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青山正一君 本日の
委員会についてこれは私ばかりの
意見ではありませんが、
委員諸君殆んど全部の御
意向であろうと思いますが、私はこういうことを建言いたしたいのであります。それは御存じのごとく
議会も延長に
なつたとはいえ、会期も非常に残り少なくなりまして、
漁業法の改正法案なり、或いは
漁業協同組合法案の上程も、恐らく今
議会には到底
実現不可能の
模樣でありますし、又待望の
水産廳の問題も
只今局長からのお話があつたごとく、
運輸省なり或いは
商工省との
関係上、これ亦早々に解決の見込も薄いことに思われるのであります。勿論我々
審査委員も一生懸命になりまして、いろいろな問題につきまして有らん限りの力を集中しておるわけでありますが、残念なるかな世間的に表面に現れたというものは殆んどない
といつても等しい
状態にあるのであります。併しこの
水産方面で何とかして解決しなければならんという問題が山積しておるわけでありますが、在來はそういつた問題はただ行
政府に任せて置けばそれでよかつたかも知れませんが、この新憲法施行で新らしい観念の下に選ばれた私らといたしまして、今までのように農林省とか或いは
水産局という一部面のみにこういつた仕事を任せては絶対に置けない。それ以上の責任なり或いは義務というものを帶びて、
審議を進めて行かなければならん立場に追いやられておるわけであります。こういつた点から考えて見まするに、この
水産廳の問題とか、或いは
漁業法改善法案並びに
漁業協同組合法案は別といたしまして、我が
水産方面で一番関心を持たなければならん問題は、この生産増強の上において絶対に必要缺くべからざる
資材、この
資材を如何にして生産者に正式ルートに流して貰うか、如何にして裏附して貰うか、如何にして確保するかという問題と、それから千田
委員長などが一生懸命にな
つておられまするこの集出荷
配給統制の改善の問題、この二つではなかろうかと信ずるのであります。御存じのごとくこの魚價の問題は衆議院の案のごとく一應鳧がついて、物價廳案との
中間を行くというように、大体一・八倍くらいといたしまして実施されることに
なつたわけでありますが、その当時の
委員長は尾形さんがな
つておられたのでありますがその当時の
委員会にこの
資材の裏附なき魚價は、たとえ二倍にしても或いは三倍、五倍にな
つても、同じことを必ず又次の機会に繰り返す結果となるに違いないと、これは殆んど各
委員から諄く申し上げていたのでありますが、案の條その予言のごとく、魚價が騰ると同時に、闇
資材はそれに輪をかけて結局
資材という裏附がないため、各縣各縣によりまして思い思いに二倍とか或いは三倍とかいう黙認
價格が出ておりまして、
政府の威信なり或いは立法府の献策とかいうものは、根柢から覆えされる結果に
なつたわけであります。併しその当時参議院の
水産委員会の席上におきまして、
資材というものが百パーセント正式のルートによ
つて漁業者に
配給されるという裏附、つまりそういつたことを附帶決議……これは附帶決議というよりも、主体決議にしなければならんと強調したわけでありますが、今日その附帶決議をいよいよ実施に移さなければならん時期が参つたのではなかろうかと私は思うのであります。
價格の点はただ單に業者のことのみを考えるわけには参りません。やはり消費者、つまり國民大衆のことも考えなければならんので、これ以上魚價を上げるということは正直なところ無理ではなかろうかと思うのであります。併しその半面、七割とか八割近くの
資材を闇価で買わねばならん
漁業者の立場を思うならば、これ亦
價格に囚われなければならん。併し
價格はどうしても囚われることなくて行くときにはこの
資材の裏附という一本、ただ一筋の道を選ばなければならないのであります。参議院の
委員会の席上におきましては、先程から縷々申し上げました
通り、
價格決定の際にはこの
資材の裏附という点を非常に強調したわけでありますから、この問題については十分に調査なり或いは研究する必要があるのではなかろうか。いや、そういつた責任があると信ずるのであります。それで私がわざわざ建議いたしたいというのは、現在中央
水産業会という指導的な
機関がなくな
つて、それに代るに
水産振興協会とか
審議会というものができまして、その團体には私の方の
水産委員長の木下さんが大体主催しておるようなわけでありますが、そういう團体にはあらゆる資本
漁業なり或いは沿岸
漁業の立場の者も一体とな
つて入り込んで、いろいろな調査なり研究なりや
つておるわけでありますが、その團体の指導によりまして、その團体に所属しておりますところの「
かつを」「
まぐろ」
水産組合とか、或いは底曳網組合連合会とか、或いは近海捕鯨の組合或いは運搬船組合、そういつたものに
資材に関するいろいろな調査資料を提供せしめて、その資料に基きまして、それらの業者の代表者に
資材に関するあらゆる角度から見た問題を聽くというような会合、これは公聽会ではありませんが、或結論を得るためにはこういつたはつきりした
資材なり、或いは会合を催す必要があるのではなかろうか。勿論その会合には農林省の
水産局長なり或いは繊維局長、或いは
資材課長、その他
関係係官を呼んで頂く。そうして問題をいろいろ檢討して頂く。業者も農林省へ行けばやはり監督官廳ということを考えれば、言いたいことも言われないし、官廳もいろいろ忙がしいので、そういつた時間なり機会というものがないという有様ですから、この
委員会でそういつた会合を催すことになりますと、業者も大いに歓迎するであろうし、お役所にも本腰にな
つてそれを聽いて頂く。又その会合の成果によりましては、場合によれば立法府、行
政府、
水産関係業者、この三者が一体となりまして
委員会でも作る。そうしてその席でいろいろ折衝する。まあいわゆる三人寄れば文珠の智慧ということもありまして、現在の
水産局長ただ一人の行き方、大臣も次官も余りに
水産という面に関心がない。その面の力というものは殆んどゼロに等しい。この前もこちらへ次官がおいでになりましたが、
水産の
関係などは殆んど御存じないように思われます。私も先般
水産のいろいろな問題について片山総理大臣宛に
質問書を提出したのでありますが、民主政治家と自称しておりますところの片山さんでも、或いは平野さんでも、やはり内閣をとりますと官僚的になりまして、その返答書というものは誠意の現れというものは
一つもない。「と信ずる」或いは「と確信する」という言葉がなくして、「そうかも知れない」、「そうして見たい」という言葉の羅列にしか過ぎません。それでこの
水産問題に関する限り総理大臣とか、或いは農林大臣とかを余り頼りにはできません。こういう点を切り開くには我々自身の手によ
つて解決を図るより途がないのであります。話は前に戻りますが、公聽会ではありませんが、いろいろ業者の
意見を聽くように、適当な機会にこれは少しでも早い方がよいのですが、
一つ委員長の方でお取り計らい願いたいと思うのです。それから今
一つ出荷
配給統制の改正問題であります。これも私らがこの小
委員にもなりまして、又
國会から派遣されていろいろな様子を見て來たわけでありますが、御存じのごとく今日の
状態は何らかの形で、この統制方法を改変しなければ收まらん最後の段階にまで來ておるわけであります。参議院の
水産委員会といたしましてもはつきりした結論を掴むには、どうしてもその筋へ持
つて行くには農林省も業者も、立法府も全部が一貫した
意見であるというような形にしなければならんと私は思うのであります。それでこの問題に関しましても、その
方面の権威者である。例えば六大都市の荷受
機関の代表者あたりを一堂に会せしめて、やはりこの場合にも農林省の係官を呼んで頂く。
一つそういつた会合を催して頂きたいと思うのであります。以上二件を緊急問題として提出いたします。よろしく御
審議願いたいと思います。