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1947-08-20 第1回国会 参議院 司法委員会 第16号
公式Web版
会議録情報
0
付託事件
○
國家賠償法案
○
刑法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
送付
) ○
岐阜地方裁判所多治見支部
を設置す ることに関する請願(第十一号) ○
帶廣地方裁判所設置
に関する
陳情
(第四十九号) ○
刑事訴訟法
を
改正
する等に関する陳 情(第六十号) ○民法の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
送付
) ○
連合國占領軍
、その將兵又は
連合國
占領軍
に附属し、若しくは随伴する 者の
財産
の
收受及び所持
の
禁示
に関 する
法律案
(
内閣提出
) ○
昭和
二十一年
勅令
第三百十一号(昭 和二十一年
勅令
第五百四十二
号ポツ
ダム宣言
の受諾に伴い発する命令に 関する件に基く
連合國占領軍
の
占領
目的
に有害な
行爲
に対する
処罰等
に 関する
勅令
)の一部を
改正
する
法律
案(
内閣提出
) ○
罹災都市借地借家臨時処理法
の一部 を
改正
する
法律案
(
衆議院送付
) ○
皇族
の
身分
を離れた者及び
皇族
とな
つた者
の
戸籍
に関する
法律案
(
内閣
送付
) ○
家事審判法案
(
内閣送付
) ○函館市に
札幌高等檢察廳支部設置
に 関する
陳情
(第百四十号) ○
法曹
一元
制度
の実現に関する
陳情
(第百四十五号) ○
裁判官
及びその他の
裁判所職員
の分 限に関する
法律案
(
内閣提出
) ○
裁判所予備金
に関する
法律案
(
内閣
提出
) ○
農業資産相続特例法案
(
内閣提出
)
—————————————
昭和
二十二年八月二十日(水曜日) 午前十時三十六分
開会
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
○
刑法
の一部を
改正
する
法律案
○
裁判官
及びその他の
裁判所職員
の分 限に関する
法律案
○
裁判所予備金
に関する
法律案
○
皇族
の
身分
を離れた者及び
皇族
とな
つた者
の
戸籍
に関する
法律案
—————————————
伊藤修
1
○
委員長
(
伊藤修
君) これより
委員会
を開きます。
審議
に入ります前に
質問
の通告がありますから、これを許可いたします。
齋武雄
君。
齋武雄
2
○
齋武雄
君 この
機会
に
司法大臣
にお伺いしたいのでありますが、
刑法
の二百三十條の二、第三項でありますが、第三項によりまするというと、名
譽毀損
の犯罪の
行爲
は、「
公務員
又ハ公選ニ依
ル公務員
ノ
候補者ニ関スル
」云云ということにな
つて
おりますが、これは
最高
の
理想
を掲げた案であると私は考えておるのであります。いやしくも、
公務員たる者
は、
私的行爲
であ
つて
も模範にならなければならん、こういう
理想
を掲げたものであると考えておるのでありますが、
公務員
はよろしいとして、
候補者
に関して、
公務員
の
候補者
、こういうものが、
公務員
と同一に取扱われるというと非常に
弊害
があるのじやないか。惡用される虞れがあるのではないかと考えるのであります。
大臣
は、私から申上げるまでもなく、
在野法曹
としても
権威者
であり、又
衆議院議員
として何回も
体驗
はおありになるのでありますが、
選挙
の場合において、
自分
が推薦する
候補者
を
当選
させるために、他の
候補者
を
故意
に誹謗する場合があるのであります、そうして混乱させる虞れがあるのであります。若しこういう
規定
が
候補者
ということに適用されることになりますというと、どんどん惡用するのでないか。
故意
に他の
候補者
を誹謗いたしまして、そうして
当選
を妨害する、こういうことが盛んになるのでないか、こういうことを惧れるのであります。
大臣
のように、或いは他の人格の崇高な人のように、いくら誹謗されても、
選挙
の結果に影響を來たさんということであれば結構でありますが、多数の
候補者
の中には、その誹謗されたために少数の差で破れるということがあるのであります。そういう場合において、名
譽毀損罪
の告訴をいたしましても、その審理が
選挙
後にな
つて
何等效果を得ないということがあるのでありまして、そういう観点から私は「
候補者ニ関スル
事実
ニ係ル
」、こういうことを抹殺したいのでありますが、その点につきまして、
選挙
についても多年の
経驗
があり、又
在野法曹
としての
権威者
であるところの
大臣
に、この点に関することをお伺いしたいのであります。 第二点は、他の方からもお話があるでしようが、
最高裁判所
と
國会
との
連絡
とか
関係
をお伺いしたいのであります。例えば
最高裁判所
が
予算
を
提出
するというような場合もあるでしようし、或いは
裁判
は
自由心証
で
裁判官
の自由でありましようが、
裁判
をやる
形式等
についてとか、いろいろ
連絡
すべき
事項
があると考えるのでありますが、
最高裁判所
と
國会
との
関係
についてこの点についてもお伺いしたいと思います。
鈴木義男
3
○
國務大臣
(
鈴木義男
君)
只今齋委員
の御
質問
は誠に適切な御
質問
でありまして、この二百三十條の二の第三項につきましては可なり
愼重
に
審議
いたしまして立案いたしたのでありまして、時間的にも非常に長い時間をかけたびたび会合して
審議
を凝らし、賛成、反対、あらゆる
意見
を拜聽いたしました結果、我が國を明朗な
民主國
にして行くためには、或る段階における若干の犠牲はこれを忍ばなければなるまいということで遂に
最後
にこういう結論に到達いたしたのであります。勿論
齋委員
が指摘せられますような我が國の
國民性
に基づく若干の杞憂は確かに存するのであります。殊に公選による
公務員
の
選挙等
の場合に
故意
に惡質な
デマ
を飛ばしてその
当選
を妨げ、或いは名譽を毀損するが如きことをなすということは、お言葉までもなくしばしば私共の
体驗
しておるところでありまして、それをなからしめることが非常に大事なことであります。併し單にそれは
政治教育
によ
つて目的
を達し得るものでなくして、不幸にしてかくの如き過ちに堕するような者が出まするならば……、出ないことを希望いたしまするが、或る
意味
においては実際
教育
としてそういう
弊害
を段々矯めて行くことができるのではないかというようにも考えるのであります。現に私自身のことを申上げるのは甚だ恐縮でありますが、
選挙
の際に、前回、例えば
選挙法改正
に絡んで私共があの案を通過させたくないという信念の下に或る
程度
の
阻止運動
をいたしたわけであります。私は
言論
だけを以て
戰つた積り
でありますが、確かに長時間の
演説
をしたことは間違いない事実でありますが、そのとき若干の紛爭が起り、小競合いが起り、遂に腕力の沙汰にまで及んだことも事実でありまするが、私はそれには決して関與しなか
つたの
でありまして、私は終始一貫して
言論
だけで
戰つたの
であります。併し
選挙
にな
つて
みますると、私は
委員長
の頭を拳骨で殴
つた
という
演説
をして歩いている人がある。更に下駄を脱いで
議長
の頭を殴
つた
