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中野重治君 これはこの間から
政府委員の方にも一應お話ししてあるわけですが、時間がございませんから、私は成るべく問題を單純にしてお問いします。それから皆さん立
つてお話しされるのですが、私ちよつと足が惡いので坐
つてお話ししますから、皆さん氣を惡くなさらないで頂きたいと思います。
実は
労働基準局の問題については、最初のときからいろいろ問題がありまして、殊に初めてできるものですから、いろいろな
関係上手違いがあるということは、これは或る
程度止むを得ないと、こう
考えられます。そこで私も細かいことをつつ突き出すという
意味でお問いするのではないので、そのことはよく
政府委員の方でも了解して頂きたいと思います。
問題は、九月の二十九日の福井新聞に、福井の
労働基準局のやつた
仕事についてこういう投書があるのです。ちよつと簡單に読みます。題は、「ジヤンパー配給」という題にな
つております。「先日縣内
労務者用として福井
労働基準局からジヤンパーの上衣が配給された。極めてお粗末なものであるが、一枚二百九十九円五銭で、その上基準局の手数料が三十円附加されているので、結局一枚三百二十九円五銭となる。値段の高いということは、このジヤンパー上下一着分が二百二十円で市場で販賣されておることで御了解願えると思う。特に基準局がこの一枚について三十円の手数料を附加しているのは何故か、受給者が受取りに行くのだから輸送費も要らん筈である。私は敢えて
労働基準局がブローカーをや
つているとは思わない。何か
理由があることと
考える。
更に最近配給される品物には、
事業関係組合が基準局の手数料と同額
程度の手数料を附加しているから、結局
労務者の手に入るまでには非常な高値とな
つてしまう。厭なら配給を受けるなと言えばそれまでだが、それでは納得できない。納得できる
ように本欄で次の項について福井
労働基準局長さんの御
説明を願います。一、ジヤンパー上衣一枚が市價の三倍にもつく
理由二、
労働基準局がか
ような高手数料を附加した
理由三、中間機関に手数料附加を認めるのかどうか、認めるとすればその限度」と、こういう問が出ております。それでこれにい
つてお答えを願
つて、それから福井の
労働基準局自身がどう答えておるかということと突き合せて問題にするのが当然でありますけれども、時間がありませんから、
労働基準局がそれに答えておりますから、その答えの方も読みます。「お答え」として、「今囘配給したジヤンパーは、絹紡製で、福井繊研興業組合(組合長泉茂二氏)から入荷をみたものですが、以下項目を追
つて御囘答いたします。(一)市價は当方として周知するところでなく、二百九十九円五銭の値段は、縣價格査定
委員会の査定値であることを御了承下さい。(二)(三)については、予算不足その他の
理由から、当局が直接皆樣の手許に配給した場合は一割、中間に配給機関が存在したときは当方三分配給機関七分の割で手数料を頂いて、これを不足がちな通信連絡その他の費用に廻しており、これは局長の方針によるものであります。又限度と言われますが、これはそのとき扱う品物の
内容などによ
つて中間機関がないときもあ
つて、一概には言い切れません。(福井
労働基準局)」と、こういう答えが載
つております。
それで、これについて
政府委員にこの前から話してありますので、問い合せもあつたことと思いますが、私として問いたいことは、最初基準局ができたときに、基準局
関係の人が地方の
事業主に寄附を求めたという
ようなこともあ
つて、そういうものの禁止の手続が取られておるわけですが、それと内面的に共通したことがここにも現われておるかと思います。それで、これから出て來る問題はいろいろありますが、基準局には現に予算が取
つてあるのですから、お問いしたいことの第一は、基準局がそういう物資を
労働者に向
つて配給するのかどうか、これが第一、それから配給する場合は、基準局の
性質上、その値段は最高市價市の價よりも高くな
つてはならない。ノーマルに行けば市價以下でなければいかんと私は
考えます。その点はどうかということであります。それから第三は、基準局は原則として中間配給機関を排除してやらなければならんのではないか。そのことに対する当局のお
考え。第四は、手数料を取らんということが原則として実行されなければならんのではないか。これに対するお答え。その次は手数料を取
つて基準局の費用に当てるということは違法ではないかという問題。これは予算との
関係で殊に……。
それから仮りになにかの
事情でそういうことが問題になる場合、基準局長がこれをすることができるかどうか。手数料を一割取るということを基準局長が一方的に決めて、そうしてこの
労働者に品物を押付けたわけですから、これがこのまま行われれば、つまり物資の配給について、基準局長が一方的に附加金を
徴收するということになりますが、そういうことができるかどうか。それが違法でないかどうか。若し基準局が基準局の費用を捻り出すために、配給物資に一方的に一割、或いはさまざまの手数料を附加してこれを取ることが違法であるとすれば、そういうことを独断的にやつた基準局長は罰せられるかどうか。それからこの問題が全部明らかに
なつた場合には、この人の場合、この取られた三十円というものは戻るかどうか。こういう点についてお答え願いたい。
それでは私はこれはこういうことが外にもあり得ると
考えますので、新らしく発足した基準局の
仕事が、こういうふうなことで最初から汚されると外のいろいろな
労働関係の
仕事をやろうとしても
工合が惡くなる。その点でお問いするわけであります。