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参事(
川上和吉君)
図書館の完成と申しましても、我々は
図書館というとすぐ建物を
考えるのですが、實は御
承知のように、
國会図書館法はもう出ておるわけですから、而も今年度から
図書館の
予算は一應あるのです。それですから、ここに館長が任命されて、
図書館員が置かれれば、それで
國会図書館はでき上るという
恰好になるわけです。建物を建てたり、中の書物を整備したりするのは、又おい
おいでいいのであ
つて、これは
さつき佐々木委員が
お話になりましたように、完成した形になるのはずつと先になるかも知れないが、併し又
図書館は、今までのいわゆる
図書館の観念ではなしに、本のある所が
図書館だという観念ではなくて、むしろ
議院のリフアレンス・
サービスをする所が
図書館だということから申しますと、今法律があるので、立派な館長ができて、館員が置かれて、もつと
拡充された
調査部の
機能がそこへ移るということになれば、実は今年度からでもできる
恰好になるのです。ですからその点はお
考え願つて、ただ実際問題として、
図書館の館長の選定ということはなかなか問題ですから、そこのところが甚だ問題なので、その点をお
考えにな
つて、
図書館運営委員会が現在御苦心にな
つておるところを進めて、両院の
議長が同意して、立派な
図書館長ができれば、それで
図書館はできるのですから、今の問題は、今年の追加
予算なり來年度の
予算なり出すというときには、かれこれ並行して
図書館の
予算もできるのですから、そこの点はどうお
考えになりますか、ただ私共としては、これはまあ
事務総長とも別に御相談をしておりませんし、ただここでの御審議の御参考に申上げますが、
調査機能を包括して行くといふ立派な
図書館長ができれば、むしろすぐにそれに行
つた方が、小
委員長の
お話のような、將來二段構えの煩わしさがなくな
つて、むしろその方がよろしいと、併しそれは理想は結構なんだが、具体的の問題としては
ちよつとむずかしいと、ですから、
図書館長ができて、本は揃わんでも、
図書館長の下に
機能が発揮されるようになればなんどきでもその
調査機能は移すことができるという前提の下に、取敢えずこういうような
恰好でや
つて頂くのが
一つの
恰好じやないか。ただその際にはつきり將來の
図書館の
関係とも睨み合わせて
考えて行
つたらどうか、こういうような感じがするのであります。
それからもう
一つ、
さつきから出ておりまする御
意見について我々の見方を御参考に申上げて置きますが、そういう
調査機能が充実されますると、これは今のいわゆる
事務局とは性質の違うものでありますから、
事務局と別個の問題として行くべきだということ、これはもうその
通りだと思うのであります。ただ実際問題として、今すぐに離れるようなことになりまするというと、実際の
仕事の上にいろいろ不便が出て参るので、先程來御
意見が出ておりますように、
現状の
機能を
拡充、拡張するようなことにして、それが多少充実されたときに、これを離して行くなり、或いは又両院
一緒にした充実した
機能を置いて行くなり、というようなことにお進め願
つた方が実際に即するのではなかろうかというような感じがするのであります。
それからもう
一つ、
調査部と
法制部との
関係の問題でありますが、これは御指摘の
通りに、密接な
関聯を持
つて行かなければならん。これも理窟は
一つのものであるべきだということも
考えられるのですが、これは將來は
図書館長の下に、アメリカなんかは立法の
資料を提供するのも
図書館長の下での一部の部局にな
つておるのですが、これは又
図書館長の人選の問題とも
関聯をいたしまするので、その
図書館長の人選
いかん、又その人の配置によ
つては、この
調査部の
仕事と
法制部の
仕事は、私は全体の
調査機構の中の
法制技術も担当すべき分野だと思うのでありますが、そういう点から
図書館長の中にうまく入り込むかどうだろうかという点もお
考え願つて、密接に
関聯を持
つて行かなければなりませんが、端的に
一つや
つてよいかどうかという点は、これは余程まだ御
研究の余地があるのではないかという感じがいたしますが、これも御参考に申上げて置きます。