というようなことを申して歩いてお
つた人
があるのでありまして、そういうことは全く
虚僞
の事実でありますが、
選挙
となると、少しでも
対立候補
を傷つけるためにそういうことを言
つて
歩く人があるのであります。こういうことを考えると非常に私はこの
規定
を設けますについて
心配
をいたしたのであります。併し、この
規定
ありますが故に、そういう根拠なき
デマ
を飛ばすものはむしろ処罰されるのであ
つて
、
愼重
に本当に
眞相
を突き詰めて事実であることの証拠を提示して言い得ることでなければ言はれないということになるわけでありますから、私は必ずしも
齋委員
の御
心配
になるような
弊害
はそう頻発すめものではなかろう。又一方から申しまするならば、いやしくも
國民
の
公僕
となり、又多数の
投票
を得て
公務員
となりまする者は、
公私両面
の
生活
において、人から誹謗せられるような
生活
をしておらない者でなければならん。これが我が國を本当に民主化するために、明朗に民主化するために、必要な大前提であると考えるのでありまして、そのためには批評の自由並びに報道の自由というものを極度に尊重しなければならない。事実であるならば遺憾ながらこれを否定するわけにはいかんのでありまするから、それが表現せられましても、これを阻止するわけにはいかんのであります。それによ
つて
、いわゆるいい加減な、
國民
の
公僕
として或る
意味
においては
國民
の儀表として好ましからざる人々を排斥することができるわけでありまするから、
弊害
も多少は考えられまするが、利益の方がより大きいと、こういう見地に立ちまして、ついにこの第三項を入れることに決定をいたしたわけであります。故にその
弊害
を矯めるためには、
政治教育
、
國民教育
の方面からできるだけの手段を盡すことにいたしまして、やはりこの
規定
はこれを活かして参りたいと存ずるのであります。 それから
最高裁判所
と
國会
との
関係
というを
質問
でありまするが、これも亦尤ものことでありまして、
裁判権
が
独立
をいたしましたために、
立法
と一應離れることになりましたので、
行政
とも離れることになりましたので、
司法大臣
がこれを代理するわけにはいかんのであります。何らかの形で
國会
との間に
連絡交渉
を持つことの必要であることは申すまでもないのでありまするから、その
方法
についてはこれから研究をし、できるだけ適当な
方法
を講じたいと思うのでありまするが、少くも
事務総長
というものが官制上置かれておるのでありまするから、
事務総長
が
最高裁判所
を代表して
行政
府と
交渉
し、
立法
府たる
國会
と
交渉
をするということに相成るであろうと思うのであります。
予算
のことにつきましてはいずれ適当な
機会
に
立法
化する予定でありまするが、
只今
までのところ、前の
最高裁判所長官代行
が時の
大藏大臣
との間に協定をいたしまして、
最高裁判所
において作成したる
予算
を
大藏大臣
に
提出
をする。
大藏大臣
はこれに
意見
を付して、そのままの形で
國会
に
提出
をする。
國会
はこれを適当に修正し、追加し、或いは削除する。こういうふうにお
願い
をするということにな
つて
おるのであります。ただ
國会
に
参つて説明
をすることができるかできないかということが問題にな
つて
おるのでありまするが、必要でありますれば
説明
をするようにいたしたいと思うのでありまして、その点については今後
最高裁判所
と
國会
との
関係
をどうするかという根本問題を決めまして、いずれ皆様に御協力を
願い
まして、
立法
化するときが参るのではないかと、こう存ずるのであります。 尚
予算
の
編成
につきましてはやはり
最高裁判所
の暫定的な内規によりまして、決して
最高裁判所長官
、
事務総長
の独断でこれを決めるのでなくて、別に
諮問委員会
を拵えまして、
確か両院議長
もこの中に入
つて
お
つたよう
に記憶いたしますが、その他の人を
諮問委員
として
編成
をするというようなことに相成
つて
おるのであります。それらの点を明確に
法律
の形に直すことはこれからの仕事に属するというふうにを了承
願い
たいと思います。
伊藤修
4
○
委員長
(
伊藤修
君) 本
委員会
に本
審査
のために付託されましたところの「
裁判官
及びその他の
裁判所職員
の
分限
に関する
法律案
」、この
法案
を上程いたします。まず
司法大臣
に本案に対する
提案理由
の御
説明
を
願い
ます。
鈴木義男
5
○
國務大臣
(
鈴木義男
君)
只今上程
の
裁判官
及びその他の
裁判所職員
の
分限
に関する
法律案
について
提案理由
を御
説明
いたします。 御
承知
の
通り日本國憲法
においては、
裁判官
の
身分
の保障に関し、その第七十
八條
において
裁判官
が
心身
の
故障
のために
職務
を執ることができない場合においても
裁判
によ
つて
その認定がなされなければ
罷免
ができない旨及び
裁判官
の
懲戒処分
は、
行政機関
がこれを行うことができない旨を
規定
しているのであります。
從い
まして
裁判官
の
分限
及び
懲戒
に関して特別の
立法
を致す必要があるのでありまして、
改正
前の
憲法
に基づく
從來
の
判事懲戒法
は、先に
裁判所法
の制定に際しその附則において廃止されておるのであります。 次に
裁判官
以外の
裁判所
の
職員
は、
執行吏
を除いてすべて
官吏
とな
つて
おるのでありますが、
日本國憲法
は
裁判所
の
独立
を著しく強固に
規定
いたしておりますので、これに
從い
裁判所法
においてもその任免は、
一級
のものについては、
最高裁判所
の
申出
により
内閣
が、二級以下のものについては、
最高裁判所
以下の各
裁判所
においてこれを行うこと及び
職員
に対する
身分
上の
監督権
は、
最高裁判所
が最終的にこれを有することを
規定
しておるのでありまして、
裁判官
以外の
裁判所
の
職員
の
分限
及び
懲戒
についても、
裁判所
のその
職員
に対する以上の
程度
の
自律権
に即應するように特別の
立法
をいたす必要があるのであります。 かような
趣旨
に基づきましてこの
法律案
を
提出
いたしたのでありますが、その主なる
内容
といたしましては、第一に
日本國憲法
第七十
八條
においては、
裁判官
が
心身
の
故障
のために
職務
を執ることができないときは、これを
罷免
することができる
趣旨
を
規定
しておるのでありますが、その
故障
の
程度
については
規定
しておりませんので、これを
回復
の困難な
故障
とし、尚
從來裁判官
は
終身官
でありましたので、
本人
が
願い
出た場合にも
免官
できなか
つたの
でありますが、新
制度
により
終身官
ではなくなりましたので、
本人
が
願い
出た場合には
免官
ができる旨を明瞭に
規定
いたしました。 第二に
裁判官
の
懲戒
は
戒告
及び一万円以下の
過料
といたしました。
改正
前の
憲法
に基づく
判事懲戒法
によれば、
裁判官
の
懲戒
は、
免職
、
停職
、
轉所
、
減俸
及び
譴責
の五
種類
でありましたが、
免職
即ち
免官
及び
停職
は、
前述
の
日本國憲法
第七十
八條
の
規定
に牴觸いたし、
轉所
についても右同様の結果を生ずる疑がありまするのみならず、
裁判官
の地位に艦み
罰目
