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政府委員(片柳眞吉君) 前食糧年度の遅配の問題でありますが、実は七月以前にも遺憾ながら相当の遅配が主として消費地に出ておつたわけでありますが、そのままで行きますと、昨年同様の遅配が消費地だけに起きて、
生産縣には殆んど遅配がない。こういう不均衡を招來いたしますので、七月からは、言葉は変な言葉であるか知りませんが、
計画的遅配というような
措置を取りまして、米を十分持
つております
生産縣につきましても、七月以降は一定の遅配を
計画的にやつたような次第であります。その
意味では、前年度のような
生産縣には全く遅配がなくて、消費縣に非常に大幅の遅配が起きておる。こういう点は前年度とは多少……その点は全國
一般に起
つておるということは、前年度よりも多少遅配を平均化するといいまするか、公平に或る程度各縣で遅配をや
つて頂いた、こういうことになろうかと思いますが、ただ御指摘のように、今日までの
輸送関係なり或いは加工
関係等で御指摘のように、各
府縣同率の遅配でありませんことは、これは事実でありまして、特に北海道のごときは五十数日というような大きな遅配に
なつております。消費地が大体十数日から二十日内外というような
状況に
なつております。これは勿論
輸送なり、加工の
関係で配給できなかつた
事情もありまするが、もう
一つには、その縣の
供出成績が非常に悪いところには、いろいろな
関係で
供出未済を全然別にして、
輸入食糧の放出等もできないという
事情もありまして、遺憾ながら遅配は止むを得んといたしましても、これを平均化できなかつたことは非常に遺憾でありますが、ただ先程別の点から御指摘のありました食糧
対策本部を
設置いたしましたのも、到底主食だけではなかなか実際上平均化が困難でありまするので、他の食糧を以て遅配のひどいところは、その方面からも
調整をして参りたいということで、今日までも十分ではありませんが遅配の甚だしい地帯につきましては主食以外の食糧を以て或る程度
調整を取
つておるようなわけであります。その
意味で尚不十分な点は申訳がないわけでありますが、ともかく全國的に遅配を成る程度
計画的にやつたということは、前年度とは違つた点であるというふうに
考えておるのであります。
その次の東京都の実例でありまするが、正しくその
通りでありまして、実は私の方では数次各
府縣廳に対しましては、一月分以上の賣却は原則的にはいたさない、これはいろいろ
関係方面とも折衝いたしました結果、さような結論になるわけでありまして、例えば小の月においては、
政府から三本日分以上の費却はいたさない、大の月においても、三十一日分以上の賣却はいたさない。若しも
お話のように藷が入
つて参りまして、
政府の手持ちができ得ない、持
つておれば腐
つてしまうという結果になりますから、この場合には止むを得ず一月分以上の賣却をや
つてるのでありまして、その例が丁度十月の東京都の例でありまするが、その場合におきましても一月分以上を越しました分については、それはそれ以降の前渡として処理するということを数次通牒を出しておるのであります。実は私といたしましては、これは
府縣の責任ではないのでありまして、これは全く我々の方の
措置から起
つてきた問題でありますから、実は私としましてはこの遅配の棚上なり、又一月分以上賣りましたものは、要するにそれ以降の前渡である、こういう
措置を実は農林大臣談等で発表して頂きたい感じを持
つておるのでありまして、ただ遺憾ながら農林大臣の更迭等の
事情がありまして、今日までその運びに
なつておりませんが、ただ二、三日前の参議院の
予算委員会で、片山総理からもそのような実は答弁をして頂いた訳であります。併し私の方では十月に三十一日分以上賣りましたのは、消費者に対してこれは十一月の前渡であるということを徹底しませんければ、これを食い込む恐れもありまするし、又食い込んでしまえば御指摘のように、十一月以降にはそれだけの実際上の遅配欠配になる。こういう問題がありまするから、この点は或いは時期を失しておるかも知れませんが、私の方では適当の
措置は取
つて参りたい。併し
府縣廳に対しましてはかような
方針の下に、
府縣廳なり食糧営團の指導をして欲しいということは、正式に通牒を出しております。從
つて東京におきましては、藷で渡りました八日半程度のものは、十一月一日以降の分として帳簿上も処理する。こういう次第に
なつておるのであります。ただ、さようにいたしましても、八日分以上のものを十一月一日以降の分として差引きますれば、十一月にはやはり二十二日弱の配給しかないわけであります。この辺は一氣にこれを差引きましては、実際上消費者の方もお困りになるものと思いまするので、この差引清算は一月一杯でやりませんで、逐次消費者の方に余り大きな影響の起らんような方法でなし崩しにこれを処理して参りたい。この点は実は私といたしましても何らかの形で声明したい感じを持
つておりまするが、幸い議会で総理が答弁されましたことは、
一つの公表の
措置と
考えておるのであります。大体さよう
考えております。