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政府委員(野田卯一君)
只今御質問のありました點につきまして、詳しく御
説明申上げて御了解を得たいと思います。
先づ質問の内容の第一點は、全體として何程の
豫算が要るかという御質問と、それからもう
一つは支出の内容を詳しく
説明して呉れという二點でございますが、支出の内容を先づ御
説明申上げますと、從
つて第一の御疑問の點がお分りになると思いますので、支出の内容かに入
つて行きたいと存じます。
お手許にお持ちの書類につきまして御
説明申上げるのが一番便利だと思いますので、「
昭和二十二年度
一般會計豫算補正(第一號)、第一囘
國會(特別會)提出」という書類がございますから、それにつきまして、ページを追
つて御
説明申上げて見たいと思います。
少し構釋めいて恐縮でありますけれども、新らしい財政法の下におきまして、
豫算というものはどういう形になるかという問題でございますが、それにつきましては財政法の十六條に規定があるのでございまして、その財政法の十六條によりますと、こういうことが規定してございます。「
豫算は、
豫算總則、歳入歳出
豫算及び國庫債務負擔行爲とする。」ということが書いてございまして、
豫算の内容というものは三つに分かれる、第一が
豫算總則、第二が歳入歳出
豫算、第三が國庫債務負擔行爲、こう三つに分かれるのでございます。
そこでお手許に差上げてある書類の第一ページの目録の所をみますと、目録の次に初めに
豫算總則というのがございます。これが
只今申し上げました第一番目の
豫算總則、その次に歳入歳出
豫算というのがございます。そこで尚もう
一つの國庫債務負擔行爲というのがあれば、そのずつと下の方に出て來るのでありますが、これは今囘の補正
豫算にはございませんので、此處に上
つていない、こういう次第でございます。本
豫算であるとか、或いは追加
豫算の大きいものになりますと、通例國庫債務負擔行爲というのが出て來るのでございますが、今囘の
勞働省設置に關する
豫算は非常に簡單なものでありますから、國庫債務負擔行爲というのはないのでございます。
それから次に
豫算總則の中にはどういうことを規定するかと申しますと、これは
豫算全體の通ずる通則的な、或いは共通事項的な問題が規定されるのであります。それから歳入歳出
豫算という中には、金額的にどういう目的のために、どういうふうに、いか程の金が使われるか、又どういうような種類の歳入がどれ程あるか、又どういうような役所が、何程の金をどういう目的に使うかというようなことが、この中に詳しく規定されるのでありまして、此處に書いてございます歳入歳出
豫算の内譯が甲第一號というのと甲第二號というのと二つに別れておりますが、この區分は新らしい財政法によ
つて出來たものであります。甲第一號と申しますのは、我々の方では制質別及び目的別區分と呼んでおります。甲第二號はこれを組織別區分と呼んでおります。組織別區分というのは部局、官廳の組織別、即ち官廳の部局別の分類であります。どういうような局において、幾ら金を使う、何という役所においてどれだけの金を使うというふうに部局別役所別に
豫算が編成される、これが甲第二號組織別區分であります。
甲第一號甲第二號の二様の區分の仕方につきましては、財政法に根據があるのでありまして、財政法の二十三條にこういうことが書いてございます。財政法の二十三條「歳入歳出
豫算は、歳入にあ
つてはその性質、歳出にあ
つてはその目的に從
つて部に大別し、更に各部中においてはこれを款項に區分し、又、その收入又は支出に
關係のある部局等の組織の別を明らかにしなければならない」、少し分りにくいかと思いますが、要するに
豫算は内容が二本建になる。歳入歳出
豫算の内容が二本建になりまして、第一の分類は歳入につきましては性質別、即ちこれは租税であるとか、或は官業收入であるとか、或いは雜收入とか、公債金とか、歳入の性質によ
つて區分されます。歳出にあ
つては、そうはどういう目的に使はれる經費であるか、例えば
行政部の
關係、
行政廳の基本的な經費であるとか、或いは
産業に關する經費だとか、歳出の目的別に分れております。歳出の目的別區分の名前を擧げますと、第一が皇室費、第二は
國會費、第三が裁判所費、第四が帝國憲法機關
關係費、第五が
行政部費、これは
行政官廳の基本的經費であります。第六が司法及び警察費、第七が教育文化費、第八が社會及び勞働施設費、第九が保健衞生費、第十が
