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1948-05-27 第2回国会 衆議院 決算委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十七日(木曜日)     午後十時四十四分開議  出席委員    委員長 松原 一彦君    理事 竹谷源太郎君 理事 冨田  照君    理事 久保 猛夫君       中山 マサ君    樋貝 詮三君       平井 義一君    花月 純誠君       片島  港君    高津 正道君       田中源三郎君    中曽根康弘君       後藤 悦治君    田中 健吉君  出席國務大臣         内閣総理大臣  芦田  均君         國 務 大 臣 栗栖 赳夫君  出席政府委員         経済安定本部副         長官      田中己代治君         総理廳事務官  國塩耕一郎君         経済安定本部経         済査察官    司波  實君  委員外出席者         專門調査員   大久保忠文君     ————————————— 本日の会議に付した事件  経済査察廳法案内閣提出)(第六〇号)  行政官廳法等の一部を改正する法律案内閣提  出)(第六七号)     —————————————
  2. 松原一彦

    松原委員長 これより会議を開きます。  本日は去る二十五日付託されました行政官廳法等の一部を改正する法律案審議いたします。まず政府側より提案理由を承ります。船田國務大臣
  3. 船田享二

    船田國務大臣 昨日実は印刷物がこちらでできて、皆さんにお配りしたはずだという話だつたのですが、今委員長に承りましたら、その運びになつておりませんので、かりに私どもの方で一昨日つくりましてお配り申し上げました謄写版刷りがございますので、その改正法律案をまず朗読申し上げます。     行政官廳法等の一部を改正する法律案    行政官廳法等の一部を改正する法律   行政官廳法昭和二十二年法律第六十九号)附則第二項、経済安定本部令昭和二十二年勅令第百九十三号)附則第三項、日本國憲法施行の際現効力を有する命令の規定の効力などに関する法律昭和二十二年法律第七十二号)第一條の三及び建設院設置法昭和二十二年法律第二百三十七号)附則第二項中「五月三十一日」を「六月三十日」に改める。     附則   この法律は、交付の日から、これを施行する。 以上が本法律案の全文ですが、本法律案提案理由について御説明申し上げます。  行政官廳法が本年五月二日をもつて効力を失うこととなつておりましたので、これに代るべき國家行政組織に関する法律を制定する必要があつたのでありますが、種々事情のためこの新法律を五月三日から施行することが時間的に困難となりましたので、御承知のように、さきに、國家行政組織に関する法律制定施行までの暫定措置に関する法律案を提出いたしまして、御審議の上可決を見、これによつて行政官廳法等効力が五月一ぱい延長せられたのであります。しかして、この間、内閣國家行政組織法案を去る五月十日國会に提出いたし、なおこれと併行して、約二十に上る各省設置法案を立案し、提案を急いだのでありますが、諸種の事情のため、予想以上の時日を要することとなり、ためにかりに國家行政組織法案が、五月三十一日までに成立を見るにいたしましても、これと一体をなす各省設置法案の全部を同時に制定施行いたしますことは、きわめて困難視せられる事態となつたのであります。事態かくのごとく相なりました以上は、さらに目下の暫定措置を一箇月延長いたし、その間に國家行政組織法案並びに各省設置法案を、十分に御審議いただくことといたしたいと考えるものであります。これが本法律律案を提出いたした理由であります。何とぞ事情御了察の上、速やかに可決せられんことを希望いたします。
  4. 松原一彦

    松原委員長 本案に対する質疑はございませんか。——質疑は終局いたしたと認めます。  これより行政官廳法等の一部を改正する法律案を議題として討論に付します。討論につきまして御意見ございますか。
  5. 久保猛夫

    久保委員 この際本案討論を省略して、ただちに採決せられんことを望みます。
  6. 松原一彦

    松原委員長 ただいま久保君から御発議のありました通りに、討論を省略いたしまして、ただちに採決いたしますことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 松原一彦

    松原委員長 それでは採決いたします。原案に賛成の諸君起立を求めます。     〔総員起立
  8. 松原一彦

    松原委員長 起立総員。よつて本案原案通り可決いたしました。  都合により午後一時まで休憩いたします。     午前十時五十八分休憩      ————◇—————     午後二時十六分開議
  9. 松原一彦

    松原委員長 休憩前に引続き再開いたします。  前会に引続き経済査察廳法案審議に入ります。前会は本法案審議に関して、委員の中からきわめて適切なる御発言がありまして、内閣総理大臣並びに経済安定本部長官の御出席を要求せられました。この際委員長よりきわめて簡單にその概要を申し上げます。  第一は、國費多端の際に、六億八千万円、五千人の官吏をもつ新しい官廳を設けねばならないかどうか、これはきわめて重大なる問題である。できる限りそのような官廳の増加は避けられるお考えはないかどうか。  第二は、やみが行われるというのは、結局配給がよろしくないからである。好んでやみをやる者はない。やみを行う者をば嚴重に処罰するならば、まずその前に、配給の責をその責任者が果したかどうかということをば嚴重査察しなければならない。この査察廳設置法律のよつて、当務者はその配給実績をも親切に調査して、そうして消費者の権利を擁護する一面をもたなくては意味をなさないのであるが、その用意があるかどうか。もしそのような用意が親切に法律の面に現われておるならば、この法律が出たことを各社会面からは非常な喜びをもつて迎えられるであろう。法律はどうかそうあつてほしいのであるが、はたしてその御用意があるかどうか。この法律原案には、そのが捕捉せられないことを遺憾とする。  第三は、統制には限度があるはずである。やるべき統制嚴重にこれが徹底を期せねばならないが、同時に統制せないでいいものは、できる限り解除して自由にするだけの親切がなくてはならぬ。この用意がなければ、かかる法律は非常な恐怖感國民に與えて、統制の眞の意味とは違つたものが現われることになる。從つてこの法案審議するためには、統制根本方針について、特に首相並びに安定本部長官意見を明らかにお述べ願いたい。  この三つが大体今日までのこの委員会に現われましたる質問の要点でと心得ております。なお漏れました点は出席委員諸君から補足することに願いまして、以上の三点につきまして首相並びに安定本部長官から御意見の御発表をお願いいたします。
  10. 芦田均

