○小
委員外委員(
松野喜内君) それぞれの御
意見を拜聽して、日本の將來の
教育を思えばこそいろいろ仰しやられるのでありますが、思えばこの御
意見を共に含味しなければならんと思う次第なんであります。先ず今日の問題はこの
請願書をどういうふうに取扱うべきかという議題であ
つて、これが根本的の
態度として矢野
委員からもこれは是非採擇してやりたい。財政面のことが困難とはいえ、これ究進し、せめては年次的にでも段々推進したいという御意嚮、これは第一に贊意を表したい。こういう國民の心持を、民主的というか國民の意を體して、我々は
教育を議せなければならない。凡そ今囘の
請願書のかくのごとき厖大なる國民の陳情、こういう強い
請願を受けては、私共はその心を以てこれを議しなければならんとすれば、どうしてもこれを採擇し、突進し、動かして見たいという
氣持が湧いて來るのであります。ですからこれは矢野議員の言われたように、
文部當局もできるならばその意嚮で以て邁進されたい次第で、ただ健全財政の
意味から大藏當局と相客れないということは、大藏當局としては豫算もあることでありましよう。けれども我らが
文教の方を充實せしめたい、
新制中學をば完全にしたいという熱望から、又P・T・A、父兄の聲から言えば、どうあ
つても我ら
文教委員も、
文部當局も一體にな
つて、大藏當局に迫りたいというような氣さえ起る次第であります。この
意味で贊意を表したいのであります。併し又
高良委員の言われたことにおいても、我々は大いに考慮せねばならんと
考えます。一體人に依頼心のみを持つということも、亦一面において戒めなければならんことで、
國家に依頼し、
政府に依頼し、人に依頼するというようなことよりも、自分の力によ
つて、自己でやり、自立でやり、自力でやるということに行かしむることが望ましいことである。
教育の面から言いましても、
學校經營の面から言いましても望ましいことである。なかんづく私立
學校において、殊に然りと
考えます。私學にこそそうい
つた自主自立の特徴、特性を持
つて來る次第でありますが、分けても今囘のような敗戰後の状態にありましては、
國家のために受けた損害、それをさしもの私學、自分自力で以て經營を建前としておる私學すらも、今日やはり臨時の助成を受けなくては立還らないという情勢なんです。事平時であ
つたならば、斷じて人に依頼を
すべきではありませんけれども、
政府に依頼を
すべきではありませんけれども、こういう不況の際でありますが故に、私學も亦頼ら
ざるを得ない。現在
教育金庫法が生れて來る次第なんであります。ですからそういう
意味からも
國家教育もろとも、この際はこの
新制中學を
決定させたいためには、國民の多數のそういう熱望を容れていきたいという
氣持を持つ次第であります。けれども一面
高良委員が仰しやる
通り、どうしても更にこれが復習の曉と申しますか、私學といえども復習した後には、自力でも何でもやり得るのであります。自治的に、自律的にやる、こういうふうに人に、
政府に頼らないという
氣持を以て特性個性を發揮して欲しいということは主張していかなければならんと思います。こういうふうに
教育の意義を
考えれば、
高良さんの仰しやること御尤もと思うのですから、どうか先の我が國の將來のためには、
高良さんの仰しやる
意味も大いに高めなければならんと
考える次第なんです。併し今この
請願をどう扱うかという問題においては、矢野
委員、
河野委員の仰しやる
通りに、
文部當局と協力の上、我々
文教委員の
希望、熱意、意のある所を
一つ大藏當局とも強く接して見たい。事成らずしては年次的と言われるようにとも思い及ぶ次第であります。以上私の
考えを申し上げます。