○星一君 これから年末までには二千億にも達するというようなことを言われております。そのまま放
つて置いたならば來年の春になると二千五百億にもなるかも知れません。先程同僚から言われたように大きな
行政整理といわないまでも
行政の合理化を行う外ないと思います。今官吏は余りに多い、終戰当時よりも三倍にも殖えておるというのです。丁度敗戰によ
つて日本は破産したと同じだ、破産した時よりも使用人が三倍も殖えるということはこれはあり得ベきことでない、これは破産の方から
説明したら丁度いいと思う。戰爭中何も戰爭に
関係しない人間も強制割にして財産の九割も取られるという強制割をや
つております。この強制割をや
つておる最中に、又こんなに官吏を多くしてそうして
赤字を出して行
つたならば、今度は本当の第二の破産が來ると思います。だからこの際官吏を三分の一に減らしたらいいと思う。減らして合理化して
財政の
赤字を出さなくして、それで
産業も助けて行くというようにしたらいいと思う。
政府は官吏を多くして税を高くして一ぱいにしておる。そうして
日本銀行の紙幣をプリントして出しておるということでは、そういう虚偽のことではこの
赤字も闇も直らないと思う。一体闇はどこから來たかというと、
赤字から來たのと同じだ、
赤字と闇と一体だということを知り、我々は破産をしながら
政府ばかりでなく
國民全体強制割をしておる。これでは第二の破産は切り拔けられないと思う。だから紙幣を減らすという
審議会ならばいいが、
発行審議会なんというのでは
國民が満足しないと思う。だからこれを
発行審議会といわないで、
通貨審議会として、これから
通貨を縮少して行くなら分るが、この
発行審議会では世の中の闇が殖えて來るような氣がしてなりません。だから
政府は官吏の今理化を行な
つて三分の一に減らし、
赤字を出さないということにしたらいいと思います。それなら今合理化をするのに金がどこにあるかというと、今度作
つた予算、
予算以外に新らたに金を作らないでも私は官吏の合理化はできると思います。合理化をして今の
予算より金を余すことができる。そうして余した金を
産業に向けて行くことができると思います。例えば三分の一に残します。そうして残
つた官吏に月給を上げてやります。そうして朝早くから出て來て四時半までは働いて、
國民に
努力を示すように働いて貰います。而も月給はうんと上げてやります。あと三分の二を
整理します。合理化します。その合理化した人には休職手当とか、それから失業手当を與えます。その休職手当、失業手当は、今與えておる月給よりも少くて済みます。これを現前の日本の財界が健康になるまでは與えて置きますから、二年三年も失業手当 休職手当を與えます。そうして生活の安定を保障してやることにして、先ず官界から、
政府からその合理化を示さんと健全にはなりません。
健全財政はできません。又
産業界も健全に復興することはできません。
政府はそういう意向はありますか。官吏を三分の一に減らす、残
つた人に月給を上げていわゆる勤労者を保護するという
意味です、私の合理化というのは……。あとの人は一時失業者にな
つて貰つて、そうして我慢をするということにしなければ、こういう
法律を
作つても実行できません。例えば勧業銀行は農業を保護する銀行であ
つた。然るにあれは富籖ばかりや
つておる。そうして富籖で取
つて來た金をどこへやるかというと、官吏の月給にする。その官吏の月給が又市場にばら撤かれるからどこまでも闇は続く。こう農民は言
つておりますから、勧業銀行の富籖で集
つた金を焼き捨てるならばいいのです。今日そういう紙幣を焼き捨ててまでも
整理して行くのでなければ、決して
健全財政にもなりつこないと私は思います。
政府はそれについてどうお思いになりますか、お伺いしたいと思います。