    芦田國務大臣 ただいま委員長から、委員会の御意向を三箇條にわけて御説明がありました。一々御指摘の点は理由のあることと思いますが、根本統制の問題につきましては、すでに御承知通り、今日のごとく全世界にわたつて需給関係が崩れており、物と人口との比例が著しく均衡を失つているという時代においては、やむを得ざる統制をある程度行つていることは、各國みなその例に漏れません。アメリカのごとき物資の豊かな國においてさえも、必要に應じて相当廣い範囲の統制を行つているのであります。統制なくして全然自由経済のもとに住んでいる國がきわめてまれであるという例を見ても、今日の世界的の経済危機に際して、各國とも統制制度を実行してきたことはすでに御承知通りであります。殊にわが國のごとく終戰以來著しく人口物資均衡が失われている事態においては、統制を維持することはやむを得ない惡事であると思います。しかしながら不要な統制はこれをつくる必要もなし、また現にかような不要な統制が存在しているならば、これは一日も早く解除すべきであるという意味において、三党政策協定においても、不要なる統制はこれを解除するという意味を明白にいたしておるのでありまして、政府組閣以來これらの問題についても種々研究を重ねてまいつております。その政策の一端は、近き將來において、これを実際の上に実現いたしたいと考えておるのであります。  またこれと同時にやみ取締りについても、片山内閣以來方針を堅持いたしまして、でき得る限りやみ行為取締りに遺漏なきを期したいと考えておるのでありまして、わが國の食糧を初め重要物資連合國から常に仰いで、今日の危機突破に多大の協力を受けておるという点のみから考えてみても、やみ取締り嚴重に行わなければならないと確信いたしておる次第であります。かような事情から経済安定本部の中に、経済査際廳という特殊の機関を設けまして、比較的教養の高い職員をして経済査察仕事に当らしめる、そうして從來形式に流れがちの官僚統制の弊害を一掃して、新しい能率的な統制方法を実行し得るように導いていきたい、かように考えておるのであります。  もとより國軍の支出が年々膨脹する今日、國民に対して多大の犠牲を強いておるのでありまして、政府國民に対する態度から見ても、でき得る限り行政費を節約して、いやしくも國民の血と汗になる結晶を一銭といえども浪費しては相済まぬ、かような氣持から行政整理はこれを断行する決心で、これも遠からぬうちに具体的の法案として國会審議を仰ぐ準備を進めております。從つて行政整理は、一面においては事務の能率化を目標とし、重複したる機関を統合し、能う限り剩員を淘汰して一方においては行政能率を上げると同時に、他面においては國民の負担を軽からしめるという方向に進みたいと考えておるのであります。さりながら行政機構改革は一面においては剩員を淘汰し、また一面においては必要欠くべからざる新たなる機関を設けていくということでなければ、國家機構全体の能率において十分の機能を発揮することができないのでありまして、行政整理を目前に控えつつも、なおかつ必要とする新機関はこれを設ける、かような方針で漸を逐うて種々機構改革法案國会に提出いたしておるわけであります。なお詳細のことにつきましては、安定本部長官より質問にお答えいたすはずであります。
  11. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 ただいま総理より説明がございましたが、なお詳しいところ、その他数字についてのお尋ねがちよつとあつたようでありますから申し上げたいと思います。  第一の点は、六億八千万円、五千人の人、というようなことは、こういう窮迫せる財政のもとにおいて、多いことはないかというようなお尋ねであつたと思うのであります。大体この経済査察というような仕事は、これが平常に続いては國家経済の再建などはできないのでありますが、こういう窮迫せる事態下においての一つ臨時的仕事として、これは見なければならぬと思うのであります。ゆえに恒久的な行政機構その他とは別途に考える必要があると思うのであります。しかし現下のやみその他について考えますと、これをどうしても抑止いたしまして、そうして正常なるルートに物資を流し、それによつて経済を再建するほかないのでありまして、こういう点において経済査察をするということはきわめて必要であるわけであります。そうしてこれは全國にわたつて、また各階層にわたつていたすわけでございますので、この五千人というような人を配置いたしましても、人手はなお十分だとは申されないと思うのであります。もつともこの五千人というような人がただちにこの際に求め得るかと申しますと、あるいは本年度内では三分の二くらいしか充足ができないのじやないかと思うくらいであります。そういたしますと、なるべく五千人は充足して目的を達したいと思いますけれども、そういうような現状でありますし、それからこれは各般の経済行為についての査察をするわけでございますので、いろいろな経済その他も必要であるわけであります。一般財政におきましても、物件費人件費等が相当かさんだ今日におきましては、このくらいの予算はお許しを得ないと、とうてい十分なる経済査察目的は達し得ないと思うのであります。しかしながらこれは目的を達してしまえば速やかに解消すべき機関でございますので、このくらいでようやく足りるかと思うような次第でございます。  それから第二の点は配給実績を監査せよというお話でありますが、これはまことにこごもつともでございまして、現在國民生活のうちで大体二五%がマル公による配給でございます。そうしてその他は自由販賣あるいはやみに依存するというような状態であります。われわれといたしましては少くともマル公による配給は半分程度くらいまでは進めたい、こう思つておるのでございます。そうして國民生活の安定ということをどうしてもはからなければいかぬ。こう思う次第でございます。そういう関係でございますので、はたしてどの程度配給されておるかどうかというようなことは、もちろんただいまも末端のところまでも能う限り監査をいたしておりますが、今後はなお一層機関も充実いたしますので、これを実行、励行いたしたいと考える次第でございます。そうして励行の結果は、やみとその他とにらみ合わせまして、結局は物資の正常に流れることを促進いたしたいと考える次第でございます。  それから統制でございますが、これは先ほど來すでに総理から御説明がございましたので、重ねて申す必要もないと思うのでございますが、この過小生産の今日において、生活必需物資その他必要なるものをこの配給形式において公平に分配するということは、これは過小生産の今日においてはやむを得ないことであり、またむしろ必要であるわけであります。そういう意味においてこういう事態に即應しまして、臨時的に統制をいたしておるような次第でございます。しかし統制目的過小生産の現在において、あるいは生産したもの、あるいは輸入したものを公平に分配するという点にあるのでございます。これはあるいは一般に、あるいは職域を通じ、その他各種の線からこれをいたしておるのであります。この目的にかなうものは、また必要なるものについては統制励行することはもちろんでございます。しかし必要でないものについては、また実効のあがらぬものについては、統制をもはずしたいと考えておるのでございまして、すでにその作業に着手をいたしておりますが、ただいまのところでは、亞炭につきまして年二千トン以下の小山については統制をはずしまして、そうしてこれは地元で自由に消費させるということにいたしました。それからまた生鮮食料、殊に鮮魚類については統制をはずすことに相なつたのであります。なお統制をはずすということもなかなか関係するところが多いのでございまして、非常に各方面からの研究をいたさなければなりませんけれども、今後も必要でないものについてはどんどんとはずしていきたい。しかし必要のある方面については励行をしていきたい。こう思うのでございます。そういうものにつきましては、査察というものの結果、実績をも見る必要もございますので、この機関がこういうようにできますにつきましては、その機能をますます発揮して必要なる統制励行、必要ならざるものはこれをはずすということの役にも立たせたいと思う次第でございます。
  12. 松原一彦

    松原委員長 委員諸君の方から御質問を願います。
  13. 冨田照

    冨田委員 ただいま総理大臣並びに安本長官からるる御説明がございまして、先日來私どもお尋ねいたしておりました核心にだんだん触れていくような氣持がいたします。ただいまお話がありましたように、日本経済界の現段階においては、全部の統制をはずすということができないということは、私ども重々承知をしております。  ただいま安本長官が言われましたように、必要のない統制あるいはまたやつて効果のない統制、そういうものははずすという。その例として、亞炭をこうした、あるいは鮮魚についてこうしたというお話がありましたが、ここにお示しになりました経済査察廳法のその仕事目的の中に、別表第一に掲げる法令及び政令で指定される法令並びに当該法令に基き発せられた命令経済法令と言うのだ、こう定義を下しておられますが、この別表第一に掲げてあります法令はつきりわかつているわけでありますが、その政令で指定された法令並びに当該法令に基いて発せられた命令と申しますと、どういうものがございましようか。そうしてまたその法令なり命令の数はどのくらいございましようか。概数でよろしゆうございますが、御指摘を願いたい。なぜかと申しますと、私どもがこの法案を審査いたすにあたりましても、この法令なり政令なり命令なりを調べるだけでも相当の手数がかかります。いわんや一般大衆が、はたしてその政令がどういうものであるか。その命令がどう出ているかということを知ることは非常に困難なことではないかと思います。法は不知をもつて免るることを得ずで、知らないからといつてわれわれは法令違反から免れることはできません。この網のように布かれた法令、しかも國民大衆がこれを知るということは非常に困難だと私は考える。今お手もとにあります材料でおわかりになりましたら政令で指定された法令とはこれこれである、また当該法令に基いて発せられた命令とはこれこれであるということをお示し願いたいと思います。
  14. 國塩耕一郎

