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政府委員(
井上良次君) 總理が
食糧問題に關聯いたしまして、
遲配は打ち切る
考え方を持
つていない。然るに
實際は打ち切る
状態に
なつているじやないかと、こういう御
質問でございますが、勿論總理といたしましては、當時の
食糧事情から
考えましたならば、一應は滿配ができるという確信が立
つての答辯であろうと思います。御承知の
通り、八月には
外國食糧が三十四、五萬トン入
つておりますし、九月には二十四、五萬トン入りましたし、更に又十月にも
放出食糧が約束されております
關係上、これを完全に
製粉化し、
配給いたしますならば滿配はできる、尚過去の
遲配も相當
穴埋めができるという假定の上に立
つてのお話であろうと
考えます。併し
實際我々全國の主要
製粉工場、精麥工場を總動員し、且つ
食糧第一主義の
對策を立て、
配給は徹夜で作業を行わせるような
非常手段を講じても、いろいろな惡條件のために、滿配はできなか
つたというようなことも起
つておることでありまして、而もその裏付けとしては特に生活の困難な主要都市に對しては、
加工水産物その他調味料、或いは又油脂等において多少の按配を加えて、それの穴埋をしておるような次第でありますから、その點は御
了承頂きたいのであります。
尚この際申上げておきますが、今申上げました
通り、全體においては二百二十
萬石程の
遲配を來しておりますけれども、これを昨
年度の
食糧事情と比較いたしますと、昨年
政府の、前内閣の
配給いたしました
食糧は年間に三千八百三十
萬石配給をいたしております。ところが本年に入りまして二十二
年度の
食糧年度におきましては四千五百三十
萬石配給をいたしておるのであります。從
つて昨年に比べますというと七百
萬石の
増配をいたしております。そういたしますというと、
實際二百
萬石の
遲配を來しておるけれども、現實において七百萬の
増配を昨年に比較いたしますとや
つておるわけでありまして、この意味から
考えますならば、我々は今日の
日本の事態を打開するためには、何としても勤勞者の食生活を保障いたしまして、
生産力を増強し、インフレを食止るという手を打たなければなりませんから、この點に對しては
全力を注いでおる次第であります。特に千八百圓の問題が出ましたが、千八百圓のベースを決めて、經濟を安定して
日本の堅實なる國内體制を整えるという立場から
考えますならば、これを裏付けるところの生活必需物資については、當該省であります農林省といたしましては、
全力を擧げて、いかにして千八百圓の裏付物資を確保するかという點で、今日闇の嵐の中において生活物資確保に
全力を擧げております。御存じの
通り一升の米が闇値で百八十圓も二百圓もいたしております中において、これをマル公において完全に
配給するということがいかに困難な
事情にあるか、そしていかにこれらの
食糧の不足しておる中において主要生活必需物資を確保することが困難な
事情にあるかということをお
考え頂きますならば、我々は無駄にこのことを看過しておるわけじやない、どうしたならば千八百圓ベースを裏付ける生活必需物資が確保できるかということに萬全の力を注いでおりますので、この上とも一つ
皆さんの御協力を賜わりますように特にお願いをいたしまして、
只今の答辯に代える次第であります。