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1947-07-25 第1回国会 参議院 本会議 第16号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十二年七月二十五日(金曜日) 午前十時二十七分
開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程
第十五号
昭和
二十二年七月二十五日 午前十時
開議
第一
國会法
第三十九條第二項の
規定
による
國会
の
議決
に関する件(一、
新聞及出版用紙割当委員会委員
二、
中央農地委員会委員
) 第二
参議院事務局職員
の
定員
に関する件 第三
海運組合法
を
廃止
する
法律案
(
内閣提出
)(
委員長報告
) 第四
財産税等収入金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)(
委員長報告
) 第五
造幣局特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)(
委員長報告
) ━━━━━━━━━━━━━
松平恒雄
1
○
議長
(
松平恒雄
君) 諸般の
報告
は御
異議
がなければ
朗読
を省略いたします。
—————
・
—————
松平恒雄
2
○
議長
(
松平恒雄
君) これより本日の
会議
を開きます。
水久保甚作君
より
病氣
につき二十九日間、
仲子隆
君より
服忌
のため十日間請暇の申出がございました。
許可
をいたして御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
3
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないと認めます。
—————
・
—————
松平恒雄
4
○
議長
(
松平恒雄
君) 昨二十四日
運輸
及び
交通委員玉屋喜章
君より
理由
を附して
委員辞任
の申出がございました。
許可
することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
5
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないと認めます。つきましてはその補欠として
大隅憲二
君を指名いたします。
—————
・
—————
松平恒雄
6
○
議長
(
松平恒雄
君) これより本日の
議事日程
に移ります。
日程
第一、
國会法
第三十九條第二項の
規定
による
國会
の
議決
に関する件、先ずお諮りいたしますことは、
新聞
及び
出版用紙割当委員会
の
委員
に本
院議員赤松常子
君、同
赤木正雄
君、同
河崎ナツ
君を充てる件でございます。念のために申上げますが、
議長
は
本件
を予め
議院運営委員会
に付議いたしましたところ、同
委員会
におきましては、以上の三名が
委員
に就くことに
異議
ない旨の
決定
がございました。
内閣総理大臣
の申出にかかる
本件
を容れることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
7
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないと認めます。 次に
中央農地委員会
の
委員
に
國会議員
を充てる件でございます。
本件
につきましては
議院運営委員会
は
異議
がない旨の
決定
をいたしました。
内閣総理大臣
の申出にかかる
本件
を容れることにご
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
8
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないと認めます。
—————
・
—————
松平恒雄
9
○
議長
(
松平恒雄
君)
日程
第二、
参議院事務局職員
の
定員
に関する件、
本件
につきましては、
議長
は
参議院事務局職員定員規程案
を起草いたしまして予め
議院運営委員会
に付議しましたところ、
異議
ない旨の
決定
がございました。これより
規程案