    國塩政府委員 経済査察廳法の中の條文として発する命令はまだないのでありますが、別表のうち臨時物資需給調整法あるいは食糧管理法というものに基いて発せられている命令は相当の数に上つていると存じます。ただいまその正確なる数字手もとに資料としてもち合わせておりませんので、もし御必要であれば後刻正確な数を申し上げたいと存じますが、たとえば割当配給に関しましては指定生産資材割当規則指定配給物資配給手続規程とか、いろいろなものがたくさんございます。一々名前を申し上げますと非常に手間どるかと思いますので、もし御必要でございましたら表にでもして差上げたいと思います。
  15. 冨田照

    冨田委員 だから、初めから申し上げないことではないのであります。必要とあればどうにでもして調べて上げるとおつしやるが、專門家のあなたでさえすぐお答えができない。その網と布かれたこまかい政令ないしそれから発せられた命令を一般國民大衆がどうして知りますか。そうして、知らないからといつて免れることはできないでしよう。そうして、その経済法令に対する違反は罰するでしよう。網を張つてかかつてくるものが魚であればごちそうになる。かかつてくるものが善良な國民であつた場合には、政府は何を燒いて食べようとするか。人肉を燒いて食べようとなさるか。私はここに重大なる問題が潜んでいると考える。私が知りたいのではない。全國民大衆が知りたいのです。だれのために法令つくります。ここに私は大きながんが潜んでおるということをはつきり指摘する。  第二にお尋ねいたします。それは別表の第一にお掲げになつておられます第一の電氣事業法以下第九に至るまでの、いわゆる経済法令が列記されてありますが、この法令一つ一つは、おそらく各官廳所管しておられると存じます。もしもこのうちの一つをある所管官廳で受扱つておられます場合に、これは経済査察廳をおつくりなつ設置提案理由説明書の第二にありますように、いわゆる檢挙取締りのみによつては、これが効果を十分に発揮し得られない。それで取締り以外の方法によつて、新しい性格的な、行政的な措置によつてこれを励行していくのだとおつしやるが、しからば別表に掲げられております一から九にわたるところのこの法令が、その所管官廳においては、從來いわゆる檢挙取締りのみに依存してやつておられるのであるか、それともまた各官廳は單なる檢挙取締りだけでなしに、提案理由の第二に掲げられましたような新しい性格的なもので、そうして行政的な措置をとつてつてきておられるかどうか、どちらに属するかをはつきり示し願いたいと思います。
  16. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 今お尋ねの第一の点について、根本的なことの政府態度一つ申し上げておきたいと思います。この経済査察廳法案査察というような文字はずいぶん苦労をいたした文字でございます。たとえば周の制度による刑法を掌る秋官におけるような秋烈という意味をもつていない、むしろ春の官であるとか、夏の官であるとかいうような意味をもたらしたものであるのでありまして、そこでこの終りの理由の中をごらんになりましても、事前にこの違反事件予防するようなもの、あるいは指導するとか監督するというようなところに重きをおきまして、むしろ経済違反というようなものが、知らず知らずの間に違反になるというようなことのないようにそれを防ごう、こういう趣意で実は考えたものでございます。それで人を罰するというような趣意よりも、むしろそれを事前に防ごう。殊に経済事例につきましては、違反などというものが今お話のように、はつきりしないうちに行われるということがしばしばあるものでございまして、啓発その他の指導勧告等をいたしまして、防ごうというところに重きをおいたのでございます。その辺はひとつ政府のこの法案を出しました趣意をもおくみとりを願いたいと思つております。その他の点は今次長からお答えさしたいと思います。
  17. 田中己代治

    田中(己)政府委員 ただいまの点につきまして、長官からの説明で盡きておると考えるのでございますが、大体この査察廳仕事といたしましては、民間に対する関係というものがあまり多くないのでありまして、多くは警察を対象として、檢事局その他の行政官廳に対するものでございます。國民に対する啓発宣傳ということも十分にいたすわけではございますが、そういうふうにいわゆる実力行使による取締りをいたすのが建前ではなくして、行政的方法によつて予防的効果をあげるということを主眼といたしておるのであります。さような次第でございますから、その点御了承をお願いいたします。
  18. 冨田照

    冨田委員 ただいま長官並びに政府委員の方からお話がありましたが、それではこの第二十八條はどうお思いになりますか。いつも規則をおつくりになるときには、予防をするのだ、なるべく罪を犯さないように——特に提案理由でもつて示しになりましたときには、経済査察官統制違反調査対象といたしますのは、特に重大な違反事件でありまして、これを調査するのも行政的方法による通常調査を原則とします。やむを得ない場合には行政調査も行うということも言つておられるけれども、一方で二十八條ごらんになりましたら、どういうふうなことを言つておられるか。「経済査察官は、経済法令に関するいかなる違反事件についても、又いかなる地域においても、その職務を行うことができる」國文学の知識の乏しい私でありますけれども、この條文を読んで、國民常識からいつて、一般國民大衆はこれを受取つたとき、いかなる違反事件についても、いかなる地域においても、こう言われたら、おそらくすべてということを包含しておるように受取る、これがむしろ國民常識ではなかろうか。こういうものはちやんと二十八條の出てくるのに、提案理由の御説明をなさるときには先刻申し上げた通りである。またただいまの長官説明では、おれは予防をする、つとめて違反の起らないようにするという。それはごもつともです。東洋流に言えば、目出でて作し、鼓腹撃壤帝力われに何かあらん、王様のいることを忘れて腹鼓を打つて喜んでおるのが堯舜の時代であります。しかし現実はそんなに甘いものではありません。現実にこの経済違反のために、法令違反のために幾人の人が泣いておらられると思召すか、幾人の人が苦しんでおると思召すか。たつた一人が苦しむのも、その一人の苦しこそ自分の苦しみであり、わが子の苦しみであると感ずるのが為政家氣持でなれけばならない。こういうごまかしな法令を規定しておられるということが、私はこの法律受取つて、そうしてこれを守る立場の民衆の一人としていかにも矛盾を感ぜざるを得ない、この一点が非常にただいまの御答弁では不満足であります。
  19. 田中己代治