産業經濟費、第十一が公共事業費、第十二が價格調整費、第十三が物資及び
物價調整事務取扱費、第十四が
行政共通費、第十五が地方財政費、第十六が年金及び恩給、第十七が
政府出資金、第十八が國債費、國債の利拂等に要する國債費、第十九が終戰処理費、
進駐軍關係のものであります。それから最後の第二十が豫備費、こういうふうにな
つております。これが目的別分類であります。今申上げましたこの二十の分類の中が更に款項に詳しく分かれて編成されておるのであります。
次に第二の分類である組織別で申しますと、これは役所別にずつと出ておりますから殆ど
説明を申上げる必要もないかと思うのでありますが、
只今厚生省關係が問題にな
つておりますので、
厚生省の例を取
つて申上げますと、
厚生省の中はこういう工合に分かれております。
厚生省所管は厚生大臣官房、これが一番初めに出て來ます。それからその次が厚生公衆保健局、その次が
厚生省醫務局、その次が
厚生省豫防局、その次が
厚生省社會局、その次が
厚生省勞務局、これは今度
勞働省に移るものであります。その次が
厚生省勤勞局、これも同様に移る方であります。その次が
厚生省保險局、その次が
厚生省兒童局、その次が
厚生省勞働基準局、これも
勞働省に移ります。その次が
厚生省の外壁みたいになをております引揚援護院、それから人口問題研究所、その次が公衆衞生院、その次が食
生活研究所、その次が衞生試驗所、その次が國立病院及療養所、その次が国立少年教護院、その次が
産業安全研究所、これは
勞働省へ移ります。その次が勞働保護官署、その次が職業官署、この勞働保護官署で職業官署は
勞働省に移ります。最後に
行政共通費、こういうふうに
厚生省の所管が各部局別に詳しく分かれておるこういうことにな
つておるのであります。
これで歳入歳出予算の中の甲第一號、即ち性質別及び目的別の區分、それから、甲第二號の組織別區分というものがほぼお分りにな
つただろうと思います。
次に
豫算總則の内容に入ります。
豫算總則の第一條でございますが、これは……讀み上げて見ますと、第一條に「既定の
昭和二十二年度の歳入歳出
豫算に對して、下記の區分に從
つて、追加又は修正する」、そうしてその下に表が出ておるのであります。
昭和二十二年の歳入歳出
豫算は御承知のように、千百四十五億圓でありますが、それに對しましてこういうふうに追加又は修正をいたすということを謳
つておるのであります。この表の數字は省略いたします。
上記の追加又は修正の結果、
昭和二十二年度歳入歳出
豫算額は、歳入歳出とも、各々千百四十五億四千餘萬圓、こういうことになるのでございます。その次が「前記の追加額又は修正額の性質別又は目的別區分は、別冊甲第一號に、又組織別區分は、別册甲第二號による」、これは先程申しましたところでありまして、この追加額又は修正額の内容につきまして、性質別又は目的別の區合は、別册の甲第一號に詳しく書いてある、又組織別即ち部局別の區合は別册甲第二號に詳しく書いてあるということでございます。
この表の
説明を少し補足いたしておきますと、第一欄の區分というのは、歳入、歳出の別でありまして、次の欄が追加額ということにな
つております。追加額の歳入の金額が三千六百四十萬九千圓ということにな
つております。これは今度歳入としてこれだけ新らしく殖やさなければならないものが約三千六百萬圓であるということでございます。
それから歳入につきましては
昭和二十二年度本
豫算に對する修正は何らございません。ただ新らしくぽかりとみれだけの金が加わ
つて來るだけであります。ところが、歳出につきましては少し事柄が複雜にな
つておりまして、歳出で今囘
勞働者設立に伴いまして全く新らしく出て來る經費というものが、此處に追加額と相成
つております五千萬圓であります。これが全く新らしく加わる經費でございます。その次に修正額というのがございまして、この修正額の中が増加額、減少額、差引額というふうに三つに分かれております。修正額の中の増加額は現在すでに成立しております
豫算の中のものから引つ張り出して來て、新らしい項目を作
つたり、或いは他の項目の中に加へたりする、その新らしい項目に計上され、又は既存の項目の金額の殖える部分、そういうものがこの増加額にな
つて來るのであります。
それから減少額の方は、落される方、或る項目があります。その全部を落す場合もありましようし、一部を落すような場合もございましようが、要するに落される方の金額、これが減少額というふうにな