を
参事
をして
朗読
いたさせます。 〔
宮坂参事朗読
〕
参議院事務局職員定員規程案
第
一條
参議院事務局職員
の
定員
は、
事務総長
を除いては左の
通り
とする。 一
参事
專任
二十五人 二 副
参事
專任
二十七人 三
主事
專任
二百八十八人 四
常任委員会專門調査員
專任
四十人 五
常任委員会書記
專任
四十人 第二條 前條の
職員
の外、
臨時営繕
に関する
事務
に從事させるため副
参事專任三人
及び
主事專任八人
を置く。
附則
この
規程
は、
昭和
二十二年
法律
第八十三
号施行
の日から、これを適用する。 ———
—————
—————
松平恒雄
10
○
議長
(
松平恒雄
君) 只今
朗読
いたしました
参議院事務局職員定員規程案
に同意の
諸君
の
起立
を請います。 〔
総員起立
〕
松平恒雄
11
○
議長
(
松平恒雄
君)
総員起立
と認めます。よ
つて規程案
は可決されました。
—————
・
—————
松平恒雄
12
○
議長
(
松平恒雄
君)
日程
第三、
海運組合法
を
廃止
する
法律案内閣提出
を
議題
といたします。先ず
委員長
より
委員会
の
経過
及び結果の
報告
を求ます。
運輸
及び
交通委員長板谷順助
君。(
拍手
) 〔
板谷順助
君
登壇
、
拍手
〕
板谷順助
13
○
板谷順助
君
只今議題
となりましたる
海運組合法
を
廃止
する
法律案
の
内容
並びに
経過
及びその結果を御
報告
申上げます。 本
法案
は七月の十一日に
運輸交通委員会
に付託をされたのでありまするが、二十四日慎重なるところの
審議
をいたしました。先ずその
法案
の
内容
について御
説明
申上げます。本
法案
は、
海運組合法
は
昭和
十四年四月に公布をされ、同年十二月に
施行
されたのでありまして、
海運事業
に関する
統制
を
目的
とする同業
組合
的な
特殊法人
たる
海運組合
の
組織
と
事業
について
規定
しているのであります。即ち同法によりますと、
組合
の
強制設立
、
組合
及び
アウトサイダー
の
組合統制
への
強制服從
、
組合
の
統制規定
の
設定等
についての
規定
が存するのでありまして、
組合
といたしましては
統制事業
として、具体的に申しますと、
輸送統制
のために船腹の
割当配船
又は貨物の
割当
、
燃料油
その他の
資材
の
割当配給
、その他の
事業
を行う権能を有するのであります。
海運組合
は一方におきましては勿論同
業者
の
福利施設
とか、
事業
に関する
調査研究
のような、
統制事業
以外の
事業
も行うのでありまするが、以上申述べましたるような
アウトサイダー
の
統制
とか、
運輸契約
の制限とか或いは
資材
の
割当等
の諸行為は、先般制定されました
私的独占禁止法
の趣旨から考えますと、適当ではないと考えられまするのでありまして、今回
私的独占禁止法
の
施行
を見るに際して、このような
團体
は
解散
させることといたしまして、
根拠法
たる
海運組合法
を
廃止
しようとする次第であります。 尚
海運組合法
を
廃止
しました後は、今まで
組合
において
運営
しておりました
輸送統制
や
資材
の
割当等
の
業務
は、
官廳
で民主的にこれを行うこととなるのでありまして、
事業者
の
團体
的の
組織
という点につきましては、同
業者
の
任意組合
を作り、
業界
の
意見
を取り纏め、
事業
に関する
調査研究等
の
事業
を行うということが適当であり、且つ必要であると存ずるのであります。これが
法案
の
内容
であります。 次いで
委員会
の
審議
の
経過
並びに結果について御
説明
申上げます。先ず
運輸大臣
より本
法案
の
提案理由
について詳細なる
説明
がありまして後
議事
に入りまして、
委員
と
政府
との間に熱心なる
質疑應答
が続けられたのであります。その概要を申上げます。
海運組合法廃止
の結果、
現行海運組合
が
解散
した後に、
政府
としては
組合組織
による同
業者
の
團体
を結成させるよう行政指導するとのことであるが、これらの
團体
は数をどの
程度
認めるものであるか、これらの
團体
は
根拠法規
により設立され、
從つて政府
の
認可
とか届出を要するものであるか、又その