    田中(己)政府委員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げますが、この二十八條経済法令と申しますのは、いわゆる前に制限されました経済法令意味でございまして、大体これらの経済法令に関する違反事件といたしましては、普通刑法犯と違いまして、一般に廣い地域にわたつて行われることが通常なのでありまして、経済査察官の職権を行う場合におきましてはこの管轄によつて制限をされますると、この能率が非常に阻害されるということからかような規則を設けた次第なのでございます。このいかなる事件でもと申しますのは、これは語句の関係で、あるいは少し妙にお考えになつたかもしれませんが、これは所属経済査察廳の管轄区域以外において発生した事件というようにお考えくだされたいと思うのであります。またいかなる地域でもと申しますのは、この所属経済査察廳の管轄地域外の地、管轄外でも行い得るという意味でございまして、これもどんな事件でもというふうに拡げて申す意味で規定したわけではないのでありまして、これはたとえて申しますと、東京の査察廳所属の経済査察官が、大阪で発生した違反事件を、横浜で調べてもいいというふうに、端的に言えばそういう趣旨の規定であります。何でもかんでも、いかなる事件でも、どこで調べても構わないという廣い意味ではないのであります。それからまた違反事件調査ということは、査察官としてはごく例外的と申しては何でございますが副次的の職務であります。それも重要事件に限つてやるというような建前になつておるのであります。かようなわけでありますから、どうぞ御了承をお願いいたします。
  20. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 私も念のためにはつきり申し上げておきたいと思います。少くとも政府としては冷たいというよりも温かい心持をもつてこれを施行しようというような考えがあるのでありまして、誤解を招くといかぬと思いますのでもう一度申し上げておきたいと思います。二十八條の規定は、これは権限規定だと思うのでございます。從つてこれを運用する場合におきましては、この各條の精神その他規定の命ずるところによつて運用することができるのでありまして、その辺はどんなに小さいものでも追及してやるというようなこと、あるいはほとんど善意で相当注意を拂つたにかかわらずこれがわからなかつた。そのために知らず知らずに違反を起しておつたというようなものについても、峻嚴に職務を行うというような意味ではない。こういうことを御了承願いたいと思う次第でございます。
  21. 冨田照

    冨田委員 政府は温かい氣持でつくつたとおつしやるが、そこにあなたが民主的になりきれぬものの考え方があると思うのです。つまりどうすれば犯罪をあげることができるか、どうして捕えようかというお氣持が、あなた方の御答弁の一言半句の中にはつきりとにじみ出ている。私はその受ける方の立場の氣持を表現している。なるべく罪をなくしたいという氣持を私は代表しているつもりであります。そこで今立法いたしますときにはあなたのお氣持は私はよくわかる。けれどもこれが実際に適用される場面になりますと、こうした決算委員会の席上であなた方とひざ突き合わして話したこういう氣持が、末端まで行き通らないのです。あなたは心は温かいのですけれども、手先が冷たいのです。その手先が民衆に触れる。その触れる手先が私どもの血のにじむ苦しみになるのです。その苦しみの中へこの経済査察官の手がはいつてくる。それを私が申し上げておる。たとえ二十八條の規定のようなことでも、一方において提案理由説明をするときにこういうことをお書きになりながら、法文の上でこうはつきりとうたわれておれば、やはりこの法文を盾にとつてやるというのが、末端における官僚の今までのやり方であつた。もちろんこれからの訓練によつてりつぱになさるでありましよう。またそうあつていただきたいと思いますけれども、私が特にこのことを念を押しておきますことは、この立法の精神の中に民主的ということを、お題目でなしにあなたの頭が、人を支配するという考え方でなしにサーヴイスする氣持で、一粒の麦地に落ちて朽ちずんばというのが為政者の氣持である。この氣持がおありになれば、單なる査察であるというような名称が考えたあげくつくつたというようないわゆるインテリの言葉先のことでごまかされない、もつと眞実なものが出てくるはずであります。私はその点をはつきりいたしたいためにこのことをしつこく御質問申し上げるわけであります。それと同時に具体的に申し上げる。私は今中耳炎を患つておりまして発言も不十分であり耳も遠いのでありますから、はなはだ御無理でありますが、はつきりお答え願いたいのは、この別表第一に掲げられたものが、あなた方のおつしやる経済法令の範囲なんです。この範囲の中で、たとえば電氣事業というものを逓信省なら逓信省で管理しておる。その逓信省が管理して今やつておられ、これを励行しておられる場合に、先刻お尋ねしたように、今までのやり方が檢挙取締りのみに依存していたかどうかということであります。今まででもたとえば第二の食糧管理法を実施するにあたつて、第三の食糧緊急措置令を実施するにあたつて、今までのやり方が全部檢挙取締りのみに依存しておつた。長官の言われる温かみがなかつた。前もつて予防ということに注意しなかつた。指導ということがなかつた。啓発ということも行われていなかつた。それだから今度こうするとおつしやるところに経済査察廳が生まれ出なければならない必然的な理由をそこに見出すことができる。しかしもし今まででも單なる檢挙取締りだけでなかつたのだ。そこに啓発も行われておつた。指導も行われておつた。予防も行われておつた。いわゆるあなた方のお示しなつた新しい政策的な行政的な措置も施されておつたとするならば、この経済査察廳を設置する理由一つは少くとも失われてこなければなりません。その論点をはつきりいたしておきたいと思います。
  22. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 御趣意はよくわかつております。実は私は今回初めて官職をやつたものでございまして、長く民間におつたものでございます。しかも経済のこともいささか存じておりますし、法律もいささか存じておりますので、おそらくこの法律をつくるときの次長以下は一番やかましい長官であつたと思つておると思います。それは温かい心ということでこの法律をつくつて、指導し運用するようにということを常に言つておるのでございます。御趣意の点は私はよくわかります。そこで二十八條は権限規定でございますが、お尋ね趣意は運用の問題だと思うのでございます。運用につきましては、御趣意は全幅的に賛成いたしますが、その点については、さいわい私が長官になつておりますときにこれができる以上は、いろいろな点においても過ちをしないように、温かい心をもつて臨むように十分指導もし徹底もいたしたい。こういうことを申し上げておきたいと思います。そのほかの点については副長官からひとつ説明させたいと思つております。
  23. 田中己代治

    田中(己)政府委員 ただいまの長官説明に補足して申し上げたいと存じます。ここにあげましたような経済法令励行につきましては、行政官廳におきましてもそれぞれ主管に從いまして取締り以外にその予防指導等に当つていたわけであります。しかしながら実績から見ますと、指導その他の措置につきまして十分とはいかない、励行がほとんどされていなかつたという部面もなきにしもあらずでございます。さような次第でありまして、人員その他いろいろな機構の関係等につきまして、全面的にさようなことができなかつたという関係から、その不足を補うというような趣意を含めてこの査察廳をつくることになつた次第であります。今後は十分経済各廳とも密接な連絡をとりまして誤りのないことを期したいと考えておる次第でございます。さよう御了承願います。
  24. 冨田照

    冨田委員 ただいま栗栖長官は、さいわいに自分がこの地位にある以上、この法令が出ましたならば、必ず立法の精神に則つて温かい氣持をもつて運用していくと言われましたが、そのお氣持はまことによくわかります。しかしあなたがいつまで長官でおられますか。そういうことは一般の世の中には通用いたしません。あなたが長官をおやめになつてもこの冷たい法律は生きておるのです。議会で否決すれば別ですが、いやしくも法律となつて出ました以上、一安本長官の地位の期間に絶対に制限を受けるものではありません。だから立法当時の長官である栗栖さんは温かい氣持をもつておられても、次の長官が出たときに冷たくなるという客観的妥当性をもたないものが法的價値があるかどうか。われわれ立法に携わる以上は、長官がお迭りになつても、だれが施行に当りましてもあぶなげのない法律としてこれを出す。その客観的な妥当性を認めたいために、この心配をし苦言を呈しておるわけであります。  第二に政府委員の御答弁でありまして、各主管官廳とも決して檢挙取締りだけではない、不十分であつてもあらゆる手を盡しておられたと言われる。さらに査察廳法の提案理由の中にもありますように、これが経済安定本部と表裏一体、緊密な連絡をとつてやるということが、大事な設置理由になつておるようであります。それならば今までの各官廳は、経済安定本部とどのような連絡をとつておやりになつてつたのでございましようか。あるいは全然連絡はなかつたのでございましようか。これは重大な問題でありますから、はつきりお伺いを申し上げておきたいと思います。
  25. 田中己代治