つて參ります。そこで若し既成立の
豫算から落して全部新しい項目に立て、又は他の項目に足すということにいたしますと、この修正額の中の増加額と減少額が全く一致すべきであります。ところが今囘の場合におきましては、既成立
豫算から削りまして、他に移そうと思
つていろいろ中を調べて見ますと、すでに内容的に見まして、時期が過ぎてしま
つておる、初め
豫算を組んだときには要るだろうと思
つて計上しておいた金が、現在ではもう要らなくな
つておるというような經費が相當出て來たのであります。これはどういうことでそういうことが起るかと申しますと、例えて申しますと、各地方に
勞働基準局を作るつもりでお
つてそれを四月から作るつもりでお
つた、ところがその設置が随分遅れてしま
つたということになります、
豫算におきましては四月から設置するものとして組んでおきましたが、その遅れた期間の金というものが要らなくなる、こういう類のものがあつちこつちに出て來たのであります。そういうものを移し替える際に差引いてしもう措置を採
つたのであります。そういうことのために比處に増加額以上の減少額が出て來ました。この要らなくな
つた差額が千三百五十九萬一千圓、これだけの金が浮いて來たわけであります。でありますから、その金が浮いたがために、全く新規經費が、五千萬圓殖えましても、財源としては五千萬圓は要らない、浮いた金を先ず充當しまして、足らん部分だけを新らしい財路に求めなければならんということに相成
つて參ります。從
つて五千萬圓の中から浮いた金の千三百五十九萬一千圓を差引きまして殘りの三千六百四十萬九千圓だけが新らしい財源を求めるこういうことに相成
つて參ります。
その次に
豫算總則の第二條でありますが、
豫算總則の第二條は、「歳入
豫算の追加額の内譯は、別に添付する歳入
豫算補正明細書による。ということが書いてございます。この點はお詫ビをしなければならんのでありますが、この書類はまだできておらないのであります。尤も歳入
豫算補正明細書は假にできましても、その内容が前年度剰餘金の使用でありますから、極く簡單なものなるということを附加えて置きます。
それから第三條に移りますが、第三條には「歳出
豫算の、追加額又は修正額の内譯は、別に添付する、豫定經費補正要求書にかかげる區に從
つて、法令にもとずいて、實行しなければならない。」と書いてあるのであります。この豫定經費補正要求書という書類は相當重要な書類でございまして、ここでいろいろと御審議願う際に當然出すべき書類でございますが、先日も
大藏大臣からお斷り申しましたような工合に、印刷が非常に遅れておりまして、目下校正中で、まだ提出の運びに至
つていないのは實に恐縮に存じておる次第であります。これには詳しくいろいろな
説明員載
つておるのでございます。本日若し御希望がございましたならば、その内容は、或る程度事務當局で分
つておりますから、それにつきまして御
説明を申上げたいと思うのであります。
以上で
豫算總則は終
つております。
その次はいろいろ歳入歳出
豫算に入るわけでありますが、歳入歳出
豫算の甲第一號は、いわゆる性質別及び目的別分類でございます。歳入の方は簡單でございまして、前年度剰餘金であります。これが部、款、項とやはり同じような名前になるのでありまして、第五部の前年度剰餘金、その第一款は、前年度剰餘金受入、項も前年度剰餘金受入とな
つております。
昭和二十二年度本
豫算の中には部としては四部しかございませんが、今度この補正
豫算により新らしく第五前年度剰餘金という部が加わることにな
つたのであります。これはすでに
説明がありましたように、二十年度の決算から生れて來ます歳計剰餘金でありまして、それは二十一年度に繰入れられまして、それから更に二十二年度に繰入れられて來る、こういうことに相成
つて參ります。二十一年度全體の歳計剰餘金が何程になるかということは未だはつきりいたしておりませんが、併し二十一年度自體といたしましても、勿論或る程度剰餘金は出るはずにな
つております。從
つて二十年度の剰餘金は二十一年に入りましても剰餘金となり、そのまま二十二年度に受入れられるものでありますから、これを財源として見ることは、何ら不都合はないという見解でございます。
それからその次の甲第一號の目的別の分類の歳出でございます。先ず部、款、項という所から御
説明申上げますと、「五
行政部費」と書いて、その次に「9厚生本省」、(1)厚生本省」というふうに書いてありますが、「五
