○伊藤保平君
只今議題と相成りました
請願及び
陳情に関しまして御
報告申上げます。会計検査人法
制定に関する
請願、経理士法は
昭和二年
実施後二十年を経ておりまして、計理士の数は二万を超え、その間税務代理法の
制定がありましたが、同法はなきに等しき状態にな
つておるので、むしろこれを廃止して、検査経理士
法案等の国際的水準による会計検査人法を
制定することが必要であるとの趣旨であるのであります。
政府におきましても、これと同じような考慮をいたしておるという趣きであるようであります。
次に、
自給製塩制度存続に関する
請願、
製塩事業保持対策樹立に関する
陳情、
自給製塩制度存続に関する
陳情、
天日製塩実施に関する
陳情、
自給製塩制度存続に関する
陳情、右の中、
請願の第二百十九号、
陳情第四百二十九号、同じく四百九十二号は、いずれも同一趣旨でありまして、終戰前後から塩の輸入困難な時期に、
政府の奬励により
発達いたしました自給製塩
制度が、今年七月閣議決定によりまして廃止を見ることとなり、補助金は打切られ、石炭電力の供給も杜絶している。現在の輸入状況は尚不安定であり、国際政情、船復不足、外貨入手等に左右流れ、国内生産もはかばかしくない。而も自給製塩の生産が、
事業生産製塩よりもその生産量が多い状態であり、燃料といたしましてもおが屑等の代用燃料利用の途がありまするから、当分の内本
制度を存続せしめられたいとの趣旨であります。次に、
天日製塩実施に関する
陳情を合せまして、いずれも現在の食糧事情の下におきまする製塩
制度全般について、速かに確乎たる
対策を樹立せられたいという趣旨なのであります。
次に、
物品税免税点の
引上げ等に関する
陳情、これは福島縣から出ているのでありますが、漆器は原料難、運賃営務高によりまして、相当高値に販売しなければ収支償わん状態にあり、これに対する物品税五割課税は非常に過重なものである。若松市内漆器業者一千五百余戸の生計は危機に瀕しているから、免税点を三百円程度に引上げ、税率を二割程度引下げられたいとの趣旨であります。
次に、
生業資金貸付に関する
請願、生業資金の貸付は、資金難のため昨年末以来殆んど全国的に申込の受付を中止いたいしております。且つ目標額二十一、二十二年度分合計十六億六千万円、対象人員三十三万乃至五十五万名に対し、引揚者はすでに百二十万世帯であり、その六七割が需要者である。需要者五十一万世帯を、一口五千円とし、二十五億円要するのであります。よ
つて本年度貸付目標六億六千万円の緊急放出をする上に、未借入者に対し暫定的に二十五億円の追加放出をし、一口の額を五千円の三倍程度に引上げられたいとするところの要望であります。
次に、庶民金融機構の
確立に関する
請願、
庶民銀行設立促進に関する
陳情、右二件は同一趣旨でありまして、資本金十億円、全額
政府出資の特別法人たる庶民中央銀行を設立し、市街地信用組合、無社会社、質屋をその下部機関として、経営の
民主化を図るため
運営委員会を設け、預金貸付、有価証券の引受、債権発行を行い、引揚者、復員者、中小商工業者に対し生業資金を供給し、中小業の振興を図られたいとの趣旨であります。
次に、物納せる
耕地の
公租公課に関する
請願、財務税のために所有
耕地を物納した者に対し、登記が未だ終了しておりませんために、
公租公課を依然として課せられているが、これら税金の納入は全く困難で、仮に小作料を徴収したとしても、その負担に堪え得られないから、納税義務の完遂ができないので、小作料を引上げるとか、その他の方法を考慮せられたいとの趣旨であります。
次に、
中古衣類の
公定價格を廃止することに関する
請願、尚これに関連いたしました
陳情が二件出ているのであります。この
中古衣類に対する
現行公定価格
制度は、供給者でありますところのものは、これはいわゆる筍
生活をしているのでありまして、それがために非常に
生活が苦しい。だが業者の方は闇値で儲けている。又
中古衣類の品質上から申しましても公定価格の
制度は不可能で、マル公が地区別に違
つているために、自然高價な地域の方へ流れて行く等の欠陥があるので、これを廃止されたいという趣旨であるのであります。
次に、
企業再建整備法並びにこれに伴う諸施策に関する
請願、
企業再建整備法の改正に関する
陳情、平和的民主的経済態勢を作り上げるための
企業整備諸施策及び
企業再建整備法は、その
制定の趣旨に反し、闇とインフレによ
つて生産の停滯、
整備資材の隠退藏、中小企業の圧迫等となり、国民
生活は破壊せられ、労働者は働こうとしても働けず、経営は正当な生産を以て成立たない状況にあるから、全人民の
生活安定と完全就業、あらゆる生産
施設と
資材の全面的な活用によ
つて、経済復興を実現せられたいとの趣旨であるのであります。
次に、物價引下運動促進に関する
陳情、物價
対策として統制を最小限度の主要物價だけに止め、緊要なる生産に対し
資材及び資金を確保し、一方行政の能率を高め、官営
事業の値下げを断行せられたいとの趣旨であります。
次に、慈善団体のため
臨時資金調整法、
相続税法等を改正することに関する
請願、私設社会
事業団体は戰前の六千七百余から戰後三千五十に激減し、その多くは戰災を受け、国庫補助も今日では受けられないことにな
つているので、この窮状打開のために社会
事業共同募金中央
委員会を設けたが、本募金運動のため
委員会が免税興行の主催、又富籤の発行をなし得るようにせられたい。又個人法人が本
委員会に寄附する際には免税できるように
関係法規を改正せられたいとの趣旨であります。
次に、
竹材加工業に関する
陳情、これは
島根縣から出ておるのであります。竹材は国内特有の資源で無盡藏であり、木材の不足を補う等の長所があり、建築
資材として
重要性を加えておる、
陳情者の
島根縣における工場におきましては、すでに竹材による天井板、壁板、屋根瓦等を
製造しておるが、官廰の面では今日竹材工業の金融は丙の部とな
つてお
つて融資が認められないから、本工業の
重要性を考慮せられて、融資を十分に認められたい。こういう趣旨であります。
以上の
請願並びに
陳情につきましては、いずれも妥当なりと認めまして、
委員会はこれを採択いたしまして、
政府に送付すべきものと可決いたしたのであります。以上御
報告申上げます。(
拍手)