    田中(己)政府委員 もちろん從來といえども安定本部と、各行政官廳とそれぞれ連絡はとつてまいつたわけでございますが、監査関係の私ども所管の事務につきましては、もちろん十分に連絡もとり、勧告もいたした例もあるのであります。ただ監査関係といたしましては民間は主たる対象ではなくして、官廳が主たる対象なのであります。かような関係からして、各官廳とは十分に連絡もとつてまいつておる次第であります。
  26. 松原一彦

    松原委員長 ちよつと冨田委員にお諮りいたしますが、安定本部長官も参議院の方に急いでおられますし、他に質問者もたくさんありますから、できるならば簡潔にお願いいたしたいと思います。
  27. 冨田照

    冨田委員 まだお尋ねいたしたいことはたくさんありますが、たいへんお急ぎのようでありますから、ただ一つお尋ねいたします。それはこうした経済査察廳つくり、五千人の官僚を新たに繰出し、七億の國帑を費してやる、それほど日本経済界が非常な苦しい立場におる、非常事態にあるという意味で、これをお出しになつたのでありましようが、その根本にさかのぼつて、こんな経済法令違反を起さないような、やみがなくて済むような政策を先に出して、それを実行なさる方が早途だと思うが、その点について安定本部において、どういう御考慮が拂われておるか、一点だけお伺いいたしたいと思います。
  28. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 ただいまの御質問に対してお答えしたいと思います。先ほど國民一家として平均二五%がマル公の生活であるということを申し上げたのであります。他はすべてやみかと申しますと、それは自由價格あるいは自由販賣のもの、やみ販賣のものがありますことは確かでございます。そこで私も申しましたように、こういう窮迫した事態におきましても、なお、やみ價格は半分ぐらい、あとはマル公の價格、自由價格というような生活が半分ぐらいで國民生活を安定することが、きわめて必要だと考えたのでありまして、政府といたしましては今回予算編成にあたりましては、新しい價格の補正もいたします。この補正も國民の生活の負担をなるべく最小限度に止むるように、実は安定帶物資につきましては、多額な補給金を出すことに相なつております。それからさらにまた消費物資につきましても、一定の割合以上にはならぬように、あるいは主食についてはプール計算によつてこれを調整するとか、その他の苦心をいたしております。なお主食その他につきましては、一割の増産等をも考えておりますが、それと同時に食糧の輸入等をも懇請いたし、あるいは繊維製品の國内放出等もただいま懇請中であります。そういうようにしてマル公による生活必需物資の増配について、非常な努力をいたしておるのでありまして、これの裏づけがあつて初めて國民生活が安定し、こういう法律もやがては必要でなくなる、こういう域に達すると思うのであります。今日までは空約束に終り勝ちということもありましたけれども、その点は非常に努めまして、中間的な安定ということを目標にして、さしあたり増産と輸入ということでこれを賄うようにいたし、さらには長期計画によつて、この経済危機から建設へ建設へと進んで、大体五年後には、昭和五年から九年の生活水準をとりもどしたい、かように考えている次第でございます。そういうような方針のもとに、安本では國民生活の安定、殊にマル公における配給の実行を完全にするということに努める、こういうことにいたしたいと思つている次第であります。
  29. 松原一彦

    松原委員長 この際お諮りいたしますが、本日午前中に議了いたしました行政官廳法等の一部を改正する法律案委員長報告を本会議ですべき時間がまいりましたので、委員長はしばらく席をはずしたいと思います。この間冨田理事に代つてもらいたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 松原一彦

    松原委員長 それでは冨田理事にお願いします。     〔委員長退席、冨田委員長代理着席〕
  31. 冨田照

    冨田委員長代理 松原委員長は本会議で報告の都合上、私がしばらくこの席を汚します。
  32. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 栗栖國務大臣にちよつと簡單にお伺いしますが、日本の警察官が経済警察の防犯、内偵あるいは檢挙というような仕事をするようになつたことは、非常に墜落したと思います。これは非常にいけない政治だと思いますが、それを改めて、今度は経済警察に関しては、專門家の経済査察官がこれに当ることになつたのは、これは重大な改善であり、私はこの点には賛成するものであります。しかしながら五千人の経済査察官では員数が足りない、そこでむろん現在は警察官に應援してもらつて一緒にやるわけですが、今度警察官は経済違反に関しては主体性をもたない、補助者にすぎない、こういうことになると、警察官が今までのように一生懸命協力しないということが起りはしないかということを心配するのであります。そうなると、今まで十二万五千人の全國の警察官が経済警察に当つてつたのに、五千人という員数に減ると、経済統制の確保が非常に困難になりはしないか、これに関して政府はいかようなる対策をおもちであるか、どういうふうにしてこの経済査察官が十分なる活動をするように保障する手段があるかどうか、それを伺つておきたいと思うのであります。  なお第二点として、ただいま冨田委員から御質問があつたように、やみのない、いわゆる経済法令違反対象になるような事件が起らないという政治をすることが大切である。これに対して政府はいかなる具体的手段をとろうとするかということを、昨日質問しておいたのでありますが、この問題に関しては、ただいま冨田委員の最後の質問において、政府経済政策やみのないようにすべきであるということについて御質問があり、これに対して答弁がありました。もう一つ、その裏はらであるところの國民も、自分が経済査察官なつたと同じような氣持で協力するという空氣をつくらなければならない。すなわち政府経済政策が、違反をつくらないような経済情勢に國を置くとともに、國民自身も経済違反をしない、またする者に対しては、自分も経済査察官なつたような氣持でこれに対処する、こういう考えになるならば、この過小生産の窮迫した経済情勢においても、経済の安定、流通秩序の確立はできると思うのでありますが、流通秩序の確立と言い、あるいは戰爭中いろいろ看板を掲げましたが、いずれも眞に有効適切な、具体的な、流通秩序に確立の大きな風が吹いて、これに抗し得ないような大きな運動の展開せられたということを聞かない。今までどの内閣も、どの政府も、この点については看板を大きく掲げて努力をするようなゼスチユアはするけれども、具体的な適切有効な手を打つたためしがないのであります。今政府はこの流通秩序を眞に確立するような政策を行われるとともに、國民が皆経済査察官なつたような、そういう空氣をつくるような——抽象論ではなく、具体的施策があるかどうか。もしなければ、ぜひ経済査察廳の発足を機会に、そうした具体策を練つて、これを実施することを熱望するものであります。
  33. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 お答えいたします。第一の点でございますが、まことにごもつともな御質問でございまして、私どもはこの警察官と、査察廳の職員との間に円満なる連絡が必要である。そうしてそれは互いに競爭をするとかいうことじやない。互いに協力をする、こういうことが非常に必要である。專門專門をもつて協力するということがやはり必要であるのでございまして、査察廳の出発については、これを機会に一つの運動を考えているのでございます。さらにこの法またこういうような機関をつくるということも、罪を処断するということでないことはもちろんであります。犯罪をなくすることが目的でありますので、廣く國民啓発し、國民を指導し、國民の協力を得るということが、これが最も必要なところであるのであります。そういうような警察官その他の官廳との関係を密接にし、國民の協力と、理解と、啓発をするというような意味におきましても、やみ撲滅の國民運動を実はこの機会に展開したい、こうも考えている次第でございます。まだ具体的なものにつきましては、閣議その他を経ておりませんけれども、私大藏大臣在任中、この國会の非常な協力を得まして、國民貯蓄運動、納税運動等も非常な効果をあげまして、この危機を突破するのに大きに役立つたのでございます。やみ撲滅の國民運動もこれを官民一体となつてする。しかもこういうような機関の発足を機会にするということも必要と考えて、いろいろ具体的な案を練つているような次第であります。いずれ皆樣の非常な御援助を懇請する日も遠くないと思うような次第でございます。
  34. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 今最後に非常に頼もしい御答弁を聽きましたが、ぜひひとつやみ撲滅の國民の大運動を展開するようにお願いをいたしたいのであります。
  35. 平井義一

