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中平常太郎君 昨日の
合同打合會におきまして私は一言觸れたのでありますが、その議に
感謝という
言葉……その
感謝の氣用がとかく中央の
マツカーサー司令部の本部にのみ集まるということでは、本當の意味において世論の換起にもならないと思うのであります。これはやはり各縣に
進駐軍が駐屯しておるのでありますから、歸られたところの當人からは、実はこれは
受入態勢のところで
援護院の方で十分注意してもらいたいと思うのであります。
函館においても、無鶴においてもでありますが、
禮状というものは、これはえらい目に
會つたから
禮状を出す必要はないということを言うでありましようが、
儀禮といたしましてもやはりその都市々々の
進駐軍の方へ御世話に
なつた、大體船のお世話にな
つておりますから、そういうような
禮状を出すように
歸還者に
指示を與えるということ、そういうことは集ま
つておるところでうまくや
つて頂きませんと、ばらばらに
なつたら、ありのままを言いますと
禮状を出す人はほとんどなか
つたらうと思ふ。これは一人の
禮状でも
進駐軍は大變に喜ぶのです。だから二千人
歸つた場合に假に二千人の人がそれぞれのところにおきまして五十、百というふうに
進駐軍の方へ
禮状が參りますれば、どこでも悉く
マツカーサーの方へ正當な報告が參りまして、これが
群衆心理となりまして、
マツカーサーの方では又々尚深い同情を持
つて載けることになろうと思いますから、歸られた
人々からは
一つの
儀禮でもありますし、又本當にその禮でもありますから
禮状はその土地々々の
進駐軍に葉書でよろしいから出すようにといふ
指示は
援護局の方で
適當な
機會に皆に通じるようにして頂きたいと思う。それは
函館へ行かれる
人々によ
つて一つ注意を
援護院の方で與えて頂きたいと思います。どうぞ。