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栗栖國務大臣 ただいま
総理より
説明がございましたが、なお詳しいところ、その他
数字についての
お尋ねがちよつとあつたようでありますから申し上げたいと思います。
第一の点は、六億八千万円、五千人の人、というようなことは、こういう窮迫せる
財政のもとにおいて、多いことはないかというような
お尋ねであつたと思うのであります。大体この
経済査察というような
仕事は、これが平常に続いては
國家の
経済の再建などはできないのでありますが、こういう窮迫せる
事態下においての
一つの
臨時的仕事として、これは見なければならぬと思うのであります。ゆえに恒久的な
行政機構その他とは別途に考える必要があると思うのであります。しかし現下の
やみその他について考えますと、これをどうしても抑止いたしまして、そうして正常なるルートに
物資を流し、それによ
つて経済を再建するほかないのでありまして、こういう点において
経済査察をするということはきわめて必要であるわけであります。そうしてこれは全國にわた
つて、また各階層にわた
つていたすわけでございますので、この五千人というような人を配置いたしましても、人手はなお十分だとは申されないと思うのであります。もつともこの五千人というような人がただちにこの際に求め得るかと申しますと、あるいは本年度内では三分の二くらいしか充足ができないのじやないかと思うくらいであります。そういたしますと、なるべく五千人は充足して
目的を達したいと思いますけれ
ども、そういうような現状でありますし、それからこれは各般の
経済行為についての
査察をするわけでございますので、いろいろな
経済その他も必要であるわけであります。
一般財政におきましても、
物件費、
人件費等が相当かさんだ今日におきましては、このくらいの予算はお許しを得ないと、とうてい十分なる
経済査察の
目的は達し得ないと思うのであります。しかしながらこれは
目的を達してしまえば速やかに解消すべき
機関でございますので、このくらいでようやく足りるかと思うような次第でございます。
それから第二の点は
配給の
実績を監査せよという
お話でありますが、これはまことにこごもつともでございまして、現在
國民生活のうちで大体二五%が
マル公による
配給でございます。そうしてその他は
自由販賣あるいは
やみに依存するというような状態であります。われわれといたしましては少くとも
マル公による
配給は半分程度くらいまでは進めたい、こう思
つておるのでございます。そうして
國民生活の安定ということをどうしてもはからなければいかぬ。こう思う次第でございます。そういう
関係でございますので、はたしてどの程度
配給されておるかどうかというようなことは、もちろんただいまも末端のところまでも能う限り監査をいたしておりますが、今後はなお一層
機関も充実いたしますので、これを実行、
励行いたしたいと考える次第でございます。そうして
励行の結果は、
やみとその他とにらみ合わせまして、結局は
物資の正常に流れることを促進いたしたいと考える次第でございます。
それから
統制でございますが、これは先ほど來すでに
総理から御
説明がございましたので、重ねて申す必要もないと思うのでございますが、この
過小生産の今日において、
生活必需物資その他必要なるものをこの
配給の
形式において公平に分配するということは、これは
過小生産の今日においてはやむを得ないことであり、またむしろ必要であるわけであります。そういう
意味においてこういう
事態に即應しまして、臨時的に
統制をいたしておるような次第でございます。しかし
統制の
目的は
過小生産の現在において、あるいは生産したもの、あるいは輸入したものを公平に分配するという点にあるのでございます。これはあるいは
一般に、あるいは職域を通じ、その他各種の線からこれをいたしておるのであります。この
目的にかなうものは、また必要なるものについては
統制を
励行することはもちろんでございます。しかし必要でないものについては、また実効のあがらぬものについては、
統制をもはずしたいと考えておるのでございまして、すでにその作業に着手をいたしておりますが、ただいまのところでは、
亞炭につきまして年二千トン以下の小山については
統制をはずしまして、そうしてこれは地元で自由に消費させるということにいたしました。それからまた
生鮮食料、殊に
鮮魚類については
統制をはずすことに相な
つたのであります。なお
統制をはずすということもなかなか
関係するところが多いのでございまして、非常に各
方面からの
研究をいたさなければなりませんけれ
ども、今後も必要でないものについてはどんどんとはずしていきたい。しかし必要のある
方面については
励行をしていきたい。こう思うのでございます。そういうものにつきましては、
査察というものの結果、
実績をも見る必要もございますので、この
機関がこういうようにできますにつきましては、その
機能をますます発揮して必要なる
統制の
励行、必要ならざるものはこれをはずすということの役にも立たせたいと思う次第でございます。