行政部費」というのは、「第五部
行政部費」というのでございます。それで部の數は、先程申しましたように、本
豫算におきましては二十部がございますが、
行政部費はその内の第五番目の部にな
つております。この
行政部費の中が十三に分れておりまして厚生本省の款というのが九番目の款にな
つております。この「厚生本省」といの款の中は項が
一つでありまして、同じ名前の「厚生本省」、即ち一款一項で款と項と同じ名前にな
つております。その次に第十四款「勞働本省」がございます。
行政部費の中の款の數は本
豫算においては十三までしかありません。ところが、
勞働省が今度できますので、款が
一つ殖えて、十三番目の「遞信本省」の款の次に、十四勞働本省という款が新らしく附加わるのであります。それから十四の「勞働本省」の款の項も、やはり一款、一項で「勞働本省」とな
つておるのであります。
それからその次の「八、社會及勞働施設費」これは第八部社會及勞働施設費と云うのであります。これも先程申上げましたように二十の部の第八番目、これが、社會及勞働施設費とな
つておるのであります。その第五款に勞働保護
行政費というのがございます。社會及勞働施設費の部の中に一体どんなものがあるかということを、御參考までに申上げて置きますと、第一款が救濟保護費、第二款が兒童保護費、第三款が社會保險費、第四款が勞働
行政費、それから第五款が勞働保護
行政費、第六款が就業施設費と分れております。即ち
只今此處に擧げておるのは、第五款の勞働保護
行政費であります。それからその下の(1)調査及び指導費、(2)勞働保護官署費は何れも項であります。その勞働保護
行政費の中は、本
豫算においてどう分れておるかと申しますと、第一項が此處に書いてありますように、調査及び指導費、第二項が、勞働保護官署費、第三項が、
産業安全研究所費、こういう三つに分れておるのであります。
その次は第十四部
行政共通費、この中の第一款が官廳營繕費にな
つております。その中で項が二つにな
つておりまして、第一項が新營費、第二項が補修費とな
つております。その次に第二款が諸支出金ということになりまして、この諸支出金の中味は、第一項諸支出金で一款一項にな
つております。
次に内容に入
つて御
説明申上げます。先ず二十二年度
豫算補正額の追加額でありますが、
行政部費で二千四萬五千圓ということにな
つております。その内容は後の方の部局別の方に詳しく出ておりますが、勞働本省の官房の經費、婦人少年局の經費、勞働統計調査局の經費、これがこの内容をなしておるわけであります。これが新らしく殖える經費であります。
それから
厚生省の方から移る經費がその次に出ております。これから少しく横に話を進めたいと思いますが、横に行きますと、
行政部費の第二欄の増加額が二千八百一萬九千圓、これは下に下がりますと「勞働本省」の行にやはり二千八百一萬九千圓という數字が載
つております。これは現在
厚生省の中にあります勞政局、
勞働基準局、勤勞局が勞働本省に移ります。その
關係で移
つて來る經費であります。これに見合うものといたしまして、その次の欄に減少額が出て來ます。減少額は金額が二千九百十六萬圓で、ちよつとその數字を下へお下がりになりますと、厚生本省の行に二千九百十三萬圓というのが上
つております。厚生本省から二千九百十三萬圓落つこちて勞働本省の方に二千八百一萬九千圓殖える、その途中で差額の百十一萬一千圓が減ります。移り變る際に
減つてしまうのであります。これは移り替りの際にいろいろ内容を調べて見ますと、少し話が詳しくなりますが、
厚生省の官房で今までよりも少し世帶が小さくなるから、それに應じて金が二萬七千圓減る。それから保險局におきましていろいろな社會保險
關係の全般の調査事務をや
つておりますが、今度勞働保險
關係は
勞働省でやるから参少保險局の負擔が減るというわけで、二萬九千圓ばかり落つこちるという金があります。その他勞政局
關係におきまして、移る際に三萬六千圓ばかり金が減る。これは勞政局の人が安本の機構擴充に伴
つてその方へ少し出て行きます。そんな經費であります。基準局におきまして九十二萬二千圓という金が落ちます。これは官制の公布が遲れまして要らなくな
つた關係であります。それから職業安定局の方で九萬七千圓というのが落ちます。これは安本にやはり安定局の人が少人數でありますが、出掛けて移
つて行
つた、その
關係で落ちる。こうい