組織
や
人事
には
政府
は
干渉
はしないものであるのかとの点について
質疑
がありました。これについて
政府委員
より、濫立に陥らない
程度
の数とし、概ね現在の
地区單位
に結成するよう特に
業界
と
十分懇談
を盡した上、勧奨して行きたい。又これらの新らしい
團体
は全然
法人格
のない單に民法上の
任意組合
に過ぎないものであるから、
認可
も届け出も必要としない。
從つて組織
や
人事
について何ら
干渉
の権限がないという
答弁
であ
つたの
であります。 次に
海運組合法
が
廃止
をされ、
現行海運組合
が
解散
と
なつ
た後は、
從來
これらの
組合
がいわゆる
統制團体
としての機能を営んでいたのであるが、今後は
資材
の
割当
や
輸送統制
は、一切これを
政府
が直接
実施
するということであるが、その際
從來
の
通り
、ややともすればいわゆる
官僚統制
の弊に陥る恐れがあるが、この点は特に注意して貰いたい、
資材
の
割当等
については不公正となるようなことはなく、
十分民間業者
の
意見
を尊重して
実施
して欲しいが、
政府
にその決意があるかという
質疑
があ
つたの
であります。これについて
政府委員
より、
物資不足
の急迫している現今の
経済情勢下
では、官による一時
的統制
を行うことは止むを得ないと思うのであるが、
統制実施
に当
つて
は、
十分民間業者
の
知識経驗
や
意見
を尊重して、実情に副うよう眞に民主的且つ公平に行う決心であるという
答弁
があ
つたの
であります。 又
政府
が直接
資材等
の
割当
や
配給
を行うときは、官民より成る
委員会
を設けて、
十分民間
の
意見
を反映させて民主的にこれを
決定
して行くような
制度
を考慮されたいという点についての
質疑
があ
つたの
でありますが、この点について
政府委員
より、機帆船の
燃料割当
や
輸送物資
の
割当等
については、
地区
毎に
輸送協議会
を設置して、
関係民間業者
及び
官廳
が
委員
とな
つて
運営
に当り、
輸送実績等
に
基ずい
て
資材
の
割当
を
決定
し、これを
実施
に移すことにしているという
答弁
があ
つたの
であります。以上の外、新たに結成する
任意組合
の加入の自由と
門戸開放
、今回
解散
することになる
現行海運組合
の名称と数、その他について熱心なる
質疑
がありましたが、詳細はどうか
速記録
によ
つて
御
承知
願いたいと思います。 以上を以て
質疑
を終りまして
討論
に入りましたが、別に
討論
もなく直ちに
採決
に入り、大多数を以て
本案
を可決いたした次第であります。以上
簡單
ながら御告報申上げます。(
拍手
)
松平恒雄
14
○
議長
(
松平恒雄
君) 別に御
発言
もなければ、これより
本案
の
採決
をいたします。
委員長
の
報告
は
可決報告
でございます。
本案
全部を問題に供します。
本案
に賛成の
諸君
の
起立
を請います。 〔
総員起立
〕
松平恒雄
15
○
議長
(
松平恒雄
君)
総員起立
と認めます。よ
つて本案
は
全会一致
を以て可決せられました。
—————
・
—————
松平恒雄
16
○
議長
(
松平恒雄
君)
日程
第四、
財産税等収入金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
、
日程
第五、
造幣局特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
、
内閣提出
、
衆議院送付
、以上両案を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
松平恒雄
17
○
議長
(
松平恒雄
君) 御
異議
ないと認めます。両案を一括して
議題
といたします。先ず
委員長
より
委員会
の
経過
及び結果の
報告
を求めます。
財政
及び
金融委員長黒田英雄
君。 〔
黒田英雄
君
登壇
、
拍手
〕
黒田英雄
18
○
黒田英雄
君
只今議題
に相成りました
財産税等収入金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案並び
に
