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政府委員(
岩沢忠恭君)
國土計画に関しましては、
從來から、戰爭中において企画院がありました
時代において、初めて日本の
國土計画をどうするかということが詮議、考究せられたのでありますが、その当時においては御存じの通りの廣域
國土計画と申しますか、要するに南洋とか、或いは又大陸というようなものもその対象にした
國土計画の線が進められて、一應具体的に纏つたように聞いてお
つたのでありますが、敗戰の今日におきましては、そういつたことは全然
計画の中に織り込むということは不可能なため、現在における日本の狹小な
國土で、而も八千万人になんなんとするこの入口を、どう配分するかということにつきまして、
國土局におきましては終戰直後、すぐそういう線に沿うてどう
國土計画を立てたらいいかというので、一應の素案は昨年一部発表はいたしましたけれども、まだ完璧にはな
つておりません、その途中におきまして、安本ができたために、その事業というものは一應は今安本に移
つておりますけれども、併しながら
建設院ができましたならば、やはりこの
國土計画の根本
方針を決めなければならないということには考えております。併しながらこの
國土計画の
根本計画は、今申上げた通りに非常に制約された現在においては、相当に苦しいのでありますが、苦しいが故にますますこれを
研究して、もつと日本の再建に寄與するということに、その考は当然持
つて行かなければならないと考えております。然らば
國土計画はどういうようなことをするかという大体の
内容は、我々今想定して、おるのは、勿論ただ單にこの建設事業を配分するとかいうのでは、
國土計画そのものは意義をなさないので、少くとも人口の適正配分とか、或いは農地の、適当な農地、或いは又山林、又は工業地域の制定とか、工業の分布、或いは又経済
方面に亘
つての貿易その他の点も全部織り込んで、綜合的な
計画を立てて初めて
國土計画の本当のものができ上るので、この
國土計画ができ上
つてから初めて我々は携る建設事業がその線に沿うて進んで、初めて無駄のない総ての
國費を使
つて、而も有効に行くべきものと考えておりますけれでも、現在においては非常にその確定までは
國土計画ができていないということだけは甚だ遺憾と存じまております。