております。ただいままで
司法委員の方から拜聽いたしました
意見は、まことに私ども参考になりましてはなはだありがたく思
つておる次第であります。こういう点はすでに私たちが十分論議をいたした点でありますから、ひ
とつ速記録でもごらんを願いたいのであります。これもいろいろの
関係から、本日の新聞の記事を見ましてもそうでありますが、統制を強化するという
方針にな
つたのであります。それならばそれと同時に、どこに今までの統制
経済の
やり方に欠点があるか、隘路があるかということを発見することはなおさら必要でありますから、一日も早くこの査察ということを励行する必要があると思う。はなはだ差出がましいことを申しましたが、一昨日來の
司法委員の諸君の御
意見はまことに私どもはありがたく拜聽いたしたのでありますが、決して皆さんの御
意見と相背馳しておるところは少しもないのでありまして、ただ私どもは專門の
法律家ではありませんから、その用語あるいは言い現し上におきましては拙劣でありますけれども、御
意思のあるところは十分に私どもも今まで審議をいたしてきたのでありますから、その点はひ
とつ御信用をしていただきたいと思うのであります。