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岡田國務大臣 第一問の旅館等の点につきましては、不要なものは逐次調査いたしまして拂い下げたいと存じております。戰爭中に買收いたしました私鉄の拂下げ問題は、これはそう單純なものでございませんで、これを拂下げするしかないかということは、いろいろな要素、條件から総合的に
檢討を加えなければならぬことに相なります。その條件と申しますものは、その
鉄道の敷かれております地方の生産、経済の状態でございますとか、あるいはまたその地方の住民の多数の人
たちが要望せられる熱度の
いかんによるとか、あるいはまたその拂下げをいたしましてから、民営でや
つてはたして採算がもてていくかどうかということ、もう
一つは拂下げを受けるという、その
團体あるいは個人の内容がはたして信頼できるかできないか、内容が整
つているか、無力であるかどうかというようなこと、それから今原さんの言われました評價の問題であります。これもなかなかむずかしい問題でございます。そこでそういう
檢討を加えた上でなければ、一線ごとに決定はできないのでございますが、線によりましては、ただいま猛烈な拂下げ陳情の参
つているところもございまして、ここで私が画一的に拂下げする
方針であるとか、ないかということを申し上げますことは、決定するしかないかわからないのに、いたずらにそれを刺激いたしまして、行き過ぎました思惑でありますとか、あるいは弊害も起ることをおそれるものでございますので、この点は愼重に
考えまして、ここでの言明は避けたいと存じます。ただそれらのローカルの線が、そうした各條件から総合的に
檢討をいたしまして適應いたします場合には、拂下げに決して反対はしないつもりでおります。公共事業といえ
ども、
國鉄が独占的にやらなければならぬという理由はない。これは経済情勢が大きく変
つてまいりましたならば、また
國民の皆樣が要望せられるならば、だんだんアメリカ等のように民営企業として轉向してい
つても、別に惡いことはないというふうに
考えております。