としては不適当であり、次に
減俸
も
日本國憲法
第七十九條第六項及び第八十條第二項に牴觸いたしますのでいずれもこれを廃し、
戒告
及び
過料
といたし、
過料
の額は、
裁判官
の受ける
報酬額
に照し
最高
一万円を適当といたしたのであります。 第三に
裁判官
に関する
心身
の
故障
のために
職務
を執ることができないか否かの
裁判
及び
懲戒
の
裁判
については、
裁判所
の組織、
管轄
及び
手続
のうち極めて重要な
事項
のみを
規定
いたし、その他は、原則的に
最高裁判所
の決める規則に委ねることといたしました。これは、この種の
裁判
は、
裁判所
の
内部規律
に関するものでありますので、成るべく
裁判所
の
自律
に任ずるのが適当と考えたからであります。
最後
に、
裁判官
以外の
職員
については、その
官吏
たる性質より
官吏分限令
、
官吏懲戒令
の適用を受けることは、当然でありますが、
前述
の
裁判所職員
たる
特殊性
に艦み、又
裁判所
の
自律権
を尊重いたしまして、
懲戒委員会
は、
一級官吏
の場合の例によることなく、
最高裁判所
の定めるところによ
つて
これを設けることといたし、その議決に基づいて、
懲戒
及び
心身
の衰弱による
免官
は、
一級
の
職員
については
最高裁判所
の
申出
により
内閣
が、二級以下の
職員
については、
最高裁判所
以下の各
裁判所
においてこれを行う外、
減俸
についても各
級別
に
從つて最高裁判所
以下の
裁判所
においてこれを行うことに致しました。尚
執行吏
は、
官吏
ではなく純粹に
裁判所
の
職員
でありますので、その
懲戒
については、
最高裁判所
の定めるところによることといたし、
從來
の
執達吏懲戒令
は、これを廃止することといたしたのであります。 以上はこの
法律案
の概要であります。何卒
愼重御審議
の上、速かに御可決あらんことをお
願い
いたす次第であります。
伊藤修
6
○
委員長
(
伊藤修
君)
只今
の
法案
に対する各條の
説明
、及びこれに対する
質疑
は後刻に讓りまして、やはり本
委員会
に本
審査
のため付託されましたところの、
裁判所予備金
に関する
法律案
の
提案理由
の御
説明
を、
大臣
にお
願い
いたすことにいたします。
鈴木義男
7
○
國務大臣
(
鈴木義男
君)
只今上程
されました
裁判所予備金
に関する
法律案
につきまして、
提案理由
を申上げます。
裁判所法
におきましては、
裁判所
の
経費
について
規定
を設けまして、これを
独立
して國の
予算
に計上いたし、その
経費
中には、
予備金
を設けるべき旨を定めておるのであります。
從い
まして、その
予備金
の管理につきまして定めをいたす必要があるのでありまして、ここにこの
法律案
を
提出
いたす次第であります。即ち
國会
の
予備金
に関し、
昭和
二十二年
法律
第八十二号が制定施行されましたことは、御
承知
の
通り
でありまして、この
法律案
は、これと同様の
趣旨
に出たものであります。 この
法律案
におきましては、
裁判所
の
予備金
は、
最高裁判所長官
が、これを管理するものといたしまして、その支出につきましては、
最高裁判所
の
裁判官会議
の承認を経なければならないといたしておるのであります。 以上甚だ簡單ではありますが、
提案
の
理由
を申上げました。何卒これ亦御
審議
の
上速
かに御可決あらんことをお
願い
いたします。
伊藤修
8
○
委員長
(
伊藤修
君)
只今
の
法案
に対する
内容
の各條に対する
説明
並びに
質疑
は、これを後刻に譲りたいと思います。
政府委員
の御都合によりまして午後一時まで休憩いたします。 午前十一時零分休憩
—————————————
午後一時三十三分
開会
伊藤修
9
○
委員長
(
伊藤修
君) 午前に引続きまして
委員会
を続行いたします。最初に「
裁判官
及びその他の
裁判所職員
の
分限
に関する
法律案
」に関しまして、逐條について
政府委員
の御
説明
を
願い
まして、それから
質疑
に入りたいと思います。
奧野健一
10
○
政府委員
(
奧野健一
君) それでは
裁判官
及びその他の
裁判所職員
の
分限
に関する
法律案
を御
説明
申上げます。 御
承知
のように
従來旧憲法
の下におきましては、
裁判官
は
刑法
の宣告及び
懲戒
の
処分
によるにあらざれば
意見
に反して
免職
されることはなか
つたの
でありますが、今度の
憲法
におきましては、
裁判官
が
罷免
される場合は、いわゆる
國民審査
の結果
罷免
を可とする
投票
が多数であ
つた
場合の外、
裁判官彈劾
によ
つて罷免
される場合と、それから
心身
の
故障
のために
職務
を執ることができなか
つた
場合、そういう
裁判
を受けた場合に
罷免
されるという、この場合だけにな
つたの
であります。
從い
はして
從來
の
判事懲戒法
の中いわゆる
罷免
に関する
事柄
は、
彈劾法
による
罷免
と、
國民審査
による
罷免
と、それから
心身故障
のために
職務
を執ることができないと
裁判
された場合の方に移り、その外のいわゆる
懲戒
に該当するものについては、
判事懲戒法
を止めました結果、何等
規定
がないことにな
つて
おります。ところがこの点につきましては、すでに
裁判所法
におきまして
裁判所法
の四十九條で「
裁判官
は、
職務
上の
義務
に
違反
し、若しくは
職務
を怠り、又は
品位
を辱かしめる
行状
があ
つた
ときは、別に
法律
の定めるところにより
裁判
によ
つて
懲戒
される。」ということにな
つて
おりまして、このいわゆる
法律
の定むるところによ
つて
、
裁判
によ
つて
懲戒
されるというその
事柄
を採り入れたのが、この
分限
に関する
法律
の一つの部分であります。それと
憲法
にあります
心身
の
故障
のために
職務
を執ることができないと
裁判
された場合は
罷免
されるということに
憲法
でな
つて
おりますので、その二点を採り入れたのが第
一條
であります。尚この第
一條
は
心身
の
故障
のために
職務
を執ることができないと
裁判
されたというふうに
憲法
にはな
つて
おりますが、一時的な
心身
の故身の場合を指してないことは明らかでありまして、
回復
困難な場合に伴う永久的な場合であることはおのずから
解釈
上明らかでありますので、むしろその点を明らかにする
意味
で、「
回復
の閑難な」云々という
文字
を
憲法
の
文字
の外に外れたわけであります。その場合とそれから
從來
の
裁判官
は
終身官
であり、特定の場合でなければ職を免ぜられないということであ
つたの
で、
依願免官
、
自分
から
願い
によ
つて官
を免ぜられる、退官するということはあり得ないというふうに考えられておりましたが、それはあまり窮屈でありますし、現在
終身官
ではなくなりましたのでもありますし、やはり
願い
による
免官
ということは認めていいのではないかという、今までの非常に窮屈な
解釈
を改めて、
願い
による
免官
ということを認めた、それが第
一條
であります。尤も第
一條
の立て方は
心身故障
のために
職務
を執ることができないと
裁判
されただけでは当然まだ
罷免
にならないので、それに基づいて
任名権
を持
つて
おるものがその
裁判
に基づいて
免官
をするという
