○高瀬委員 實は緊急質問と申すのははなはだ何でありますが、私の選擧區に黒磯という驛がございます。これは戰爭前は急行も停まり、御用邸もあ
つて觀光地の那須温泉の入口で、非常に優秀な驛であ
つたのでありますが、どういう理由か戰爭後急行列車が停まらなくな
つたのであります。御承知のように、那須温泉には陛下が毎夏御避暑になられる御用邸もございます。それからこの戰爭中に不幸な災害を受けまして、全部温泉は燒けましたが、今觀光地として
復興途上にあります。なおあそこには國際的な有名なゴルフ場もあります。日本のスポーツ振興あるいは大觀光地の開發あるいは日本の國民保健の高揚というような點、また陛下が毎夏御避暑になり、貴顯紳士の往來が非常に多いというような觀點から、
鐵道省はなぜあそこに急行列車をお停めにならないのか、われわれ地元民一同非常に不思議に思
つているのであります。
鐵道省の方では、何か
觀光事業はおれの方でやるのだといろいろがんば
つておりますけれ
ども、依然として急行列車が停まらない。漏れ承るところによりますと、乘降人員が何萬人かにならなければ停めた
つてしようがないのだといわれる。停めるには
鐵道省の標準があることでしようが、その標準なんかどうでもいいから、まず停めていただいて、停めることによ
つて大いに國民保健を高揚し、觀光地を開發し、また大衆に利益を大いに與えていただきたいと思うのであります。
從つてここに地元の人たちを代表して申し上げたいことは、ちようど黒磯下り十二時二十二分かの仙臺行の列車があります。それから上り十五時十五分の仙臺發上野行の列車があります。これを一分間でもいいから、ぜひ停めていただきたい。季節的なんてけちなことを言わず、一分間で結構ですから停めていただきたい。その代りに大いに敏速に降り乘りさせるようにいたさせます。それからもう一つ、下りで秋田行の黒磯通過であるか、著であるか、二十二時五十四分というのがあります。それから上りで秋田發の上野行五時五十一分、これをぜひひとつ停めていただきたい。結局今までの統計とか何とかけちなことを言わず、停めることによ
つて――鉄道省は百億とかいう赤字があるそうですが、こういう積極的な業務改善とサービスによ
つて、大いに増收をはかつたてただきたい。こういう意味では私は地元を代表して
請願をいたしておりましたところが、伺いますと、六月ごろに時刻改正が始まるそうであります。その始まるころに私がここで
請願してお願いしたのでは時期が遲れると思いましたので、たいへん緊急質問などと言
つて大げさですが、ぜひ木下政務次官を煩わしてその邊のことについて御高配をいただき、御
意見を拜聽できれば幸だと思います。