つた細かい問題があるのであります。そういうものを合計いたしますと、百十一萬一千圓という金額が出て來るのであります。この百十一萬一千圓という金は増加額と減小額の差引額即ち四番目の欄の一番上に出ております。
その次は社會及び勞働施設費という所でありますが、この中の勞働保護
行政費が新らしく殖えるものといたしまして、追加額千二百二十一萬四千圓が出ております。その内譯は、調査及び指導の經費が八百十七萬八千圓殖えておる。それから第二番目に、勞働保護官署の經費が新らしく四百三萬三千圓殖えるということにな
つております。それでこの調査及び指導の經費八百十七萬八千圓というものが一體何處へ行くことになるかという問題になりますが、これは婦人少年局と、勞働統計調査局及び勞働保護官署において、調査及び指導の
仕事が新らしく始められます。その
關係の經費でございます。それから第二項の勞働保護官署の四百三萬三千圓というのは、これは勞働保護官署、即ち地方の
勞働基準局及び監督署におきまして、新らたに勞働保護
關係の調査統計をやるという
關係の機構整備のための規準的經費が殖えておるわけであります。
次に勞働保護
行政費の
關係では修正による増加額がございません。ただ修正によ
つて落ちる金額がございます。その落ちる金額は總額で千二百四十八萬圓でございます。その内譯を申しますと、調査及指導費の百三萬二千圓と勞働保護官署の一千百四十四萬八千圓であります。前の調査及指導費の百三萬二千圓というのは、これは
仕事を大體止める方の
關係で、不用になるので落すことにした金でございます。基準局の
關係の金であります、これは後で部局別の所でもう一度觸れることにいたします。その次の千百四十四萬八千圓というのは、地方
勞働基準局及び監督署内の設置が遲れましたため要らなくな
つた金だけを全部落したものであります。
その次に第十四部の
行政共通費に移ります。この追加額でありますが、新らしく殖える額が千七百七十四萬四千圓ということにな
つております。その内譯を申しますと、第一には官廳營繕費、これは今度
勞働省ができますにつきまして、いろいろな營繕となさる
關係の經費で六百萬圓、その中で新らしく家を建てられる
關係の金、或いは新らしく家を買われる
關係の經費が三百五十萬圓、既存の建物に手を入れられるという金が二百五十萬圓ということにな
つております。
その次に諸支出金の一千百七十四萬四千圓というのがあります。これは今度新らしく
勞働省のできるについて殖えた人の待遇改善費等がこれに入
つておるのであります。
それから次の欄でございますが、増加額と減少額であります。これは兩方共同じ金額でありまして、
厚生省から
勞働省に移
つた人の家族手當、その他細々した種類の金でございます。又後で詳しく申上げますが、その金が同じ金額だけ
勞働省に移
つて來るというわけであります。
以上で大體この目的別區分による歳出の内容の概略を御
説明申上げましたのでございます。まだ十分お分りにな
つたことは申上げられないと思いますが、尚後引續いて部局別の御
説明を申上げますと、尚幾分お分りにな
つて頂けるかと思いますのでこの程度にいたしまして、次に部局別に移ります。
先ず甲第二號でございますが、歳入の點につきましては大藏省主管であるということは改めて申上げるまでもございません。別に大して御
説明の必要はないかと思います。
それから甲第二號歳出即ち部局別歳出の内譯であります。これが
厚生省所管別に出ておりますが、第一番に厚生大臣官房、この厚生大臣官房については「
勞働省設置に伴
つて、既定經費の一部が不用となるため二萬七千圓を減少して既定
豫算を次の科目區分に從
つて修正する」と書いてあります。これは先程ちよつと觸れましたが、
厚生省自體の世帶が少し小さくなりますので、從
つて厚生大臣官房の金も幾分少くなる、こういうわけで、氣は心というわけで、少しばかり人を減らしております。傭人……極く下の方の人でありますが、人を幾分減らしておるというためにこれだけの金が要らなくな
つたというのであります。これは
行政部費の厚生本省の款の厚生本省の項から二萬七千圓だけ落すという
意味であります。
それからその次は「
厚生省勞政局」の
豫算であります。これは此處に「
厚生省勞政局においては、勞働組合に關する事務、勞働
關係調整に關する事務等を、
勞働省勞政局へ移管する等に伴
つて、既定
豫算の一部が不用となるため千四百三萬二千圓を減少するので、既定
豫算を、次の科目に從
つて、修正する」と書いてあります。要するにこれは修正による減少であります。即ちこれだけの經費を
厚生省勞政局から落しまして、