手続
を執るという
建前
であります。即ち
最高裁判所長官
にありましては天皇、その他の
裁判官
につきましては
内閣
が、その
裁判
に基づいて
免官
することになるという
建前
で、第
一條
ができておる次第であります。 それから第
二條
、これがいわゆる
懲戒
でありますが、
懲戒
の
事由
につきましては、
裁判所法
四十九條で「
職務
上の
義務
に
違反
し、若しくは
職務
を怠り、又は
品位
を辱める
行状
があ
つた
ときは」ということにな
つて
おりますから、改めて
懲戒
の
事由
は
二條
には書かれませんでした。そこで
懲戒
の罰の
内容
は
戒告
とそれから科料ということにしたのであります。現在の
判事懲戒法
におきましては、まあ勿論
罷免
に該当する
免職
の場合もありますが、その他にいわゆる
減俸
でありますとか、
譴責
でありますとか、
轉所
、或いは
停職
というふうな、まあ罰の
種類
があるのでありますが、いろいろ考えまして、
罷免
に該当する、いわゆる
免職
の場合については
彈劾法等
でやる。ところがその以外において
現行判事懲戒法
の中でどの罰の
種類
を採り入れるかということについて、いろいろ檢討いたしましたが、いわゆる
譴責
、これは
戒告
という
文字
に改めましてが、
譴責
という字が
漢字制限
の
関係
上使われないので、
戒告
と改めました。これは
國会法
の
職員等
についてもそういうふうな
懲戒
の
種類
にな
つて
おります。それから
減俸
ということは、どうも
憲法
第七十九條、八十條で
減俸
はできないということにな
つて
おりますので、やはり
減俸
ということを正面から謳うことは、これは
憲法違反
ではないかということで、これはいろいろGHQなどとの
交渉
の結果、
減俸
というのはやらないということにして
過料
、これは何も
報酬
を減ずるのではなくて、その
判事
の
一般財産
の中から佛えばいいというのでありますから、
過料
を科することは実質上の
減俸
であるが、必ずしも
憲法違反
というような疑を抱くということにはなるまいというふうに考えまして
過料
ということが謳われてあります。その外に
停職
というようなことを考えられますが、これはやはり一時的な
罷免
ということになりますから、やはり
憲法
に
違反
するのではないか、
停職
ということはやはり
憲法
の七十
八條等
から見て適当でないということで、結局
懲戒
の
内容
は
戒告
と
過料
ということにいたしたのであります。その上は、いわゆる
彈劾法
によ
つて罷免
ということにいたして、
罷免
に足らないいわゆる
職務
上の
違反
或いは
品位
を辱かしめる
行状
のあ
つた
場合は
懲戒裁判
ということにいたしたのが、第
二條
であります。 それから第三條は
裁判権
の問題でありますが、これは
高等裁判所
と、それから
最高裁判所
が
裁判権
を持つのであります。
高等裁判所
はその
管轄区域
内の
地方裁判所
と
簡易裁判所
の
裁判官
の
懲戒事件
を第一審として
高等裁判所
がやる。
懲戒
のみではありません、いわゆる
心身
の
故障
のために
職務
を執ることができないという
裁判
も含むわけでありますが、
高等裁判所
は即ち
自分
の下の
地方裁判所
及び
簡易裁判所
の
裁判官
の
事柄
をやる。それから
最高裁判所
は一審としては……一審が同時にそれは
最終審
になるわけでありますが、
最高裁判所
、
自分
の
裁判所
の
判事
及び
高等裁判所
の
裁判官
にかかる
分限事件
を一審且つ終審としてやるということにな
つて
おります。尚その外に
高等裁判所
が
下級裁判所
の
判事
に関してや
つた
懲戒事件
の
抗告事件
を
最高裁判所
に
抗告
することができることといたしたわけであります。即ち
地方裁判所
以下の
裁判官
に対する
懲戒事件
は
高等裁判所
がや
つて
、その
裁判
に不服があれば
最高裁判所
に
抗告
ができるということになりますが、
高等裁判所
並びに
最高裁判所
の
裁判官
の
懲戒事項
は
最高裁判所
が第一審にして且つ
最終審
にしてやるということにな
つて
、両者の間に一審、二審というふうな区別ができるという結果にな
つて
おるのでありますが、この点は止むを得ないじやないか、現在の
判事懲戒法
でも大体そういうことにな
つて
おります。そういうふうに二つの
種類
のものも認めざるを得なく
なつ
たわけであります。 第四條は
高等裁判所
がやる場合、大体
高等裁判所
でやるのは普通三人の
合議体
でありますが、これは
事柄
が重要と考えましたので、五人の
裁判官
でやる。
最高裁判所
の
裁判
の場合は小
法廷
と大
法廷
がありますが、これは
愼重
を期するために大
法廷
で扱うということにいたしたのであります。 第五條は、
分限事件
の
管轄裁判所
を決めた
規定
であります。これは「第六條の申立の時を標準としてこれを定める」というのが
ちよつて
お分り難いかと思いますが、結局
大阪
の
判事
であ
つた者
が
東京
の
判事
に轉任しておるというふうな場合に、
大阪
の
地方裁判所
の
判事
が
東京
の
地方裁判所
の
判事
に轉任してお
つたよう
な場合に、
高等裁判所
は
大阪
でやるのか、
東京
でやるのかというふうな場合に、申立の時期、
監督権
を行う
裁判所
の申立によ
つて
事件
が始ま
つて
参るのでありますが、申立時期を標準として決める、いわゆる非行があ
つた
、
行爲
の時を標準にするのではなくて、申立の時に、どこの
裁判所
にお
つた
かということによ
つて
管轄裁判所
が決まるということを第五條で
規定
をいたしております。 それから第六條は、
事件
の開始、これは要するに
分限
ということは、
裁判所
内部規律
に関する
事柄
であるのでありまして、檢事の起訴と、そうい
つたよう
な外部の
手続
を俟たないで
監督権
がある
裁判所
の申立によ
つて
、職権でこれを開始して行くという行き方をやるのが第六條であります、「当該
裁判官
に対して監督を行う
裁判所
」というのは、どれであるかということにつきましては、これは
裁判所法
に監督系統の
規定
があります。第八十條等にその
規定
があります。これによ
つて
おのずから決ま
つて
参るわけであります。要するに
最高裁判所
の
判事
については、
最高裁判所
が申立をする、
高等裁判所
の
判事
については
最高裁判所
又はその
高等裁判所
が
監督権
を持つことになります。
地方裁判所
及び
簡易裁判所
の
判事
は
最高裁判所
、
高等裁判所
、
地方裁判所
がおのおの
監督権
を持つ、そのいずれからでも
裁判
の申立をすることができるということになるわけであります。 それから第七條は、いわゆる有罪の
裁判
だといいますが、
懲戒
をする、或いは
心身故障
で
職務
に堪えないという
裁判
をするその
裁判
については、その原因、どういう事実及び証拠によりこれを認めたか
理由
を示さなければならないということで、
愼重
を期しておるわけであります。で概ね刑事の判決の場合のような考え方をいたしております。勿論
申出
を却下したり、無罪であるかというような場合においては、それほど嚴格にいたさなくても宜しい、その他の点はいずれ
最高裁判所
の定めるところによ
つて
おのずから決められることであろうと思うのでありまするが、ただ有罪といいますか、そういう
