○津田説明員 先ほど
お話がありました点につきまして、順次申し上げたいと思うのでございます。まず第一に一億三千万トンを本年度
國鉄が
輸送完遂をいたします上におきましての、安本といたしましての
資材の割当の問題でございます。これにつきましては本年のたしか二月であつたと思うのでございますが、二十三年度の物動についての暫定措置要領を閣議で御決定願いまして、先ほど
安本長官からも
お話がありましたように、
鉄道を石炭電力と同等に超重点産業とする
方針を確定いたしたのでございます。從いまして
資材の配当につきましても、この
方針をできるだけ貫くということで割当をいたしたのでございます。まず石炭の問題につきましては、本年度の出炭は御
承知のように三千六百万トン、この供給力をもちまして、
國鉄が一億三千万トンを完遂いたしまする石炭は七百七十七万トンでございますが、これだけの石炭の割当はいたしております。ただ先ほ
どもお話がございましたようにカロリーの点でございまするが、本年度におきましては努力はいたしておるのでございまするけれ
ども、遺憾ながら急激なるカロリーの上昇ということは望まれませんので、昨年と同樣に五千六百五十カロリー平均ということで石炭の配当をいたしております。
次におもなる
資材だけについて申し上げまするが、鋼材につきましては本年度の供給力が百万トンでございます。これが最近アメリカからの重油あるいは南方からの鉄鉱石の輸入等によりまして百二十万トンに改訂せられることに相な
つておりまするが、しかしながら、この百万トンを超えた二十万トンは、輸出に振り向けられるということに相な
つておりまするので、國内の供給といたしましては年度初めと同樣に百万トンでございます。そのうち
陸運関係といたしましては十八万トンが参ります。昨年度は実は
陸運関係に十五万トン足らずの配当をいたしておつたのでございまするが、鋼材の生産が昨年度の目標は七十二万トンであ
つて、それだけの供給力が満たされませんでしたので、從いましい
國鉄に対しましてもこの十五万トン足らずのものが実際に配当せられましたものは六万トン
程度でございました。從いまして本年度におきましても、さような失敗を重ねては、一億三千万トンの
輸送の完遂の大きなひびと相なるのでありまするが、さいわいにいたしまして本年度は鉄の生産も順調にい
つておりまするので、この
陸運部門の十万万トンにつきましては、大体現在までのところこの
通りの配当を完遂し得るという
見込みでございます。この十八万トンのうちの大部分、たしか十五万八千トンと記憶しておりますが、大部分のものは
國鉄に参りまして、先ほど
お話のありました貨車の四千輛につきましても、これに即應するところの鋼材の配当はいたしております。
次にセメントにおきましては、本年度の供給力を二百万トンというふうに安本といたしましては策定をいたしておりまするが、このうち
陸運部門に参りまするものは十四万四千トンでございまして、その大部分は
國鉄に参るわけでございます。
國鉄におきましては
予算との
関係——と申しますると、その資本勘定、工事
関係におきまして若干
予算の削減を見るやもはかり知れませんので、そうなりますると、このセメントの配当をもちまして、十分所定の工事をや
つていくことができるというふうに
考えております。
木材につきましては本年度國内供給力が四千三百二十七万石のうち、
陸運部門といたしましては二百六十五万石でございまして、これも若干
國鉄の需要に対しまして下まわ
つておるのでございまするが、先ほど
お話のありました貨車四千輛の車輛用材等につきましては、先般特に特配を安本といたしましてもいたしたような次第でございます。
資材の問題につきましては、石炭、鋼材、セメント、木材等につきまして以上のようにな
つておりますことを御了承願います。
なお労需物資の面におきましては、先ほど
安本長官から大体の
お話もあつたのでございまするが、ただいまも申し上げましたように、本年度の
國鉄の
輸送完遂の非におきましては、運轉用の石炭につきましては大体問題はない。もちろん季節的に問題はございまするが、年間としてみれば問題はない。またただいま申し上げましたような生産
資材につきましても、これの供給につきましては去年のような非常に重大なる問題はないのでございまして、問題は、
國鉄当局からも時々申し上げておると思うのでございまするが、労需物資の問題であろう思うとのであります。これにつきましては
國鉄当局と安本
当局との間におきましてる次にわたりまして打合せをいたしました結果、先ほど申し上げましたように、
國鉄を重点産業に取上げるという
趣旨をこの労需物資の面にも反映いたしまして、乏しい、また不安定な供給力のうちから、できるだけのことはいたしておるつもりでございますが、簡單に
数字について申し上げますならば、織維品につきましては、
國鉄からの御要求は糸換算にいたしまして三百四十二万ポンドでございます。これに対して安本が配当できる
見込みのものが百六十二万ポンド
程度。
從つて約半分足らずということに相なるわけでございまするが、これはちよつと註を加えさしていただきたいのでございます。纖維については大体が原料を
外國に頼
つておりますので、この供給力については、一体國内でどれだけの綿を消化さしてもらえるだろうか、國内向きの比率と輸出の比率とをどういうふうに定めるであろうというような点が非常に
影響があるのでございますが、今申し上げた数量は、現在の國内消費と輸出との割合が、國内が三、
外國向きが七というふうにな
つているのを、國内向きを四に、輸出向きを六というふうに比率を好轉してもらつた場合の配当量でございます。しかもこの好轉の
見込みは相当確実性を増してまいつたように記憶しております。纖維については以上でありまするが、地下たびについては、
國鉄の需要が百八万足に対し、安本としては七十八万足を供給し得る
見込みに相な
つております。
國鉄の要求中には、
國鉄の中に貸與規定というのがあ
つて必ず地下たびをもらう職名がございますが、その職名以外の者もこの百八万足の中にはい
つております。そのが約三十二万ございますから、この供給七十万足をも
つて大体貸與職に対しては賄い得るような
見込みを立てております。なおゴムぐつについては需要五万足に対して四万足を配当いたしております。せつけんについては、需要が九百三十万箇に対して安本の配当は三百十八万箇というふうにな
つておりまして、これでごらんになりますると、やはり纖維
関係、あるいはせつけん
関係という面において、安本が相当
國鉄、
陸運重点の
方針を
とつたにかかわらず、なお十分に賄い得ない次第でございます。
実情はかように相な
つております。