造幣局特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
の、この両案につきまして、
委員会
におきまする
審議経過
並びに結果を御
報告
いたしたいと存じます。 先ず最初に
財産税等収入金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
について御
説明
を申上げます。本
法律案
は
内閣提出
にかかるものでありまして、
委員会
におきましては先ず
政府
の
提案
の
理由
の
説明
、並びに
内容
の
説明
を聽きまてし
審議
をいたしたのであります。その
内容
につきまして
簡單
に御
報告
を申上げます。ご
承知
の
通り
この
法律案
は、
財産税法
並びに
戰時補償特別措置法
に基ずきまして、國が収納いたしまするところの
収入金
、その他
財産
を
一般
の
歳入歳出
と区別いたしまして、特別の
会計
を作るために設けられているのでありまして、その
会計
に入りますところの
現金
は、これを直ちに
一般会計
に繰入れまして
一般会計
の
歳入
にいたすのであります。
國債
につきましては、これを直ちに償却いたしまして、それだけは
國債整理基金
に
一般会計
から繰入れたことに相成
つて
おるのであります。 尚
物納等
につきましては、これを
見返り
といたしましてその七割五分の範囲内において、
公債
又は
借入金
をいたしまして、これを
一般会計
に繰入れるということに相成
つて
おるのであります。
昭和
二十一
年度
におきましては、この
特別会計
より
一般会計
に繰入れまする
予算額
は三百十億九千七百万円と相成
つて
おるのであります。その中
現金
で入りまするものが、百二十四億一千万円、又先程申上げました
見返り
にして
公債
、
借入金
をいたして繰入れまするものが、百八十六億八千七百万円に相成
つて
おるのであります。然るに二十一
年度
の
財政
上の
実績
を見ますと、
歳入
におきまして
租税
の
収入
は約三十二億八千八百余万円の増収に相成
つて
おるのでありまするが、
租税外
の
収入
におきまして二十五億円の減収に相成
つて
おるのであります。その他
歳出
の
不用額
が十八億円あるのでありまして、差引二十五億八千八百万円というものが
歳入
の増に相成るのであります。從いましてこの
特別会計
から繰入れますところの三百十億九千七百万円というものはそれだけ減少してもよいという状態にな
つて
おるのであります。そうして一方この
特別会計
の
状況
を見ますと、
現金
の
収入
は、
予算
におきましては百二十四億一千万円と見積られてお
つたの
でありますが、これが増加いたしまして、約三十八億三千九百万円という増加を來たしておるのであります。從いまして
見返り
として
公債
、
借入金
をいたしまして
一般会計
に繰入れまするものは、それだけ減少してもよろしいのであります。
予定
の百八十六億七千万円に対しましては六十四億二千七百万円だけは減少してもよいのであります。併しながらどうしても百二十二億六千万円というものは、これから繰入れませんと二十一
年度
の
決算
ができないことに相成るのであります。御
承知
の
通り
、
決算
は本月の末日を以て完結いたさなくてはならんことに相成
つて
おるのでありますが、この繰入れをいたさんければ
決算
の
結了
はできないという
状況
に相成
つて
おるのであります。然るに
財産税
の
物納
、
延納等
につきましては非常にその
手続き
が遅れまして、
予定
のごとくこの
特別会計
の
資産
とな
つて
‥‥
現行
の
規定
においてそれを
見返り
といたしまして七割五分の
公債
を
発行
し得る
限度
となります
資産
というものは、
予定通り
入
つて
参らないのであります。從いまして
現行
の
規定
だけによりましては、この百二十二億六千万円という
公債
を
発行
することができないのであります。そこでこの
改正法律案
によりまして、
現行法
によりまして
見返り
になり得る
資産
の外に、
物納
、
延納等
の
申請
をしておりますが、その
申請額
をも
見返り
といたしまして、これの七割五分までの
公債
を
発行
して
一般会計
に繰入れて、そうして二十一
年度
の
決算
を完結いたしたいというのが、この