裁判
だけは眞重に
裁判
書きを書くというようにいたしたわけであります。第七條の第二項は、この
手続
はむしろ訴訟ではなく、
内容
は非訴
事件
手続
的なものでありますが、口頭弁論というふうなものではないが、併しこれは当該
裁判官
に陳述の
機会
を與えて十分主張並びに立証上の主張を聽いて
裁判
をするというので、陳述の
機会
を與えなければならないていうことにいたしたのであります。 第
八條
は、
抗告
であります。これは
高等裁判所
の
裁判
だけに対して
抗告
を認めております。即ち
高等裁判所
の
裁判
に対して
最高裁判所
に
抗告
ができるということにいたしたわけであります。尚「
最高裁判所
の定めるところにより」というのは、
抗告
の期間でありますとか、或いは何時からその期間を起算するか、或いはその間執行停止をするかどうかというような
事柄
は、すべて
最高裁判所
がルールで決めることにいたしたわけであります。 第九條は「
分限事件
の
手続
の費用は、國庫の負担とする。」これは現在でも
判事
、
懲戒
法或いは
官吏
の一般の
懲戒
はそういう
建前
にな
つて
おります。 次の第十條は、
分限事件
と刑事
事件
或いは彈劾
事件
がある場合に、それらの
事件
の結果を俟
つて
、いろいろな処理をするのが適当な場合があるであろうと思いまして、中止をすることができるとしたのであります。両方の
手続
が両方進んで矛盾した結果になることを避ける
趣旨
であります。 第十
一條
は
裁判
の
手続
、これはこの
法律
で特に定めてないものは、大体
最高裁判所
のルールに委して行こう。要するにこれは
裁判所
の
内部規律
に関する問題であり、又そういう
手続
については大体
憲法
の第七十七條で、
最高裁判所
が規則を制定する権限がありますので、それに委ねたのが第十
一條
であります。 それから第十
二條
は、
内閣
に結果を通知して、結局これによ
つて
内閣
が
罷免
、
免官
をするわけでありますので、
内閣
に通知をしなければならないと
規定
したのであります。 第十三條は
懲戒
の中の
過料
についての執行は、非訟
事件
の
過料
決定の執行と同様に非訟
事件
手続
法第二百
八條
の
規定
を準用いたしたわけであります。 以上が
裁判官
についての
懲戒
と、それから
心身故障
のために
職務
執行ができないとする
裁判
の
事柄
であります。ところが
裁判官
の外の、
裁判所
の
職員
といたしましては、第十五條に列挙しておりますように、
事務総長
でありますとか、いろいろ
裁判所
調査官、或いは
裁判所
事務官、技官てい
つたよう
な者があるのでありますが、これは純然たる
行政
官ではない。やはり
裁判所
の
職員
でありますので、まあ文官ではありますので、何らかの
規定
がなければ、文官
分限
令でありますとか、或いは
官吏懲戒令
が適用されるのでありますが、これはやはり
裁判所職員
として、
最高裁判所
のすべて監督を受けておるのでありますから、これはやはり一般の
行政
文官と違
つて
、その
懲戒
等の
委員会
の組織等がやはり
最高裁判所
以下の部内で以て、これを作
つて
行うということが適当であろう。この点
内閣
の方面とも折衝の結果、やはりそれは
裁判所職員
として、その
裁判所
の規律に從わしめるのが、適当であろうということで、要するに一般の文官の
懲戒
令、或いは
分限
に関する
規定
の特例を十四條以下にいたしたのであります。即にこの列挙しておる
職員
の
懲戒
による
免官
、或いは
減俸
、或いは
譴責
というこの
種類
のものは、これは一般の文官
懲戒
令にある。これを適用されるわけであります。ただそのやり方は普通の文官の
懲戒委員会
の議決を経るのではなくて、
一級
の者は
裁判所職員
高等
懲戒委員会
というものを作りまして、その議を附して
最高裁判所
の
申出
によ
つて
内閣
が
免官
をやる。二級の者については、今度高等
懲戒委員会
の議決によ
つて
最高裁判所
が自ら
免官
を行う。三級官以下の者につきましては普通
懲戒委員会
を設けて、その議決によ
つて
おのおのその長でこれを行うということにいたしたわけであります。これは十四條の一項は
懲戒
による
免官
の場合でありますが、二項は
懲戒
による
減俸
の場合、これは
一級
及び二級のものについては、高等
懲戒委員会
の議決によ
つて
最高裁判所
がこれを行うのであります。
免官
の方は
一級
のものは
内閣
が行うのでありますが、
減俸
は
最高裁判所
が行う、三級のものについては普通
懲戒委員会
の議決によ
つて
各その長で行うということにいたしたのであります。次は
譴責
でありますが、これは
最高裁判所
の定むる所によ
つて
各長がこれを行う。これは大体文官の
懲戒
の執行のやり方がこうい
つたよう
な形式段階を踐んでおるのであります。それに倣
つた
わけであります。その高等
懲戒委員会
、或いは普通
懲戒委員会
に関する
規定
は
最高裁判所
がこれを決めるということといたしたのであります。尚
執行吏
、いわゆる前の執達吏でありますが、これは
裁判所
の
職員
ではありますが、純然たる
官吏
ではありませんので、特にその点についてこれは
執達吏懲戒令
というのが別にありましたが、それを廃めて、要するに、
最高裁判所
で定むることにして、おのおの各
地方裁判所
がこれを行うということにいたしたわけであります。
最後
に第十四條に、今までの
規定
は、すべて
懲戒
の場合の
規定
でありますが、
懲戒
以外にいわゆる
心身
の
故障
のために
職務
が執れなか
つたよう
な場合についての
規定
を
最後
に掲げて、これはやはり第一項の
手続
によ
つて
内閣
或いは
最高裁判所
或いは各その長が行い、おのおの
委員会
の議決を附して行うということにいたしたのでありまして、これは
官吏分限令
第三條第一項第一号に該当する
規定
をここに持
つて
來たわけであります。これによりまして
裁判官
の
彈劾法
、それから
裁判官
その他の
職員
の
分限
に関する
法律
とによ
つて
彈劾及び
懲戒
の
手続
が全部網羅されておるわけであります。簡單でありますが………。
伊藤修
11
○
委員長
(
伊藤修
君)
只今
の御
説明
に対する御
質疑
がありましたらどうぞ。
鬼丸義齊
12
○鬼丸義齊君 第一に伺いたいと思いまするのは、この彈劾
裁判所法
はいつ頃できますか。段々項目を分けて伺いたいと思います。それから
從來裁判官
に対する彈劾
事件
というような先例があ
つた
でありましようか、それも一つ伺いたいと思います。この
規定
によりますると、
裁判官
みずからは陳述をすることができるようにな
つて
おりますが、この
裁判
は弁護人を附することができないのでありましようか。次は
管轄
の問題でありまするが、申立の
裁判所
が
管轄
をするということであれば大体よかろうと思いまするけれども、却
つて
その所属以外の
裁判所
の方で以て
裁判
することの方が公正に行きはしないかと思います、その点はどうか。
從來
私共
裁判所
に対しまする
裁判
について遺憾に思
つて
おりまするのは、忌避の申立
規定
がありまするが、忌避の申立
事件
は年に数百件としてあるに拘わらず、
裁判所
始ま
つて
以來未だ曾
つて
一遍も忌避の申立の立
つた
という前例がないということに聞いております。そういうようなことでなく、今度は本当に