    ○平井委員 栗栖安本長官お尋ねいたしますが、栗栖長官は先ほど魚の統制は撤廃するとおつしやついましたが、野菜の統制は撤廃する考えがないように伺われるのでありますが、なにゆえに野菜の統制を撤廃しないか、これが第一点であります。  第二点は、もちろん統制は戰時中と違いましてポツダム宣言の線に沿わなければならない。しからばいかなる性質のものをいかなる範囲において統制の強化の線にもつていくか、あるいはいかなる性質のものをいかなる範囲において統制を解いていくか、これをお伺いしたいのであります。  第三点は、もしも当官廳ができるといたしますならば、この官廳は非常に強い権限をもつとわれわれは考えるのであります。かつて経済警察、かつての檢事局刑事部の経済課、これを包含するのでありまして、もしこれが実現した場合は、栗栖安本長官がその長官を兼任いたすのでありまして、強い権限が栗栖長官に與えられるのでございますが、そのときに法務廳総裁のようなふうになりはせぬかとわれわれは心配しておるのであります。その点を特に栗栖長官はお考えになると同時に、この官廳に奉仕するところの官吏は、少くとも民主的官僚でなければならぬということを十分部下の方に納得のいくように長官から御注意が願いたい。これをお願いして私の三つの質問といたします。
  36. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 第一点についてお答えいたしますが、鮮魚は高級の鮮魚を撤廃するのでありまして、それから野菜についてもいろいろ今作業をさせておるのであります。これは第二の問題に関連しますが、國民の今の生活を維持する上において必要であるかないかというような点及びその範囲、あるいはその物資の種類とか程度、それが及ぼす影響、あるいはそれ自体は直接影響のないようなものでございましても、関連物資といたしましてどうしてもはずせないものとか、あらゆる角度からたくさんの種類がございまして、それをはずすのに今非常に急いでおります。今回は物價の改訂でなしに補正をいたしますが、相当範囲が廣いのでございまして、そういう際にはなるべく急いで、それと相前後して、こういう必要でないものははずしますと國民に言うことができるようにいたしたいと思つて、今物價廳を非常に急がしておるような次第でございます。それで野菜についても、そのほかの点についても、こういうような点からひとつ思い切つたことをやつてみたいとその筋にも懇請しておるような次第でございます。一番と二番とはこれで申し上げたと思うのであります。  第三点でありますが、先ほど冨田委員が古い例をお引きになつたので、私この法律をつくるときにも話したのでありますが、昔、禹が宰相をしておりますときに、百姓が田の畦を爭う、そこで三年間百姓の中へはいつて長者の言うことを聽くようにした。あるいは漁師が洲を爭う、そこで三年間その漁師の群へはいつて、その実情を知つて、いいふうに改めたという話があります。もちろん禹の時代と今日とはたいへん違つた時代でありまして、それは同一になりませんけれども、少くとも官職につく者はそれくらいな氣持でいかなければいかぬと思うのでありまして、御趣意の点は十分徹底さすようにいたしたいと思うのであります。またそういうようなものを徹底さす意味においても、先ほどの國民運動ということを展開することが必要であると思う次第でございます。
  37. 田中健吉

