○山下義信君 一二伺いたいと思うのでありますが、この
警察制度の
改革が段々と傳りまして、現在の
警察官吏が相当動揺しておるのではないかと思うのであります。或いは
政府の方で何かそれとなしに御通知でもお出しに
なつたことがございますか。例えば今の
警察官で辞めたいと思う者があるならこの際申出ろ、今辞めればどうしてやるとか、こういう取扱いをしてやるとかいうようなことの御通知でも出ましたでしようか。下々の、殊に
地方の
警察官がいろいろと將來の自分たちの身の上で動揺しておる、辞めるなら今だというようなことを申しておる
警察官があります。これは巡査階級などに殊に多いように見受けるのであります。それで現在の
警察官が、この
警察制度が変りましても、それぞれ
政府の方で新たなる
警察署その他への任命といいますか、そういう点について今の
警察官が不安に駆られないようなふうの何かお
考えでもございますか。この
法案によりますと、署長のごときは皆
公安委員会で任命することになります。そうするしと、現在の警部級、警部補の署長もありますが、それ以上のものは場合によつてはもう壽命が短かい、そういうようなふうで現在の署長級も不安に駆られております。従いまして下の
警察官などもどうなるのか、自分たちは
國家警察の方の巡査になるのか、
地方自治体の方の巡査になるのかというようなことでありまして、非常に不安に駆られておるような点がございます。それで現在の
警察官の身の上につきまして不安のないような、何か
政府に御
方針がそういう
人事の面におありでありましようかどうか。
それからいわゆるもうあと短かいのだというようなことで、行き掛けの駄賃のようなふうで、相当
警察官で悪事をする者があります。それで過渡的な場合におきまして、そういうことのないように、これは一層厳重にこの
警察というものの綱紀粛正ということに御注意をお拂いに
なつておるかどうか。こういうことを先ず
一つ伺います。
それからいかに
制度を変えましても、いわゆる
治安の
維持、これは私共も先程の御質問と同感でございまして、この点は同僚諸君が最早尋ねましたから省略いたしますが、いわゆる進駐軍のMPというようなものが帰る時があ
つたらば、
日本國内の
治安は恐らく保てないだろう。どんどんと暴力というものが、テロ行爲というものも行われるだろうというようなことを一部危惧しておる。
只今の御質問では、その点この
制度陣容で大丈夫という見通しがあるかという御質問がありましたが、私も同感で同憂しておりましたが、
政府の方では大丈夫だというお
考えのようでありますが、いかに
制度が変りましても、結局は私は
警察官が安心して働けるようにしなければこれはいかん。たとえ
國家、
地方自治体いずれを問わずであります。それで
警察官の身分というものに安心して働けるような特別の何かお
考えを持つておいでになりますか。即ち
警察官は言うまでもなく、一命を投げ棄ててやらなければなりません
仕事でございますので、彼らの安心して働けるような身分の保障についてお
考えがあるか。同時に
警察官の待遇の向上ということは、これをやらなければ何もなりませんので、
警察官の待遇向上ということに、この
制度の切り換えのときに、特にお
考えなさつておいでになるところがあるかどうか。この点をお伺いたします。
最後にこの
警察官の階級、警視とか、警部とか、警部補とかいうようなものをお定めになりますあの階級の間に、やはりこの服従的な階級
制度をお用いになりまするか。ただあれは職分であつて、その間には階級というものを、服従的な階級
制度をお認めになりませんか。どういう御
方針か承りたいと思います。若し階級の、この上下の服從系統をお認めになるならば、
國家地方の巡査も
自治体警察の警部との間の上下の
関係を、お作りになりまするか。これも一層向うの署長とこちらの巡査は身分の上でちつとも
関係のないようになさいまするか。いわゆる礎來にありましたる
警察のあの
秩序というものを立て、
國家と
地方自治体と変りましても、
警察官同士の間の階級度制というものをお認めになりますか。これはすつかり撤廃なさいまするかどうか。
それからそれに関連しまして、
自治体警察と
國家地方警察との間の
人事の交流というものをお認めになるか。これは截然としてその間には何ら
人事交流的の
関係のないようになさいます御
方針か。
以上の点を伺いたいと思います。総理
大臣でお答え下さいまする
範囲のことをお答え下さいまして、若し、要すれば
政府委員から答えて、頂きましてもよろしうございます。