裁判官
の方もやはり
憲法
の
趣旨
に則りまして、明朗に、極めて公正に一般からの批判を受けるというふうに撤するといたしましたならば、ただ
監督権
を持
つて
おりまする者、弁護士などからも直接申立が……そのまま起訴になるのでなくとも、所属長官に対して
懲戒
の
申出
でをなさしめるようなことが許されまするならば、一段と明朗になりはしないかと思うのであります。そうして
裁判所法
にありまする四十九條の
職務
上の
義務
違反
でありまするが、これは消極的の
義務
違反
の場合もありましようし、或いは消極的の
義務
違反
の場合もあると思いまするが、事実の問題としましては、
裁判官
の扱いの上におきまして、
刑事訴訟法
に
違反
する体の取扱いをいたしておりますようなふうな事例は乏しくないのであります。そうしたような場合にやはり
職務
上の
義務
違反
として
懲戒
の
事項
に当るかどうか、これを一つ伺わして頂きたいと思います。以上であります。
奧野健一
13
○
政府委員
(
奧野健一
君) 先ず第一点の
裁判官彈劾
法案
はどういうことにな
つて
おるかというお話でありますが、これは実は一應司法省におきまして大体の成案を得てお
つたの
であります。ところがその後新
内閣
になりましてから、むしろこれは
國会
の
提出
法案
にしてはどうかということになりまして、その案をそのまま
國会
の方へ引継ぎまして、衆議院におきましてそれは議院運営
委員会
が主にな
つて
草案を作り、それを司法
委員会
と合同で大体成案を得まして、
只今
関係
方面と折衝中であるようでありますから、近くこれは成立するものと考えとおります。 それから次に
懲戒
の事例でありますが、これは相当件数があります。まあ正確に何件あ
つた
かということは、記録が戰災で燒けましたので、明確には申上げられませんが、相当これは
懲戒事件
はあ
つた
わけでありまして、特別に
從來
は
懲戒裁判
所というものを拵えてや
つて
お
つたの
でありまして、この
事件
は相当あり、今後もやはり
懲戒事件
は相当あるのではないかというふうに考えております。 それから次に
管轄
の問題でありますが、これにつきましては、五條、六條におきまして、要するにそういう非行を行
つた
行爲
のときにどこにお
つた
かということによ
つて
決めないで、いよいよその
事件
が起きたときに、その
裁判所
の所属しておるところを標準として、その
地方裁判所
であれば
高等裁判所
というふうに決めるわけであります。
大阪
の
地方裁判所
がら
東京
の
地方裁判所
に轉任した場合に、
大阪
の
裁判所
当時における非行について、
東京
地方裁判所
に轉任後
事件
に
なつ
たという場合には
東京
の
地方裁判所
を標準にして結局
東京
高等裁判所
が
懲戒事件
を行う、
大阪
高等裁判所
が行うのではないというのが五條でありまして、これはやはり結局
地方裁判所
判事
であれば、
高等裁判所
がやることにな
つて
お
つて
、
自分
のところで
自分
の手でやるのではないわけであります。ただ
最高裁判所
だけにつきましては、これは
自分
の手で
自分
のところの所属の
裁判官
を
自分
の手で
裁判
することになる。これは
從來
ともそういうことにな
つて
、これは止むを得ないことになりますが、その他の点ではその所属の
裁判所
以外の結局
裁判所
がやることになりますので、御懸念の点は先ずなかろうかと考えるわけであります。 次に例えば弁護士のような職業をも
つて
いる人に、起訴権ではないけれども、何か申立を認めるというようなことにしてはどうかという御
意見
でありますが、これは申立は
監督権
を行う
裁判所
の申立によ
つて
始まりますが、それを促すために弁護士会等でいろいろな事実をその
裁判所
に申達されることは、これは毫も差支えのない、いわゆる職権の発動を促す動機を作ることは、これはやることができるものだというふうに考えております。 尚次に
裁判官
が当該
裁判官
に陳述の
機会
を與えておるが、この場合に弁護人を選定して弁護権を行わしめることができないか、これは恐らく
最高裁判所
の作るルールによ
つて
、いわゆる第十
一條
の定むるルールによ
つて
、そういう弁護士の選定、弁護権を行使せしむるということができるつもりであります。大体以上お答えいたします。
鬼丸義齊
14
○鬼丸義齊君 先程伺いました弁護士からそうした
懲戒事項
の申告をするという場合に、勿論申立を促すべきことはこれは自由でありまして、敢えて法の命ずるまでもないと思います。法文でも
つて
そいつを命じて
申出
でをすることができるということにいたしますれば、自然明朗になりはしないかと思います。要らぬおせつかいだということではなく、弁護士会もやはりそうした
裁判
手続
の公正に行われますることを野にあ
つて
それを監視し、監視しておるというと語弊がありますが、相共に携えて司法権の活動のために寄與するということでありまするならば、そうした非行のあります場合に、それを申立権限者に対して申告を申し出でることができるというようなことを明文の上において現わしておいたらどうかと思いますが、その点どうでありますか。 尚弁護人を附するということは、これはやはり弁護士の
懲戒
法にもございまして、これは当然やはり
最高裁判所
の別個の
規定
によ
つて
そうした
裁判
手続
の方がができるわけでありますか、それを伺
つて
置きます。
奧野健一
15
○
政府委員
(
奧野健一
君) 弁護士を付けることはこれは
最高裁判所
の定めるところに委してしもう、多分そういうことになると信じております。それから弁護士会が明文をも
つて
そういう
懲戒事項
の申告をせしめてはどうか、というお考えは御尤もでありますが、大体今度は廣く
最高裁判所
の
裁判官
は
國民審査
に付され、又彈劾されることにもなり、すべての
裁判官
もやはり議会の彈劾
裁判所
において彈劾される。而もそれは
衆議院議員
をも
つて
組織される訴追
委員会
というものの訴追を待
つて
、彈劾
裁判所
は衆議院と参議院雙方の同数の議員によ
つて
構成される彈劾
裁判所
が
裁判官
を、場合によ
つて
は、これを
罷免
するという
手続
にな
つて
おりますので、非常に
罷免
という殆ど死刑に該当するような
事柄
について、全くこれは
國民
の代表の方々の批判をそのまま受けておるのでありまして、それ以外のことはもう実は余り大したことはない。むしろ内部で叱りおいたり、或いは
戒告
、或いは
過料
というような、むしろ内部自身の自主的な
内部規律
で、これを監督して行くというのがむしろ適当ではなかろうかと思いまして、特にまあ外部、とい
つて
は多少語弊がありますが、
監督権
者以外の者に、或いは檢察官或いは弁護士会というようなものに、そうい
つたよう
に法文上そういう申立をする権限を與えるということも余りどうであろうか、むしろ彈劾ということによ
つて
廣く
國民
一般或いは
國民
の代表たる
國会
の訴追を受け、
國会
の
裁判
に服するということで今度の新らしい
憲法
下における
裁判官
の監視ということは、十分や
つて
行けるのではないかという考からこの
懲戒
とはややそういう
意味
で軽く……軽くとい
つて
は語弊がありますが、内部的に自主的に、自治的にこれをみずから粛正して行くという方向に行きましたので、その点を明らかに明文をも
つて