    田中(健)委員 お急ぎのようですから、簡単に五点について長官お尋ねいたしたいと思います。  第一には経済査察廳が安本の分家のような形になるのじやないかということを私は考えます。そこで安本長官長官を兼任なさる。そしてここに掲げられてあることを行うのであるが、この場合に從來の安本のやり方を見ておりますると、他の行政機関に対して非常に干渉をするのじやないか、こういう危惧を私はもつておるのです。一條の七号でありますが「行政機関の行う経済法令に関する経済施策の実施に関する事務の監査に関する事項」こういうふうなことを盾にとつて、相当干渉がましいことをやるのじやないか。栗栖さんが安本長官になられてから、大分安本のあり方についても変つてきた。こういうことを世間ではいわれますが、しかしどういたしましても、栗栖さんは非常に温かい感じのする方でありますがどうも栗栖さん以外のそこにおられる方々は私は冷いような感じがいたしてしようがない。どうも何となく冷い。こういう冷いような感じを從來與えてまいつて諸君がこれを立案される。そしてこの査察廳をやつていく。こういうことになると、相当に各省が脅威をうけるのじやないか、こう思います。そこでこれは安本の分家であるかどうか。この点をひとつ明確にいたしてもらいたい。そうでないとすれば、これは何も安本長官が兼任しなくてもいいのである。また安本から大量の人間をこの廳に移す。こういうようなつもりでやつておるかどうか。この点を第一点としてお伺いいたしたいと思います。  第二点は、経済査察廳査察官に——総理大臣のこの間の言明によりますると、共産党並びに共産主義者に対して相当な考慮を拂わなければならぬというようなことをおつしやつておる。そこで廳ができました場合には、共産党員などは、あるいは共産主義者を経済査察官に御採用になるのであるかどうか。この点もお伺いいたしておきたいと思います。  それから供米の問題でありますが、一條の第八号のところに供出の促進ということがあります。これは昨日の政府委員の答弁では、主食糧の供出についての促進には経済査察官は関與しない、こういうように私は聽きとつたのでありますが、しかしながら別表には食糧の供出に重大なる関係のある食糧管理法食糧緊急措置令というのがあるのでありまして、これは当然この法律を盾にとつて農民に対して経済査察官が彈圧的な態度をもつて臨むのじやないかということを私は心配いたすものであります。昨日の政府委員のごとく、主食糧の供出に対しては査察官が関與しないというのであるならば、この点を長官から本日この席上において明確にいたしてもらいたい。この間も御承知通り、全國の農民大会がありましたが、この大会においても問題になつておることを私が耳にいたしております。この点を長官から明確にいたしてもらいたい。  次は警察官吏並びに地方官吏の協力を求める、こういうことでありますが、私昨年の國会に設けられました隠退藏物資委員会、さらに不当財産取引調査委員会委員になつておりますが、この場合において総理大臣並びに他の大臣が十分に協力させるということを國会において言明するのであるが、さて地方へ行つていよいよ隠退藏物資調査などをわれわれがやる場合においては、なかなか警察官や地方官が協力いたさないのであります。全部協力しないというわけではないけれども、大部分の警官は協力いたさない。そういう場合に当然経済査察官と地方官憲との間におもしろからざる雰囲氣をかもすのではないか。もし経済査察官に対して地方の官憲、特に隠退藏物資その他地方のボスと連絡のある警察官や官憲が協力しない場合には、その官吏あるいは公吏を彈劾するつもりであるかどうか。その点もこの際明確にいたしておかれたいと思う次第でございます。大体申し上げましたことは五つになつております。長官の御親切な御答弁を煩わしたいと思います。
  38. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 経済査察廳ができまして、非常時下の経済関係のものとして案と物價廳とこの査察廳とは三つが一体をなすような働きをすることがありますので、実は長官が兼ねるというつもりでございまして、この査察廳をもつて安本の手先というように考えておる趣意は毛頭ないのでございます。そうしてそれ以下のものは兼務というようなことはしないで、それぞれ專任の職員を置きまして、十分職責が果せるようにいたしてあるのであります。ただ長官は、この三つのものが裏表あるいは手の左右というような形をもちますので、兼ねて一体的な運営をする趣意に止まつておるのでございます。分家というような考えは毛頭ございません。  それから、その次は職員でございますが、職員は、私ども多年の経驗によりましても、民間人でも相当経驗あるエキスパートを抜擢をいたしまして、適材を適所に据えたいと思うのでありまして、自由任用の形をとつておるのであります。しかしながらこの経済査察趣意から申しまして、明らかに共産党にはいつているとか、共産主義を明らかに支持しているような者は、こういう趣旨の職員には不適当であろうと考えておるような次第であります。  それから供米の点でありますが、お示し條文は実は隠匿物資調査供米ということで、隠匿物資でございまして、その結果供米の問題はこの中に含まぬと思うのであります。しかし三号に「経済法令に関する違反行為調査に関する事項」というのがございますが、これは、供米の不履行をいたしておるような場合におきましては、経済違反になる場合があろうと思うのであります。その場合は調査をいたすことがあるのであります。調査でございますから、調査目的を逸脱しないようにすることに相なつておると思うのであります。それから警察官とかその他の各官憲の協力でありますが、これにつきましては、この法の運用あるいはその精神から申しましても、密接なる連絡をとることは先ほど來申した通りであります。また運用としましても、それを強調し、実際運動として現わしていきたいと思うのであります。さらに機関としましては、中央地方に委員会などを設けまして、その連絡を密接にするようなことになつておるのであります。  最後は、地の方官廳の協力しない場合に彈劾をする権限をする権限があるかどうか、こういう御趣旨でございますか。
  39. 田中健吉

    田中(健)委員 彈劾する方法を今考えておるかどうか。
  40. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 これは考えてはおらぬと思うのであります。ただ勧告をするという程度に止まると思うのであります。しかし実際的にはそれで十分運用ができると思うのであります。かえつて彈劾その他をするということは、官廳間の離反軋轢を生ずることになりますので、勧告によつてこれをやつていきたいこう思つておる次第でございます。
  41. 田中健吉

    田中(健)委員 もう一つ簡單にお伺いしますが、この法律が施行されることによつて、栗栖さんの権限が非常に拡大強化されることになります。一方では経済査察廳を掌握して、そうして各官廳を監査する刀みたいなものをもつのであります。そうして人民にはまた、もし犯罪の嫌疑があればこれを逮捕する、非常に強力な権限をもつことになります。一方では安本を掌握して、予算その他をがつちり握る、それから一方では物價廳長官として物價統制をやる。こういうことになりますと、栗栖さん和田さんとは違うでしようからそういうことはなかろうと思いますけれども、しかし何しろ三つやるようになりますから、これは場合によつたら非常に栗栖さんのために首を締められる、その点を各省の官吏が非常に恐れておるのではないか。こういうふうに考えておるわけでございまして、繰返して言うようでございますけれども、絶対に他の官廳に対する干渉の意味ではない、また干渉するのではない、この点をここに再確認していただきたいと思う次第でございます。それから供米の問題ですが、先ほどは調査ということでありましたが、その調査にかこつけて、調査した結果、そこに何らかの口実を設けて警察官をして農民を彈圧させるような結果になると、これは一大事だと思いますので、この点は、明らかに調査に止まるものであるか、調査の結果に基きまして、警察官をして場合においては農民を彈圧する、こういう意図のものであるか、その点の区切りを明確にしていただきたいと思います。
  42. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 安本と物價廳あるいは査察廳というように、いろいろ兼ねておりますけれども、これはおのおの職務を行使する範囲があるのでありまして、それを逸脱して、いわゆる職権を濫用するというようなことは私はいたさぬということをここに固くお誓いしますとともに、実は安本には、各種の経驗者、傳識者を集めまして顧問ともいたしており、さらに総理がこれの総裁として一番上にすわつておるのでありまして、そういう点においては御心配はないように先例をつくるということを御了承願いたいと思うのであります。なお各省の問題でありますが、これは安本の精神から言いましても、各省間の連絡、あるいは政策その他についての調整をする、あるいは斡旋をするという役でありまして、各省に干渉をするというような意味は毛頭ないのでありまして、私をして言わしむれば、これも権利の行使じやなく、権限の行使じやなくて、権限の濫用だと思うのでありまして、そういう点は固く戒めたいと思つておる次第であります。もつと安本を明るいものにしたい、こういうようにも考えておる次第でございます。  それから調査の点でありますが、これも、私をして言わしめれば、調査調査という範囲を出ないのでありまして、その範囲を逸脱すれば、これは濫用であります。不当な行使であるのでありまして、そういう点は十分愼みたい。また職員等についてもそういうことのないように考えたいと思うのであります。なおまた、そういう供米その他の点は、この経済査察というものは大きいところを押える点が非常にあるのであります。さまで大きくないもの、あるいは軽徴なもの等につきましては、これは調査どもいたさぬというような運用の心得をもつておるのでありますので、その辺は御心配は無用であろうと思うのであります。私は、こういう時期におきまして、農民をして食糧の供出を進んでやらすようにするという点におきましては、こういう法規、冷たい法規がかりにあつて、いわゆる冷たい官吏によつてそれをしぶらすということは國のために悲しむべきことであると思うのでありまして、そういう点も十分考えたいと思う次等でございます。
  43. 田中健吉

