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政府委員(
林敬三君)
地方の
自治體と
運營いたしますために、一番
一つの大切なことはそれを、
運營する人の問題であると存じます。昔から
地方行政は特に人にありということもいわれておりまするし、これ等の人が、特に
地方というものは
中央からは一段低い職員であるというような、ややもすれば從來ありましたような觀念を一切拂拭して、そうして元氣に或る
程度の誇りを持ち、そうして
能率を上げて行くということは是非
地方自治を發展させる上において必要なことだと存ずるのであります。今
お話がありましたところいずれも私は全く同じ
考えでございます。それで
地方職員に對する、
地方團體の職員に對する
公務員制度というものにつきましては、過日も御
質問があり、又現在
法律案として御審議を願
つておりますように、至急
地方方面團體に對する
公務員制度というものを
確立する、そうして遅くも四月一日までにはこれを成立させ實施するという背水の陣を布きましてやるということに、この
法律の中にこれを明記したわけでございます。これにつきましては、過般も申上げましてやや重複になりまして恐縮でありますが、これを今はこういうことをやるという目標をつけて、實は事務當局で議論をや
つている最中でございまして、この次の
國會にこれを提出する、必ず提出する、こういうつもりで、
法律の中にもこの次の
國會に出して4月一日までに作り上げるというつもりで書いております。
從つていかなる
措置を取らんとするということは、その内容を確定いたしました上で御審議願いたい、又
お話も申上げたいと思うのであります。ただ私が今
作案中にいろいろ局員の諸君、その他の方といろいろ議論をや
つておるのでありますが、今も
お話がありましたように、やはり
適當なる
人事交流というものは圖れるようにしなければならない、
地方は
地方らしい特色を持つた
公務員というものを作り上げることも必要でありますけれども、餘りにそれに拘泥し過ぎて、いわゆる有爲な人材というものを廣く求めることを忘れてしま
つて、普通の
言葉で言えば、井の中の蛙みたいにな
つてしま
つて、一向進歩性がない、こういうことに
なつたら、
地方自治の退歩を來たすことになる、これは私の最も憂える問題だと思うのであります。
お話のように
中央が餘り干渉して、こういうのをこういうポストに入れろということを餘りやるのはいけないと思いますが、
中央と
地方が
一つの美しい調和を持ちながら、
中央の空氣を吸つた人も
地方の
行政に携わり、
地方の
實情を知
つてる人が
中央に入
つて中央の仕事に携わるということも、いわゆる適切なる
人事交流というものは、その
制度の中で行われるようにしなければならない。又
地方公務員法というものを作るゆえんのものの狙いは、
一つはそこにあると思うのでありまして、これを放任いたして置きますと、どうしても交流がしにくい、殆んど同じような
法律を
作つて、同じような資格と、同じような訓練と、同じような
制度、同じようなものを
作つて置けば非常に交流がし易くなるのじやないか、これによ
つて地方の
人事の中にも新しい血が導入されて活發な伸び方をして行くのではないか、かような
考え方を持
つておるのであります。それに今後の作業について特に注意をして行かなければならんもう
一つは、やはり御指摘の
通りでありまして、それは
給與の問題でありますが、これは放任をいたして置きますと、
地方は
地方で随意にやつたらいいじやないかという美名の下に、結局
財政の貧弱な
地方では
給與が悪くな
つて、
從つて劣等觀を抱き、又どうしても人が落ちて來る、こういう結果にもな
つて來る、同じ公けに對するサービスを以て事とする、主たる義務とするところの國の官吏と、
地方の團體の
公務員というものとの間に、その間に何ら
給與においても差別をつけるべきものでないと思います。勿論東京に勤務しておるものと、それは極く田舎に、片田舎で農業をやりながら勤めておる人との間に地域給の差はあ
つてもいいと思いますが、東京に勤務しておる官吏と、東京に勤務しておる公吏との間、
地方の田舎に勤めておるところの官吏と、田舎に勤めておるところの公吏との間、その間においては何ら差があ
つてはいけない。かように
考えるのであります。そういう點からも、この
地方公務員制度というものはやはり作るゆえんがあるのではないかとも思います。
お話の點は
作案の中に十分盛り入れてや
つて參りたいと
考えております。