法案
を提出された
理由
であるのであります。さような次第でありまして、
法案
におきましては、これは最も主要な
目的
であるのでありまするが、
附則
の
改正
に相成
つて
おるのであります。ただ二十一
年度
の
措置
だけでありまするから
附則
に
規定
をされまして、
附則
において只今申上げたようなことを
規定
し、三項に相成
つて
おりまするが、それらを
見返り
として出しておりまするものが或いは
現金
で
償還
を受けるとか、
現金
で入るとか、
延納
の
許可
を取消して
現金
の
納付
をいたしたとかいうような場合には、これを
公債
の
償還金
に当てまして、常に七割五分の
限度
を
公債
が超過しないように調節するために、二項、三項等が設けられておるのであります。 尚その他に
農地証券
を
物納
に当て得るように
規定
を
改正
をいたしておるのであります。
農地証券
を
物納
に当てまするのは、
財産税法等
によりまして不動産を‥‥田畑を
物納
いたすことに
申請
しておりました者が、その税務署の手続が遅れまして、その間にこれが
買収
をされまして、この代りに
農地証券
を交付されました場合におきましては、
物納
をいたすべく
予定
をしておりましたところの
財産
がないために他の
財産
を以て
納付
することが、他の
物納
をいたしました者との権衡上これは酷に相成ることに相成るのであります。ただ單に
手続き
が遅れた、
納付
の先に
買収
が行われた結果として現れたのでありまするから、これはやはりその
予定
したところの
物納
の
財産
に対する
農地証券
はこれを
物納
に当て得るという
規定
を設けまして、不均衡のないようにいたすことにいたしたのであります。ただ
農地証券
はその
性質
は
國債
であるのでありまするから、普通の
國債
と同一に取扱われましては直ちにこれを償却しなければならんことに相成るのであります。それでは
農地証券
の
物納目的
を達しないのでありますから、この
会計法
にいう
國債
にはこれは含まないということに
規定
をいたしておるのであります。それが第
一條
の二項中の
改正等
であるのであります。 尚その外に
改正
が一二あ
つたの
であります。それは
一つ
は、
現行法
において
不備
であつたものをこの機会に直しておるのでありまする。それは「
処分
に因る
収入金
」、
証券等
の
物納
があつたものを
処分
による
収入金
というのは、
処分
ばかりではなく、
償還金等
がありました場合にもこれを
収入
とするというこたとにいしたのと、それから「
譲受財産
の
処分
に因る
収入金
」とありまするが、これは
譲受財産
が
償還
をされた場合におきまして、これをやはり
収入金
に当てるというような
規定
の
改正
を同時にいたしたのであります。これは
現行法
の
不備
であつたものであるのであります。 それからもう
一つ
はこれは單に文句の
改正
でありまして、
財政法
、
会計法等
の
改正
に伴いまして
改正
をいたす。即ち
帝國議会
に提出するというようなものを
國会
に提出するとかいうように直したのであります。これが大体
法案
の
内容
であるのでありまして、これにつきまして
委員会
におきましては熱心なる
質疑
が行われたのであります。その内二三のものを御紹介申上げたいと思うのであります。 この
申請額
を
見返り
として
公債
を
発行
するというのであるが、
申請額
はまだ
政府
が収納しておるものではない。いわゆる取らぬ狸の皮算用に終るようなことがありはしないかというような御
質問
に対しまして、
政府
は、この
申請額
は
納税者
みずから
申請
した額であ
つて
、どちらかといえば内輪のものである。
從つて
これに対する七割五分の
公債
の
発行
は決して不安はないというような
答弁
であ
つたの
であります。 それから又
公債
はどういう方法で
発行
するかということに対しましては、日本銀行からの借入れによることに相成るということであ
つたの
でありますが、然らばその利率はいかんということにつきまして、
政府
は、これは今回
國債
の
利廻り
は
改正
されることに相成
つて
おるようでありまするが、併し本法によりまするものは二十一
年度