いたすことを差控えたわけであります。さよう御了承
願い
ます。
鬼丸義齊
16
○鬼丸義齊君 先程伺いましたこの
彈劾法
案が司法省案から
國会
の方で以て定めるということで、議会運営
委員会
なり、或いは司法
委員会
はすべてこの衆議院の方でやるというふうに聞いております。その当時司法省の方として
提案
者の問題についてやはり協議に與
つた
ことがあるのでありますか、衆議院だけで以て
提案
者になるというふうな
趣旨
にな
つたの
でありますか、どんなものでありますか。
奧野健一
17
○
政府委員
(
奧野健一
君) その点は
内閣
の
最高
方針でありまして、
自分
としてそれ程その点については
意見
を求められたというようなことはなか
つたの
です。
齋武雄
18
○
齋武雄
君 先程の御
説明
では第
二條
に「
裁判官
の
懲戒
は、
戒告
又は一万円以下の
過料
とする。」こういうのは
譴責
という
意味
と同じで
漢字制限
の結果、
戒告
という
文字
を使
つた
という御
説明
でございましたが、
裁判官
以外の
裁判所職員
の
懲戒
というものは五頁の二行目にありますが、「第1項に掲げる
職員
の
懲戒
による
譴責
」ということがありますが、
文字
が違
つて
おりますが、
裁判官
の場合は
戒告
、この場合は
譴責
という
文字
を使
つて
おりますが、何か
意味
があるのですか。
奧野健一
19
○
政府委員
(
奧野健一
君) 御尤なお尋ねでありますが、これは
裁判官
の方は新らしくこれで作るのでありますが、この
裁判官
以外の
裁判所職員
は実は一般
官吏
の
懲戒
令というものの適用があ
つて
、ただそういう場合に高等
懲戒委員会
或いは普通
懲戒委員会
の議を経て誰が事実上行うのかということについての特例を設けただけでありまして、文官の
官吏懲戒令
にはやはり
譴責
という言葉がありますので、これは止むを得ずその言葉を踏襲したので、
國会
職員等
につきましては、新らしく
規定
を設ける場合で、
戒告
というような言葉にな
つて
おるようであります。同じ
法律
でその点は不揃いでありまして、御指摘の
通り
甚だおかしいのでありますが、そういう
意味
で根本に文官
懲戒
令の適用があるのだという頭でそういう結果にな
つたの
であります。
齋武雄
20
○
齋武雄
君 それは了解いたしましたが、そうすると
戒告
と
譴責
というのは同一意義に解して差支ありませんか
奧野健一
21
○
政府委員
(
奧野健一
君) 同一意義に解してよいと考えております。
伊藤修
22
○
委員長
(
伊藤修
君) 他に
質疑
はありませんですか。ではこの
法案
に対するところの
質疑
はこの
程度
で打切りまして、余は他日に讓りたいと思います。 次は
裁判所予備金
に関する
法律案
。この
法案
に対する
内容
の御
説明
を
政府委員
にお
願い
いたします。
奧野健一
23
○
政府委員
(
奧野健一
君) これは非常に簡單な
規定
でありまして、もうすでに
提案理由
の
説明
で盡きておるかと思いますが、
國会
の
予備金
について
昭和
二十二年
法律
第八十二号で大体これと同じ
内容
の
規定
を設けられております。勿論これは
國会
の場合におきましては、議院運営
委員会
の
委員長
が次の常会の
開会
の初めにおいてその委員に報告して承諾を求めなければならないというような点だけが、これは
最高裁判所
の
裁判官会議
の承認を経なければならないというふうに改めた外、勿論管理者が
國会
の場合はその院の
議長
が
予備金
を管理することに対して、
裁判所
の
予備金
でありますから、
最高裁判所
が管理するということにいたし、その支出については
最高裁判所
の
裁判官会議
の承認を経なければならんということ、丁度それは
國会
についてはその院の議院運営
委員会
の承認を経なければならんというのと同じにいたしたのでありまして、これは
裁判所法
に
國会法
三十
二條
と同樣な
規定
、即ち第八十三條というのがありまして、「
裁判所
の
経費
は、
独立
して、國の
予算
にこれを計上しなければならない。前項の
経費
中には、
予備金
を設けることを要する。」ということ、これは
國会法
の三十
二條
と全然同樣な
規定
でありまして、その
國会
予備金
に関する
法律案
と同樣な
法律案
を
裁判所予備金
に関する
法律案
として出したのでありまして、これは大体第
一條
はその
予備金
は誰が管理するかということを
規定
し、これは当然のことではありますが、
最高裁判所長官
がこれを管理すること、それからこれを支出した場合には事後に、或いは事前に適宜に
最高裁判所
の
裁判官会議
の承認を経なければならないという、一種の監督的なことを
規定
いたしたのであります。これはむしろこういう
規定
を置く必要もないではないかという考えもいたすのでありますが、まあ
國会
の
予備金
について
規定
を設けて、
裁判所
の
予備金
について
規定
を設けないというのもいかがかと考えられますし、又
予備金
は
最高裁判所
が管理するということを明らかにして置かないと、或いは
大藏大臣
の管理ではないかという疑問もありますので、これを明らかにしたのであります。尚同時にこの財政法に、或いは
憲法
に、いわゆる
予算
の予備費と國の全体の國の予備費との
関係
を明らかにする必要もあり、これは
予備金
と予備費とは違うので、
予備金
といいますと、
裁判所
なり或いは
國会
なりの
独立
の
予算
の中に計上された
予備金
でありまして、この支出はやはり予備費と大体同じように不測の
経費
にこれを使用するために、
予備金
として取
つて
おるのでありますが、これは
裁判所
の
予算
の中に計上されて、國の予備費とは別個なものであるということを明らかにいたしたというのがこの
法律
の骨子でございます。
伊藤修
24
○
委員長
(
伊藤修
君) この
法案
に対するところの御
質疑
はありませんか。ではこの
法案
に対するところの
質疑
をこの
程度
に止めて、余は他日に讓りたいと思います。実は本日
関係
方面で三時に面会することにな
つて
おりますから、若し継続願えますならば、松井さんに代理して頂いて、
皇族
の
身分
を離れた者及び
皇族
とな
つた者
の
戸籍
に関する
法律
について御
説明
願
つた
らいかがかと思いますが、松井さんお
願い
いたします。
松井道夫
25
○理事(松井道夫君) それでは引続きまして、「
皇族
の
身分
を離れた者及び
皇族
とな
つた者
の
戸籍
に関する
法律案
」の、逐條の
説明
を
政府委員
に伺うことにいたします。
奧野健一
26
○
政府委員
(
奧野健一
君) これは大体
提案理由
の
説明
で盡きておるかと考えますが、結局
憲法
の施行に伴いまして旧皇室典範及び
皇族
親族令、及び
皇族
身位令というものが廃止になり、それと同時に
皇族
から臣下に入る場合に、いわゆる華族に列する者の
戸籍
に関する
法律
というのも廃止されて参
つたの
でありますが、而して今度の皇室典範の第二章によりまして
皇族
が臣籍に降下される場合、及び臣籍から
皇族
に列する場合の
戸籍
の取扱とい
つたよう
なことが問題にな
つて
参るので、いわゆる
皇族
につきましては御
承知
のように
戸籍
法の適用を受けないのでありまして、皇統譜という
戸籍
に代わる皇統譜に登録されております。從
