○一松政二君 では私は各大臣に對する
質問は留保いたして置きますが、今日は今
委員長の
お話のありました
範圍内において、ただ
簡單に一、二
質問だけをいたして置きたいのであります。私は
日本のこの貿易の問題につきまして、司令部の貿易課長と申しまするか、マグダモツト氏がアメリカにおいて語られておることをニユーヨーク・タイムスのウィークリーで見たのであります。その本人の曰くは、財閥の解體は、もう
日本の商品のコストを上げておると、本人が言
つておるのであります。殊にまあ
日本の財閥は、貿易を主として取扱
つてお
つた關係もありましようが、財閥の解體は、
日本の輸出商品のコストを上げて、それが
一つの
日本の商品の今後の負擔にな
つておるということを、マグダモツト氏がアメリカで演説されておるのであります。そういう
状態におきまして、更に財閥に關聯し、或いはそれ以下の
企業が……私はこれは解體と思います。再分割するということは、或る
意味における解體でありまするから、そうした擧句に
日本産業の被むる被害というものは、私は甚大なものがあると思うのであります。どうしてそれが民主的な
日本の
經濟を盛り立てて行く所以のものであるか、ということに對しては絶對に承服をしないのであります。いわんや基準やその他を見ますると、獨占的ということを離れて、ただ形が大きいからこれを分けるという、この間も私は問題にしましたように、鑛山
會社にしましても、何にしましても、ただ地域的に北海道にある、九州にある、故に北海道は北海道に、九州は九州に分けなければならんというのは、これは
法律の
目的を逸脱しております。九州の炭鑛が引合わないとか、北海道は引合うけれども、九州は引合わないとか、
一つ會社なら經營ができますけれども、これを二つに分けたら、一方の損失を繼續する方の
會社は成り立ちはしないのである。そういう例は恐らくこの
企業の
對象にな
つておるであろうと信ぜられる
方面に私は枚擧に遑がないと思うのであります。殊にこの
金融の面につきましては、これは殊に支那事變以前、昭和の不景氣頃から、各都道府縣にあるところの銀行は、
政府みずから合併を慫慂して、殆んど各都道府縣一銀行にするように慫慂して來てお
つて、
戰時中も尚且つそれが續いたのであろうと思います。殊に獨占禁止法
なり、
集中排除法案を見ますと、競爭させることのみを
目的としておるのです。
日本の今までの
經濟界におきまして、競爭の弊に堪え兼ねて、いろいろな
企業の聯合
なり合同が起
つて來とおる歴史は、これは
委員の皆さんは百も御承知の
通りなんです。今後の
日本の
經濟界が果してその競爭に堪えるか。これを抛
つておいても、私は
日本のこの小さな島の中でお互いがもう非常な私は競爭が起ると思うのです。これは抛
つておいても……。それに拍車をかけて競爭させることのみを、
一つの
企業の民主化であり、或いはこれが
日本經濟を健全にするという
考え方は、私はこれは甚だ誤
つておる
考え方であると思うのである。で獨占禁同法のためにいろいろな聯合會もできず、これも各種産業によ
つて非常に困
つておる。必ずやこの競爭によ
つて、
日本の
經濟は持ちこたえられなく
なり、不景氣になればなる程これは競爭は起るのである。目先の
日本の
經濟において、好景氣になるというように想像し得る人は一人もない筈である。血の出るような不景氣はずつと數年間私は繼續されるものと思うのであります。その間に尚更これを競爭を激しくし、解體を進めて行く
法律案を、我々は見通しもなく、これを進めてこの
法案を通すということは、少くとも私自身に關する限りは絶對にこれに賛成することはできないのであります。かくのごとく總括的な
法律案に對しましは、本員は絶對に反對いたします。
それではその資料を大體いつ頃までに、深さと幅の大體の見通し、或いは、例えば
紡績業なら
紡績業、
金融なら
金融、製鐵業なら製鐵業、各業種ごとに凡その標準がある筈と思うのであります。その資料の提出の見込は見當つきますか。その點について
ちよつて伺つて置きたい。更に
笹山委員長に對してお伺いいたします。