○一松國務大臣 農林大臣の
所管に属しておる砂防の
工事を
建設省がこれを引き受けて一元化するということは、われわれ理想としてはこれはいいことだと思う、ところがそのことにつきましては、先刻技監からもお答えいたしましたように、いろいろな事情のために
農林省にその部分をわけて、そして
農林省がこれを
所管するという歴史をも
つておる、そういうことでありまするから、それらの点について
農林省が喜んで、やはりこれは一元的に
建設省にもどした方がよろしいということに進んでや
つてくれれば、それはもう喜んでお引受けをいたします。けれ
どもそれにつきましては、実は内輪のことをいろいろ申し上げては何ですけれ
ども、いろいろな事情があるのです。これをこの短期日の議会において話合いをつけてこの
法案をそこまで拡張してやるということについてはほんとうは難色があるのです。ですからそれを今私の方で引き受けてそれじややりましようということはちよつとお引受けできない。但し昨日來あなたの御熱心なるその御主張によ
つてこの
法案をそこまで修正して
國会の最高意思によ
つてこれを決定してやつたら、しかもそれはこの
國会において間に合うように握りつぶしにならないようにということであれば、それは喜んでその御苦労に対してわれわれは感謝感激をいたすことを惜しみません。事情はこの
通りでありまするから、そこは適当にひとつお
考えを賜わりたい。
それから建築業者から政治資金を受けることについて、
建設院総裁としてはどう
考えるか。私はその業者が何らかの含みをも
つて建設
関係の人々に政治資金を提供するというようなことはこれはよくない、そういうことによ
つて往々涜職罪を構成する、あるいは
行政面において不純の影を残すというようなことがありましよう。しかしながらその業務のいかんを問わず、政界の革新を企図し、そうして健全なる政治の発達に向
つて寄與したいというような篤志家の資本家が政治資金を献金するということは、これは不都合でも何でもない。ただそれによ
つて請託を容れるとか、それによ
つてその
行政面を曲庇するとか、世間から指さし笑われるような行動のある献金を受けることはこれはよくない。そういうような点については政治家は常に
考えて行動すべきものだと私は思
つている。おそらくこのことについては何人も異存はありますまい。業者から、もしくは
監督している立場の者は金を受け取ることはできないというふうに
法律をこしらえるとか、あるいはそういう鉄則を設けるかということについては、これは今全然
考えておりませんが、要するにそういう献金を受けることによ
つて、世間から非難攻撃を受けるような行動のない
方法において、鈍眞なる政治献金を受けるということについては、何にも不都合はない、私はかように
考えております。