の分でありまして、これには今回のものは適用はなく、やはり三分五厘、即ち
利廻り
が三分六厘五毛の
利廻り
になる
國債
を
発行
する
積り
であるということであ
つたの
であります。 そこで又
質問
があ
つたの
でありまするが、然らば
延納
の場合におきまして、
政府
は一割の
利息
を取
つて
おるのではないか。
延納者
から一割の
利息
を取
つて
、その
延納額
を更に
見返り
として
公債
で借入れるのは三分六厘五毛の金を借りる。然らばその
利鞘
はどうなるのかということでありましたが、その
利鞘
は勿論この
特別会計
の
収入
に相成るのであります。然らば
政府
は、この
延納
をいたすようなことはこれは非常に
納税
上困
つて
おる場合に
延納
を申出るのであるに拘わらず、これによ
つて利鞘
を稼ぐということは不都合ではないかというようなお尋ねもあ
つたの
でありまするが、これは大体
利子
という観念ではなくして、
加算税
の
性質
と考えておるのであります。成るべく
延納
は許したくない。成るべく早く収めて貰いたいというような意味から、これは
加算税
の
性質
を持
つて
おるのであるというふうな
答弁
であ
つたの
であります。 尚これらの繰入れのために
公債発行
の
限度
を拡張するというようなことでありまするが、大体
政府
はこの
経費
の
節約
について十分に努力しておらんではないか。人員は殖えるような傾きもあるし、
追加予算
は提出される。
國民
は耐乏の生活をいたしておるに拘わらず、
政府
がその
経費
の
節約
に努めないことは怪しからんではないかというふうな詰問的の御
質問
もあ
つたの
でありまするが、
政府
はインフレの防止並びに
健全財政
の堅持の上からして、極力
経費
の
節約
には努める
積り
である。努力いたしておるというふうな
答弁
があ
つたの
であります。 尚この
財産税
は当初の
予算
では四百三十五億円の
収入
の
予定
であ
つたの
でありまするが、今日の
実績
におきましては三百五十六億位にな
つて
おるのであります。これは
將來予算通り
四百三十五億円の
収入
を上げる考えであるかということに対しましては、今までは、何らまだ
更訂
も何もいたしておらないのでありますが、この八月頃に
調査委員会
も設けまして、そうして
更訂
をいたし、本
年度
中にはそれを
終つて
、大体当初の
予定
の四百三十五億円の
収入
を上げる
積り
であるというふうな
答弁
であ
つたの
であります。尚その他いろいろ
質疑應答
がありましたが、これは省略さして戴きます。
かく
て
質問
を終了いたしまして
討論
に入りましたが、別に御
発言
もなく
討論
を終結いたしまして、直ちに
採決
に入りましたところ、
全会一致
を以て可決すべきものなりと決議いたされたのであります。 次に
造幣局特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして御
説明
申上げます。この
法律
の
改正
は
造幣局
をして
貴金属
の
配給業務
をいたさせたいというための
改正
であるのでありまして、金、銀、
白金
、その他パラジウム、ロジウム、イリジウムというような
白金族
の
貴金属
は、
從來
は
日本金属株式会社
というものが
民間
の
独占機関
としてこの
配給
に当
つて
お
つたの
でありまするが、
私的独占禁止法
の制定に伴いまして、これは
解散
をいたすことにな
つたの
であります。そこで、
かく
のごとき生産の数量の少く又その需要は相当にあるものを、公正に適正に
配給
をいたしまする上においては、
民間
の
機関
よりも、むしろ今までこれらの
仕事
をいたしておりまする國の
機関
である
造幣局
をしてこれを扱わしめることが適当であるというので、
造幣局
をして、これらの
貴金属
の産出又は所持されておるものの
買入
、並びにこれを
配給
する
業務
を取扱わしめることにいたすための
改正
であるのであります。その
仕事
をいたしまするために
運轉
の
資金
も要りまするので、これに必要な場合におきましては、一時
借入金
をし、又
融通証券
を
発行
することができるという
規定
を追加いたしまして、そうしてその一時
借入金
及び
融通証券
の
限度
は、
予算
