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野溝國務大臣 中曽根委員は、どうも私の言うことをよく割り切
つて考えてもらわなければ困る。今さらヒトラーの例をあげて、ヒトラーの
國会論を出すこと自体がナンセンスだと思う。私は新憲法における
國会法に基いての
意見を出しておるのでありまして、その点は
中曽根委員においてよく了承してもらおなければ困ると思います。
なお具体的の例についてもつと掘り下げで申せと申されるのでありますが、具体的の例ならば枚挙にいとまのないほどいろいろの
疑義、いろいろの問題の点があるのでございます。そういう点につきましては
事務当局の方でいつでもこの
委員会において雑誌社においてどういう点において困つた点があり、あるいは
新興新聞紙あるいは新興雑誌社から要求があ
つてどういう点に困つた点があつたか、あるいは実際問題として
内容についてこれがはたして民主的なものであるか、あるいは民主的の雑誌であるかどうかということについて、どういうふうに困つたとか、あるいはこの新聞社においてはたしてこういう設備があるか、あるいはこういう設備では困るというようなことに対してどういうような問題があつたか、ということに対する
方針上の問題等に対しましてもいろいろ
意見があるのでございます。今
中曽根委員が御指摘になりました
通り、現在の
委員会におきましても、先ほど申したような例があつた場合におきましては、それに対して
委員会は処置をしております。しかし、私の申すのはその
委員会が処置しておることが惡いという意味ではないのでありまして、ただその間に
関係出版界、
関係新聞等々から諸種の
意見が出てまい
つておるのでございます。それらの
意見に対して公正妥当な
方針を
委員会がや
つておるといたしましても、その間いろいろの
疑義が起ることだけでも、この
用紙割当の運用上に対して明瞭を欠くから、かえ
つて委員会の公正妥当な
方針を裏づけるためには、
法制化した方が
委員の諸君としてもやりよいから、さような
方針をとるということにいたしたのであります。なお
中曽根委員から具体的の事例に対しまして、もつと堀り下げての御
意見もありましたが、もし
委員長がお許しを願えれば、これからこういう点においてこういう問題があつた、あるいはこういう点においてこういう遺憾の点があつた、あるいはかえ
つて委員会の
方々に非常に
誤解を起しておる、こういうような点があるという点について、申し上げてもよいと私は思います。
なお一言申し上げておきますが、本
法案は先ほどからもくどく申し上げました
通り、官僚化は私自身反対でございます。しかし
政府が一應この
用紙割当の
事務の運営をしていく上におきまして、その
業務上に対する有機的な
関係をもつということについては、私は反対する論理的
根拠はないと想うのであります。ただ問題が行過ぎか、行過ぎでないかという点は、非常に
疑義あるいは
意見があると思います。よ
つて私どもはその点を十分勘案いたしまして、すでに本
法案を出すまでに、今までの各方面のいろいろの
意見も徴したのでございます。その徴した結果が大体
了解をある程度得たと思
つたのでございますが、未だ割切れない点がある。それは
法律案から見ると、大体民主的にも見えるけれもど、いよいよ
政令ということにな
つてきますと、相当これはその
政令の
内容について、十分検討しなければならぬというような御
意見があ
つたのでございます。そのうち、先ほど問題のあつた点は、
事務局長から申し上げました三つの点に相当の問題があるのですが、この
二つの
意見は、この法文を見てもらえばはつきりしておると思いますが、
委員会の
自主的決定権——これは
審議会の
決定がなくてはどうすることもできないのであります。
審議会は
從來の
委員会が
名前をかえたというだけでございまして、あくまでも民間
團体の
決定権でございます。
それから次に
委員選任の
方針でございますが、この
委員選任も、あくまでも民間からこれを選任することにな
つております。ただたれが見てもしかたないというものは、これは
政府が拒否するというくらいのことは、なにも
越権でもなければ、行過ぎでもないと私は思います。しかしこの場合といえども、
政府が見まして、これはおもしろからざる人物であると思
つて、
委員会から選任されてくる者を一々断
つておるということになりますならば、これははなはだ行過ぎであり、また
越権でございます。かような点において、たれが見ても、これは少し考えてもらいたいということは、
政府としては当然なことであると思います。
業務上に対して
責任を負えというその筋からの命がある以上は、少くともいかがわしき人物に対して、その参考資料として
意見を提出するということに対しまして、かつまたよろしくないという
決定的な人物に対して、これをやめてもらいたいということを
審議会なりに申し出ることは当然ではないかと私は思
つております。
それから
原案作成の問題でありますが、
原案作成につきましては、これまた
審議会が最後
決定をするのでございますから、
審議会が
事務局の、たとえば案を出したところで、これはよろしくないと言えば
審議会の
決定心服するのでございますから、かような点においても了承できるのではないかと思います。大体以上のような概要でございまして、なおそのほかに私は行過ぎがあ
つてはいかぬという点を非常に各方面から心配されておりますので、本
法案は
臨時立法でありますから、年々
國会に出しまして、年々この
法案に対する
審議あるいは
修正等をすることができるように毎年
國会に出す。未だか
つてないやり方でありますが、かような
内容をこの
法律の中に織りこんだ次第であります。私はこれは今までにか
つてない文化立法であると心得ております。