勞働省の勞政局に入れるその
關係の減少であります。お斷りして置きますが、この千四百三萬二千圓そのままの金額が一厘も變らないで
勞働省勞政局に入るのではなくて、これからほんの少しでありますが、
減つて向うに移
つて参ります。それは先程すでに詳しく申しましたけれども、僅か三萬六千圓ばかりの金が
減つて、
勞働省勞政局の上に移
つて行く、その減る金は勞政局の人が數人安本に移りましたので、その金を減らして行き、殘
つた部分が新らしい
勞働省勞政局に行く、こういうことであります。その金は
行政部費の厚生本省の金がこう落ちるということにな
つております。
それからその次が
厚生省の勤勞局であります。「
厚生省勤勞局においては、勞務の需給に關する事務、復員等に伴う職業對策に關する事務、職業紹介に關する事率、職業指導及び職業訓練に關する事務を、
勞働省職業安定局に移管する等に伴
つて、既定
豫算の一部が不用となるたの千百三十一萬六千圓を減少するので、既定
豫算を、次の科目區分に從
つて、修正する」と書いてあります。下の方はテクニカルの問題でありますから略します。これは職業安定局へ千百三十一萬六千圓の金が殆ど全部移ります。それがために
厚生省勤勞局の方からこれだけ落ちるのであります。
その次が
厚生省保險局であります。「
厚生省保險局においては、社會保險の調査企畫に關する事務の、計畫を變更するに伴
つて、既定
豫算の一部が不用となるため二萬九千圓を減少して云云」、こういうことになりますが、これは先程ちよつと申しましたけれども、保險局で社會保險一般のことと調査研究企畫しておる、その中には當然失藥保險も入
つております。ところが、今度、失業保險の問題は
勞働省へ移
つて、
勞働省でおやりになる。從
つて保險局ではその部分だけは要らなくなる、これを金額的に外すのは非常にむづかしいのでありますが、先ず少しの金額ではございまするけれども、人を數人落して、その經費を節約したのであります。それが二萬九千圓というふうになるのであります。尚御承知と思いますが、
厚生省の保險局というものは、やはりそのまま
厚生省に今後も引續いて存在をするのであります。
それからその次は
厚生省勞働基準局であります。これは「
厚生省勞働基準局においては、(1)勞働保護に關する事務を、
勞働省勞働基準局へ移管する等に伴
つて、既定
豫算の一部が不用となるため三百七十二萬六千圓、(2)勞働保護のため、
賃金その他を調査及び指導する事務の、計畫が變更するに伴
つて、既定
豫算の一部を不用となるため、百三萬三千圓、計四百七十五萬八千圓を減少するので既定
豫算を、次の科目區分に從
つて修正する」ということで中が二つに分れております。これは後の方の表を御覽になると分るように、
行政部費と社會及び勞働施設費の二つに分れておるのでありまして、それと對照して
説明の方も二つにはつきり區分をしておるのであります。初めの方の
説明は、これは要するに
勞働省勞働基準局へこの
厚生省勞働基準局の
仕事が移るから、それがためにこちらは減するのだというのであります。二番目の方は、勞働保護のためのこういういろいろな調査及び指導に關する
仕事があるのでありますが、それが要らなくな
つた、この
仕事の要らなくな
つたという理由は、今度新らしく統計調査局ができますので、その方で
仕事を取扱うというような
關係もありまして、こちらは要らなくな
つたので、統計事務に關する經費を百萬圓ぐらい落すということであります。これは落しつ放しになるのでありまして、移るわけではないのでございます。
その次が勞働保護官署でありますが、勞働保護官署は
勞働基準法を施行するための官署であります。この「勞働保護官署においては、勞働保護に關する事務の、計畫を變更するに伴
つて、既定
豫算の一部が不用となるため、千百四十四萬八千圓を減少し」云云と書いてあります。これは不用となるために減少するのであります。これは減りつ放しでありまして、移すのではありません。これは言葉はちよつとぼやかしてありますが、要するに官制の公布が遲れて、地方の
勞働基準局や監督署の設立が遲れたために、これだけの金が要らなくな
つた、だからこの際落すのだ、こういう性質のものでございます。
それからその次は
行政共通費でございます。これは「
厚生省所管の
行政共通費においては、家族手當、退官退職手當等を
勞働省所管の
行政共通費へ移管するに伴
つて、既定
豫算の一部が不用となる爲三千百三十三萬九千圓を減少する」云々と書いてある。要するにこういう家族手當とか、退官退職手當というものは、一括して