を以て
國会
の
議決
を経なければならない。それから本
会計
の
負担
に属しまする一時
借入金
又は
融通証券
の
償還金
、
利子
並びに
融通証券
の
発行
及び
償還
に要する
経費
というようなものは、これは
歳出
に相成りまして、その必要な金額は、
年度
内に
償還
するものは別でありまするが、毎
年度
やはりこれを
國債整理基金
に繰入れるようにいたすということがこの
規定
であるのであります。これにも先程申しましたように
財政法
、
会計法等
の
制度
に伴いまして、字句の
改正
が
一條
あるのであります。 これが大体の
内容
でありまするが、これに対しましていろいろ熱心なる
質疑
があ
つたの
であります。その一二を御紹介申上げまするが、この頃
民間
の
統制機関
が
解散
をされて、
公團等
が設けられ、
政府
は多額の出資をするのである。從いまして、
追加予算等
において
國民
は
租税
その他におきまして
負担
を増加することに苦しんでおるのであるが、むしろ
独占会社等
が
使つて
おつたところの
資金
を
造幣局
で今度は使うようにしたならばどうかというふうな御
質問
もあ
つたの
であります。併しながらこれに対する
答弁
は、大体
貴金属類
を
買入
れまするのは、毎
四半期
におきまして
買入
れ、又毎
四半期
におきましてその期の
配給
の計画を立ちますれば立てまして、そうしてそれによ
つて配給
をいたすのでありまして、大体一
四半期
におきまして五千万円位の
資金
は要するのでありまするが、その
回轉
が非常に早いのであります。從いまして割合に多くの
資金
を要せず、
造幣局
にも
融通金
がありまするので、大体一千万円位な
融通証券
が必要であろうと考えておる。從いましてこの
融通証券
は
追加予算
において御協賛を求める
積り
であるということであ
つたの
であります。尚一
四半期
において約五千万円の
買入
資金
が要りまするから、本
年度
今後におきましては一億五千万円
程度
の
歳入歳出
というものが
追加予算
に計上されて提出される
予定
にな
つて
おるのであります。その間
造幣局
の利益は四百万円位に見積られるであろうということであ
つたの
であります。 尚他の御
質問
は、金の
買入
価格は非常に低廉に失しはしないか。先般一グラム十七円のものが七十五円に
引上げ
られたのでありまするが、七十五円でも尚低きに失するのではないか。これを今少し
引上げ
てむしろ産金を奬励することが適当ではないかというふうな御
質問
があ
つたの
であります。これに対しまして
政府
は、七十五円に
引上げ
ますれば、大体今日働いておりまするところの参勤の
事業
は立ち行くものと考えておるのである。大体百万分の八位のものは採算が取れる見当であるというふうな
答弁
であ
つたの
であります。 さような次第でありまして、
質問
を終りまして、
討論
に入りましたが、別に御
発言
がなく、直ちに
採決
に入りまして、これも
全会一致
で可決いたしたのであります。 先程ちよつと私が
財産税等収入金特別会計法
で御
説明
を落しましたが、
財産税等収入金特別会計法
の方におきましては、
公債
の
発行
が百二十二億六千万円
程度
でありまするから、これに要しまする費用は、現在二十一
年度
の
予算
におきまして、百八十六億八千七百万円に対する
予算
があるのであります。その範囲で支弁することができるのでありまして、別に
追加予算
の提出の必要はないということだ
つたの
であります。追加して御
報告
申上げます。これを以て私の
報告
を終ります。(
拍手
)
松平恒雄
19
○
議長
(
松平恒雄
君) 別に御
発言
もなければこれより両案の
採決
をいたします。
委員長
の
報告
は両案共
可決報告
でございます。両案全部を問題に供します。両案に賛成の
諸君
の
起立
を請います。 〔
起立
者多数〕
松平恒雄
20
○
議長
(
松平恒雄
君) 過半数と認めます。よ
つて
両案は可決せられました。これにて本日の
議事日程
は終了いたしました。次会は二十八日午前十時より開会いたします。
議事日程
は
決定
次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十三分散会