    田中(健)委員 私の質問は終りました。
  44. 中曽根康弘

    ○中曽根委員 私の質問したいと思うことは、今まで委員諸君質問いたしましたので、私は一点だけ簡單に御質問いたします。それはやはり統制と自由の限界の問題であります。統制はやらなければいかぬ。もちろんインフレの抑止であるとか、あるいは社会の浪費を防止するとか、そういう点から見ても必要であるし、特にこの間御発表になつたような五箇年計画をやるということになれば、所得の合理的な配分にしても、あるいは資本の計画的な蓄積をやるにしても、統制をやつていかなければできないということは明らかであります。ところが、統制をやる上については政府には能力の限界があるということも事実である。政治力にも限界があるし、國民の民度にも限界があるし、また日本経済力にも限界がある。こういう点から見て、限界があるのであります。その限界を認識して、適当な範囲に合理的にやるということが大事だろうと思います。そういう点から考えてみると、今行われてをる統制の範囲というものは、日本経済力や民度からすればあまりにも大き過ぎる。その全面にわたつてこの経済査察廳というような構想でカバーし、そうして嚴重統制していくということになると、これは國民から非常な反感をもつて迎えられるということは必至であります。われわれは國民代表として、そういうような事態を目の前におきながらこの法案國民の前に出すということは、実に躊躇せざるを得ないのであります。從つて政府の側において、この程度の統制は切離すのだ、そういう明確な御指示があつて、われわれが納得することができるならば、われわれは喜んでこの法案を通す決心であるのでありますが、その辺について栗栖さんにお尋ねしたいのですが、どうも今の統制を見ておりまして、物價高その他を見ておりますと、財政の赤字あるいは金融の赤字からきておる面もあるけれども、やはり、統制が非常に煩瑣であつて能率である、こういう点からかえつて物價高を來しておる面が非常に多い。こういう面を切離して、一方には物價を引下げて民心を明るくする、こういうことが重大だろうと思います。そういう具体的な品目を考えますと、指定生産資材の配給規則、あるいは指定配給物資配給手続規定、あるいは輸送証明規定、そういう具体的な方法について私はもう少し詳細なお考えを承りたい。たとえば需給の見合つておるものであるとか、あるいはまた技術的に不可能なものであるとか、あるいは間接統制でこれができるものとか、あるいは、たとえば家庭雜品のような小品的なものであるとか、生産あるいは生計に影響を及ぼすようなものは、この際勇断をもつて、この價格改訂を機に切り離す。この法案を出して、それと同時に整理、縮小した範囲内において徹底的にやるのだ、こういうことを見せるのが、國民に納得させるゆえんではないかと思います。そういう点から考えますと、たとえば亞炭にしても、あるいは建築資材、指定生産資材割当規則中におけるれんが、木材、あるいは薪炭、あるいは重要非鉄金属でマル公を割つておるもの、重要タール製品の一部、たとえばナフタリン、こういうようなものは、私はこの際徹底的に切り離すべきだろうと思う。あるいは指定配給物資配給手続規程の中における家庭雜品、いろいろございますが、なべ、かま、あるいはマツチ、ローソク、和がさ、こういうものも同樣であります。それから最後に、マル公の限界に至つては無限大であつて、これはほとんど半分くらいまでは切つてもよいのではないか、こういうふうに思うのですが、もし栗栖さんにして、この場で明確な御指示がいただけないのならば、担当官をしてこの委員会出席せしめて、かなり詳細にわたつて具体的な構想なり、進行過程なり、いついかなるものをやるか、こういうことを明らかにしていただきたいと思うのです。そういうことにおいて納得がいけるならば、われわれも喜んでこの法案を通すのにやぶさかでないと考えております。  それからもう一点は、警察制度においては、公安委員会というものによつて民主的なコントロールが行われております。ところが同じような経済査察廳というものにおいては、官廳間の連絡機構はあるけれども、人事とかマネージとかにかなりの権力をもつて國民の声を反映する機関がない。こういうものをぜひとも設置する必要があるのではないかと思うのでありますが、この点について長官はいかなるお考えをおもちであるか。この二点を承りたい。
  45. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 私は先ほど來、冨田委員お尋ねに対してもお答えしたのでありますが、統制について必要でないもの、及び不能なもの、こう申したのでありますが、いたずらに、統制物資の中にはいつておりましても、事実上力の及ばぬようなもの、そしてまたそれは関連物資その他でないようなものにつきましては、これははずしたいと考えておるのであります。ただ実は、私物價廳にも参りまして、この物資などをどの範囲ではずすかというようなことにつきましては、相当詳細なる調査を必要とし、またその筋への連絡も非常に必要であります。そこで統制の必要ならざるもの、あるいは統制してもできないというようなものははずすという原則は、早くから私は申して、作業さしておるのでありますが、どの範囲について、しかもいつからはずすかというようなことは、これはその筋との関係もありまして、今ただちにここで一々申し上げるということはできないのであります。しかしこの査察廳が大体出発するというようになりますまでには、ぜひ詳細なる品目をもそろえまして、こういうものははずしたい、またいつはずすとかいうことも明らかにしまして、政府の意のあるところを國民に知らせたい、こう思うような次第であります。  それからこの公安委員会のようなものがあるが、これはどうかというお話でありますが、これは多少経済関係がありますので、実は統制というと、統制の裏は思惑その他においていろいろなスペキユレーシヨンが行われるというような点もありますので、実はそういうような委員会制度の組織にはなつておらぬのであります。しかしながら先ほど來申し上げましたように、やみ物資撲滅の運動というようなものを、この機構の外郭もしくはそれを包容する一つのものとしてつくり、推進をいたしたいと思うのであります。その一翼としては、今お示しのような委員に諮問し、國民の意向を聽き、意見を出してもらうというような点については、その運動の一翼として考えてみたいと思つておるような次第であります。具体的には先ほど來申しましたように、まだ研究中でありまして、しばらくお待ちを願いたい、こう思つております。
  46. 中曽根康弘

    ○中曽根委員 栗栖さんのお答え大分了解したのですが、しかし抽象的に統制をはずすということは、三党政策協定にもあり、総理からもお聽きし、あらゆる人から聽いておる。これを聽いたんじやわれわれとしては納得がいかない。この法案國民の前に出るときに、必ずこれこれのものははずすのだという確信がつかなければ、國民に非常な誤解を與える。從つてそういう点についてもう少しこの委員会に対して安本としては御配慮を願いたいと思う。その方法は、たとえばその統制関係をやつておられる責任者をここへよこして、今こういう研究をやつておる、こういう方針である、先方の意向はこういうものであるというように、これはかなり秘密の面もあるかもしれませんし、またスペキユレーシヨンや何かの関係もあるかもしれませんが、しかしある程度は國会議員を信用していただいて、この委員会を信用していただいて、なるほど政府が誠意をもつてつておるんだということを、われわれをして納得せしめることが、この法案を通す上においてキーポイントだと思う。そういう点について、もう少し誠意ある御処置が願いたい。
  47. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 中曽根委員の御発言は、私はごもつともと思いますが、そこで実は私、ほんとうに予算、新物價のことで、今日までほとんどその筋あるいは関係官廳等を往復いたしておりまして、はなはだここに上るのが遅くなりましたけれども、実は本日皆樣からの御質問の模樣その他をお聽きいたしまして、これはもつと懇談会の形式等で、いろいろ今お尋ねの点及び機構の運営に関するわれわれの心組の点その他をも、あるいは二回とか三回ぐらいやつていただいたらどうかと思うのであります。お答えを兼ねまして、これだけひとつお願いをするような次第でございます。
  48. 冨田照

    冨田委員長代理 お諮りいたしますが、ただいま栗栖安本長官お話通りでございまして、いずれ懇談会を開いて、もう少し数回回を重ねて、ゆつくりお話合いをいたしたい、こういうお話でございますから、今日はこの程度で散会していかがでありましようか。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  49. 冨田照

    冨田委員長代理 ではこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後三時四十六分散会