行政共通費の諸支出金の中に入
つておるのであります。今後は相當の人が
厚生省から
勞働省に分れて行くのでありますが、その人たちの分に對しては、これを分けなければならんので、それだけ外して、それを
勞働省の方に移す、こういうのでございます。全然同じ金額だけ
勞働省に移ります。
その次が新らしくできる
勞働省所管であります。先ず初めにございますのは、勞働大臣官房であります。「勞働大臣官房においては、各省官制通則に定めた事務の外、
勞働省所管
行政に關する總合計畫の設定、其の他重要行策の總合調整に關する事務等を處理するため、八百八十九萬五千圓を、次の料目區分に從
つて、支出することができる」これは全く新らしく金が要るのでありまして、八百八十九萬圓だけは新規に増加する金でございます。
それからその次は
勞働省勞政局であります。「
勞働省勞政局においては、勞働組合に關する事務、勞働
關係調整に關する事務等を、
厚生省勞政局から移管するため、千三百九十九萬六千圓を修正増加して、次の科目區分に從
つて」云々、こう書いてあります。これははつきり出ておるように、
厚生省勞政局から移管して、これだけこちらへ金ができる、
勞働省勞政局の金ができるという修正増加のものであります。
その次の
勞働省勞働基準局でありますが、これは「
勞働省勞働基準局においては、勞働保護に關する事務を、
厚生省勞働基準局から移管するため、二百八十萬四千圓を修正増加して」云云、これも修正増加の金でございます。
その次は
勞働省婦人少年局、新らしく設けられる局でありますが、「
勞働省婦人少年局においては」、「(1)婦人少年勞働保護に關する事務を處理するため五百五十六萬三千圓、「(2)婦人少年勞働保護に關する調査及び指導を實施するため二百四十五萬二千圓、計八百一萬五千圓」という金が新らしく盛られている、こういうことでございます。この區分はこの表に出ているように分れております。
それからその次が、
勞働省職業安定局であります。「
勞働省職業安定局においては、勞務の需要に關する事務、復員等に伴う職業對策に關する事務、職業紹介に關する事務、職業指導及び職業訓練に關する事業を、
厚生省勤勞局から移管するため、千百二十一萬九千圓を修正増加して」云々と書いてあります。これもやはり
厚生省勤勞當局から
仕事が職業安定局に移
つて來るのであります。
その次は、
勞働省勞働統計調査局、これも新らしくできる局でありますが、「
勞働省勞働統計調査局においては、(1)勞働統計に關する事務を處理するため、五百五十八萬七千圓」が新らしくできるものであります。「(2)、勞働統計に關する調査及び指導を實施するため四百五十七萬八千圓」、これも新らしくできる、計千十六萬五千圓が殖える、こういうことでございます。後は省略いたします。
それからその次は勞働保護官署であります。「勞働保護官署においては、勞働統計に關する事務を處理するため四百三萬三千圓」、それから「勞働統計に關する調査及び指導を實施するために百十四萬八千圓」、兩方合せまして五百十八萬一千圓という金を新らしく殖やしまして、それを左の區分によ
つて支出するということにな
つております。
最後は
行政共通費でありまして、
勞働省所管における
行政共通費としまして、「(1)官舎の買收及び廳舎の補修等のために」、これが先程出ておりました六百萬圓であります。これは官舎の買收及び廳舎の補修のために新らたに六百萬圓を追加するものであります。それから二番目といたしまして、諸支出金において、中が分れて、(1)、新規増加人員に伴う
給與特別措置費等のために千百七十四萬四千圓を追加する」、これは
勞働省ができますために、私の記憶では二千數百人増加する。その人のための
給與特別措置、これは千八百圓ベースに持
つて來る方の
關係の經費であります。私先日の
説明において
勞働省關係の
給與は千八百圓ベースで組んでおると申上げましたが、ちよつと言葉が足りませんでしたので、申添えて置きますが、
勞働省設置に伴
つて新らしく殖える人はみな千八百圓ベースで組んでございます。ところが、
厚生省から移
つて來る者は千八百圓ベースではない、これは本
豫算に組んでいる數字をそのまま持
つて來ておる、本
豫算は千百圓ベースで組んであります。從
つて新らしく殖える人は千八百圓ベースでありますが、前からの人は千百圓ベースにな
つておりますので、これに對しましては、やはり
豫算が必要にな