つて
臣籍に御降下になりますと、
戸籍
を新らしく作り、
戸籍
法の適用を受ける必要が生じて参る。現在その橋渡しになる
規定
がありませんので、この
規定
によ
つて
臣籍における
戸籍
を作
つて
、その後は一般
戸籍
法の適用を受けるという、いわゆる
皇族
から
身分
を離れて臣籍に御降下になる、受入態勢を定める必要があるので、この
法律
を制定いたしたのであります。勿論
戸籍
法全体が新民法に伴いまして変えて行かなければならないのでありますが、
皇族
のこの度の御降下は大体今年中に御降下になることに承
つて
おります。で
戸籍
法の
改正
は來年度から
改正
するつもりでありますので、一應現在の
戸籍
法で受入態勢を決めるという
建前
でこの
法律
はできておるのであります。即ち先ず第
一條
につきましてはこれは皇室典範の十
一條
によりますと、「年齡十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室
会議
の議により、
皇族
の
身分
を離れる。」ということにな
つて
おりますので、
皇族
の
身分
を離れて臣籍に御降下になるわけであります。その場合に入るべき
戸籍
を新らしく
編成
する必要がありますので、第
一條
によ
つて
そういう方々につきましては新
戸籍
を
編成
するということを
規定
いたしたのであります。 ところで第二項は皇室典範第十三條によりまして
皇族
の
身分
を離れる親王又は王の妃並びに直系卑属及びその妃は同時に
皇族
の
身分
を離れられる。いわゆる親王又は王の妃及びその直系卑属及びその妃は親王及び王と同時に
皇族
の
身分
を離れられるということになりますと、親王及び王が第十
一條
の
規定
によ
つて
臣籍に降下され、新
戸籍
を
編成
した場合に、その妃及びその直系卑属及びその妃はやはりその前項の新
戸籍
の中に入
つて
戸籍
簿に登録するということにいたしたのが第
一條
第二項であります。 而して第
二條
は皇室典範第十四條第一項乃至第三項、即ち
皇族
以外の女子、いわゆる臣籍にお
つた
女子で、それが親王の妃或いは王の妃とな
つて
皇族
に列せられてお
つた者
が、その後親王、或いは王、即ちその夫を失
つた
時はいわゆる元の
皇族
の
身分
を離れることができる
規定
であります。そういう場合に又元の
戸籍
に帰るという
事柄
。その外に第十四條の第三項では、それらの
皇族
以外の女子で、
皇族
に列した者が離婚によ
つて
皇族
の
身分
を離れていわゆる離婚復籍ということに該当するような場合であるとか、或いは又十四條に列挙しておるような場合に、臣籍にお戻りになる、それから婚姻前にあ
つた
戸籍
に入る。丁度この場合は離婚によ
つて
離婚前の
戸籍
に復籍するのと同じ考えであります。その場合に、若し入るべき
戸籍
がすでに全部除かれて除籍にな
つて
お
つた
場合には、第
二條
の第三項で新たに
戸籍
を編製するというのが第
二條
の第三項であります。第
二條
の第二項は「皇室典範第十四條第四項の
規定
により
皇族
の
身分
を離れた者は、その直系尊属につき第
一條
第一項の
規定
により編製した
戸籍
に入る。」これは皇室典範の第十四條の第四項で「第一項及び前項の
規定
は、前條の他の
皇族
と婚姻した女子に、これを準用する。」ということにな
つて
お
つて
、前條、即ち第十三條では大体親王、或いは王が
皇族
の
身分
を離れられると、その妃、或いはその直系卑属、及びその妃という者は随伴して、やはり伴
つて
臣籍に降下されることにな
つて
おりますが、ただ例外として、他の
皇族
と婚姻した女子及びその直系卑属を除くということにな
つて
おりますから、本來は
自分
の親であります親王或いは親王妃と共に臣籍に降下されるべき者であるのであるが、もうすでに他の
皇族
と婚姻しておられました
関係
上、やはり
皇族
に留ま
つて
おられたという場合に、その後その夫を失
つた
場合とか、或いは離婚したような場合にはやはり臣籍に帰るのでありますが、その場合にすでに先程申しましたように
戸籍
があるわけでありますから、その
戸籍
へ入るというのが第
二條
の第二項であります。 それから第三條は皇室典範十
二條
で、「
皇族
女子は、天皇及び
皇族
以外の者と婚姻したときは、
皇族
の
身分
を離れる。」いわゆる臣下と御婚姻した者は
皇族
の
身分
を離れてその
戸籍
法の適用を受けることになるのでありますが、それが今度離婚されるという場合に又
皇族
に逆戻りされるのではなくして、その場合はやり臣籍に降下されたままで、今度は復籍すべき籍がありませんので、その場合には新
戸籍
をその離婚された方について作る。ただ先程申しましたようにその直系尊族にもうすでに臣籍に降下されて
戸籍
を作られてある場合は、その既に作られた
戸籍
の中に入るということに、まだそのそういう尊族が臣籍に降下されて新らしく
戸籍
を作られていない場合には、離婚に
なつ
た、その曾て
皇族
であ
つた
女の方について新
戸籍
を編製するというのが第三條の
規定
であります。 それから第四條は、これは当然なことでありますが、
皇族
以外の女子が皇后となり又は
皇族
男子と婚姻したときは、
皇族
に列するわけでありますから、その方の
戸籍
を除くというのであります。 第五條、六條、七條は、これはただ新
戸籍
を編製する場合、或いは
戸籍
に入る場合、或いは
戸籍
から除かれる場合の各條に述べた
戸籍
の変動についての屆出、並びにそれに添附すべき書類、屆出の期間というようなものをここに
規定
いたしたわけであります。
松井道夫
27
○理事(松井道夫君) 御
質疑
がありましたら。
來馬琢道
28
○來馬琢道君 少し傍系の
質問
になりますが、はつきりしないからここでお伺いいたしますが、王族の問題をどういう
方法
によ
つて
示されておるのですか。王族御自身だけならば本件と
関係
がないわけでありますけれども、そこに嫁しておいでになります
皇族
があられます。例えば李王世子殿下に梨本宮の女王が行
つて
いらつしやるという場合には、この際どんなものでありましようか。
松井道夫
29
○理事(松井道夫君) 速記を止めて。
松井道夫
30
○理事(松井道夫君) 引続いて速記を始めます。別に御
質疑
はございませんか。
齋武雄
31
○
齋武雄
君 ありません。
松村眞一郎
32
○松村眞一郎君 なんですか。
松井道夫
33
○理事(松井道夫君)
皇族
の
身分
を離れた者及び
皇族
とな
つた者
の
戸籍
に関する
法律案
、今
説明
を願
つたの
です。
小川友三
34
○小川友三君 あります。
松井道夫
35
○理事(松井道夫君) それじや今日はこの
程度
にいたして置きましよう。次会は明日の午前十時から
罹災都市借地借家臨時処理法
の一部を
改正
する
法律案
について
質疑
に移ります。本日はこれで散会といたします。 午後二時四十七分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
伊藤 修君 理事 鈴木 安孝君 松井 道夫君 委員 大野 幸一君 齋 武雄君 奧 主一郎君 池田七郎兵衞君 鬼丸 義齊君 鈴木 順一君 岡野 常君 小川 友三君 來馬 琢道君 松村眞一郎君 山下 義信君 阿竹齊次郎君
國務大臣
司 法 大 臣 鈴木 義男君
政府委員
司法事務官 (民事局長) 奧野 健一君