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一松政二君 今この
特別会計の五十億円で足りなくて、
あと五十億円を増して、而もその五十億円は十月一ぱいで殆どなくなる。こういう
大金なのであります。それで今当局の
説明を聽きまするというと、單に
支拂が百二十四億である。賣上げが七十三億幾ら、そうしてそれらの恐らく主たる
原因を
食料品の
損失に帰しておる。その積りじやないのか知りません。聞いた私に
はさように考えられるのであります。私は
かくのごとき雜駁な、殆ど雲を掴むような
数字の
説明だけでは全然納得が行かないのであります。
苟くも國庫から五十億だ。百億だという金を何億円
單位、或いは関十億円
單位の荒つぽい
計算を示しただけで、この五十億の金を更にこの
方面に注ぎ込まなければならんのに、議院としてこれを協賛して貰いたいという
お話でありまするが、本員は遺憾ながらさような杜撰な
計算と、そうしてその
使塗のはつきりしない。そうして巨細な、いわゆる詳細に亙る
説明のない間は、私はこれに直ちに協賛し得る態勢になり得ないのであります。私は先ず
永井さんに
伺つてみたいと思うことは、大体においてこれまでの
輸入代金は、大体においてこれによると、既に
輸入超過三億
ドルに垂んとしておる。いつか
政府もなんか一億八千万、昨年度においてあるし、今年度においても約一億
ドル近いものがある。而もこれは別途の
計算に
なつておる筈であります。
食料品もこういう
輸入超過を……今の
説明によると
輸入超過もこの中の
計算に加わ
つておるように一部聞えたのでありますが、それでは非常に話がこんがらかる。
苟くも貿易資金を百億円使う。これを
貿易資金に
使つて、そうしてこれを円滑にそうして
業者に不
満足のないようにや
つて行こうという、その
根本趣旨において、なにも私は異存があるのではない。殊に今日
業者は
資金の不円滑ということをもう殆どこれを挙げて嘆せざるはないのであります。殆ど嘆息しておる。
かくのごとくしては
輸出産業の振興もなければ、或いは
輸出貿易の前途も
危いものだと
言つて皆憂えておる。憂えておるその
根本に資材の点もありまするが、
資金が甚だ重要な役目をなしておる。而も私はこれが若し
民間の銀行かなんかの
貿易資金を決済する機関であるならば、五十億である。百億であるという
資金を
運用すれば、そう
業者に迷惑を掛けないでや
つて行く
方法が私は必ずある。
民間業者なら必ずある筈だと思うのであります。それ程の
大金を消費しながら、それに対する
説明が、勿論後程私も要求しておるのでありまするから、なされるとは思いまするが、
法案を
提出するときに、なゼそれだけの用意を以てこの
委員会に臨んでいないかという、私は
政府の怠慢を責めたいのであります。(「
賛成」と呼ぶ者あり)そういう態度で一体議会に臨むとは何事であるかと私は言いたいのであります。五十億、百億という金を如何に使途をし、それが如何に回收され、そうしてそれが
欠損が幾らある。
手持ちが幾らある。又
輸出の金は
拂つてあるけれども、
輸出て得ずに國内にどけだけ滯貨がある。或いはアメリカへ持
つて行つた生糸がどけだけ賣れないでいる。或いは更に今度は品物を
政府は
業者からすでに納められておるけれども、それに対する未
支拂い、
政府が
支拂わなければならん義務があるけれども、それに対してこれこれの
金額が滯
つておるという詳細な
説明を以てこの
委員会に臨むに非ずんば、
審議する氣持に私はなれないのであります。私はそれまでこの
審議を一應中止して頂きたいと思うのであります。その
数字が來ん限り、我々は審査する
根本の観念を養うことができないのであります。
〔「
賛成」「同感」と呼ぶ者あり〕