つて參りまして、それは今後「補正第二號」として出ます追加
豫算においてその金額が計上されるということになるわけであります。それから(ロ)、は「家族手當、退官退職手當等を
厚生省所管の
行政共通費から移管するため、三千百三十三萬九千圓を修正増加する」、これは移し替えの増加の分でありまして、全然同額であります。その内譯は表に出ております。こういうことにな
つております。
大體
豫算の内容は
只今申しましたようなことによ
つてお分りにな
つたと思います。
尚この前私の御
説明申上げた際に、この補正
豫算に載
つておるものの外に、すでに本
豫算において認められておるもので、この
議會の議決を經ないで移し替えて使えるものが別に二億六千六百萬圓あるということを申上げました。それはどういう經費であるか、その經費の表を今日刷らしてお
つたのですが、間に合わないのでお手許に差上げられないのですが、今刷
つておりますから、でき次第お手許にお届け申上げたいと思いますが、口頭で以てそれを申上げますと、「
昭和二十二年度一般會計
豫算」(本
豫算)を持
つていらつしやる方もありますので、それを參照しながらあらまし申上げる方が便宜と思いますが、社會及び勞働施設費の分で、その
豫算書で行きますと二十頁であります。そこの第八の社會及び勞働施設費というところでございます。その中の第四の勞働
行政費の款であります。その中の項が三つに分れておりますが、第一項が調査及指導費、第二項が地方勞働
行政負擔金、第三項が勞働
委員會費、その經費が殆ど全部、丸々
勞働省へ移
つて參ります。
この勞働
行政費の數字を申上げますと、最初に調整及び指導費として四百七萬六千圓というのがあります。次に地方勞働
行政負擔金というものが、これは勞政
關係の事務を地方でやらせる場合に、その二分の一を國庫が負擔するということにな
つております。その二分の一國庫負擔の金が地方勞働
行政負擔金という名前で擧
つておるのでありまして、その金額が二千八百七十三萬三千圓ということにな
つております。次に勞働
委員會費というのがありますが、これは本
豫算におきましては六百七十六萬二千圓ということにな
つております。この勞働
委員會の經費は、
厚生省關係ばかではなしに、他に船員の
關係があります。この船員
關係の勞働
委員會經費は運輸省の所管にな
つております。この六百七十六萬二千圓の經費の中で、
厚生省の
關係は五百九十九萬六千圓でありまして、その金が全部今度
勞働省に移るということにな
つております。その次に勤勞局の
關係で、やはり社會及び勞働施設費の中で就業施設費というのがございます。これは第六の款でありますが、二十一頁就業施設費というのがございます。その中に細かい項になるのでありますが就業奬勵費というのがあります。これが五百四十五萬圓、それから職業補導費三百八十六萬九千圓、その合計が丸々移るのであります。それから次に勞働
行政費の中に調査及び指導費四百九十八萬七千圓というのがございますが、やはりそれが全部
勞働省に移ります。
それから
産業安全研究所の經費、これが全部
勞働省の方に移
つて參ります、それから勞働保護官署の經費、これは地方の
勞働基準局及び監督署の經費、この
關係の經費が全部移
つて參ります。但しこの中には先程から申しますように、官制公布が遲れまして、設立が遲れたために、要らなくな
つた金が差引かれてあります。つまりその殘りが移るということになります。それが七千八百六十九萬三千圓で、
勞働省に移
つて參ります。それから職業紹介所の
關係、これは就業施設費の中の職家官署という款があるのですが、これが一億三千三百八十一萬三千圓、これは職業紹介時、今職業安定所と云
つておりますが、この經費が丸々
厚生省から移
つて來る。こういうようなものがありまして、全部合計いたしますと二億六千六百二十一萬二千圓という金が、
厚生省豫算からこの
議會の議決を俟たないで當然
勞働省へ移
つて來るということになるのであります。
然らば
勞働省全體として、どれだけ使う金があるかと申しますと、先程申上げました通り、全く新らしく追加された金五千萬圓、それから修正増加いたしました金が五千九百三十五萬八千圓、それに
只今申上げました
議會の議決を經ずして使える金、二億六千六百二十一萬二千圓、それを合計いたしますと、三億七千五百五十七萬七千圓、それが
勞働省として使える金、こういうことに申上げ得ると思います。大體この程度で、尚お御質問によりまして、更に詳しくお答えいたしたいと思います。