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説明員(神谷秀夫君)
只今の御
質問御
意見に対してお答え申し上げます。
麻藥の需給状況を掴むということは、これは我々の
仕事の窮極の、最後の、もうなんと申しますか、重要な点であ
つて、突きつめて参りまして、ここを押えたいというのでございまして、実はここにもお
手許に配付してございまするが、各月どのくらいの
麻藥が使われたかという消費状況の調べも出してございます。併しながらこれが直ちに
麻藥に関する需要を示すものであるというわけに参りませんのであります。相当にまだ手持はございます。或いは又或病院等では非常に手持がかすれており、いろいろできるだけ使用者の手持を平均的に均らして参る。こういう
積りで今までや
つて参
つておりますがまだなんと申しましても、新らしい規則を施行しました後、手持の多い少いがあるのでございます。そのために使用状況が的確に出て参りません。そこでどれだけ年間需要があるかということを推測することは、今後この生産計画を立てます上に、又必要とあれば輸入計画を立てます上に、非常に我々としても掴まなければならない大事な点でございます。併し今申しますように何分にも、大体平均的に、そこに
御覧になりますように出ておりますが、まだまだ的確なことを申し上げることはできないのでございまして、大体この消費量として各月、月別に出しておる表によ
つて御推察願いたいと存ずるのでございます。それから生産はと申しますと、生産の方は終戰後「けし」の栽培、勿論コカ葉の栽培、それから一切の製造を
連合軍総司令官から禁止せられてお
つたのでございます。そこで消費者は一体なにを使
つてお
つたかと申しますと、それぞれの配給業者の
手許にありました
麻藥、及び病院、診療所、
取扱者の
手許にありました
麻藥、これを使
つて今まで凌いで來ておるのでございます。ところがその後
連合軍が旧陸海軍が持
つておりました
麻藥を全部押えまして、そうしてこれを一括して
日本政府に返還して参
つたのでございます。丁度昨年の今時分でございましたと思いますが、横浜及び神戸におきまして相当量の
麻藥を、これもここに
資料が出てございますが、
資料の中で、軍
麻藥と書いてあるのは、そのことを
意味しております。それを
日本に全部返して参りました。その他地方的の小さいものを押えましたものは、全國八ケ所に倉庫を設けまして、そこへ搬入いたさせまして、大体使用者の
手許における
麻藥が少くな
つて來ましたので、この
麻藥を
連合軍総司令官の承認を得まして、必要な量だけこれを一般に廻しております。まだ多少ものによりましては、相当量手持があるのでございます。又ものによ
つては非常にすでに品がすれしておるものもございます。ところが、生産は
只今まで一切許されておりません。マニュファクチャーということは許されておらないのであります。ところが先月の上旬にいたりまして、これも
連合軍総司令官から、
日本における大体
麻藥の取締も理想的に行
つたので、いよいよ生産しても宜しいという許可が参りました。それで実は先程申しました昨年
連合軍から
麻藥の返還を受けましたときにクルード・オピヤム等は返還がなか
つたのでございます、これは未だに
連合軍が持
つてお
つたのでございますが、いよいよ生産が許されるということに相成りますると、必要なクルード・オピヤムを恐らく近い將來において
政府に引渡しをされるのではないかというように考えております。大体その見込で以て生産ができますように、私の方としましても今その手順を進めつつあるのでございます。それから最後に統制官の人数がばかに少なくて、これで完璧を期し得るかという、非常に御同情のある御
意見でございましたけれども、私共といたしましては、この國費の多端な折柄、できるだけ少い人数で、限られた
費用で、而も万全の効果を挙げて行くというように考えて参りたいと思いまして、まあ一應
只今のところで二百名以内でなんとかや
つて行くという
積りでおるのでございます。